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2013年6月20日 (木)

「お客さんに支えられた10年」ライスが結成10周年記念傑作選ライブ『スイップ』への意気込みを語る!

7月27日(土)、東京グローブ座にて『ライス結成10周年記念傑作選ライブ「スイップ」』を開催するライス。10周年記念というだけあってかなり気合いの入っている2人に、単独ライブへの意気込みを訊きました。


Rice

――発売当日にチケットが完売したそうですね。
関町 ありがたいですね、本当に。
田所 ほっとしました。僕ら、単独ライブは毎回完売してたんです。けど、周りには伝わってなかったんでしょうね。「ライスにグローブ座なんて無理だろう」と、すごく言われて。
関町 今回、初めてプロモーションに入ってもらってるんですけど、担当者も「グローブ座でやるなんて、悪ノリでしょ?」みたいな空気というか(笑)。
田所 「そういうボケなんでしょ?」みたいな感じだったんですよ。
関町 だから、完売したことをこうしてニュースセンターに取り上げてもらえて、すごくありがたいです。


――こちらこそ、お2人の躍進にひと役買えたらと思っています。今回は10周年記念傑作選ライブということですが。
田所 いままでの単独はもちろんオール新ネタだったんですけど、僕らの場合、単独でしかやってないネタが多すぎて。
関町 他のコントをやってる人とか漫才師の人の中は、(通常公演でできる)ネタを残そうと思いながらつくってる人が多いと思うんです。
田所 短めのネタをつくったりとかね。僕らはその辺をまったく気にしてこなかったんですよ。そうすると、普段の劇場ではネタ時間が決まっているし、照明や音響を使いたくても制限があったりして、なかなかできなくて。もったいないんで、今回やろうということになりました。
関町 だから、観たことないコントばかりだと感じるかもしれないですね。
田所 それ以前に、いつも来てくれているお客さんには“こいつら、単独でしかやんねぇネタばっかりだな”って思われてるかも(笑)。
関町 そうだね。そのときしかやらないコントが多いってお客さんも思ってるから、毎回、単独のチケットを買ってくれるのかもしれないですね。


――今回のネタは、どんな感じでセレクトしているんですか?
田所 基本は、僕らがやりたいものですね。とにかく普段の劇場でしか僕らのネタを観たことがないという人にはオール新ネタに見えるくらい、普段やってないコントばかりをやろうと思ってます。


――以前の単独では、関町さん作のコントもやっていたじゃないですか(注:コンビネタは、田所がつくっている)。
田所 あぁ! ありましたね。
関町 田所がやれって言ったのに、その割には実際やるとなると嫌がるっていう、よくわからないパターンでしたけど。
田所 いや、やれって言ったわけじゃないんだけど……。1回目のときはなぜかこいつもネタをつくる流れになって。でも、持ってきたネタがよくわからなかったんですよ。特に最後、こいつがだるまを持って踊るところなんて、まったく意味がわからなかったけど、20分のロングコントをなくすとなると、ほかのネタをつくらなきゃいけなくなるからなくすわけにもいかなくて。で、結局やることになったんですけど、僕が関わったと思われたくないから「頼む、関町作って必ず入れてくれ」とはお願いしました。
関町 ……嫌な性格してるなぁ! 身内からは「意外と印象に残った」って言われたんですけどねぇ。
田所 そりゃ、インパクトだけはありますよ。だるまを持って踊るんだから(笑)。結局、3回目の単独くらいまでは(関町作のコントは)やってたよね。
関町 でも、3回で終わったということは、需要がなかったんでしょう。僕がつくっても引きがないっていうね。


――(笑)今回、関町さん作のコントが入る予定は?
田所 正確なことはまだ言えないですけど……、もしかしたら入るかもしれないですね。
関町 いつでも削れるようにしておいて、リハで判断しましょう!
田所 とにかく僕らの中では、いままでの歴史を振り返るようなライブになればいいなと思っていて。
関町 そのあたりは、チラシを見てもらえればわかると思うんですけど。


――…………え?
田所 その説明の仕方じゃ、ほとんどの人がぽかーんだよ(笑)。
関町 そうか(笑)。2人の歩んで来た道のりを振り返るようなイメージで撮ったんですよ。
田所 階段で撮ったのも、歴史をだんだんと積み重ねていくというか。要は、結婚記念日をイメージしてるんです。


――なるほど! すごく趣のある場所ですけど、どちらで撮られたんですか?
田所 上野の東京国立博物館です。この撮影、場所代だけで結構なお金がかかってるんですよ。しかも撮ってたらテンション上がってしまって、1時間の予定が2時間に(笑)。お金も倍かかっちゃいました。
関町 実は、これ以外にもいい写真がたくさんあるんです。一部はいま渋谷SN VISION(渋谷・31アイスクリーム上)で流れているぴあのインフォメーションで観られるんですよ。
田所 そこで単独の告知VTRが流れてるんで、ぜひ観ていただきたいですね。


――拝見しましたが、ポスター以外の写真もたしかにすごくステキでした。そういえば、会場である東京グローブ座の下見にもすでに行かれたそうですね。
田所 何がすごいって、楽屋が6つあるんですよ! 座長が使うんじゃないかっていう楽屋はシャワー完備で、ちょっとひと休みできそうなソファも置いてあって。ここを僕ら2人で使うのかと驚きました。
関町 どうやってあの6つ使い切ろうか?
田所 スタッフさんが使ったとしても、3〜4部屋は余るもんな。
関町 じゃあ、小道具の部屋とかつくるしかないのかな。


――あの……表側の様子を伺いたいのですが……。
田所 ははは! もちろん、客席も素晴らしかったですよ。ただ、見せ方は考えなきゃいけないなと思いました。僕ら、いままでの単独は、正面にお客さんが座る劇場でしかやってこなかったんです。今回は半円形ですし、斜めから僕らのことを観る客席も多い。後ろに何か隠すネタとかやると、お客さんにバレバレになりそうなんですよね。
関町 だから、そういうネタをやる場合は、だいぶ後ろに下がってやることになるかも。
田所 (笑)で、あいつら、随分後ろでやってんなぁって?
関町 ってことは何か隠してるな、と。結局ばれちゃいますね。
田所 だから、立体的に考えていかないとなと思っているところです。


――ちなみに『スイップ』っていうライブタイトルは? ライスさんはいつも……なんか変な……。
関町 変な、って。本音出ちゃってるじゃないですか!


――(笑)失礼しました。変わったタイトルを付けている印象ですが?
田所 いつも意味のないものを付けてるというか。意味のあるタイトルを付けちゃうと、関わったことをやらないと気持ち悪いじゃないですか。だから、例えば外国の食べ物とか楽器とか、意味を持たなそうなタイトルを付けてたんです。今回も発想はいつもと近いんですけど、10周年ということでタイ語で“10”を表す言葉にしました。だから、今回は珍しく意味のあるタイトルです。
関町 タイ語にすると、全然読めないんですけどね。
田所 ロールケーキみたいなの2つで“スイップ”って読むらしいんですけど、誰も読めないんでカタカナにしたんです。


――10年を振り返るようなライブにしたいとのことですけど、改めて振り返るとどんな10年でしたか?
関町 他の芸人さんに比べて、浮き沈みが……言い意味でも悪い意味でもなかったというか。爆発的にテレビに出たわけでもないし、ライブの仕事も増えたわけでも減ったわけでもなく。まったく変わってないんですよね。
田所 それってあんまりいいことじゃないんじゃない? 成長してないって思われちゃうよ(笑)。
関町 まぁ、よくないことなのかもしれないですけど……逆に(仕事量やポジションを)キープできてるのが、僕らの強みかなと思いますけどね。


――ポジティブすぎる!(笑)
田所 はははは!
関町 (笑)何より劇場のお客さんに支えられて、ここまで来たってことですから。
田所 たしかにね。僕ら、爆発的に売れたとかはないですけど、唯一誇れるのは単独ライブが毎回完売してること。簡単なようで難しいことが達成できたのは、お客さんがチケットを買ってくれたから。それが、いちばん大きいですよね。その人たちが離れたら、僕らはアウトですよ。
関町 (笑)そうだね。そうなったときは、本当に芸人辞めるときかもね。
田所、お客さんが最後の刀をなんとか支えてくれているから、僕らは続けられるんです。
関町 僕らがちょっとでもテレビに出ると、お客さんはすごく騒いでくれますしね。
田所 喜んでくれるよね? うちの親と同じくらい喜んでくれてますよ。だから最近、お客さんは家族なんじゃないかなと思うんですよね。それくらい親身になって、僕らのことを考えてくれてるんです。


――ちなみにNSC時代には、どんなビジョンを描いてたんですか?
田所 単独ライブというか、コントをやりたいっていうのはずっとありましたね。そういう意味では、やりたいことができてるのかもしれない。「コントライブをやりますよ」って言ったら、こうやってたくさんのお客さんが集まってくれるっていう現状はかなり理想に近いことですから。
関町 その単独もやらせてもらえるまでには、かなり時間がかかりましたけど。最初の単独ライブは、5年目のときですからね。
田所 NSC卒業してから8ヵ月間、仕事が1本もなかったしね。だらしなかったなぁ。
関町 そうだった。だから、社員さんにも「こいつらに単独は無理だろう」って思われてたのかも。宣材写真で判断されてたんでしょうね。
田所 顔的に無理だって?(笑)
関町 うん、お客さんを呼べないパターンだって思われてたんでしょうね。


――それがいまや、700席が完売ですからね。
関町 ありがたいですね。そういえば、僕らってなぜか単独ライブの前はいつも休みが多いんですよ。今回も7月いっぱいのスケジュールが欲しいって言ったのに、結局7月10日までしかもらえなかった。単独を考慮してそうしてくれてるのかもしれないですけど……それ以降、きっと休みなんでしょうね(笑)。
田所 印刷するだけ、ムダだったんだろうね。ネタ合わせし放題だな! ただ、今回はいつも以上にいろんな方が協力してくれてるだけに怖いんですよ。当日、インフルエンザにかかったらどうしようかなって思ったりもして。
関町 いや、あり得るよ。7月後半って、インフルエンザ流行ってるもん。
田所 もしインフルエンザなんかになったら、クビになるんじゃないかと恐怖を感じてます(笑)。


――くれぐれも体には気を付けてください!
関町 部屋に「手洗い、うがい」って書いておきます。小学生以来ですよ、そんなの。
田所 1週間前から無菌室みたいなところに入って、体調を整えます!


――ちょっと話は戻りますが、個人的にはこの10年間でお2人はもっと世に知られる存在になっていてもよかったんじゃないかなと。
関町 本当ですか? 普段のライブで、僕らがどんなふうに扱われてるか知ってます?


――(笑)もちろん知ってますけど、田所さんはネタを書く力がありますし、関町さんは演技の評価が高いじゃないですか。例えば、東京シュール5(注:カリカ、犬の心、POISON GIRL BAND、しずる、ライスのユニット)のイベントで何度か開催された田所さんプロデュースの『田所仁とお正月』はいつも刺激的な構成で、記憶に残るライブでした。関町さんは神保町花月のお芝居でも度々、主演を務めるなど演技力に定評ありますし。
田所 そう言ってもらえるのはありがたいんですけど、なかなか……。そのあたりは、僕らのアピールが足りないのかもしれないですね。神保町花月での主演を経て、関町の演技力もさらに上がってるかもしれないんですけど、気づいてくれるのはミルククラウン竹内さんだけですから(笑)。
関町 竹内さんはいつも誉めてくれるんです。
田所 僕らの色を、もっと外に出していかなきゃいけないんでしょうね。
関町 そのためにも、今回の単独は関係者の方にもたくさん観に来ていただきたいんです。だけど、僕ら、知り合いがいなくて。
田所 誰かいませんか? お知り合いの方は。


――じゃあ、ニュースセンターで呼びかけましょうか? プロデューサーさんやディレクターさんでライスの単独を観てもいいという方は、よしもとまでぜひご一報ください、と。
田所 ぜひお願いします!
関町 関係者席、用意してお待ちしてます!


――ところで、この単独ライブは一夜限りなんですか?
田所 そうですね。いまのところ、ほかでやる予定はないです。
関町 おそらく当日券も少しは出ると思います。
田所 だから、諦めず狙っていただければ。今回はいままで以上に力入ってるんで、1人でも多くの方に観てもらえたら嬉しいですね。





●単独ライブ情報
ライス結成10周年記念傑作選ライブ「スイップ」


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公演日:2013年7月27日(土)18時開場/18時30分開演
会場:東京グローブ座
料金:1・2階指定席3500円(税込)/当日3800円
   3階指定席3000円(税込)/当日3000円
チケットよしもと:http://yoshimoto.pia.jp/



ライスの動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/511/


【ライス】

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