よしもとニュースセンター : 【ライブレポート】『全国行脚、月亭二人旅』、ロザンも出演

１月15日（土）、東京・浅草の雷５６５６会館にて、月亭方正（山崎邦正）と月亭八光による落語会『全国行脚、月亭二人旅』が開催されました。

このイベントは、月亭八方の三番弟子、四番弟子である八光と方正が、精進のために全国津々浦々、47都道府県を回ろうと立ち上げたもの。そしてこの日は、記念すべき第一回目。“大衆演芸の聖地”浅草からのスタートを切ったのでした。

まず高座に上がったのは、芸歴では方正の後輩ながら落語家としては兄弟子の月亭八光。

「関東の方は僕のこと知らないんちゃいますか？　こちらでも深夜に放送してるバラエティ番組『ロケみつ』の一応はメインなんですけど、ブログ旅の（桜稲垣）早希ちゃんの方が有名なんですよね」と場を和ませつつ、「出番前に浅草周辺を歩いてみましたら、お祭りのようでしたわ」とのマクラを振って『初天神』へ。天神祭りに連れていってもらった子供が、お父さんにさまざまな食べ物をねだる様を描き出した楽しい噺を、明るく賑やかに口演。若い人が多かった客席を、見事に古典の世界へといざないます。

そしていよいよ、月亭方正の登場です。

客層に合わせて、年末恒例『ガキの使い年越しＳＰ』の話題から「近所の子供たちが、僕の家をピンポンダッシュするんですよね。しかもインターホンで『山崎、アウトー！』言うて」と客席を沸かせ、がっちりハートをキャッチ。そして「かつてギャンブルをやっていたときに生まれたギャグがある」というマクラから、こちらも古典落語『看板のピン』へ。丁半ばくちで、ご隠居の“裏技”にしてやられた若者が、その裏技を使って儲けようとする様子を生き生きと演じます。淀みない口調と、たしかな技術は落語家の貫禄十分。観客の期待をいい意味で裏切ったようで、初めて見た方も驚きつつ爆笑しておりました。

続いては、ゲストのロザンが漫才を披露。

知性派として数々のクイズ番組に登場し「なんでも知ってる」とうそぶく宇治原に、「じゃあ、僕はゆうべ何を食べたでしょう？」など、菅が徹底して不条理な質問を浴びせかけます。方正＆八光で明るくなった会場に、ロザンはさらなる明るさと華やかさをプラス。なお今回ゲストにロザンを招いたのは、客の入りに不安を感じた八光が、方正に相談した際に「オレも不安や。そんならロザンを呼ぼう」と言ったから、ということでしたが、その期待にたがわぬ活躍を見せてくれたのでした。

中入りをはさむと、後半は八光と方正が、再び一席ずつ披露。

八光は、山道を行く若者が茶屋のおばあさんに道を尋ねると、いちいち怪談がらみの目印を教えてくれるという『幽霊の辻』を。

一方の方正は、田舎の宿の従業員が大阪からきた客に「手水を廻してくれ」と言われて意味がわからず、右往左往する『手水廻し』を口演。十分に古典落語、そして月亭の世界に馴染んだ観客たちは、彼らの一挙手一投足に敏感に反応。方正がサゲを言って礼をした際には、万雷の拍手がおくられたのでした。

終演後には、充実した笑顔で感想とこれからの意気込みを語ってくれた方正＆八光。

月亭二人による全国行脚の旅は、絶好のスタートを切りましたが、まだまだ始まったばかり。その旅の行方に要注目です！

方正「八光と話してて、流れで『やってみよう』と始まった企画ですけど、今日やってみて『これはイケる！』と思いましたね。そもそも、僕が落語というんで意外に思われるかもしれないですが、４年前に初めて落語を聴いてハマってしまったんですよ。『うわ、こんなにおもろいんや』って。それで弟子入りしたわけですけど、八光も僕もＴＶに出てると、中々落語にしっかり取り組む時間がとれない。だから今回は、僕ら自身もほんまに楽しみです。たださっき聞いてビックリしたのが、２回目がまだ決まってないんですよ！…こんなシュールなことありますか？（笑）　どこへでも行きますんで、来てほしいという方はぜひ、よしもとまでお問合せください！」

八光「もうね、方正さんは月亭のみならず、関西落語界の救世主やと思ってるんです。最初は本気だとわからず、気軽に僕の弟子にしようと思ったんですけど『そうじゃない』と（笑）。もう今では、上方落語協会にも入ってますからね、すごいもんです。だから今回、二人で全国回らしていただくというのはほんまに嬉しい。ちなみに次回については、さっきちょっと思ったんですけど、京都にしようかなと。１ヵ月に１回か２回、２年か３年ぐらいかけて47都道府県を回れたらと思いますので、ぜひお近くまで行った際には見に来てください！」