最新ニュースインタビューライブレポート

« 本日「よしログ」生配信は、ももクロ好き芸人が集合! | メイン | 馬場園、恋愛よりユニット活動優先“すず from SUGARS”MV&配信開始 »

2013年6月 3日 (月)

今夏注目の舞台! 作・西野亮廣&演出・後藤ひろひとインタビュー

この夏、東京と大阪で上演される西野亮廣(キングコング)作、後藤ひろひと演出の舞台『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』の前売り券一般販売日が、6月8日(土)と迫って来ました。
そこで、その西野と後藤に意気込みや長きに渡る不思議な関係性について、インタビューしました。

Dscf1216_2

――まず、『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』再演の経緯について教えてください。
西野「いろんなところで喋ってるんですけどいいですかね(笑)。後藤ひろひとさん作、演出の『ひーはー』(2006年)という舞台があったんですけど、それを観に行かせていただいた時に衝撃を受けたんですね。人の作ったものに、“うわー!”ってなることって、そんなにないんですよね。それまでも舞台も映画も観てたんですけど、『ひーはー』はホントにひっくり返って、しかもエンディングで泣いてるんですよ。そこに後輩と一緒に行ってて、いじられたのすごく覚えてるんですけど、ただただ混じりっけのないコメディなんですけど、楽しすぎて、みなさん歌って踊ってるエンディング観て、ボロボロ泣いちゃって、こういうのを作りたいと思ったんですよ。こういうの作りたいって、あんまりよくないじゃないですか。モノ作るんやったら、オリジナル目指せよって(笑)。すぐ『ひーはー』みたいな奴を作ろうと思って作ったのが、『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』ですね。これが1回やらせていただいたんですけど(2008年に大久保公園内特設テントにて上演された『新宿7キャンプシアター~2008・夏~』のひとつ。)、それが結構、駆け足で公演しなきゃならなかったので、どこかでもう1回ちゃんとやりたいなと思っていて。タイミングを見計らってたら、このタイミングで、後藤さんのところに演出をやっていただけないかとお願いに行きました」
――『ひーはー』を観た頃は、テレビでお忙しい時期だったんじゃないですか?
西野「一番忙しかったですね。で、『ひーはー』みたいなのを作れる生活になりたいなと思って、それでゲストに出るとかグルメ番組、子供番組とかひと通りやってたんですけど、やめさせてって言って。よしもとの狙いとは違ったかもしれないですね」
後藤「相当違ったんじゃないかな」
西野「チーフマネージャーとかは、テレビスターにしたかったと思うんです。それはそれで魅力的なんですけど、なんかねえ、好きなことだけしか、したくなくなっちゃったんですよねえ」
後藤「テレビの冠番組を持ったからって、好きなことはできないよね」
西野「そうですね、テレビだとどうしても」
――そんな西野さんからのラブコールを後藤さんが受け止めたわけですね。
後藤「そうですね。基本、他人の書いた台本は絶対触らないようにしていて、でも、今回のはどう見ても、自分が書いたような台本なんですよ。俺の作品じゃないのかな、書いたのに記憶がないのかなっていうくらいものだったので、これはやってみようと気になりまして。盗まれたものだと思ったので、盗まれたものは、盗み返せというのが後藤家なので、さも後藤ひろひとが書いたもののように、上演しようとしています。いろいろ話をしてみると、それで主旨は合っていると。だから、ほとんど『ひーはー』のスタッフなんです。『ひーはー』をやるんですよっていうひとことで、スタッフが全部動いてくれてますね」
西野「うれしかったなあ」
――脚本手法を盗まれたともコメントしてますが。
後藤「誰かが嘘をついたがために、他の人も嘘をつかなきゃならないっていうのが連鎖し、誰かが勘違いしたせいで、さらに勘違いが大きくなっていって、加害者がいないのにみんな被害者になってしまうといったね。アメリカなんかでは昔からあるコメディのスタイルなんですけど、それをちゃんと軽く書ける人がいないなと思って、自分で時間をかけて何作も書いていくうちに、作り出したというか、手法ではないですけど、ひとつのラインだったんですよ。三谷(幸喜)さんもお上手なんでしょうけど、三谷さんの作品に登場する人は、みんな賢いですね。俺の脚本に登場する人は、みんなバカなんですよ(笑)」
西野「アハハハ!(笑)」
後藤「三谷さんの手法を盗んだら、もっと映画化とかあっと思うんですけど、俺の手法を盗んだがためにこんなアホになって(チラシを手に取る)」
西野「アホがいいんですよね(笑)」

Dscf1218_2

――では、改めてお二人の関係をお聞かせください。
後藤「長いですよ。関西で、彼が関テレで番組をやってたのが…」
西野「10年くらい前、レギュラー番組でご一緒させていただいてからですね」
後藤「WEST SIDE(ランディーズ、ロザン、キングコング)がコントをやって、王様の格好をした俺が案内役をやる感じなんですけど」
西野「『ゲンキ王国』(ゲンキング)っていうコント番組です。そこで僕が書いたネタを“見てくださいよ”と後藤さんに持っていってました」
後藤「その頃から書いたものをすぐ見せる癖ね(笑)。その中で、突然送ってきた台本のひとつがこの『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』だったんです。舞台としてやられるより、随分前ですよ」
――いわば、師弟関係なんですかね?
西野「僕が勝手にまねしてたんですよね。“弟子にしてください”っていうのは1回もないですけど、まねはしてますね」
後藤「世代は違いますけど、“こんなの面白いよね”“この映画、面白いよ”とか」
西野「あー、そうですそうです。なかなかね、ネタの話を人に出来ないんですよ」
後藤「よう、君はネタの話してたよね」
西野「(笑)後輩には出来ませんし、先輩にもしたことないですけどね」
――どうして後藤さんにはネタの話が出来てたんでしょう。
西野「20歳くらいの時やったから、わかんないですけど……もしかしたら“僕もがんばれるんだぞ!”みたいなのを見せたかったのかもしれないですね。そういうアピールを。それがずるずると今まで来て、当たり前になっちゃったんですよね」
後藤「無駄話してても、そう外れてなかったというかね。(キングコング)梶原とか(ランディーズ)中川と喋ってても、噛み合わなかったし」
西野「エヘヘヘ(笑)。趣味がちょっと似てたのかもしれないですよ。怪獣やロボット、昆虫が好きだとか」
――その関係性は、ずっと変わらずですか?
後藤「変わらずですね」
西野「飲みに行かせていただくと、後藤さんはたくさん話を作っていて、それを全部教えてくださるんですよ。口頭で。その帰り道とかめっちゃいいなと思うんですよね」
後藤「俺は記憶ないんですけど、ガマ王子(映画『パコと魔法の絵本』の原作にもなった舞台『MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人』)も話したんでしょ?」
西野「あ、はい! 後藤さんが確かクワガタを飼われてて、それ見に行った時に、まだ一文字も書いてないけど“こんなん考えてるんや”みたいにお話いただきましたね。そういうのを聞くと、自分もやりたくなっちゃって、映画とかでもそうですけど、僕だったらこうするとか思って、すぐ家に帰ってなんかやりたくなりますね」
――後藤さんから影響を受けてる方がたくさんいらっしゃるということなんですね。
後藤「どうなんでしょう。あんまり他人を気にしたこともないんですけど、いっぺんだけ、ヒゲをクルンとさせた人とすれ違って、向こうが“あっ”ていう顔をしてたから、どうやらそうかなと(笑)」
西野「アハハハ! ビジュアル面でね(笑)」
後藤「まあ、俺自身がいろんなものから影響を受けて、今の自分がありますから、それも光栄なことですよ。誰かにもし影響を与えていたならば」
西野「まねしちゃいますね。後藤さん、ティム・バートンさん…」
後藤「まねだけならまだしも、絵本の絵に俺を描くんですよ。よく見たら、またここに俺、みたいな。『ウォーリーをさがせ!』並に隠れてますよ」
西野「勝手に出してますね(笑)」
――今回、キャスティングも注目ですね。
後藤「そりゃこの方でしょう(曙太郎を指さし)」
西野「エヘヘヘ(笑)。曙さんは、ホントありがたいですね」
後藤「あとは西野君がこれまで仲良しだった人と、俺が仲良しだった人との複合体ではあるので、始まってしまえば、そこで派閥が出来ることはないですから、相当楽しいんじゃないですかね」
――曙さんはどちらの仲良しなんですか?
後藤「どちらでもないです(笑)。初演の人造人間は、スリムクラブの真栄田君だっけ?」
西野「はい、そうです」
後藤「でも、“せっかくこういう機会だから怪物を呼ぼう、怪獣を呼ぼう! 例えば…”っていうので最初に出た名前が曙さんだったんです」
――素晴らしいですね。あと、フレッシュなメンバーもいますね。
後藤「相葉裕樹君は舞台に慣れてるみたいですが、木下美咲ちゃんは初舞台のようですね。数日前まで、ワークショップを開いてたんですよ。“君、時間が空いてたらワークショップに来ないか”と所属事務所のアミューズを通して彼女に言ったら、“全日程参加します”と言ってくれて、5日間、俺のワークショップに参加してもらいました。相当バカな子になってくれたので(笑)、『ドーナツ博士~』の稽古でもすごくやりやすくなると思いますね。初舞台の子を演出する時は、ものすごい気をつかったりするんですけど、それはもうないです。“この人のこと聞いておけば、絶対おもしろくなるぞ”“あのヒゲの人を笑わせたら、合格点だぞ”っていう関係まで出来ました」
西野「ちょこっと喋りましたけど、単純に明るいですよね。明るくていい子だなっていう印象です」
後藤「“映画の知識だったら私に敵わない”みたいなこと言うから、“じゃあ、映画クイズしようや”って言ったら、『スターウォーズ』は観てない、“『ロッキー』って何? 犬ですか?”みたいに言うから、頭をバチーンって叩きましたよ。笑ってましたね(笑)」
西野「それはいいですね(笑)」
後藤「稽古していくうちに、曙さんをバチーンといけるようになりたいですね」
西野「いきたいですね(笑)」
――後藤さんのドーナツ博士役っていうキャスティングについては?
後藤「これは彼が決めたことですから」
西野「いい具合の時間帯に出てくるんですよね。フラッと出てくる感じといい、ビジュアルも博士っぽいし、ちょっとふざけた博士だから、いいなと思ってお願いしました」
――ところで、西野さんのFacebookで【『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』を一緒に観に行こうプロジェクト】をやられてますね。
後藤「え、何?」
西野「いやあ、それがね、『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』は観たいけど、一緒に観に行く人がいないっていう人結構いて…(※プロジェクトの概要は、西野のFacebook(http://www.facebook.com/akihiro.nishino.16)でご確認ください)」
後藤「オフィシャルのオフ会だね」
西野「誰々と観に行くことが決まりましたとか、報告が来てますよ」
後藤「チーム名も作らせたかったね」
西野「そうっか! それやります(笑)。舞台は、来る時から、もっと言えばチケット買った瞬間から、楽しい方がいいんですよ。公演中はもちろんですけど、帰り道もずっと楽しい方がいいなと思って、だとしたらそういうチーム名作って、どこどこで、合言葉なんか、これきっかけで集まったりしたらいいじゃないですか」
後藤「うちらの世代はビデオもなかったですから、映画のチケット1枚買ったら、もう楽しみで楽しみで。サウンドトラックを買って、映画雑誌の『ロードショー』や『スクリーン』を見ながら聞いて、想像して観に行って、1回しか観てないのにほぼ全部セリフが入ってるっていうね。テレビで放映するまで観られないから、集中度が違う。そういうことでは、映画を携帯電話で観てるんだもん、変わっちゃったなあ。でも、舞台にはまだそれが残っていると信じてますよ」
西野「そうだと思いますよ」

Dscf1222_2

――話は尽きませんが、最後に『よしもとニュースセンター』読者へメッセージをお願いします。
西野「はい、演劇に高尚で難しいイメージを持たれる方がいらっしゃるなら、全然そんなことないです。ホントにただただ笑うだけの舞台なので、フラッと来ていただきたいです」
後藤「(しずる)村上君とかマンボウやしろ君とかが出演して、“お笑い芸人が演劇なんかやっちゃってるよ、脚本書いちゃってるよ”っていうレベルのものなら、付き合わないですよ。あっと驚く、西野が作り上げた世界をおみせします」
――もちろん、後藤さんのファンの方にもオススメですよね。
後藤「はい。さも、後藤ひろひとが書いたように完璧に作ります。今や解散したかと言われている『Piper』の新作だと思って観に来てください」



●公演情報
『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック!』

公式サイト:
http://doughnut-hakase.com/

<東京公演>
日時:
2013年8月21日(水) 19:00開演
2013年8月22日(木) 19:00開演
2013年8月23日(金) 19:00開演
2013年8月24日(土) 13:30開演 / 17:30開演
2013年8月25日(日) 13:30開演 / 17:30開演
2013年8月26日(月) 19:00開演
2013年8月27日(火) 13:30開演 / 19:00開演
2013年8月28日(水) 19:00開演
2013年8月29日(木) 19:00開演
会場:東京・紀伊國屋サザンシアター

<大阪公演> 日時:
2013年9月13日(金) 19:00開演
2013年9月13日(土) 13:00開演 / 17:00開演
2013年9月15日(日) 17:00開演
会場:大阪・シアタードラマシティ

料金:前売6500円 当日6800円
チケット:チケットよしもと、チケットぴあ、ローソンチケットにて6月8日(土)10:00より一般販売開始
※各種先行予約あり

Dscf1218_2