12月10日(水)、「吉本新喜劇 石田靖座長公演 ルミネthe石田笑店 〜西も東もあらしまへん〜」公演開催! 石田靖インタビュー
吉本新喜劇座長・石田靖が毎年年末になんばグランド花月で行なっている恒例の吉本新喜劇イベント「石田笑店」が今年は12月10日(水)、ルミネtheよしもとに登場! 東京と大阪の新喜劇メンバーが入り混じっての新喜劇公演をお届けします。石田靖51歳の誕生日でもあるこの日は、昼公演のSPコメディも石田座長による新喜劇が行われるという、まさに"石田靖座長day"とも言えるこの日の公演の見どころや意気込みについて、石田座長にじっくりと聞いてきました!
ーー「石田笑店」はいつから始められたんですか?
結婚した年(2009年)から始めたんで、今年で8年目ですね。
ーー今まではNGKで公演されていて、今回ルミネでは初公演ですが、今年はルミネtheよしもとで公演しようと思ったのはなぜですか?
単純にNGKが取れなかったというのもあるんですけど(笑)、先日NGKではとある番組で「石田笑店」としてやったということもあって。でもやっぱり年末にやりたいなと思ったらルミネがあいてて、ルミネではやったことがなかったんで、やりたいなと。今、MXテレビでも新喜劇が放送されてるから、そのメンバーとも一緒にやりたいな、と思ったというのもあります。
ーー「石田笑店」と通常の新喜劇のいちばんの違いは?
やっぱり東西のメンバーが混ざってるところじゃないですかね。ふだんあんまり絡めてないけど「新喜劇をやりたい」っていうメンバーが東京にもいたんで、そのメンバーが大阪のメンバーと絡んだ時に新しい反応があったりとか。ふだんとはまた違うメンバーと絡んだ方が面白味が出るんじゃないかな?って。それはずっと1回目から同じですね。
ーーキャスティングも石田さんがされてるんですか?
僕と、あと作家の方とでですね。スタッフと話し合って決めてます。
ーー「この人面白そう!」みたいなのって、毎年あったりしますか?
基本僕はずっと「水玉れっぷう隊面白いよ!」って言ってて。アキが大阪に行ったんですけど、あんだけ今ブレイクしてますし。ケンも面白くて、歌って踊れて動けるおじいちゃんなんで、注目してほしいですね。今回楽しみなのは、松浦(真也)が出てくれるんですけど、アップダウンっていうコンビがギターも弾けるんで、ちょっとライブっぽいことも入れたいと思ってます。いつも通り踊りも入りますし、にぎやかにはしたいなと。クリスマスも近いんで、クリスマスを意識しようかっていうのもあって。一応毎年クリスマス頃にやってるんで、テーマにはしてますね。
ーー大阪のこの人と東京のこの人を絡ませたら面白いんじゃないか?みたいな思惑もあったりするんですか?
今はまだ台本を作成中なんで、正直決まってないところも多いんですけど、でもふだん新名(徹郎)とか信濃(岳夫)とかっていうのは、大阪では回しをやっててあんまりクローズアップされないんですよね。その子らが違うメンバーで、ケンなんかを気にせずにガンガンツッコんでいったりすると面白いんじゃないかと思うし、太田(芳伸)なんかは「おじゃま死にま~す」で、入って来た瞬間に舞台で死んでるっていうYouTube映像で100万回ぐらいヒットしたいって言うてるんで、太田がどれだけ東京でウケるのか知らないですけど、それを見たいですね(笑)。
ーーじゃあ、ふだんとは違った役回りをすることで、その人の新しい魅力が引き出される、みたいな。
そうですね。いつもと違う試合が見られるのがいいところかな、と思います。
ーー今回の公演の見どころを教えてください。
全体でいうと、この日、通常の昼公演が3回あるんですけど、そこでは夜の「石田笑店」の1時間バージョンをやるんですよ。そんなんしたことないんですけど(笑)。だからその間にどう変わるかもわからないし。
ーーということは、全部見るとすごく変化?進化?が見られそうですね(笑)!
もともと新喜劇って、1週間なり10日間なりって公演をするんですけど、初日と楽日ってまったく変わるときがあるんですよ。やっぱりおかしいところを削っていったり、スムーズに流れてないところを修正したりするんで。だから通な方は、初日、中日、楽日って3回見に来られたりとか。
ーーじゃあ、この日は1回目の公演が初日、2回目が中日......(笑)。
そうですね。そういう見方もできるから、通し券があれば面白かったかもしれないですね(笑)。
ーーところで、公演日である12月10日は石田さんのお誕生日で、今年51歳になられるとか。
そうですね。家族からは「え? なんで誕生日に公演やんの? 大阪で演るんやったらわかるけど」って言われました(笑)。
ーー(笑)。50歳を過ぎて、この1年で何か心境の変化はありましたか?
やっぱり、子どもが2人できたこともあって、舞台上でも「子どもが見てわかりやすく」っていうのを意識し始めたというのはありますね。だから動くし。動いた方がわかりやすいから。わりと僕、昔から暴れるんですけど、暴れた方がわかりやすいし、空気が動くし、っていうのはありますね。で、より角がとれて、丸くなったかな?という意識はあります。
ーーじゃあ、年齢というよりはお子さんができたことの方が大きい?
そうですね。立場の違いが大きいです。独身の時は関係ないじゃないですか。「いったれいったれ!」っていう感じだったんですけど、やっぱり結婚して、嫁さんに指導され(笑)、40すぎてから人に対する気遣いを覚え......(笑)。舞台でもそうですね。だから、そういう意味では若干丸くはなったと思います。でも、もともと出るメンバーみんな、なるべく楽しかったりとか、みんなが活かされるようにモノは作っていこうとは思ってるんですけどね。
ーー周りのメンバーからも「丸くなった」とか「(叩かれても)痛くない」とか......。
「痛くない」はあんま思ってないでしょうね(笑)。今回は出てませんけど、(山田)花子に対しては一時期(キツく)いかないようにしてたんです。東京でやるとお客さんが引くっていうのがあったんで。でもこの間久々に花子と営業で一緒になったんで、バーン!ってやったら「やっぱり痛いですね」って言われました(笑)。
ーーなるほど(笑)。では、肉体的に衰えを感じることはありますか?
こないだ大阪マラソン走らせてもらったんですけど、5年前より30分早くなったんですよ。もちろん練習もしたんですけど、「ああ、まだ体力はあるな」って思いました。老眼とかは出てきましたけど(笑)。マラソンは、コーチに"年齢を重ねてからの走り方"みたいなのを教えてもらって。それで、「ああ、可能性があるんだ」と。でもそれは舞台でも多分同じですね。やっぱり30代はやみくもに、とりあえず舞台で暴れりゃええとか、先輩に対して思いっきりいけばいいっていう状態でやってましたけど、今は周りは後輩の方が多くなってたりとか。その中でどうするかっていうところで、40代は40代の、50代には50代のやり方というか......、年代ごとに、本当にちょっとした自分なりのモデルチェンジはしてるつもりなんです。見てる人はそんなに大きくはわからないと思うんですけど。
ーーこれまで東西の両方で座長を経験されてますが、東西の新喜劇の違いは感じますか?
大阪では新喜劇をテレビで放送してるから、今考えると浸透してる分、ラクでしたね。ラクというか、「待ってました!」感があるというか。東京は放送してない......最近はMXテレビで放送してますけど、僕は出てないし、東京で放送される前からルミネで新喜劇をやってたんで、東京では一から作らないといけないってうのはずっとありましたね。だから「原点を忘れない」っていうか......。一から「この人はこんなキャラですよ」っていうネタ振りをして、丁寧に振って振ってやっと笑いになるっていう部分があって。今でも営業なんかは大阪のメンバーと行かせてもらいますけど、そらラクですね。お客さんが「待ってました!」なんで、そこをやると間違いなくウケますし。だから逆に、東京のメンバーだけで営業に行くといい勉強になります。そういう意味では、両方を経験することで、未だにどっちも新鮮な気持ちでやらせてもらえてる面がありますね。
ーー先日石田さんのブログを拝見したら、地方の営業先で、間寛平さんや坂田利夫さんと楽屋で話されていて「先輩に人生の訓示をいただきました」って書いてあったんですけど......。
(爆笑して)いやいや、ほんまはそんな、訓示なんてもらってないです。アホみたいに坂田師匠がキレた話とか、昔話をしてただけで。でも、楽屋での空気作りなんかも含めて、やっぱり舞台上で長年やってこられてる方と絡ませてもらうと、若い子にはないものを感じますね。
ーー先輩から参考になることを教えてもらえる?
う~ん、先輩から学んだこと......「楽しけりゃええやん!」ですかね(笑)。「笑いが世界を救う!」みたいな。でもああいう先輩が新喜劇に所属されてて、ずっとその歴史をつないでいって、僕も若い子につないでいってできてるものなんで。やっぱりこれだけ上から下まで年齢層の幅広いメンバーでお芝居を作っていくってあんまりないと思うんですよね。だいたい同世代で作ることが多いじゃないですか。お笑いの劇団でこんな年齢層の幅広いメンバーでお芝居を作っていけてるからこそ50年以上続いてるんやと思いますし、歴史を感じさせてもらってます。
ーーその長い歴史の中で、演じるキャラクターがかなり変化する方もいらっしゃいますもんね。
そうですね。浅香あき恵さんなんて、最初は「べっぴんさん」でしたからね。で、僕らが新喜劇に入った頃に「ブサイク」やって言われて。僕がたぶん最初に「ブサイク」って言うたと思うんですけど(笑)、当時はすごい泣いてたらしいですよ。僕は入りたてで、何もわからずになりふり構わずズバッと言ってしまったんですけど、でも今はブサイクをめっちゃ売りにしてるじゃないですか(笑)。そんなふうに形が変えられるなっていうのはありますね。例えば、頭ボーボーやった人が髪が薄くなってしまったりとか(笑)。そういうのは僕もこれからあるかもしれんし、どうなるかはわからないですけど、いい感じでの転がり方はしてるなと思いますね。
ーー逆に、後輩から相談を受けたりすることもあるんですか?
そんなにはないですけど、ただやっぱり、東京で新喜劇をやりたいのにやれてないっていう子の話は聞いたりするんで、こういう機会を作ってあげたいなとは思いますね。「やってることは間違ってないし、ずっとやってたらいつかは必要とされるときがくると思う」みたいなことも言いますし。そういう意味でいうと、(石田笑店は)試せるし、今の大阪のメンバーともできるっていうのは(東京の子たちにとっても)ええのかな~と思いますね。あと、僕は基本「回し」なんで、回しの役回りの子からはどうしたらいいかっていう相談をされることはありますし、たまに飲みに行ったりもしてます。
ーーでは最後に、意気込みをお聞かせください。
12月10日、僕の誕生日に「石田笑店」をやらせてもらうことになりましたので、一緒に誕生日を祝いに来てください(笑)。祝いに来て、笑いに来てください!
【石田靖】
吉本新喜劇 石田靖座長公演 ルミネthe石田笑店 〜西も東もあらしまへん〜
日程:2016年12月10日(土)
時間:開場19:00 開演19:30 終演21:00予定
会場:ルミネtheよしもと
料金:前売り3000円/当日3,500円
※チケット発売中
出演:石田靖
シベリア文太、水玉れっぷう隊・ケン、アップダウン、ギンナナ
北条ふとし、カートヤング、カラテカ・矢部、三瓶、赤松新、西島巧輔、国崎恵美
太田芳伸、新名徹郎、信濃岳夫、松浦真也、井上安世