『言わんこっちゃない』に主演するサカイストが芝居への熱い思いを語る!!
シェアハウスに集う人々のおかしくてちょっとせつない物語『言わんこっちゃない』が10月31日(木)から神保町花月でスタート。主演のサカイストに座長としての意気込みや芝居に対する思いについて聞いちゃいました!!
――『言わんこっちゃない』は、どのようなお話なのでしょうか?
デンペー 制作陣から「まだ"言わんこっちゃない"」って言われているので何とも言えないですね。
まさよし ハハハ(笑)。どうやらいいボケを考えてきたみたいですね。
デンペー えぇ、一昨日から。
まさよし だいぶん温めてますね(笑)。まぁ、僕らもどんな内容になるのかはまだわからないんですよ。ただ、今回は湊裕美子さんが演出なんですが、僕は湊さん演出の舞台は必ず女の子役なので、今回もどうなることやら...と、楽しさ半分不安半分という感じです。
――女の子役なら役作りをされるのですか?
まさよし もちろん。まず、毛を剃るところからすべてが始まりますね。あとは鏡で見ながら細かい仕草を自分なりに作っていきます。そういうことを意識し始めたら、自分の中で舞台はスタートです。ちなみに公演が始まったら、お茶を飲む仕草や目線、言い回しなどガラリと変わりますよ~。
デンペー 逆に男役をやるときもあるのですが、そういうときはお兄ちゃんとして不安です。いつもの姿なんですが、神保町という小屋でいつものまさよし...。違和感ですね。
まさよし 7割近く女役なんで(笑)。顔合わせで台本をもらったとき男役だと、「あれっ男役!?」って思いますね。今回はシェアハウスに集う男女の物語なんでどっちの可能性もあるんですよ。ただ、竹内由紀子さんや光永がいるので女性は足りているんですけど...。でも、男性の数も多いので追加の可能性があればそれは僕しかできないので、今からその可能性を信じてシャドートレーニングをしておきます(笑)。
――そんな姿を見てお兄ちゃんのデンペーさんはどのように感じますか?
デンペー 役者さんだなぁ~と思いますね。
まさよし 芸人さんですけどね。
デンペー 本当に違う人格になるんですよ。同じ血が流れているとは思えないというか...。僕だったら絶対できないです。これまで色々演じさせていただいて感謝しているのですが、僕はまだ演じるということ自体、模索中なんで。答えがないというか...演じることに。
まさよし あなたが役者さんみたいなことを言っていますよ――。
デンペー 与えられたセリフっていう言葉をどう自分の中で料理するか。難しいですよね。
まさよし なんかめちゃくちゃうっとうしい役者さんですね。深いのか浅いのかよくわからない。デンペーさんにはついていけないです。
――漫才で数多くの舞台に立たれていますが、お芝居だとまた気持ちが違うものなんですか?
まさよし 漫才はネタ合わせをしますが、やはりその場の空気やハプニングが笑いに変わっていくじゃないですか。ただ、お芝居でそれをすると世界観が崩れてしまうのでハプニングなどは邪魔になります。ミスが許されないというか...。そのプレッシャーはあります。
デンペー そういう"生"の姿を見たいという人もいるとは思うのですが、やっぱり脚本家さんが書き上げた世界を作り上げていく姿を見せていきたいですね。なんでアドリブは洋服だけにしています。
まさよし 確かに。今までの神保町はほとんど私服で出ていますもんね。デンぺー 舞台に行
くと大体その公演が求めているカラーが分かるので、そのカラーに合うファッションを選んでいます。どんな脇役だとしても魅了させてしまうのが申し訳ないのですが...。神保町に立たせていただいて3、4年になりますが、いつも主役だと思って演じていますね。で、終わってみると「やっぱりデンペーが一番だった」という結果が出ているという...。
まさよし セリフの量はまったく違うんですが、やはり食われたなぁ~と思うことは多々ありますね。
デンペー 人間って生まれ持った才能というのがあると思うんですよ。まさよしさんだったら色んなことをそつなくこなす"器用さ"だったりするのですが、僕にとってそういう才能は何?って考えたとき、やっぱ"スター性"だと思うんですよ。というより"スター性"しかないなと。何をやってもスターはスターなので。
まさよし うるさいよ!! 何も舞台のアピールになってないよ。
デンペー しょうがない。神保町がスターを求めているんだから。
まさよし お芝居を求めているんだよ!!
デンペー えっ!? 「スターこっちゃない」の話でしょ?
まさよし もう、ダジャレはいいですよ...。
――これまでも色々な役を演じられていると思いますが、今後やりたい役などありますか?
まさよし 今回はどうかわからないのですが、湊さん演出の舞台で男役をやってみたいですね。湊さん、僕のことを女の子と思っている節があるんですよ。他の演者さんやスタッフさんの前で、「まさよしは女だから」って必ず言うんで。なんでちょっと違う役を...。実は自分のキャラクターにない役をやりたいんですよ。陰湿でニヤッと笑うだけで凄味のある悪い役とかに憧れますね。
デンペー 僕は、アンドロイドや検事、元F1ドライバー、アイスホッケー選手とか...。
まさよし それ、愛する木村拓哉さんがやられている役じゃない?
デンペー あれっ!? 自然と出てしまったんだけど...。でも、逆のことをやりたいという気持ちはわかるんですよね。僕もモテない役とかやってみたいです。
まさよし いちいち止めるようで申し訳ないけど、実際モテてないからね。
デンペー う~ん。でも、お金もなく女にもモテないダサい役をやってみたい。こういう顔だから意外と悪役はできちゃうんですよね。だからそうではない、ダサい役とかお父さん役とかやってみたい。
――お父さん役とは意外ですね。ハートウォーミングな物語の方がお好きですか?
デンペー 1時間の芝居ならバッドエンドでいいのですが、2時間の芝居だったらハッピーエンドがいいと思うんですよ。2時間だとやっぱり完結させたいですが、1時間モノだと帰りにお客さんがそれぞれその後の物語を考えてくれれば...と思います。書かないですがもし脚本を書くことがあるなら、余韻を残して終わらせる芝居にしたいですね。
まさよし 意外と考えているんですね。
デンペー 考えているんだけど、書いたり演じたりすることはできないんだよね。
まさよし 才能がもったいなさすぎる! なんで使いこなせないの!!
デンペー う~ん。演技ではなくプロデューサー的なことのほうが向いているのか? ただ、これ以上評価されるのはちょっと怖い...。
まさよし ん!? たいしてされてませんけど!! でも、カッコよくってオシャレで面白くってプロデュースもできる...。ヤバいですね(笑)。
――まさよしさんは"まさよし劇団"の座長でもあり脚本も書かれていますよね。
まさよし 2回公演していて、1回目は暗い話で2回目はTHEハッピーエンドという話にしたんですよ。で、書いていて思ったのは、自分が本当に書きたいのは意外と暗い物語なんですよね。ハッピーエンドは見る人を幸せにするという本当に大変なことなんですが、暗い話の方が色んな伏線が絡み合ったりして脚本能力が問われる気がして...。サスペンスを書いてみたいです。ちなみに、"まさよし劇団"は神保町花月4劇団のひとつなんですが、一番仲がいい劇団だと思っているんですよ。座長は僕ですが、かたつむり林というリーダーがいて、もっと下のデニスや大江すぐるといった若手を盛り上げていく、理想の劇団ですね。そんな劇団を作るときにすごく必要だったのが、やはりスターのデンペーさんだったんですよ。座長、リーダー、スターという3本柱のバランスが最高ですね。
デンペー 実はこの劇団の特徴として僕たち以外はみんな若いということなんですよ。なんで、まだ光っていない。そんな原石にスターという光を当てて、みんなが光り輝いた劇団にしていきたいと思っています。
――今回もランパンプスや感動ピストといった若手のメンバーが出演されていますね。
デンペー 初めてなのでどうなるのか?とは思いますが、互いに吸収しあえればと思いますね。芝居はチームだと思っているので、千秋楽までの間、どういうチームワークを作れるのか楽しみですね。
まさよし マジメな話、デンペーという空気がすごくいいんですよ。こんなに後輩もイジれる兄さんってなかなかいないですから。稽古って深夜から朝までやっていてすごく疲れるのですが、さらりと差し入れをしてくれたり。すごくカッコいいのにダサいという。彼ならではですよ。こういう彼がいるからチームワークは強くなっていくんだと思いますね。ちなみに僕はそういうことはできないので、セリフだけは早く覚えるようにしています(笑)。まぁこれは、両方ともなんですけどね。
デンペー 練習中に台本を持っていると動きに制限が出てしまうんで、あんまり台本を持つのは好きじゃないんですよ。
まさよし とくに女性の役をやるときは、両手が使えないので表現しにくいですよ。あと、そういう姿を見せていくと後輩たちのやる気も変わっていくと思います。僕らのやり方を見て色々知ってもらえるとうれしいですね。
デンペー ちなみに稽古場の壁って鏡が張られているじゃないですか。あれを見ていると台本なんて持って演じたくないな~と思いますね。やっぱり自分の立ち振る舞いやファッションをちゃんと見なきゃ。たまに演出家から「芝居に集中して!!」って言われますが。
まさよし ハハハ(笑)。
――最後に『言わんこっちゃない』どういう人に見てもらいたいですか?
まさよし お芝居が好きな人に見てもらいたいです。神保町花月ができて7年近く経ちましたが、芸人さんも芝居ができるんだよ!!というところ見せていきたいです。
デンペー まぁ、見たい人に見てもらえれば。そこにオレがいるで。ここに来たらオレに会える、そんなチャンスなかなかないですからね。
まさよし じゃあ見に来てデンペーさんに惚れちゃったらどうするんですか?
デンペー それこそ「言わんこっちゃない」ですよ。
まさよし さすが!!
『言わんこっちゃない』
会場 :神保町花月
日時 :10月31日(木)~11月5日(火)
31日(木)、1日(金)開場18:30/開演19:00
2日(土)休演
3日(日)開場13:30/開演14:00 開場15:30/開演16:00
4日(月)開場15:30/開演16:00 開場18:30/開演19:00
5日(火)開場18:30/開演19:00
料金 :前売2000円/当日2300円
チケットよしもと:http://yoshimoto.pia.jp/
●サカイストの動画はこちら:http://ynn.jp/u/453/
【サカイスト】