「多くの人に共感してほしい」ペナルティ・ヒデが構想4年&執筆4年のデビュー小説をアピール!
8月1日(金)、東京・紀伊國屋書店新宿本店にて、『中川秀樹(ペナルティ・ヒデ)小説デビュー作「四季折々 アタシと志木の物語」上下巻出版記念イベント』が開催されました。
本作は、“四季”という依頼人のある願いを叶える会社に入社した“アタシ”こと松本恭子を主人公に、四者四様の人生が交錯する大人のファンタジー。構想4年、執筆4年の歳月を経て、原稿用紙900枚を超える長編を書き上げました。
後輩芸人・デン花澤が司会を務めるなか、囲み取材に現れたヒデ。デン花澤から「先生!」と連呼され、「先生はちょっと……照れくさいですね」と顔をほころばせます。まずは本に関わった各関係者の方々へのお礼を述べ、「4年間、真剣に書いた作品です。ちょっと長いんで、上巻からでも手にしていただけると嬉しいです」とアピールしました。
元々、本が好きだというヒデ。20代の頃に一度、小説を書いてみたことがあったそうですが、“いつか心を動かせるような作品を書きたい”という執筆への思いはその後、徐々に徐々にと膨らんでいったそう。あるとき、嵐・二宮和也さんに相談したところ「やってみたら?」と言われ、「背中押してもらって書き始めることになりました」と執筆の経緯を説明します。
「こんなのを書いてるんだけど」と、ヒデから作品を渡された弊社の社員は、読んで思いがけず泣いてしまったとのこと。そのことを竹書房の編集者さんに話したところ、最初は疑っていたという彼女も世界観に入り込み、落涙してしまったそうです。表紙をお願いされたイラストレーター・片山若子さんも感涙……とさまざまな方の後押しを受けて、なんとか出版へとこぎつけました。
下巻の帯コメントを書かれた同書店・文学書売場担当の今井麻夕美さんからは、ヒデへ花束が手渡されました。
原稿はすべてガラパゴスケータイとスマートフォンで書き上げたそうで、ライブとライブの空き、新幹線での移動、トイレ……などあらゆるところで執筆にとりかかったとのこと。「文才がないので4年もかかってしまって。最後の1年間は、竹書房の方と手直しにかけました。僕のボキャブラリーがもっとあれば、みなさんに手に取っていただけるようなサイズになったのかもしれないけど、結局、上下巻に」と思いを綴ります。本屋に自身の書籍が並んでいるのを見たときは感動したそうですが、「本を観ていた人の後ろから、買え! 買え! と念じてたんですけど、買わずに去っていきました」と笑いを誘います。
移動が多いため、執筆はすべて携帯電話で行なったそうですが、その間、腱鞘炎に悩まされたり、スマートフォンが壊れて書いたものが全て消えてしまったこともあったよう。ですが、「30分くらいは呆然としてしまいましたけど、僕はスポーツをやってきた人間。書き直したものはさらによくなる、努力は裏切らないと信じて書き直しました」と明かしました。
好きな小説家は、浅田次郎さんや大沢在昌さんなど。「そんなヒデさんが最近読んだなかでいちばん面白かった本は?」と訊ねられると、昨日発売となったレイザーラモンRG著書『レイザーラモンRG洋楽あるある』(竹書房・刊)をセレクト。思わぬ答えに報道陣から笑いが起こりました。
相方であるワッキーには出版決定後、伝えたそうですが、「初めて話したときは軽く舌打ちされました(笑)。でも、その後は“おめでとう”と言ってくれて……誰(の言葉)よりも嬉しかったですね。まだ読んでないでしょうけど、感想は聞きたい」とコメント。「これから作家活動が増えるのでは?」と訊かれると、次回作をすでに執筆していることも明かしつつ、「僕(の本分)はいち三流コメディアン。これからもワッキーとがんばります」とコンビ愛をのぞかせます。もちろん、二宮さんにもすでに報告済み。「ぜひとも読みたいと言ってくれたけど、彼は忙しいから……」と思いやりに感謝していました。
「銀座七丁目劇場時代にテリー伊藤さんから“テリー伊藤賞”をいただいて以降、僕らは賞レースに縁がないんですよ。作家としてなんとか賞を獲れたら……そのためにもがんばりたいですね」と執筆への更なる意欲をのぞかせたヒデ。「今作をひとりでも多くの方に読んでいただいて、共感していただきたい!」と最後まで熱く語っていました。
その後、サイン会が行なわれました。
初めてのことで、勝手がわからない様子。スタッフに「これ、座っていいもんなんですか?」と訊ねながら、おずおずと椅子に腰掛けます。ペンを走らせるヒデに、ファンの方が「サイン変わったんですか?」と質問すると、「これは作家用なんだよ」と恥ずかしそうに答えていました。
●書籍情報
四季折々 アタシと志木の物語(上)(下)
定価:<上>1260円(税込)<下>1575円(税込)
仕様:四六判・並製
発売元:竹書房
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