最新ニュースインタビューライブレポート

« 5up真夏のキラキラ単独祭りとナマーシャがコラボ!! | メイン | ピース又吉が初の単独単行本を刊行!! »

2013年7月19日 (金)

【ライブレポート】三枝改メ 六代 桂文枝 襲名1周年記念 文枝フェスティバル in なんばグランド花月

昨年7月、六代 桂文枝を襲名して1周年となる7月16日(火)、記念イベント『文枝フェスティバル in なんばグランド花月』が開催されました。この日、70歳の誕生日を迎えた文枝が、新作2席に加え、『三枝の爆笑美女対談』を思わせる豪華ゲストとのトークや、大ファンである石原裕次郎さんの歌も披露する……そんなスペシャルな一夜は、満員の観客に迎えられ幕を開けました。

まずは暗転の中、文枝からのメッセージが流れ、スクリーンには襲名を決意してから現在に至るまでの足跡が映し出されます。記者会見の風景や襲名披露公演の様子など、さまざまな秘蔵シーンで、改めて「六代 桂文枝」の歩みが明らかに……。

一番手で登場したのは林家笑丸。まくらでは、電車の中で遭遇した「座りたい!」と駄々をこねる子供のエピソードなどを披露しつつ、演目「時うどん」へ。コミカルかつハイテンションな喜六のキャラクターで笑わせます。

S__1900

続いては、桂きん枝。まくらでは、まずこれまでの襲名披露公演を振り返っていきます。かなり広い会場もあったそうで、「実際に上の方の客席に上ってみたら、ナイアガラの滝みたいで」と驚きの体験を告白。さらに時節がら、自身が経験した選挙戦に思いをはせる自虐ネタも。そして「芸人の生き様」の話から、演目「看板の一」を披露しました。

S__1949

いよいよ文枝が高座へ。客席からは「待ってました」とばかりにひときわ大きな拍手が沸き起こります。「今日は誕生日なんです」と文枝が言えば、またまた大拍手! 「まさか私が古希を迎えるとは……古希になり、どうすればいいのか。初めての経験なので」とボケると、さっそく笑いが起こります。自身では『ヤングおー!おー!』の頃からあまり変わっていないつもりだと話しつつ、親しい仲間たちを見送ることも増え、「それを思うと辛いです」とポツリ。「今回は供養の気持ちも込めて落語をやらせてもらいます」と語りました。続いて披露した「最近、聞き間違えが多くて耳鼻咽喉科に行きまして……」というエピソードは、誰しも経験のある聴力検査の失敗談や病院や医師に対する不安など、共感たっぷり。そこから40数年ぶりに温泉旅館を訪れた、親友2人組のやりとりで綴る創作落語「友よ」へと入っていきます。ジャズの名曲や石原裕次郎さんのヒット曲なども交え、懐かしい青春の日々に思いを馳せる物語は、古希を迎えた文枝ならではの世界。爆笑の合間にほろり涙もからめ、観客を魅了しました。

S__1996

中入り休憩後、後半戦は「スターのお部屋」と題したスペシャルゲスト対談でスタート。この後、披露される創作落語「嵐を呼ぶ男〜石原裕次郎物語〜」にちなみ、裕次郎さんをはじめさまざまな俳優さんと共演された女優・浅丘ルリ子さんが登場しました。昨年の襲名披露公演も、藤井隆に誘われ見に来ていたという浅丘さん。ふたりは長いつきあいで、文枝は一度、浅丘さんのお宅にお邪魔したこともあるそうです。さっそくトークに突入!と思いきや、ここでピンポーンとインターホンの音が鳴り……現れたのは、サプライズゲストの笑福亭鶴瓶さん! これには客席も大喜びです。先日、鶴瓶さんのラジオ番組に文枝がゲスト出演した際、「行けたら行きます」と約束したことが実現。浅丘さんとも親交が深く、日馬富士が負けると電話がかかってくるという驚きのエピソードも明かしていました。

S_ok_2119

文枝は裕次郎さんと会ったことがなく、鶴瓶さんも「一度、ハワイのレストランのレジでお見かけしたんですよ! でも僕には気付いておられなかったと思います」とのこと。早速、「どんな方だったんですか?」と浅丘さんを質問攻めに。浅丘さんは37本の映画で裕次郎さんと共演。「一言で言えば、そこにいるだけでみんなが幸せになれるような方でした」とその人柄を表現します。鶴瓶さんから「(共演中に)恋愛感情はなかったんですか?」と直撃されると、「もちろんありましたよ! 好きにならないと演技なんてできません」とキッパリ。「ルリ子、ルリ子とかわいがってくれた。いつもこうして、私の肩に手をかけてね。お酒が好きで、現場になかなか現れないなんてこともありましたが(笑)、『ごめんね』の一言で、人柄からか許せてしまうんですよね」と、振り返りました。ほかにも「声を荒げたところを見たことがない」など、浅丘さんだからこそ語れる裕次郎さんの人となりが続々。まだまだ聞き足りない、何とも贅沢なトークコーナーとなりました。

S_ok_2171_2

文枝の二席目は、浅丘さん、鶴瓶さんとのトークでも存分に語られた裕次郎さんの生き様を描く創作落語「嵐を呼ぶ男〜石原裕次郎物語〜」。以前、NHK『桂文枝の演芸図鑑』で披露したネタを、この日のためにほぼ一から練り直したという力作です。まくらでは、自身にとっての裕次郎さんの思い出の数々を。クイズ番組で南田洋子さん(裕次郎さんのデビュー作『太陽の季節』ヒロイン)から「裕ちゃんに似てる」と言われた“自慢話”には、客席から「エーッ!」の声も。思わず「私が言ったんじゃないですよ!」と声を大にして訴え、笑いを誘います。裕次郎さんの生まれた年が1934年で「さんし」、奥様の芸名が北原三枝さんで「さんし」と、「一度も会ったことはないが縁を感じる」とも。落語の舞台はとある親子が営む居酒屋「狂った果実」。やって来た裕次郎さんを全く知らない客に、親子が次々と裕次郎さんにまつわる話をレクチャーしていく内容です。『錆びたナイフ』などの歌も飛び出すお楽しみ満載の展開で、大爆笑のうちに昭和の大スター・石原裕次郎の生き様を浮かび上がらせました。

S__2248

フィナーレももちろん裕次郎さん一色! まずはシークレットゲストである裕次郎さんのモノマネ名人・ゆうたろうさんが、先ほどの落語に登場した3つのヒット曲を歌い上げます。続いて、ハワイアンバンドを率いた文枝がステージへ。『俺はお前に弱いんだ』『ささやきのタンゴ』など、お気に入りの裕次郎ソングの合間には、「生まれて初めてシークレットブーツをはきました……」と爆笑告白も。『夕陽の丘』では浅丘ルリ子さんとのデュエットを聴かせ、ステージは映画さながらの雰囲気に。

S__2325

S__2383

鳴り止まぬアンコールに応え、最後は出演者全員で『二人の世界』を大合唱! 浅丘さんをはさんで、文枝とゆうたろうさんが取り合いを演じるなど、笑いも交えつつ、裕次郎ワールドにしっとりと浸っていました。

Ok_2460

遊び心あふれるフェスティバルを終え、襲名披露公演はまだまだ続きます。引き続き、六代 桂文枝の活躍にご期待ください!