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2013年10月 5日 (土)

「こんなめちゃくちゃな監督が一人いてもいいと思う」松本人志監督最新作『R100』初日舞台挨拶

10月5日(土)、東京・新宿バルト9にて『「R100」初日舞台挨拶』が行なわれ、松本人志監督、大森南朋さん、大地真央さん、寺島しのぶさん、佐藤江梨子さん、渡辺直美、渡部篤郎さんが登壇しました。

Bv1p0487i 本作は、大森さん演じる主人公の片山が謎のクラブ「ボンテージ」に入会したことをきっかけに、さまざまな信じられない出来事へ次々と巻き込まれていくという未体験のリアル・ファンタジー・エンターテイメント作です。

司会進行を務めるのは、本作の企画協力である放送作家の倉本美津留さん。「松本監督と地方を回って来まして、いろんなお客さんと触れ合いながら感想もさまざまで面白かった。今日は見終わってから(の舞台挨拶)ということで、感想をお持ちだと思いますから手を挙げて質問いただければと思います」と挨拶しました。

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監督を始めとした出演者陣が登壇すると、客席からは声援が。松本がその声が聞こえた方向を見て会釈すると、観客は手をぶんぶん振りながら大喜び! あまりの盛り上がりっぷりに、寺島さんや佐藤さんから思わず笑みがこぼれます。

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主演を務めた大森さんは「やっと初日を迎えられて、ホッとしています。初日から足を運んでいただいて、ありがとうございます。今日は観られた方ばかりということで、皆さんがどんな目で僕を見ているのかなと不安になります」と笑わせます。

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「皆さんがどんなふうに感じてくださったのか、興味津々です」と挨拶したのは、大地さん。「独特で個性的な、世の中にない作品に出させていただいて、私にとっては挑戦だったんですけど、いい経験をさせていただきました。いまは皆さんのお声を聞きたいと思っています」と客席に語りかけます。
「上映後なので、ドキドキします」と語った寺島さん。「本当に短い時間でしたけど、監督とご一緒させていただいて楽しませていただきました。皆さんの意見を聞けるのを楽しみにしております」と、独特な映画ということもあって、やはり出演者の方々は観客の反応が気になる様子です。
倉本から“ある場所に登場する女王”と紹介された佐藤さん。「今後、その場所へ行くのがすごく怖くなりました。皆さんにそういう目で観られるのかな……と思うと緊張しますけど、現場は楽しかったです」と語りました。

直美は「私は基本ドMなんで、城王様が演じられるかどうか不安でした」と本音を吐露。「初日に、大森さんにあんなことをするシーンで……。でも、やればやるほど気持ち良くなってきて、楽しめました」と、かなり作品を楽しんだようです。

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謎の男・岸谷を演じた渡部さんは「僕は2回観てるんですけど、表面的にSだとか、大森の醜い体とかが出てますけど(笑)、とっても知的な映画だなと感じましたね。改めて、松本さんはすごい方だと思いました」と静かに語りました。

「撮影はトントン進みまして、女王様誰とも恋に落ちることもなく、無事クランクアップを迎えられてよかったですね」と飄々と語り、笑いを誘った松本監督は、「やっとここまでこぎ着けたというか、自分の撮りたい部分を相当表現できたんじゃないかなと思います」とアピール。「この映画が当たるかどうかはわからないんですけど、(現在ヒット中の映画である)『そして父になる』を観てから、“そして父Mになる”を観ていただければ。ワンパックになって便乗できるのかなと」と、ウィットな言葉をかけると、会場からは笑い声が起こりました。

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挨拶後は、お客さんとの質疑応答へ。倉本さんが「職業と、SかMかを答えてください」と告げると、最初の方は「Mです」と返答。「Mだということ、これくらい大勢の前で言うと、ぞわっとするでしょう?」と話しかける松本監督です。
「監督の作品の魅力は、ラストにあるというか。毎回どんだけビックリさせられるのかなと楽しみにしていて、今回もコントラストがすごくてビックリしました。毎回、ラストのつくり方はどうされているんですか?」という質問に対して、松本監督は「毎回、ビックリさせたいという思いはあります」と返答。「会議で聞いたとき、なんちゅう発想やと思いましたよ」と倉本が補足すると、「そうですね。非常にウケがよかった海外でもあのシーンだけは、ぽかーんとしてた。でも、僕としては“やった!”という感じもありました」と語ります。

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「撮影中に、自分の中に二面性を見つけた瞬間を教えていただきたい」と言われたのは、女性陣。最初に指名されたのは直美だったのですが、「二面性? 二面性の意味が理解できない」とパニック気味。「そんな難しい言葉じゃないけど……でも、わからないんやったらしょうがないよね」(松本監督)「直美、最後な!」(倉本さん)とたしなめられます。
寺島さんが「MとMだと楽しくなるから、Sにならざるを得ないときがあるのかなっていう。だから、相手によるんじゃないかなと思いましたね」と言えば、佐藤さんは「Sのほうが頭とか体を使うような気がします。叩くほうも痛いんだというか。だから、集中するとSになれるのかもしれないですね」と語ります。
まず大森さんに劇中でしたある仕打ちについて謝ったのは、大地さん。
「笑いながらやるっていうことだったんですけど、(演じている最中に)もしかしたらマー子(注:(2009年、日本テレビで大晦日に放送された『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に笑ってはいけないホテルマン24時』で演じた林家パー子さんのパロディ)になるんじゃないかっていうくらいテンションが上がって来て、異常に興奮した自分がいたんです。監督がいたから、懐かしさとともに(そういう一面が)出て来たのかもしれないですね」と静かに分析します。
これを聞いていた松本監督は「大地さんの演技がすごくて。カットをかけたのは、大森さんがかわいそうやったから(笑)」と語ると、「寺島さんもすごかったですよね」と倉本さん。大女優のお2人は、女王様をも見事に体現しているようです。

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倉本さんから「もう大丈夫やな?」と振られた直美は、「二面性の意味わかりました!」と笑顔で答え始めます。
「私は最初、Sの気持ちがわからなくて入り込めなかったんです。けど、監督はもうちょっとSっぽさを出してほしかったみたいで、ダンスシーンでかなり踊らされたんです。その追い込み方で、無理矢理Sになれたというか……末もとさんに観られているから興奮しちゃったんですかね?」とコメント。その結果、松本監督が“そこまでやらなくても……”と躊躇うほど思い切りのいいシーンが撮れたようでした。

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松本監督の大ファンだという男性が、涙で声を詰まらせながら「松本監督のような、革命を起こし続ける人と一緒に仕事をして、何か得たことはありましたか?」と熱を帯びながら質問したのは、男性キャスト2人へ。
「まさか松本さんが仕事をくださるなんてという感じで、やっぱり嬉しかったですよ。こういう役もいただけるものではないので、経験としても役者としても刺激的な時間を過ごしました」と大森さん。渡部さんも「大森と同じなんですけど、最初にも言ったように知的な映画だなと思いました」と語ります。
倉本さんが「大森さんと渡部さんのやりとりが最高なんですよね」と絶賛すると、松本監督も「僕と浜田が語るとコントになってしまうようなシーンも、俳優さんがやると絶妙なバランスになるんだなぁと勉強になったし、感動しました」と感謝を述べました。

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今作は『第18回釜山国際映画祭』の「アジア映画の窓」部門に出品。6日(日)夜の公式上映に向けて、直美はこのあと一人で釜山に向かいます。
「劇中の格好で舞台挨拶に出るんですけど……石とか投げられないですかね?」と不安げな直美に、「劇中でやったことはやらないように! よろしくお願いします!」と託す松本監督でした。

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最後にメッセージを求められると「どうだったと訊かれたら、嵐がすごかったよ、と。嵐がパンツ一丁で走ってたとか言うといてください。そうしたら、見に来る人もいるかもしれないので」とポツリ。「ウソはついてないですからね」と倉本さんも念を押すと、会場からはクスクスと笑いが起こります。
そして、松本監督は「この先どうなるかわからないですけど、一人くらい、こういうめちゃくちゃな監督がいてもいいのかなと思っていますんで、次回も頑張ります。どうぞよろしくお願いします」と映画に懸ける熱い思いを吹くんだコメントを残しました。

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●作品情報
R100
監督・脚本:松本人志
出演:大森南朋/大地真央、寺島しのぶ、片桐はいり、冨永愛、佐藤江梨子、渡辺直美/前田吟、YOU、西本晴紀/松尾スズキ/渡部篤郎
配給:ワーナー・ブラザース映画
http://www.r-100.com/
©吉本興業

10月5日(土)全国ロードショー!

【松本人志】