『六代 桂文枝ヂカラ』発売記念サイン会が大盛況!「10年後にはパート2を」
2月28日(木)、上方落語の大名跡「六代 桂文枝」襲名を記念してのビジュアル書籍『六代 桂文枝ヂカラ 「桂三枝」のその先へ』が発売されました。写真、インタビュー、対談など、さまざまな角度から「六代 桂文枝」の魅力に迫る濃い一冊。『週刊平凡』『月刊平凡』で撮影された桂三枝時代の貴重な写真や、これまでに作った228作品の創作落語も網羅しているほか、襲名後に初めて書き下ろした229作目の創作落語も掲載されています。
3月3日(日)には、大阪・MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店にてサイン会を開催。本を購入された多くのファンの皆さんが、長い列を作りました。約1時間におよぶサイン会終了後の会見では、「これまでいろいろ本を出してきたが、今回が一番値段の高い本。申し訳ありません」と笑いを交え挨拶した文枝。本書の目玉の一つである229作目の創作落語については「これはまだやったことがない。そして、これからもたぶんやらないで、本の中だけに収めておきたい」と話しました。過去の創作落語をテーマ別に分類・紹介したページに関しては「(改めて見て)自分でもビックリしました。こういう形で残っていけば、ありがたいですね」。まさに集大成といえる内容に大満足の様子で、「これを見て力をもらい、この先へ進んでいきたい。『六代 桂文枝ヂカラ』というタイトルだが、私自身も力をもらえる本だと思います」と語っていました。ほかにも影響を受けた本や映画、音楽までカバーした多彩な内容となっており、「いろんな力を私にくれた人」(文枝)という、きたやまおさむさん(精神分析学者)との対談にも注目です。
この日は昨年7月16日に「六代 桂文枝」を襲名してから初のサイン会でしたが、「まだ書き慣れないですね」と苦笑い。思わず「三枝」と書きそうになることもあったそうで、「高い本なので、間違えないようにすごく緊張しました(笑)。書き損じたら弁償しないといけないなあ、と思って」と、無事に終わりホッとした表情。最近は「文枝さん」と呼ばれることのほうが多くなってきたと実感しているものの、「私の意識が、まだそれについていっていないんですよ」と明かしていました。
また、「これからは『読む落語』も作っていきたい」とも。「演じるときは場面転換が多くないほうがわかりやすくていいんですが、落語を作るときは、そういうものも書いてみたい。たくさん登場人物を出してみたいし……これを機に、ぜひ作っていきたいですね。それを読んで、若い人が『落語をやってみようかな』と思ってくれたらうれしい」と抱負を語るとともに、読む人には「ぜひ(高座で)やっている姿を想像しながら読んでみて」とメッセージを送りました。
会見中、「できればこの本のパート2を、これからの10年間の集大成として、80歳のときに出したい」と語っていた文枝。そんな新たな歩みに向けての“区切り”の一冊『六代 桂文枝ヂカラ』、ぜひ手にとってお読みください!
『六代 桂文枝ヂカラ 「桂三枝」のその先へ』
A4変上製
定価:3780円(税込)
発行:マガジンハウス
※全国書店で発売中