バッファロー吾郎・Aが語る! ユニットコントライブ『空いているのに相席vol.2』の魅力とは?
来年2014年1月31日(金)から2月2日(日)まで、東京・新宿シアターモリエールにて、ユニットコントライブ『空いているのに相席vol.2』全5公演が開催されます。
同ライブはバッファロー吾郎・A、せきしろさん、上田誠さん(ヨーロッパ企画)が手がけた脚本で、A、キングオブコメディ・高橋さん、THE GEESE、山[E:#x266B0]唯さんがユニットコントを披露するというもの。今回は、脚本・出演のバッファロー吾郎・Aに同ライブの見どころなどを訊きました!
――まず、ユニットコントライブ『空いているのに相席』を開催しようと思ったいきさつを教えてください。
全員、よく一緒にライブをやっているメンバーなんですけど、コントをやる機会がいままでなくて。「コントができるメンバーとコントを書ける人たちがいるなら、コントをやるのもいいかな」というところから始まりました。1回目は今年の3月にやったんです。今後も続けていきたかったし、1年に1回のライブにするつもりもなかったので、(1年経ってしまう)3月までにできる日のあるところで開催しようということで、今回のライブが決定しました。
――『空いているのに相席』って、すごく素敵なタイトルですね。
これは、せきしろさんが考えたものなんですよ。“なんかありますか?”って候補を出しているうちに出してもらったものやったんで、これでいきましょうということになりました。
――vol.1では、長短含めて20本くらいのコントを披露されたそうで。
そうですね。3人で持ち時間を大体30分くらいと決めて、各々コントを書いていったんです。本数なんかは気にせずにやりたいものを書いていったら、なんとなくそれくらいになったというだけのこと。今回も持ち時間の中で、各々が書いたコントを持ち寄ることになってるんです。12月末に締切があって、いまは3人とも書いている最中なんですけど、そこから順番とか“これはやめておこう”とか“こことここは繋げよう”という構成的な作業をやる予定ですね。
――書き手のお三方の中で、共通しているポリシーみたいなものはあるんですか?
観ていただければ、おそらく3人がどんなことをやりたいのかはわかってもらえると思うんですけど……。僕が思ってるんは、言葉では説明できない世界観にしたいなということですよね。例えばシュールなコントっていうと、スーツで舞台に立って、距離を空けて2人が意味のないことを言っているとかを思い浮かべると思うんですけど、もっとゆる~い空気でシュールな世界観も出せると思うんですよ。わかりやすく言うと、SF的な要素が入ったりとか、パラレルワールドを舞台にしたり、敢えてオチらしいオチにしなかったり。かと思えば、“それ、いらんのんちゃうの”っていうものが付け加えられたりしていて、すごく馬鹿げたコントやったり……。そういうことは共通してあるのかなとそんな感じです。ごめんなさいね、うまく説明できなくて。
――いえいえ、ありがとうございます。個人的に、Aさんとせきしろさんの共著『煩悩短編小説』(幻冬舎・刊)が大好きなんですが。
あぁ! あの世界観に近いですね。あの本が好きな人やったら、きっと楽しんでくれると思いますよ。
――その言葉を訊いて、vol.1を観に行かなかったことへの後悔が募りました(笑)。稽古は来年に入ってからということですが、出演者としてユニットコントをするというのは、コンビでコントをするのとはまた違うものですか?
そんなに違いはないですね。前回は、せきしろさんも上田くんも(演じるキャラクターを)当て書きしてくれたと思うので、台詞を覚えるのも苦労せずに楽しくやらせていただきました。ただ、「ここの台詞は言いにくいから(言いやすいように)変えてもいいですか?」っていう相談くらいはさせてもらってます。上田くんは京都在住で、しかもめっちゃ忙しいんで、前回は一度も東京へ来られなかったんですよ。もちろんいまも忙しいんですけど、今回はひょっとしたら稽古に顔を出せるかもと言うていて。やっぱり書いた本人が演出したほうがええと思うんで、上田くんが演出することによって、さらに個性が出るかもと、いまから楽しみです。
――では、vol.1では上田さんの書かれたものについては、Aさんやせきしろさんが演出されたんですか。
そうですね。たぶんこういうことなんちゃうかなって考えながらやったんですけど……基本、僕、演出って全然やりたくないんですよ。「ここに動いて」ってお願いするのが苦手なんですけど、せきしろさんはもっと苦手やから「じゃあ、僕やりますわ」って代わりにやったりもしてました。まぁ、3人とも当て書きしてるし、出演者も全員よく一緒にライブをやっている人なので僕らのやりたいことを最初からわかってくれているんです。やから、そんなに指示しなくてもよくて、すごく助かりました(笑)。これが全員、知らん俳優さんとかやったら……。質問攻めされても「知らん! 知らん!」とか言うて、逃げてたと思います。僕と一緒にしたらダメなんですけど…………蜷川幸雄さんとか、ほんまに大変なんやろうなと思いました。
――ははは! 演出家の苦労を肌で感じられたんですね。
そうですね(笑)。だから、指示するといっても、「ここに動くとほかの人が見えなくなるんで」とか「後々、ここから出にくくなるから、こっちにしましょう」とかくらいでした。
――イベントの公式Twitterを拝見したんですが、vol.1開催の際、お題のようなものが書いてありました。あれはなんだったんですか?
せきしろさんが書いたコントに、僕がDJ役のラジオネタがあって、ほんまのラジオ番組みたいにお題を事前に募集したんです。出演者も名前を隠して書いているから、どの答えが読まれるのかわからないっていうドキドキした感じが、いい緊張感を生み出してました。
――ネタの中にお客さんが参加できるっていう試み、すごくいいですよね。観に来る人たちも楽しめるというか。
そうなんです。アドリブともまた違う、新しい試みですよね。そういう意味で言うならば、VOL.2では僕、実験的なコントを1本やりたいと考えてるんですよ。けど、それをやったら空気が変になるんじゃないかと悩んでます。……いや、絶対ウケないんです。
――ウケないっていうのは、もう確定なんですか?(笑)
はい、絶対ウケへん。世界観的にはめっちゃ好きでやりたいんですけど、お客さんは声を出して笑ってくれないと思うんですよね。……昔、コンビで考えたネタに、同じようなことがあったんです。僕が美食家役で、相方が寿司職人のコントなんですけど、寿司屋でイカを醤油で食えと言われた美食家が、塩で食べると赤ちゃんになってしまう。で、寿司職人が「だから言ったでしょ、醤油で食えって。このサンリクアカゴイカは、塩で食うと赤ちゃんになるんですよ」って言うというコントなんですけど、これは“サンリクアカゴイカ”っていう如何にもありそうなイカの名前を思いついた瞬間にやりたくて仕方がなくなったネタやったんです。でも、やっぱり全然ウケなかった(笑)。
――ははは。Aさんはそういうフレーズみたいなところから、コントを膨らませることが多いんですか?
そういう時もありますね。フレーズが思いつくと、やりたくなっちゃうんです。
――今回やりたいというコントは……では、もう少し悩まれますか?
そうですね。一応、台本を書くだけ書いてみて、できあがってからまた悩もうと思います。
――それにしてもコンビとして、またお一人でもAさんは精力的にいろんなライブを開催されていますよね。阿佐ヶ谷ロフトAなどで開催していた『ラブスタディ』も、ルミネtheよしもとでやれるほどの大きなイベントになりましたし、来年は半年間に渡る大喜利のビッグイベント『ダイナマイト関西』もいよいよ始動します。
実験が好きなので、思いついたらすぐやりたくなるだけですよ。最近は、せきしろさんとかからもそういう試す場をもらったりするんで、より色々とできているんじゃないですかね。『空いているのに相席』も、いずれシアターコクーンで8日間くらいできるイベントになればいいなと。シティーボーイズさんがやっていらっしゃる単独ライブのように、年の一度のお祭り的なライブにしていきたいという夢を持ってやっています。
――楽しみです。では、最後によしもとニュースセンターをご覧の皆さんに、一言お願いします!
コントにはいろんな種類がありますけど、ゆるいところに着地するコントをやっています。放送禁止用語も言ってないし、危険なこともやってないのに、テレビでやったら反感買うようなオチも観られます(笑)。ぜひ観にいらしてください!
●ライブ情報
空いているのに相席vol.2
出演:キングオブコメディ・高橋、THE GEESE、山[E:#x266B0]唯、バッファロー吾郎・A
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)、せきしろ、バッファロー吾郎・A
開催日時:1月31日(金)19時〜
2月1日(土)13時〜/16時30分〜
2月2日(日)13時〜/16時30分〜
会場:新宿シアターモリエール
公式Twitter:https://twitter.com/aiseki_conte2
チケット料金:前売2500円
チケットよしもと:http://yoshimoto.pia.jp/
【バッファロー吾郎】【A】