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インタビュー

2018年11月13日 (火)

犬の心・押見が演出『解放』がいよいよ11月16日開演!押見×ヒラノショウダイ×いまさらジャンプ山田座談会

11月16日(金)~18日(日)まで、東京・神保町花月にて犬の心・押見泰憲が演出する『解放』が上演されます。

本作は、登場人物6人だけの、密室で繰り広げられる会話劇。いったいどんな舞台になりそうなのでしょうか? 稽古真っ最中の押見と、出演のいまさらジャンプ・山田裕磨、ヒラノショウダイを直撃し、公演の見どころなどについて語ってもらいました。

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(向かって左から:犬の心・押見泰憲/ヒラノショウダイ/いまさらジャンプ・山田裕磨)

 *  *  *  *  *  *

――物語の内容について、脚本のたぐちプラスさんと押見さんで作っていかれたんですか?

押見:そうですね。プロット段階から相談して。なんなら稽古中も相談しながらやっていますね。

――この作品のアイデアというのは、どのようなところから?

押見:脚本のたぐちさんは、「締め切りに追われすぎて、"解放されたい"っていう気持ちをタイトルにしたんだ」っておっしゃっていました(笑)。なので、セリフの端々に「たぐちさんって日頃こういうこと思ってるんだ」っていうのは感じますね。

――演出される上で注意されている点は、どんなところでしょうか。

押見:ふざけてはいます(笑)。台本を壊さない程度に、できるだけ笑いを増やす作業をしていますね。

――出演者のおふたりはいかがですか?

押見:このふたりはよく一緒にやっているのである程度信頼感がありますね。ほかに初めての子もいますけど、稽古しながら「こんな子なんだ」ってわかったり。「この子、この役合わないから配役変えないとな」とか。
ヒラノ:ありましたね(笑)。
押見:配役、変えました。初日の本読みの段階で「あ!」と思って。
山田:僕がやることになった松葉役は、元々ぺんとはうすヤマトがやるはずだったんです。でも、本読みの段階で交代になりました。

――松葉は重要な役ですよね。

押見:そうなんですよ。だから、重要な役をあいつが背負えなかったってことですよね。まぁ、人数が少ないので全員がキーパーソンではあるんですけどね。合う合わないがあるので、変えてよかったです。

――ではヒラノさん、山田さんはお稽古してみての感触はいかがですか?

ヒラノ:本読みを1回して、配役が変わって。次にまた本読みして、押見さんが体調崩して稽古がなくなり......(笑)。
押見:だから、昨日が稽古初日みたいなもんだよね。
ヒラノ:稽古がなくなったのでセリフ覚えておいてくださいって言われて、稽古が再開したら今度は台本が少し変わっていて。
押見:ごっそり変えたとかじゃなくて、パズルを組み替えたみたいな感じだよね。僕は芸人をやっていて、自分が出ることも多々あるのでそう思うんですけど、芸人だったら対処できるんじゃないかなって。役者さん相手だったらこんなことしないと思います。

――じゃあ、それに対しておふたりも見事に対応されて?

押見:本番どうなるか、まだわかんないけどね。
ヒラノ:ハハハッ! 僕らもまだ全容が見えていないので。

――ほぼ出ずっぱりで、大変そうですね。

山田:そうですね。出たらずっとハケずに舞台にいるので、そこはみんなでの助け合いになるのかなと。だから台本通りに覚えていると進まないだろうなとは思います。誰かがセリフを飛ばしたりすることも絶対にあると思うので、そういうときにうまく汲み取れたらいいなと思います。

――では、それぞれの役柄について教えてください。

ヒラノ:僕は高嶺凌というシナリオライターの役です。先ほどの押見さんの話で、いろんなセリフが「これはたぐちさん自身の言葉だったんだ」と初めて知ったんですけど(笑)。どういう人物かというと......内容に触れずに説明するのは難しいな。......一見ちゃんとした人に見えますけど、ダメなところは自分に近いような気がしますね。僕も遅刻の言い訳とかしちゃうほうなんで。
押見:一番よくいるような人かもしれない。善良な人なんだけど、ダメな部分もあるっていう。で、山田の演じる松葉海良という役は、稽古でがらっと変わったんだよね。
山田:僕は、みんなより一日遅れて稽古に参加したんですけど、その時点でまったく変わっていました。最初の本読みでは闇を抱えたような人だったんですけど、稽古していくうちにバカ正直な部分が前面に出されて、どっちかといえば天然な感じになっていました。
押見:キャラクターを変えたっていうより話のシステムをちょっと変えたので、それに伴って変わりましたね。なんていうか......すげーバカになっちゃった。
ヒラノ:シンプルにいえばそうですね。
押見:バカが頭いいことしようとしてるやつになりました。

――おふたりのキャラクターは、少し因縁のある間柄で。

ヒラノ:そうですね、一悶着ありますね。
押見:僕は俯瞰で全部を見るじゃないですか。そうすると「全員、大したことねーことを大ごとにしちゃってるよな」って(笑)。
ヒラノ:最初の台本では、このふたりのやりとりがすっごくシリアスな、人生を揺るがすような大問題として描かれていたんですよ。でも、稽古を重ねてみると、多分そんなことにならないだろうなって。改札前の痴話喧嘩ぐらいに見える、でも真剣、ぐらいの見え方になってきそうだなと思いますね。
押見:ワンシチュエーションの会話劇ってよく言われるけど、会話劇なのかなってだんだん思ってきて。
ヒラノ:バカ6人の......。
押見:ふざけ合いみたいな感じになりそうです。

――アドリブもけっこうありそうなんですか?

山田:日替わりで変えて、演者を笑わせたいなって思ってます。アドリブって本来お客さんを笑わせるものなので、本当はいけないことだと思うんですけど、今回、僕がキャストの中で一番芸歴が上なので、そこの部分をちょっと楽しもうかなと思っています。
押見:自由度は高いからね。
ヒラノ:普段、山田さんはクールだったりクレバーな役が多いから、あんまり遊べないですもんね。こういう役、珍しいですよね。
山田:そう。神保町花月のお芝居にはもう20何本出てるんですけど、多分こんなにふざけた役は初めてじゃないかと思います。
押見:ふざけた役だよねぇ。確かにこのふたりって、見た目とか声のトーンとかからして、話を進める柱のキャラクターにしやすいんですよ。だから、今回みたいなのは珍しい。コンビではボケだっけ?
山田:ツッコミです。
押見:あ、そうか。でも意外とこういうのもやらせたら楽しそうだなって。ネタでツッコミの人でも、普段は天然だったりすることってあるじゃないですか。ツッコミの人って基本的にはちゃんとしてそうに見えるけど、そういう"ちゃんとした人"がヘンだったりするほうが面白いと思うんですよ。

――そんな演出家・押見さんは、おふたりにとってどんな存在となっていますか?

山田:ボケなし、ヨイショもなしで率直に言うと、出演依頼のメールが来たときに「演出 犬の心押見」って書いてあった時点で「出る」という返事をしました。僕、最初に神保町花月のお芝居に出演したときの作品で、押見さんと共演したんですよ。『ナツテール』っていう......。
押見:ああ!
山田:キャストが犬の心さん、シューレスジョーさん、ピクニックさん......。そこに芸歴3ヶ月ぐらいの僕がポンと入れられて。そのとき、押見さんからいろいろ教わったりお話してもらったりして、それ以来ずっと尊敬しています。
押見:いやぁ、恥ずかしいっすね......。芸人の演者は、芸人の演出家で助かるって思う人が多いと思うんですよ。ゴリゴリの演劇畑の人のすごさっていうのもあるけど、稽古の気楽さは芸人演出家ならではだと思う。本番がいいか悪いかは別としてね。
ヒラノ:僕も、今回「演出 犬の心押見」を見て、即返信しました。押見さんには去年の11月に初めて演出つけてもらったんですけど、そのときも最初の本読みと本番の雰囲気ががらっと変わって、すごいなと思いました。台本を読んだ段階で「ここ絶対、真剣なシーンだからマジメにやらなきゃ」と思っていたところを、笑いの箇所にしちゃったりするんですよ。でも、それで話がブレたりしないっていう演出の仕方で。それまでは、シリアスなところはシリアスに、面白いところは面白く、っていうのが普通だと思っていたので、「こんなことできるんだ!?」って新鮮な感動がありました。なので、押見さんの演出なら絶対出たいなと。まぁまぁ、神保町からの依頼を僕が断ることはないんですけどね。
山田:俺が感じ悪いやつみたいじゃん。
ヒラノ:ハハハッ! ほんと神保町花月にはお世話になっているので。で、去年は押見さん演出の作品のあとに、家城(啓之)さん演出の作品で、演者として押見さんと共演もしていて。
押見:そうだね。今、名前が出たから言うけど、僕は家城さんが演出された作品に出たときに、今ヒラノが言ったのとまったく同じことを思ったの。捕らわれの身だった僕が、脱出するチャンスをもらってみんなで走って逃げるっていうシーンを、緊迫感ある音楽の中でやるんだけど、家城さんが「これ、押見足遅いやつってことにしようか」って。で、脱走しているときにどんどんみんなから遅れて最終的にはジョギングぐらいになるっていうのをやったんだよね。そうしたら、確かに笑いになるけど緊迫感も削がれず面白いシーンになった。それで「こういうことやっていいんだ」ってわかったんだよ。それから、僕が演出させてもらうときは、そういうことをやっちゃいます。シリアスなシーンほどちょっと崩したら笑いになりますし。マジメに見てるのに急にヘンなことになるから、お客さんとしては「これ笑っていいのかな」となるかもしれないですけど、「笑っていいんだよ」と言いたいです。

――台本を読んだだけだと、密室劇だから緊張感を持って見てしまいそうな感じがしましたが......。

押見:絶対ないです。緊張する空気を作らせません。笑って見ていただければと思います。

――では、タイトルにちなんでお三方が「解放されたい」と思うものは?

押見:稽古ですね。早く本番始まってくんねーかなと思ってます。本番が楽しいからやってるだけで、ネタとかでも打ち合わせはそんなに楽しいもんじゃないですよ。本番を楽しむために苦労しているっていうだけですね。
山田:僕はバイトですかね。今日もバイト終わってからここに来ているので。バイトから解放されてお笑いだけで生きていきたいですね。
ヒラノ:僕はほんとにないかもしれない。バイトも楽しんじゃってるし......。居酒屋のバイトなんですけど。
押見:ホール出てるの?
ヒラノ:ホールもキッチンも。
山田:居酒屋のバイトで楽しいと思ってるやつなんて、この世にいるの?
ヒラノ:いないですかね......? 周りが同期の芸人ばっかりなんで、ずっと楽屋にいるみたいな感じなんですよ。
押見:すげーな。じゃあぬるま湯から解放されないと。
ヒラノ:その通りですね。
押見:新しいことをしたいとかは?
ヒラノ:あ、車の免許持ってないんですよ。27にもなって。なので無免許から解放されたい。
押見:俺、41で免許ないけど。
山田:えっ、新潟出身ですよね?
押見:高校卒業してすぐ、こっち来たんで。......恥ずかしいね。パスポートもないから、身分を証明するものがなくて困ってるんだよ。(山田に)免許ある?
山田:持ってます。僕、群馬の田舎なので、車ないと生活が厳しかったんです。
ヒラノ:じゃあ、いつか押見さんと一緒に免許取りにいきます。

――では、最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

山田:6人出ずっぱりで、人数は少ないんですけど、その人数の少なさを感じさせないような笑いの量になっていると思います。笑いたいと思っているお客さんには満足していただける公演になっていますので、ぜひお待ちしています。
ヒラノ:神保町花月の公演の良さって、笑えて、若手の芸人が頑張ってて最後ちょっとほっこりするというところだと思うんですけど、それが全部詰まっている作品です。そして押見さんがいかに天才であるかということがありありと舞台上に出ている公演になっていると思います。
押見:若手の劇場なので、お客さんが入らない公演もありますけど、毎回面白いは面白いんです。今回も面白いことは間違いないと思いますので、ぜひ足を運んで、笑ってください。


【犬の心】【押見泰憲】【ヒラノショウダイ】【いまさらジャンプ】【山田裕磨】

2018年11月12日 (月)

『黒猫ダイアリー ―僕とぼくの家族のカラフルな毎日。―』が好評発売中のミキにインタビュー! 亜生「表紙は奇跡的に撮れた1枚です」

ミキ・亜生と彼が保護した個性的な猫たち(助六、銀次郎、千太郎)による日常的な触れ合いをカラフルに切り取った日めくりカレンダー『黒猫ダイアリー ―僕とぼくの家族のカラフルな毎日。―』が現在、絶賛発売中です。

亜生と黒猫たちによるカワイらしい写真と、黒猫と生活することによって思いが31日分のメッセージとなって綴られている本作。兄・昴生もときどき登場しています。
今回、ミキの2人へインタビュー。ダイアリーができあがっての心境、保護猫への思いを愛情たっぷりに語る亜生と、猫と同等の扱いにちょっぴりすねる昴生。2人のほのぼのする掛け合いを楽しんでください!
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(向かって左:亜生/右:昴生)

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――出来上がりをご覧になった感想を、まず聞かせてください。

亜生 すーーーっごくカワイイです! 表紙には2匹の猫が写ってるんですけど、このあと2匹とも機嫌が悪くなったので、奇跡的に撮れた1枚なんです。裏の写真が撮り出して2枚目のものなんですけど、ここから言うこと聞かへんくなって、めちゃくちゃになっちゃいました。最初、マネージャーがお兄ちゃんに内緒で僕だけに「ちょっと亜生さん、いいですか?」って言ってきたのが、このダイアリーのことで。
昴生 内緒っていうても、楽屋の隅で話してるんでバレバレなんですけどね。
亜生 『世界の果てまでイッテQ!』の特番で、初めて伝えたんですよ。その時のお兄ちゃんの衝撃!(笑)
昴生 こそこそ喋ってるから、また1人で仕事すんねやろなと思ってたんですけど、まさかダイアリーを出すとは。1人やったらまだしも黒猫とっていう謎のやつで......。ミキでええやん、それやったら! ほんまにわけわからへん!
亜生 最初はお兄ちゃん、入ってなかったんですけど、僕の優しさから入れるようになったんですよね。
昴生 優しないよ、こんなん。もっと大々的にミキでええやん。ミキと亜生家族のカラフルな生活でよかったやん! 僕、千太郎と同じ扱いですよ?
亜生 なんやったら、千太郎のほうがページ数多いからね。猫たちにも見せましたよ。なんの反応もなかったですけど(笑)。最近、家を空けることが多いんで、千太郎の面倒を看てくれてる隣のおばちゃんに助六も銀次郎も懐いてしまって。昨日まで3連休で宮古島に行かせてもろうてたんですけど、帰って来てもまったく見向きもせぇへんし、触らしもしぃひん! 薄情なもんです。でも、好きなんで結局、一緒に寝ましたけどね。
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――先ほど表紙の写真が奇跡の1枚だと話してましたけど、撮影は大変でしたか?

亜生 大変でした! 助六は銀次郎と千太郎が知らん部屋(撮影スタジオ)にいるのがイヤなんで、助六を撮る時は2匹をゲージに入れて、1ショットにして。
昴生 ふふふ......亜生の笑顔、全体的におかしいもんな。
亜生 今今今!って感じやったからね。
昴生 僕も現場におったんですけど、助六は猛獣かのごとく、ずっとフーフー言うてて怖かったです。
亜生 ははは! でも後半、1匹にしたらスタッフさん全員、撫でさせるほど落ち着いてて......ほんまにようわからんかった。結局、助六がいちばんキレイな写真も撮れました。

――3匹の見分け方は?

亜生 いっちばん小顔なのが、助六。女の子なんですけど。

――女の子なのに助六!?

亜生 間違えちゃったんです(笑)。生まれて15~20センチくらいの頃、病院に連れて行ったら、男の子ですって言われて。その時、僕の家のテーブルに助六寿司が置いてあったんで、助六っていう名前にして治療してもらったんですけど、2週間後、女の子でしたって言われて。けど、すでに名前で呼んでたんで、そのままにしたんです。で、銀次郎は顔も体も大きくて、ほかの猫よりちょっとだけブスです。仙太郎は撮影の時、ちいさかったんですけど、今は大きくなって男の子やのに助六みたいな顔立ちの男前になってきました。
昴生 僕は千太郎を連れて帰りたかった。撮影の時、猫じゃらしでずっと遊んでくれててカワイかったです。

――亜生さん、昴生さんとの撮影はいかがでしたか。

亜生 助六と撮影してる時、千太郎の子守をしてくれてたのがありがたかったですけど。
昴生 ふぅ......子守担当ですわ、僕は。
亜生 ふはは! まぁ、お兄ちゃんとの写真もステキですよね。
昴生 僕はあえてジェルを使わない髪型にしたんです。たぶん、気づいてくれてる人もいると思うんですけど。
亜生 朝早かったから付けてないだけ!
昴生 違う! 基本、前髪をあげてるんですけど、落としているところがポイントです。僕のファンならたまらんと思う。
亜生 マジで聞くけど、前髪ある?
昴生 あったり、なかったり(笑)。......それにしても、僕の寝癖、もうちょっとなんとかならんかったんかな?
亜生 さっき違うふうに言うてたのに、寝癖って言うてもうたやん! お兄ちゃんとの撮影はすぐ終わったんですよ。早かったよな?
昴生 15分くらいで、大丈夫ですって言われて。僕的によくはなかったんですけど、いざできあがったものを見たら案の定でした。昴生っていう名前もちゃんと入ってないでしょ? それに、僕が一言添えたってよかったわけじゃないですか。"弟と猫がありがとうございます。全員、僕の弟みたいなもん。弟が増えた感覚です"って。どうっすか? いいでしょ!
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――昴生さんの紹介、ちゃんと載ってるらしいですよ。表紙の裏のところに。

昴生 えっ!(と言いながらダイアリーを見て)猫と同じくくりで紹介されてる! ケバブ大好き人間ってなんやそれ!......嬉しいんですけどね。

――(笑)。それにしても亜生さん、猫を保護したこともすごいことですけど、自分で飼うことをよく決意しましたね。

亜生 助六を拾った時、最初は飼うつもりはなくて里親とか貰い手がいたらいいなと思ってたんです。けど。見つからなくて。銀次郎は3兄弟やったんですけど、この子だけ残ってしまったので飼うことに......。
昴生 (話を遮って)あのね、僕らの漫才の出囃子『魔女の宅急便』なんです。ジジって黒猫でしょ? このダイアリーが売れたら、コンビの危機です!
亜生 ......なんでそうやってお茶を濁すん?
昴生 思いついて、言わずにはおれんかった! どこかに残したかった!(笑)......いや、僕もね、助六と銀次郎はちっちゃい頃から知ってるんです。けど、あんな子たちじゃなかった。昔は実家の犬と寝てたりしたのに、大人になったら反抗期になっててびっくりですよ。
亜生 人が嫌いになってん。銀次郎は優しいんですけど、助六はたぶん初めて拾って、扱い方がわからなかったんで甘やかしたら凶暴になってしまいました。触ろうとしたら、わー!ってやられるんですよ。まぁ、それでもカワイイんですけど。
昴生 亜生は動物がめっちゃ好きなんです。ちっちゃい頃の夢は、ムツゴロウ王国に入りたいやったもんな? 仲よかった友達と2人でワンルームの部屋を借りて、いっぱい動物を飼うんやって言うてた。当時、ワンルーム?って思ってたけど。
亜生 うわぁ! してたなぁ、そんな話。その友達、獣医みたいになったって聞いたで。
昴生 目指すところは2人とも叶えたんかなぁ。その子は獣医で、亜生は猫の保護。この3匹のほかにもたくさんの猫を保護してるんですよ。
亜生 芸人が見つけると、僕のところに連絡がくれるんです。家の中には助六たちがおるから、浴槽で育てたりして、多い時に7匹くらいいました。その間はたとえ冬でもちょろちょろのシャワーを浴びながら猫の邪魔しないように、お風呂に入ってましたね。
昴生 僕も保護してもらったことがありますし、子猫を見かけると亜生!って思います。
亜生 鳴き声が聞こえたら、元気かだと確認するまでは探し続けることをモットーとしてます。で、ガリガリに痩せてたり、足を引きずってたりしたら保護します。
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――何がきっかけで、そこまでの使命感を持ってしまったんですか?

亜生 助六と銀次郎を拾ったあと、もしかしたら今、大阪で命がなくなりそうな猫がいるかもしれないって思ったらいてもたってもいられなくなって。頭にライトをつけて、ずーっと自転車で探してました。後輩に見つかって写真を撮られた時は、めちゃめちゃ恥ずかしかったですけど。
昴生 僕が高熱出した時はなんにも言うてこうへん。生死の境をさまよってたのに......!
亜生 (笑)生きられるから、お兄ちゃんは!
昴生 ははは! 亜生は今後も猫を保護していくでしょうから、ダイアリーも第2弾、第3弾とできるはずです。あっ、亜生 in 猫島とか野良猫探検隊っていうのを定期的にどこかで連載してもらって、1年に1冊作るっていうのはどうですか? 亜生が撮影して。
亜生 それいいかも! やってもいい? 1ヵ月くらい休ませてもらうけど。
昴生 うん、いいよ。
亜生 え、いいの? 絶対にあかんって言うと思ってた。僕が休んでる間、何すんの?
昴生 吉本新喜劇に出させてもらう。うどん食うてるわ。
亜生 最初に出て来る人かぁ(笑)。
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――その企画、面白そうですね。実現することを祈りつつ、最後によしもとニュースセンターを読んでくれているみなさんへ、改めてダイアリーのアピールをお願いします。

昴生 ウォーリーを探せ!的な感じで、僕・昴生を探してください。
亜生 お兄ちゃんを探してください。黒猫はインスタ映えしないとか言われてますけど、このダイアリーを見て一気にファンが増えたらいいなと思います。ほんまに黒猫ってカワイイんです! 猫って毛の色や柄によって性格が違うって言われてますけど、黒猫は静かで優しくて飼いやすい。一人暮らしで猫を飼ってみたい人がいたら、ぜひ。あと、猫の保護っていう意味でも、このダイアリーが少しでも力になればいいなと思います!
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【ミキ】

2018年11月 1日 (木)

ルミネとNGKでの25周年ライブが迫る! COWCOWが語る試行錯誤の25年間

高校の同級生、NSC同期を経て、1993年に結成したCOWCOWの2人。
今年で結成25周年を迎えるにあたり、『COWCOW 25th LIVE ~あのひとはFinally ぼくらはAnniversary~』と題した単独ライブが、11月17日(土)に東京・ルミネtheよしもと、12月9日(日)に大阪・なんばグランド花月でそれぞれ開催されます。


今回は、決して平坦ではなかったその足跡を振り返りつつ、25周年ライブへの意気込みを伺いました。

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《COWCOW》
左:多田健二(ただけんじ)、右:善し(よし)


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――25周年の記念ライブということですが、この25年を振り返り、転機は?


善し 細かく言うといろいろあったんですけど、最初に大きいのは、2001年の上京になりますね。大阪で、舞台とかテレビに出させていただいたんですが、大阪とか地方の芸人ってみんなそうやと思うんですけど、東京へ行くのは大きな転機やったと思います。
多田 そうですね。


――2001年に東京進出するというのは、何かタイミングがあったんですか?


多田 2001年にルミネtheよしもとが出来て、当時のルミネtheよしもとの支配人の方から「東京に来るなら今やぞ」って言われたのもありました。それと、大阪では新人賞を3ついただいたんですが、2001年に『M-1グランプリ』が始まったんです。こんなデカい漫才の大会が出来たんやから、上京して結果を出すんだと思い描いていたんですね。でも2001年の『M-1』では準決勝どまりで、決勝へは進めず、2002年も準決勝どまり。2003年が芸歴的にラストイヤーだったんですけど、そこでもいけなくて、自分たちが得意と思っていた漫才で結果を出せなかったのは、すごいショックでしたね。
善し 結局、東京に来たのは、テレビに出たりだとか東京で活躍するっていう意味だと思うんです。でも、ネタ番組が少ない時代でもあったので、年に1回の『M-1』があって、あとは深夜にちょっとあるくらいで...。
多田 『M-1』で活躍した人をテレビや劇場で使い出すので、どんどん僕らの仕事がなくなっていき。
善し 悪循環ですよね。
多田 ルミネの楽屋で、一ヶ月のスケジュールを見た相方(善し)が、「こりゃあかん!」って言ったのを覚えてますね。
善し 僕も覚えてますね(笑)。
多田 僕ら漫才に自信を持っていたので、それ以外のお笑いのオーディションは適当じゃないですけど、全力でやってなかった感じなんですよ。だけど、東京来たからには、いろんなオーディションを全力でやらなと思って、そこからものまねとかコント、ショートネタとかいろんなジャンルのお笑いに取り組みましたね。その頃は(芸歴制限のないピン芸のコンテスト)『R-1ぐらんぷり』しか出るコンテストがなかったので、お互いが『R-1』の予選を受けて、ピンネタを作ったり。劇場では漫才をやるんですけど、漫才以外のことにも力を入れよう...力を入れざるえないといいますか(笑)。

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善し 『秒殺』っていうギャグのイベントも2004年くらいから?
多田 そう。当時、いろんな芸人とユニットコントをやっていたんですけど、その時のマネージャーから「そんな仲良しライブをやっていてもしょうがないじゃないですか」「多田さんがギャグをやって、どんどん後輩を負かせていく、そんなストロングスタイルのイベントをやったらどうですか」って言われて。テレビとかで「何かやって」と言われた時、ギャグは非常に重宝するので、東京に来たての頃は、よりギャグを考えるようになり、ギャグだけのイベントをやるようになって、それが最終的には日比谷野外音楽堂で開催するまでになりましたね。


――2008年開催の『大秒殺』ですね。


多田 そうです。『M-1』に出られなくなって、ちょっと沈んでいた時、ライブでいい感じになった瞬間でしたね。


――上京後の模索期間があったからこそ、今のCOWCOWさんのいろんなネタが生まれたとも言えますよね。


多田 そうですね。自然とそうなっていったというか。
善し やるしかなかったですね(笑)。『ジャングルTV』(『ジャングルTV~タモリの法則~』)とか仕事はあったんですけどね。
多田 「ネタいっぱいあっていいね」って褒めていただけることはあるんですけど、僕らはネタを作るしかなかったです(笑)。そこからちょっとお笑いブームが起きて、『エンタの神様』(2003年)、『爆笑レッドカーペット』(2007年)、『あらびき団』(2007年)とかが始まり、そういう番組に対応していくネタを作って、ちょこちょこ番組に出させていただくようになり、2007年くらいからちょっと上向きに。
善し お笑いのDVDもちょうどこのあたりから、どんどん出だすんですよ。ダウンタウンさんはずっと出ていますけど、若手芸人も、後輩のDVDもどんどん出だして、ちょっとやばいな、DVDを出していないのが恥ずかしくなってきて、お笑いDVDのコーナーを通らなくなりました(笑)。でも、2008年にはDVDが出せて、それから毎年DVDに残すために単独ライブをやるようになりました。
多田 単独ライブを毎年やるようになり、お客さんも来てくれるようになって、ホンマにいい感じでしたね。2007、8、9年あたりは。


――それからネタ番組で活躍されて、それぞれ『R-1ぐらんぷり』でも結果を残すわけですね。


多田 2004年から『R-1ぐらんぷり』にコンビで挑戦していますが、相方は4年連続決勝進出。僕はコンビでネタ番組には出させてもらっているんですけど、『R-1』決勝へは全然行けず、コンビとしては複雑な時期ですよね。


――当時のコンビ仲は?


多田 テレビを見て、相方があんまりウケてへんかったら、「もっとがんばれよ」となるんですけど、めっちゃウケたら、「もうちょっとおさえろ」みたいな(笑)。
善し コンビでもちょいちょい出させてもらうんですけど、まだ確信的なものは何もないんですよね。『爆笑レッドカーペット』にちょっとは出られますけど、かと言って、お笑いブームに乗っかっているだけ、みたいな。


――地に足がつかない感じですか?


善し そうですね。その頃、僕らより若手が多く売れていましたからね。
多田 (『爆笑レッドシアター』の)レッドシアター軍団の、はんにゃ、フルーツポンチ、しずる...そいつらと一緒に出ると、おこぼれ「キャー!」があるので、やりやすい時期ではあったんですけど、コンビ格差はありましたね。


――コンビ格差が埋まったのは、多田さんが『R-1』で優勝された時ですか?


多田 そうですね。『R-1』に優勝させてもらったのが2012年だったんですけど、2011年なんて、拗ねてエントリーしませんでした(笑)。「もうええわ」って。


――不参加の翌年に、五十音BOXという五十音で始まるギャグで優勝したんですね。


多田 はい。爆笑問題さんがMCのネタ番組に出演した時、ネタ以外で爆笑問題さんとの絡みで、特技みたいなのを披露するんですけど、僕はギャグしかないと思って。でも「ギャグやります」ってやっても、絶対すべるんですよ。ほんで、これはどうしようってなり、爆笑さんから好きな五十音を言ってもらって、五十音から始まるギャグが出来たら、MCと絡むことも出来るし、自分もおいしい...この方式めっちゃいいわってなったんですね。最初の頃は、そうやって五十音を募ってやっていたんですけど、五十個もギャグあると、いいギャグとそうでもないギャグの波があるんです。それを見た相方から、「自分の得意なギャグの五十音だけボールに書いて、それをボックスに入れて引いてやったらええんちゃう?」とアドバイスを受けました。


――お二人の合作だったんですね!


多田 そういうことになってしまうんです(笑)。


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――善しさんの当時の心境は?


善し そもそも『M-1』は出られなくなったけど、『R-1』でもコンビの名前は出せるし、コンビで決勝に行けたらいいやんというつもりで挑戦したので、それはホンマにいいなと思いましたね。後輩と一緒にお酒飲みながら見て、感慨深かったですね。
多田 優勝出来てよかったんですけど、よかったのは優勝出来た瞬間だけ。なぜなら、準優勝がスギちゃんやったんですよ。そこから、スギちゃん、スギちゃんとなっていき、「アイツは優勝したのに、全部スギちゃんに持っていかれた」とか、それこそ爆笑問題の太田さんとかに会うたびに言われたり(笑)。もちろん、太田さんなりにいじってくれはったんですけど、「確かになあ」みたいな、ちょっとネガティブになりましたね。スギちゃんの勢いはすごいし。


――でもそこから『あたりまえ体操』で大人気を得ることとなりますよね。


多田 2011年あたりから『あたりまえ体操』の伏線を張っていたんですが、我々を救ってくれました(笑)。
善し ケンドー・コバヤシさんはひとつ先輩で、大阪時代からかわいがってもらっているんですけど、「漫才とかギャグとかものまねとかいろんなネタやって、お前らホンマ『あたりまえ』なことで売れたなあ」って言ってくれました(笑)。


――確かに(笑)。


多田 ケンコバさんは、「K点、超えたな」って言って楽屋から出ていったのもすごく覚えています(笑)。


――超えましたか(笑)。『あたりまえ体操』は『あらびき団』用に作ったネタだったんですか?


多田 いいえ、最初は『S-1バトル』(ソフトバンクモバイル主催の映像作品コンテスト)用に作ったんです。『S-1』は東日本大震災の影響で休止となり、せっかく作ったのに出すところがなくなって、『あらびき団』でやらせてもらったんですよね。で、東野幸治さん(ライト東野)が、「うわ、COWCOW売れたんとちゃう?」って言ってくれたり、当時、ボストン・レッドソックス所属の松坂大輔投手がツイッターで「『あたりまえ体操』大好きです」とかつぶやきをもらって、ブワーって来たんですよ。でも、すぐ『あらびき団』が終わるんです(笑)。
善し 1ヶ月、4回くらい出て終わり(笑)。
多田 眼の前が真っ暗になるって、このことやなって思ったんですが、韓国のお笑い日韓戦っていうテレビの特番に日本代表で呼ばれて、「『あたりまえ体操』を韓国語でやってください」と言われました。うちら客前で『あたりまえ体操』をやったことがないし、しかも韓国で、韓国語でやるのってなりますよね。でも、どうにかやってみたら、すごいお客さんの反応がよかったんです。逆輸入という感じで、2012年に『笑っていいとも!』やゴールデンの番組に呼んでいただくようになって、そこからいろんなところでやらせていただきましたね。そのちょっと前に、ゲッターズ飯田が、「2012年はすごくいい年になる」って言っていたんですよ。それからずっと、ゲッターズ飯田が教祖で、ライブの字画まで聞いたりしています(笑)。


――ライブのタイトルの字画まで(笑)。


多田 あれだけ出させてもらうと、反動はもちろんあったんですが、でも2016年に『歌ネタ王決定戦』で優勝させてもらったのはデカかったですね。『あたりまえ体操』で、いろんな人に知ってもらいましたが、自分らには漫才はもちろん、いろんなネタがあるぞというなかで、コンビとして結果が出せましたからね。


――芸の幅を見せつけましたね。それから2年が経ち、今年は25周年。


多田 ゲッターズ飯田によると、いい年だそうです(笑)。本当に、今年に入って、25周年ライブのことをやってきたので、これだけを目標にやってきたという感じですね。
善し 単独ライブを初めて11年間の集大成です。時代の変化で、予算は減っているんですが、お金をかけないスタイルでの集大成(笑)。
多田 厳選したネタをやりつつ、お互い思い出に残るいいライブにしたいですね。


――25周年、COWCOWを続けられた理由はなんでしょうか?


善し 僕ら幸いにも、大阪時代にも賞をいただいたり、ちょこちょこですけど、いけるかもって思っていたんですよね。どん底の時も、ナインティナインの岡村さんや東野幸治さん、今田耕司さんたちがすごいあたたかくて、「面白いのにどうして売れないの」って言ってくださったりしたことですかね。


――ピンでネタをやっていた時も、そうした気持ちにズレはなかったわけですね。


善し ピンでネタをやっていただけで、ピン芸でいこうなんて気持ちはさらさらなかったですね。底辺とはいえ、COWCOWとしての出番は、毎月ルミネにすごい数出させてもらっていたんですよ。吉本新喜劇もありましたし、ほぼほぼ毎日、劇場にいるっていう感じでした。

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――劇場番長たる所以ですね。最後に、これからの展望を聞かせてください。


多田 『CDTV』が25周年を迎え、安室奈美恵さんが25年で引退...ある意味区切りですが、僕らは新しいCOWCOWを見せていくことが主体となっていくと思います。新しい僕らを見てください...って言って、新ネタがなかったら、後戻りしてるって、笑けてくるんですけど(笑)。いやでも、『あたりまえ体操』をやらせてもらい、『歌ネタ王』を獲らせてもらったので、新しいリズムネタと言いますか、「あいつら何やってんねん」っていう感じのネタはやるつもりです。
善し 50、60、70代も面白い先輩方がいるので、その年齢まで続けたいですね。続けることが面白くなるとは思うんです。8月のトークライブのゲストに来てくれた笑福亭鶴瓶さんやよしもとの師匠方もそうですけど、年齢を重ねて、より面白味が出ていますよね。


――さらに50周年とかイメージ出来ますか?


多田 単独公演をやられている大先輩もおられますし、それが目標ですよね。そういう方になりたいですよね。そして、がんばって将来はハワイに住みたいな(笑)。
善し ハワイに住みたいっていうのはないですけど(笑)、40歳すぎると、いろいろ見えてくるじゃないですか。人生の折返しは終わっているぞとか、芸能界だけ見ても、この人、歳取ったなあとか、亡くなりはったとか。そういう意味でも、続けたいですよね。隠居もいいですけど、漫才師の先輩、師匠を見ていると、続けているってすごいと思います。


――生涯芸人ということですね。


善し それしかないでしょうね。芸人さんで「引退です」っていう方も少ないですし。


――多田さんがハワイに行っちゃったら、どうするんですか?


善し ハワイでギャグやっているでしょうね。
多田 COWCOWのハワイ公演とかね。


――50周年はハワイ公演って、いいですね。


多田 適当なライブになりそう(笑)。
善し ぜひ、取材に来てください(笑)。


――ぜひ、よろしくお願いします!(笑)


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2018年10月30日 (火)

いよいよ11月1日開演! 東京コミコンコラボ公演 劇団アメコミリーグVol.1『アメコミリーグ ビギンズ』修士×なだぎ×竹若×ますもとたくや座談会

111日(木)~4日(日)まで神保町花月にて上演される、劇団アメコミリーグの旗揚げ公演、『アメコミリーグ ビギンズ』。これまでトークイベントを中心に行ってきた、アメコミ好き芸人ユニット「アメコミリーグ」の彼らが、今なぜ劇団を立ち上げることになったのでしょうか? おもしろ佐藤がフィリピンに行っていていまだ不在の中、修士、なだぎ、竹若の3名と、脚本・演出を手がけるますもと氏に、稽古前の貴重な時間にお邪魔し、お話を伺ってきました!

*     *     *     *     *     *     *      
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(左より、竹若元博、ますもとたくや、川谷修士、なだぎ武)

ーーもともとアメコミ好き芸人のユニット・アメコミリーグとして、2014年からトークイベントなどをされていたと思うのですが、今回、「アメコミリーグ芝居」という新たなコンテンツを立ち上げられたのはなぜですか?

修士 もともと、アメコミリーグというイベントに、ますもとさんにレギュラーゲストみたいな感じで出ていただいてたんです。

ますもと 一度マーベル(アメコミ出版社のマーベル・コミック)でお仕事させていただいたのがきっかけでイベントに呼んでいただきまして。

修士 僕は昔、ますもとさんの劇団のお芝居に出たりもしていたので「いつかお芝居したいなぁ」ということは言っていて。

ーーじゃあ、なんとなく「そのうちお芝居を......」というのは以前から考えていた?

竹若 できたらいいなぁというのは思ってました。ただ、ますもとさんがベシャリが立つんで、普通にイベントでおしゃべり要員として活躍されてたんですよね。しゃべれへんかったらもっと早く「書いてもらおうか」ってなってたと思うんですけど。なんやったら「この人、書ける人やったんや」っていうのを忘れてました(笑)。

全員(笑)。

ますもと でも結構みなさんも舞台やられてたんで、これはできるんやないかなというのは僕も思ってました。

ーーアメリカのコミックを日本で芝居にするというのが少しイメージしづらいんですが、ズバリ、アメコミのお芝居とはどんなものなのでしょうか?

ますもと これ、いい機会やと思うんで言いたいんですけど、僕、以前に「アメコミシアター」っていう自分の劇団をやってた時も悩んでて。結局アメコミーーマーベルとかDCコミックのマニアックなネタをぶっ込んでも、観客は"シーン"なんです。だからやっぱり、アメコミテイストというか、イメージをうまく使って「こういうモチーフよくあるよね」っていうのを使うのがいちばん正しいやり方だなっていうのを2014年にやらせていただいた舞台で思ったんですよね。マニアックなことはいつも「アメコミリーグ」でお話しさせてもらってるんで、とりあえずとっつきやすいとこからというか。

竹若 詳しくない人も持ってるイメージですよね。いいヒーローがいたり、悪い敵がいたり。そういうところはしっかり押さえているので、あまり知らない人でも大丈夫ですよね。

ますもと だから、詳しくないと見れないなんてことは全然ないです。

ーーじゃあ、お芝居から興味を持つ、というのもあり?

なだぎ それはありがたいですね。そもそも、ふだんのアメコミリーグのイベントの感じもそうなんです。持ってる知識を出すとかじゃなくて、とにかく笑えるようにアメコミを紹介して、ちょっとでも興味を持った人が「じゃあ映画を観てみようかな」とか「原作読んでみよう」みたいなことを思ってくれたらいいな、みたいな感じのイベントなんですよ。だから、今回のお芝居もそんなテイストになればいいかなって。

ーー全然マニアックなものではないんですね。

竹若 全然。むしろ、マニアックさはできるだけ排除しようと思ってますし、僕らもマニアっていうよりはただ「アメコミが好き」っていうポジションなので。

なだぎ マニアな人はいっぱいいて、マニアックなイベントもその人たちがやってるんですよ。だから、我々の方はとにかく笑える感じが基本にあって、その中で興味を持ってくれたらいいな、というコンセプトですね。

竹若 "アメコミ新喜劇"やと思ってます。

修士 (笑)。いいですね。いろんな新喜劇ありますやん、ラグビー新喜劇とか。

なだぎ そんなん知らんて、誰も。NSCで一回やっただけやん、それ。......だから、のちのちロバート・ダウニーJr.が出てくれたらいいな、みたいな。

一同 (爆笑)。

ますもと 僕、毎回アメコミリーグ出てて楽しいんですよ。「アメコミをイジってもいいんだ」っていうのが楽しくて。

なだぎ そうですね。そういうコンセプトが反映されたお芝居になれば。でも本当に笑えるお芝居になってると思います。
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ーーアメコミといえば「コスプレをする人が多い」イメージがあるんですけど、今回のお芝居も衣装にはこだわっているのでしょうか?

ますもと そうですね。実は「アメコミリーグ」という架空のヒーローのコスチュームがありまして、それをみなさん着ることになると思います。

ーーみなさん、同じ衣装なんですか?

ますもと カラーが分かれてまして、この人はこういう能力、この人はこういう能力と、『X-MEN』的な感じのものを考えてます。

修士 チラシにもちょっと書かれてるんですけど(と、左上に書かれたイラストを指差し)僕は赤なんです。

なだぎ ただおもしろ佐藤に関しては、これ全然違います(と、チラシ左下に書かれたおもしろ佐藤を指差す)。

ーーえ!? これおもしろ佐藤さんですか?......色黒すぎません(笑)?

なだぎ でも今フィリピンに行ってるので、もしかしたらこれより黒くなって帰ってくるかもしれないです。(注*現在は帰国しています)

ーーじゃあ、日焼けを見越しての......(笑)。それにしても佐藤さん、稽古にはいつから参加されるんですか?

竹若 そうなんですよ! 本番だけ空いてるんです。

なだぎ だから、本番一発ぐらいです、こいつに関しては。

ーーということは、出番的にはそんなにない感じ?

なだぎ いや、ずっと出てもらいます。

全員 (爆笑)。

修士 困らしてやろうと思ってます。

竹若 一応台本は送って「覚えとかなしばくぞ」とは言ってるんですけど、本番では(台本と)全然違うことをやるかもしれません。

なだぎ でも、練習させへん方がもしかしたら跳ねるかもわからないです。変に練習するよりも。

ーーそんなの、ドッキリじゃないですか(笑)。じゃあ、練習の時は代役の方が?

竹若 そうですね。代役の方が今面白くてね。出来上がってきてます。あんまり達者なんでね。

なだぎ 今、パソコンいじってる彼(とスタッフを指差し)にも別の人の代役をやってもらってるんですけど、あの子がね、ビックリするぐらい棒読みなんですよ。でも逆にその棒読み感がクセになってきて。昨日の稽古にはいなかったんですけど、だいぶ寂しかったです(笑)。本役(演じる本人)は役者なんでバリバリ芝居するんですけど、なんか、全然面白くない......(笑)。普通なんですよ。一個超えてきてほしいんですよね~、いろんな意味で。

修士 うまいんですけどね。

なだぎ でも、うまいやつなんていっぱいいるんで。あれほど棒読みなんはあいつだけやと思うんです。むちゃくちゃ面白いんですよ。ラスボスおまえかい、みたいな。それこそ新喜劇のノリですよね。

ーー(笑)。とにかく佐藤さんに関しては、どうなるか、本番までのお楽しみ......!?

なだぎ 英語勉強して帰ってくるんで、もしかしたら、台本は日本語で書いてますけど「オレ、全部英語で言いたい」とか言うかもわかんないし。そうなったら全部英語でやらせます。もしかしたら我が強くなって帰ってくるかもしれないんで。

ーー色が黒くなるだけでなく......(笑)。

なだぎ 我も強くなって(笑)。

修士 でも、ちょっとでも偉そうなこと言ったらしばき回しますけど。

なだぎ 気が大きくなって帰ってくるかもわからないので、こっちが身構えとかんと。

ますもと なんかでも、将来的にこのお芝居の一部分をコントにしたやつを英訳版とかにしてみんなで海外でやれたらいいですね。まずは佐藤さんの知り合いを呼んでもらって、フィリピン公演でもいいですし。
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ーーそういえば、今作は東京コミコン(日米の映画・コミック・アニメ・ゲームなどのポップカルチャーを扱ったイベント)とコラボしているそうですが、将来的にはコミコンの会場でも何かやれると面白そうですね。

竹若 ねぇ。コミコンの舞台で上演できたらいいですね。

なだぎ 最高やな。

修士 あと、コミコンにはコスプレイヤーの方も多くて、すごいんですよ。クオリティも高いし、その人たちのファンもいたりして。その人たちともいつかコラボできたらいいですね。

竹若 最高峰の人たちが来てる感じするもんね、あそこに。

修士 だから、その場合は"コスプレ新喜劇"ですよね。

なだぎ 自前の衣装を持って来てもらったら、衣装代もかからんしね。だってもう、衣装が映画さながらの仕上がりなんですよ、こだわって作ってはるから。

ーー今回旗揚げ公演ですけど、どんどんクロスオーバーしていくといいですね。

竹若 コミコンはアメリカにもインドネシアにも......世界中にあるんで、実際、ちょっと前に「インドネシアのコミコンに行きたいな」みたいなことも言ってたんですけど、これ(『アメコミリーグ ビギンズ』)が仕上がったら、これを英語に直したりとか。

ーー海外で「アメコミ新喜劇」を上演できたら、同時に日本のお笑いも紹介できますし、いいですね!

なだぎ ぜひ挑戦してみたいです。ただ1時間半ずっとスベってるかもわかりませんけど。

全員 (爆笑)。

竹若 変な顔とか動きした時だけウケるとか。

ーー稽古場の雰囲気は現在どんな感じですか?

ますもと 深夜に稽古することが多いので、その稽古でめちゃくちゃ笑ったなと思って家に帰って、起きると何もかも忘れてる時あります。「何がおもろいんやったっけ?」って。

修士 深夜のノリでね。

なだぎ もう、作ってる側も演じてる側もだいぶ老化が入ってるんで。

全員 (笑)。

なだぎ 23時過ぎたらもう何やってるかわからへん、自分で(笑)。ただ僕、ビックリしたのが、初回の本読みの時、台本が1/3しかできてなかったんですよ。それが10月の半ばなんですよ? だいぶ心配したんですけど、稽古が始まったらテンポよくできてきたんで、すごく安心しました。でも稽古したのに、次の日また変わってるんですよ(笑)。

修士 どんどんアイデアが出る方なんで。

竹若 稽古を見て、思いついたことをまた次に活かすみたいな。

なだぎ アップデートアップデートなんですよね。

修士 ただ、見てすぐ飽きるんですよ(笑)。

なだぎ 昨日も青木(俊輔)くんに「声を高くしろ」って言って、3回ぐらい見てもう飽きて、「おまえいつまでやってんねん」て言うてましたよ。

修士 (笑)。僕、怖いのが、本番の前日に台本がめっちゃ増えてたらどうしようって......

なだぎ あるみたいなんです、この人は。

ますもと (笑)。じゃあ、逆にもう稽古せんときましょうか。

ーーますもとさんはいろんな作品を手がけていらっしゃいますが、「アメコミリーグ」だからということで気をつけられた点などはありますか?

ますもと いや、でもホントに自由にさせてもらって、すごく楽しいです、僕自身は。もう、普段はストレスフルな仕事ばっかりで......。

修士 (笑)。いや、そんなことないでしょ。

ますもと (脚本に)書いた通りのイメージかそれ以上にみなさんやってくれるので楽しいですね、やりがいがあるというか。
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ーー今作の見どころを教えてください。

修士 今回、二葉兄弟という双子のイケメンに出てもらってるんですけど、すごい好青年で。

ますもと 僕、以前お兄ちゃんの方と一緒にお芝居したんですけど、関西人ということもあって、芸人さんとの芝居のカンがすごくいいなと思って。「これは絶対ハマるぞ」ということで今回お願いしました。

なだぎ 今回この舞台の主題歌も歌ってもらってるんですけど、カッコいいんですよ、この曲が。

ーー双子ということを活かした役柄、ということですよね?

修士 あっ! ありがとうございます。

なだぎ それはそうですね。逆に活かしてない方が......(笑)。全然活かしてへんやん!ってなるから。今回はガッツリ活かさせていただいてます。

ますもと 築田(行子)ちゃんも天然なキャラなんですけど、結構面白い方なんで。

修士 だから、芸人芸人してる舞台ではないですよね。

竹若 全員の見せ場というか、特徴がすごく出てるシーンがたっぷりあるっていうのはいいですね。なんか、この4人だけが目立ってる舞台では絶対ないし、みんながそれぞれ刺激を受けあっていい味出し合っている舞台なので。

修士 どこを切り取っても楽しいと思います。

ーー築田さんはいわゆるヒロイン役なのでしょうか?

竹若 ヒロイン、というのではないかなぁ。アメコミリーグメンバーが、もう愛だ恋だという年齢じゃないんでね......(笑)。

なだぎ クソジジイばっかりですから。お父さん世代というか。

竹若 見てて無理が出てくるんで、ますもとさんも「これ、ちょっと恋人関係とか無理やな......」って思わはったと思うんで(笑)。

ますもと いやいや......

修士 だってこんなん、恋とかしたらただの『黄昏流星群』ですやん!

全員 (爆笑)。

なだぎ 中年の恋物語なんて、誰もたぶん見たくないと思いますんで。それがイケメンやったらいいですけど、クソみたいな顔ばっかりなんで。

ーーそんな(笑)。でも舞台のお芝居って、わりと何歳にでもなれるじゃないですか。

竹若 そこまでの演技力がないんで......。

全員 (笑)。

ますもと よかれと思って言うてくれてはんのに(笑)。

ーーでは最後に、読者にメッセージをお願いします!

修士 今作はいろんな人に見てもらって、ああだこうだ言っていただきたいので、ひとりで来られる方ももちろんありがたいんですけど、それについて友達と話したいはずなので、絶対友達を誘ってほしいなと。この記事を読んでる最中に、すぐに友達にラインを送ってください。

なだぎ 今年もあと2カ月で終わるくらいの時期になってきてるんで、「ちょっと一発面白そうなの見に行こか」みたいな。「アメコミそんなに知らんけど、どんな感じなんやろ?」って興味のある方はぜひとも見にきていただいて、どんどんSNSで拡散していただいて、『カメラを止めるな』ぐらいまで広がったらいいなと思ってます。

竹若 いろんな要素が、ちょっと詰め込みすぎちゃうの?っていうぐらい詰め込まれてて、アメコミをあまり知らない方でも楽しめると思いますし、楽しいと感じる部分が人それぞれあると思うので、みなさんの反応でアメコミリーグはその人気ある方に向かって行くと思います。実際に観にきていただいて、「あそこの部分が楽しかった」とか言うてもらえれば、すぐそっちの方になびいていきますので、みなさんに準ずる劇団として、今後もいろんなところでやっていきたいなと思ってるんで、将来を見越して観ていただければと思います。

ますもと 今回、"少年心"というのがテーマになってまして、みなさんが一回忘れてるんじゃないかな?っていう、大人になって、日々を過ごすうちに忘れているものを取り戻せるようなお芝居になってると思いますので、お楽しみに。
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【2丁拳銃】【川谷修士】【なだぎ武】【バッファロー吾郎】【竹若元博】

2018年10月27日 (土)

いよいよ10月27日(土)公開! 映画『サクらんぼの恋』桜井ユキさんインタビュー 

宮川大輔が初主演を務める映画『サクらんぼの恋』。お人好しな性格のせいで周囲からバカにされ、冴えない日々を送っていた45歳の童貞男が、大ファンだったAV女優・恩田リナと出会い、ピュアな恋に落ちる姿をハートウォーミングに、そしてリアルに描いた恋物語である本作のヒロインを演じるのは、今最も勢いのある女優として注目されている桜井ユキさん。そんな桜井さんに、本作についてお話を伺ってきました。

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ーー最初に今作のオファーがあった時はどう思いましたか?

台本を読む前は、宮川大輔さんが主人公だということと、ざっくりとしたストーリーを教えていただいたので、どちらかというとコメディ要素が大きい作品なのかなという印象を受けたんですけど、台本を読むとその印象は変わり、現場に入ってさらに変わり......という感じでしたね。

ーー主演の宮川大輔さんについてはどんな印象を持たれていましたか?

もともとすごく好きな芸人さんだったので、いろんな番組を拝見させていただいてたんですけど、テレビの印象のまんまってことはないだろうなと思っていて。「どういう方なんだろう?」って、お会いするのがすごく楽しみでした。

ーー実際にお会いしてみていかがでしたか?

静かな方でした、最初は。初日にキスシーンの撮影があるということもあり、お互い緊張していたので、初めてあいさつした時はお互いよそよそしい感じで。でもすごくこう......あんなに面白い話をたくさんお持ちで、いろんなことをされている方なのに、地に足が着いてる方だなって(笑)。本当に真面目な方だなという印象でした。

ーー宮川さんが「クランクインしていきなりラブシーンで、本当に好きになってしまった」とおっしゃっていましたが、クランクイン初日にいきなりラブシーンの撮影をするのは難しかったのでは?

難しかったですし、撮影スケジュールを見たときは「えっ!?」ってビックリしたんですけど、あとになってラブシーンを初日に撮れたのはありがたかったなって思いました。あれで距離を近づけられたというか。お互いの気持ちがくっつきそうでくっつかない、絶妙な距離感があのシーンのよさだと思うんですけど、仲よくなりすぎてしまうとその距離感って生まれないと思うんです。初対面の、お互いをまだ探り合っている感じの中であのキスシーンができるっていうのは、出そうと思って出せる雰囲気ではないので、それを初日に撮らせていただいたのはすごくよかったなって後々になって思いました。

ーー宮川大輔さんと共演してみて、いかがでしたか?

いやもう、大好きです! 

ーー大輔さんの方も好意を持たれていらっしゃる感じでしたが......(笑)。

(笑)。でも、公の場ではそう言ってくださるんですけど、宣伝のお仕事なんかでいろんなところに一緒に行った時に、キャストやスタッフさんと食事に行くんですけど、ちょっとお酒が入ってきて、フランクな雰囲気になった時でも「ユキちゃん、まだ大丈夫?」「ホント、もう帰っていいからね」って、気を遣ってくださって。すごく紳士な方なんです。そこも含めて、ただ面白いとか優しいだけじゃなくて、人間的にも素晴らしい方だなって......本当に大好きなんです(笑)。
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ーー大輔さんが演じている山川則夫という人物は、実際の大輔さんとはかなり違うキャラクターですよね。

そうですね。則夫と大輔さんは真逆なんですけど、根っ子には通ずる部分があると思います。意外とちゃんとドギマギというかアワアワしたり......。則夫はよくアワアワしてるんですけど(笑)、大輔さんも慣れてないことはちゃんと慣れてない感じが残ってて、たぶんそこが魅力的なんだと思います。全部をちゃんとこなせて、さばけて、割り切れる人に見えるじゃないですか、大輔さんって。私もそういうイメージがあったんですけど、ちゃんとそうじゃないところが残ってる感じがするというか。

ーー映画を拝見して、大輔さんとは全然違うキャラクターなのに、違和感を感じるどころか本当はこんな人なんじゃないかとさえ思ってしまいました。

だから、根本の部分は......3mmくらいは大輔さんなのかもしれないですよね(笑)。

ーー則夫のような人って実際にもいるんじゃないかと思いますが、桜井さん自身は則夫のような人のことをどう思いますか?

すごく素敵だと思います。ただ、あのまんまだとあのまんま終わっちゃう人なので、たとえば則夫のように、美咲(恩田リナの本名)のようなきっかけになる人と出会えれば、今まで閉じていたものが開く素直さをお持ちだと思います。いろんな人と出会うことが大切になってくるんだろうなって思いますけど。ただ、則夫に限って言えば、美咲に出会うまでの則夫はちょっとイヤですね(笑)。ウジウジしてる感じが。

ーーただ、あんなドラマチックな出会いってなかなか起きないですよね。

でも、聞いてるとたまにあるんです、本当に。「そんな映画みたいな出会いあるの!?」っていうこともあるので、必ずしもないとは言い切れないと思うし、ああいうことが現実でもあるかもと思うとちょっと夢があるなと思います。
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ーー演じられた恩田リナ(本名・相馬美咲)という役はAV女優という設定でしたが、どんな役作りをされたのでしょうか?

とりあえずAVは見ましたね。自分で借りるのは恥ずかしいので、男友達に「ねぇねぇ、ホントは持ってるでしょ? ちょっと貸してよ」って言って(笑)。インタビューシーンが見たかったんですよね。

ーーインタビューシーンって、絶対あるものなんですか?

あるみたいですよ。たぶん、その段階が男性は楽しいんでしょうね。服を着ている普通の状態を見ることで、さらに興奮する......みたいな。もちろんないものもあると思うんですけど、私が貸してもらったのはもれなく全部ありました(笑)。見たことがなかったので、どんなテンションかもわからなかったんですけど、やっぱりみなさんちょっと作っている感じはしましたね。受け答えなんかも、美咲もそうでしたけど、もちろん全部が全部本当のことを言ってるわけじゃないだろうから。なので、すごく勉強になりました。

ーーAV女優役というだけでなく、美咲はこれまでいろんな辛い経験をしてきた女性でもありますが、そういった女性を演じる上で心がけたことはありますか?

私自身、普段からあまり役作りというものをどうしていいかわからないタイプなので、そこはもう、いかにリアルにその出来事を自分の中に落とし込むかというか......。もちろん経験したことのある感情が知らずに結びついていたりということはあると思うんですけど「自分とリンクさせる」とかではないというか。特に「美咲はこういう過去を持ってるからこうしよう」みたいなことはなかったです。ただ、美咲はいつもコタツのある部屋にいて、あそこに置いてあるものだったり、そこでずっと暮らしている感じだったり、美咲をイメージする要素があの空間につまっていたので、あまり悩んだりはしなかったですね。あとはひたすら妄想妄想妄想で。

ーー自分まで役の気持ちに引っ張られたりしそうですが......。

あ、ありますね。でも、基本的にメイクを落として「お疲れさまでした!」って言って帰る時は比較的大丈夫なんです。撮影期間中は結構引きずってますし、終わってからも少し引きずってる感じはあるんですけど、しんどい役をやってる時にずっと辛いかって言ったらそうじゃないですし、切り替えないともたないと思います(笑)。服を着替えてメイクを落とすとか、そういうことってすごくありがたいスイッチというか、それでだいぶ(役の気持ちを)削ぎ落とす、みたいな。だから、服とメイクって大きいですし、私にとってはすごくいいスイッチになってます。
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ーーなるほど。ところで、古厩監督から「こう演じてほしい」などの注文はありましたか?

なかったですね。古厩さんは全体を優しく見守ってくださる方で、すごく素敵な演出だなって思います。「こういう風にして」じゃなくて「こういうのはどうかなぁ?」って、提案として演出をしてくださるんです。私たちは私たちで、役の思いを「こうだろうな」って解釈しながら演じているんですけど、決してそれを否定するのではなく「僕はこう思うんだけど、桜井さんはどう思う?」とか、そういう演出の仕方をしてくださるので、どちらかの意見を取るんじゃなくて、お互いの意見を織り交ぜながら、結果2人とも納得した着地点でやれるという環境でした。とても素敵な監督でした。

ーー特にお気に入りのシーンはありますか?

いっぱいあるんですけど、特に好きなのが、則夫と会ったばかりの頃、則夫が自転車を押しながら美咲と一本道を歩いていくところをワンカットで撮っている夜のシーン。2人の空気感が、2人の間に大きなボールが1個あるかのような、でもお互い近づきたいっていう、絶妙な感じがすごく......シーンとしても好きですし、撮影しているときの雰囲気もなんともいえなくて。お芝居をやっていて、たまになんともいえない気持ちになることがあるんです。まれなんですけど、芝居してるのかなんなのか、どっちかわからなくなる瞬間があって。それはすごく幸せなんですけど、あのシーンがそれに近い感じでしたね。

ーー逆に苦労した、大変だったシーンはありますか?


(フェリーのシーンでの)飛んでくるカモメが怖かったぐらいですね(笑)。噛まれると血も出るし、ツバがつくと感染するとか言われて。「エサをあげて」って言われたんですけど「絶対そんなのあげれないじゃん!」って思って(笑)。私は役のキャラクターをいいことに「いや~、私できないからあげて」って則夫に渡して、全部あげてもらっちゃいました(笑)。

ーーでは最後に、今作を観る方へメッセージをお願いします。

とにかく、則夫のピュアさに触れていただきたいですね。人と触れ合うっていいことだけじゃないし、リスキーなこともあったりすると思うんです。でも、この作品を観ることで「もうちょっと人に歩み寄ってみてもいいのかな」って思ったり、積極的に人とかかわっていくことをプラスに捉えられるきっかけになったらいいなと思います。
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2018年10月26日 (金)

メッセンジャー・黒田による初のエッセイ集『黒田目線』が発売!

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10月26日(金)に『黒田目線』をリリースするメッセンジャー・黒田有。本書は、「毎日新聞」大阪版に2014年12月から2018年3月まで約3年半にわたって掲載された人気連載「黒田めせんじゃ~!!」に、新たに加筆修正や書き下ろしを加えた、自身初著書となるエッセイ集です。エッセイのテーマは、初恋、大阪への愛着、芸人の矜恃、独身男の本音――など。笑いのウラに著者の文筆家としての意外な顔を覗かせる内容となっています。また、オビには、小説家の湊かなえさんより、「貧乏だったあの頃に、家族で飲んだインスタントコーヒーのほろ苦さを思い出しました」との一文をいただいています。本作について、黒田にインタビューしました。

--実際、本が出来上がってみて今の率直なご感想は?

子供のころから結構本が好きだったというか、家が貧乏やったんで本しか読むものがなくて。昔から本はずっと読んでいて。自分がまさか出すという考えはなかったんですけど...まあまあ出せたことは素直にうれしいですね。

--子供の頃はどういう本を読まれていたんですか?

次男が本好きで、その影響もあって星新一さんとか、赤川次郎さんとか、ブームやった人を結構読んだりしていましたね。

--ちなみに今、読んでいるものはありますか?

浅田次郎さんの本ですね。『黒田目線』の担当編集者の方が浅田次郎さんを担当されていたみたいで。僕、その前から浅田次郎さんの本を読んでいたんですよ。それもあって読ませてもらっていますね。

--2014年の4月から3年半、連載が始まりましたが、最初にオファーをいただいたときはどんな気持ちでしたか?

ええんかな?と思いましたね。だいぶん昔やったら『ぴあ』で連載持たせてもらったこともあって。僕、『TARU』というお店を紹介する本でずっと連載をしていたんです。その記事をちょうど編集者が見たみたいで、「書きはんねやったら頼んでもらわれへんかな」ってお話が来たとき、毎日新聞というと大手で日本四大新聞ですから、僕が書いていいんですかって話になったんですけど、文字数も決まっていますと。月に1回だけなので、型にはまらず、夕刊紙は読者はご老人の方が多いらしいので、難しい話はほかでするから、社会的なこととかより黒田さんが思っている日常のことを書いてもらったらという話だったので、一度やらせてもらおうかなと。あとがきにも書いているんですけど、すぐ終わると思っていたんですよ。よく続いて半年くらいかなって。そしたら結構書かせてもらって。月1回といえども3年半になると結構なボリュームですね。

--208ページありますね。

連載を全部集めてプラスアルファでちょっと書いてくれと言われて。連載の時は原稿用紙2枚半で収めてくという指示でした。ほなら、もう少し書きたいと思っても、文字数決められると結構難しくて。今回、本を書くにあたっては文字数も関係なく書いてくれって、連載で書いたものに足したりとか、また新たに書き下ろしました。年齢的にも、本を出せた時期が今ぐらいでちょうどよかったですね。

--始めたのは44歳のときですよね。

はい。その間に母親が亡くなったり、もろもろのことがありましたので。まあまあ売れる売れへんというよりかは、書かせていただいた時期がちょうどよかったですね。

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--原稿用紙2枚半は難しいですね。

難しいですね。文字数が多かったらカットしなあかんし、足らなくてもあかんし。でも、その作業を先にやらせていただいたので、勉強にはなったかなと思います。今までの連載は100字くらいオーバーしてもええっていう感じで書かせてもらっていたんですけど、毎日新聞社はきっちりしていて難しかったけど、いろいろプラスになりましたね。

--元原稿は多少、文字数がオーバーしても、編集の方が調整されることが多いんじゃないかと思ったのですが、そうではなかったんですね。

はい。これは完全に自分で書きました。書くプロではないので、文章はつたないかもしれませんが、ストレートには書かせてもらいました。あんまりええかっこして書かんとことって思って。

--参考にされた作家さんはいらっしゃるんですか?

僕、実は武田鉄矢さんの『母に捧げるバラード』という本をずっと持っているんです。たぶん、小学校の6年生のころに読んで。ちょうど『3年B組金八先生』ブームの時に出しはったんやと思うんですけど、包み隠さず書いてはったんです。性的なものとか。それが面白いなと思っていて。描写の仕方とかがすごく斬新やったんです。こういう書き方って面白いなって、小学生の僕でも感化されました。それをまねたというわけではないですが、基本的には、変にええかっこしたりとか、あんまり考えんとこって思いました。

――編集の方と二人三脚だったんですか?

全くです。「原稿待ってますんでとりあえず書いてください」っていうぐらいで。

――赤入れが大幅に入ったというわけではなく?

表記の統一はありましたが、「ここはちょっととがりすぎているからどうでしょう」とかいう程度のものはありました。

――連載が始まった後に、2013年に『ポストへ』という舞台の脚本に始まり、『既読アリ』『つな』など長編のお芝居を手がけられるようになりましたが、舞台の作風に連載の影響はあったのでしょうか?

変わってきたというのもありますし、昔の作品は自分で見ても説教くさいんですよね。かっこつけてる気ぃないんやけど、かっこつけてるところがあったので。もっとフラットなものにしようかなと思って...。

――連載を始めて、脚本にも変化があったのかなと思ったのですが...。

それまでは役者に気を遣っていたんですよね。出ていただいているからという思いがあって。セリフの分量とか、目立たせ方とか、それを考えていたんですけど、この前に『ボランチェア』という作品をやったのですが、自分の思った通りに書いた方がよかったということに気づきました。それは、連載をやっていたからと思うんです。それをやっていたから今があると思います。

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――「頭の中の整理をしようと思いました」ということでしたが、実際に整理されましたか?

よしもとに21歳の時に入ったんですけど、20代、30代と闇雲に動いていたような気がするんですよね。でも40になったら老いがほんまに来るんですよ。老眼が来たりとか。まさか自分が老眼になるとは思わへんし、異様に朝早く目が覚めるだとか、6時間以上寝られないとか、体が全く変わってきたんですよ。食べるものも変わってくるし。そのことに対してあれ?って思うけど、認めたくないんですよね、あんまり。頭では分かっているんですけど、認めたくない。多分、僕らぐらいの年齢はそこにがーっと葛藤するんですよね。で、老けだすと一気に老ける。気をつけなあかんけど、どこを気を付けてええのかわからない。これが60歳ぐらいになったらもっと違う考えになっていると思うんです。40代で何かしらの道のりを作っていかないと、たぶん自分の考えていた線路とは違うところに線路ができちゃっているなというのがありました。

――エッセイの中で特に読んでほしいエピソードはありますか?

40年以上生きていたら、いろんな思い出があるのですが、「この1冊に全部詰まってますねん」というものではなく、より鮮明に思い出したものを書き出しているんです。僕の脳の中に残っている1冊ずつの本を出していく感じですかね。他人の脳をのぞき込むような本になっていると思うので、それを楽しんでもらったらいいかなと思います。何がハマるかは読む人の状況によって違うと思うのですが、何となくみんなが通ってきた道、僕らと同じ昭和生まれの人が読んだとき、私にこういうことあった、俺にもこんなんがあったと感じてもらうことが大事だと思いますね。僕がそういうことを先に見せているだけであって。まあまあ、紆余曲折あった人生なので...。

――タイトルが連載の『黒田めせんじゃ~!!』から『黒田目線』になったのは?

編集の方からこれで行きましょうと。その辺はお任せしました。表紙のイラストも見せていただいて、「抽象的な方で」ということになりました。もっと俺に寄せてもらおうとしていたんですが、自分の顔に寄せなくてもいいですよと。このイラストは僕の顔というより、年を取っている人にも見えるし、小学生にも見えるし、30代にも見えるじゃないですか。ぼやっとした感じなんですけど、僕は気に入っています。誰の顔なのかぼやけてますが、そっちの方がいいかなと思ってます。

――子供の頃に似ているというのは?

そう見ようと思ったら似てますが、似てないと言えば似てないですね。エッセイも小学生の頃から現代までを書いていて、時空が飛んでいるんですね。表紙を今の俺の顔にしたら今の俺のままになってしまうから、思い出話に変わるのが嫌だなと思って。

――書いていて急に思い出したこともありましたか?

小学校の時にいじめられっ子の女の子がいて、その子のことは全く忘れていたんです。でも、あるニュースを見てふと思い出して、そのことを書いたり...。僕がふとしたことから神奈川県まで一人で行ったんです。とっさに着いた嘘で行かなあかんくなって、お金をためて行った初めての一人旅でした。そういうことは結構長い文章で書いています。

――オビの推薦文も注目ですね。

湊かなえさんが書いてくださって。湊先生って、絶対にオビの推薦文を書かれないんですけど、一度だけ僕の番組にゲストで出てくださって、関西の方なので気に入ってくださって、「黒田さんが書くんやったら」と初めて書いてくださったんです。そうやって湊先生がオビを書いてくださっているので、売らなあかんなっていう気持ちはあるんですけど、押して売るものでもないから...。

――SNSを使おうというお考えは?

ないですね。1回ツイッターをやっていたんですけど、性に合わんなって。考えが分かってしまうと面白くないなと思ったんですよね。苦手なんですよ。SNSって見知らぬ人とつながっておきたいというものですけど、僕はどっちかというと逆で、そんなにつながりたくない。仲間は増えるかもしれないけど、その分悩みも増えますし。だから、汚い手ですけど、後輩で人気ある子に宣伝してって言ってます(笑)。

――このエッセイが一冊の本になって、また新たに何か挑戦したいなという思いは芽生えましたか?

1回、文芸春秋さんの『オール讀物』で小説を書かせてもらったんです。お世辞やと思いますが、編集長にお褒めの言葉をいただいたんです。で、うれしくてこれはもしかしたら...?と思ったんですけど、発売と同時に又吉が賞を獲ったんです(笑)。それが悔しくて、もう一度小説を書きたいなという思いはありますね。

――それはどういう小説だったんですか?

いろんなジャンルの作家さんをピックアップして、「昭和のエロス」という題名でそれぞれ書いてくださいという特集だったんです。その中で、一人の編集者さんが、俺が脚本を書いていることを知っているから「書いてみませんか」と誘ってくれて。一人称で描いたんです。その小説の元になった女の子の話も『黒田目線』に載っています。小説ではその子がこうなったら面白いなという想像を書かせてもらいました。

――黒田さんは舞台の作品でも昭和の話が多いように思うのですが...。

近代史が好きなんです。明治維新以降の話が好きで。幕末はちょっと勉強しましたけど、戦国時代は武将の名前を言えるくらいであんまり...。どっちの目線で見るかによって政意が変わってくるじゃないですか。でも現代史って間違いなく資料が残っているので。大正時代、昭和初期、戦後の高度成長期とか、そのぐらいの時期の本もたくさん持ってます。1回、テレビで特番をやらせてくれって言うたんですけどね(笑)。

――ちなみに、近代史の中でもどのあたりがお好きですか?

大正時代と戦後直後から昭和を駆け抜けるぐらいですかね。『つな』という舞台も戦後のGHQを相手に売春をやっている人の話でした。その辺の話はずっと見ていますね。

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――では、『黒田目線』を楽しみにしている方に一言お願いします。

本も売れない時代ですし、牛丼が1杯450円くらいの時代に買っていただくのは申し訳ない気がしますが、僕らと同世代の方には、ちょっとタイムスリップしてもらえたらなと思います。

――本当に、本が売れない時代とのことですが、活字離れも著しいとも言われていますが、本そのものに対してはどうお考えですか?

僕は芸人をやって28年になるんですけど、よく後輩に「トークがうまくなるにはどうしたらいいですか」とか「トークライブを一人でやった方がいいんですかね」と言われるんですけど、本を読んでいたらトークもうまくなるんです。本を読んでいたら、相手が何をしゃべるかわかります。「この人、しゃべるの下手やな」と思ったら、必ず本を読んでいません。それはええ大学を出ていようが、高卒であろうが一緒です。会話のクエスチョンにちゃんと答えられる人は、クエスチョンの前にこういうことを聞きそうやなと予想してアンサーを頭の中で考えているから。だから会話がスムースに運ぶんですけど、本を読んでへん人間はそのクエスチョンを頭の中でいったん置き換えるから反応が遅いんですよね。遅いから焦って何を言っているのか分からなくなる。僕は、本離れは、ほんまに日本の国を滅ぼすのと違うかなぐらいに思っています。この人と会話が成り立たへんと思って聞いてみたら、本を読んだことがないと言う人がほとんどです。「お前、本読んでへんやろ」って聞いたら、必ず読んでない。こいつアホちゃうかと思ったら、大体読んでない(笑)。本はコミュニケーションのツールとしても絶対に必要だと思います。本さえ読んでいたら、それが一人称であろうが、二人称であろうが、想像力がつきます。何のジャンルでもいいので活字に慣れていたら会話も成り立つと思います。

2018年10月23日 (火)

「野性爆弾のザ・ワールド チャネリング」シーズン2の配信が開始!野性爆弾にインタビュー!!!

2017年にAmazon Prime Videoで配信された超ハードコア芸人・野性爆弾の冠番組「野性爆弾のザ・ワールド チャネリング」のシーズン2の制作が決定! 10月19日よりAmazon Prime Videoで配信されています。シーズン2では、ドラマ出演権をかけてアイドルがしのぎを削る「くっきーProduceドラマ女優オーディション」、シーズン1に続き、千鳥とバーベキューに繰り出す「真夏をエンジョイ!千鳥とバーベキュー2018」、チュートリアル徳井が女性タレントを一流に指導する「ザ・ワールドチャネリング ダイエットスクール」、旅ロケ番組のパロディ「旅チンパンジー ~プライベートですいません」、くっきーの願望を女性タレント相手に実践する「ガッキーを落とす100の方法」という5つのプログラムを展開。前作よりもさらにパワーアップした、"破壊的"で"ワイルド"な野爆ワールド満載の内容となっています。そこで今回は野性爆弾の二人に、シーズン2の見どころ、裏話を聞いてきました!

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――シーズン2が決まったと聞いていかがでしたか?

くっきー:うれしかったですよね。評判がいいとは聞いていたんですよ。Amazonでの評価も高いと。だから(続編も)やるんだろうなと思っていたんですが、それでも時間がかかってるなとは思っていましたね。

ロッシー:(特別版となる)シーズン1の1/2をやって。(その後に)2をやるよと言われていたのに、なかなか始まらないなとは思っていました。でもこうやって無事に始まったんで、うれしいなと。次はシーズン2の1/2とかをひとつ挟んでやるのかもしれないですが、いいペースでやれているなと思います。

――シーズン2ということで、パワーアップした点はどこになりますか?

くっきー:パワーアップしたところってどこですかね...。もうすでに1の時点でフルマックスでいっていますからね。もちろん2もフルマックスでいってますよ。だいたいバンドのCDとかでも、ファーストが良くて、セカンドは何だかなぁ、というのがあったりするじゃないですか。それで言うと、ファーストとタメをはるくらいには良かったりすると思います。『マッドマックス』とかと一緒かもしれないですね。1は面白かった。2はもっと面白かった。そうすると3はどうなんだというのがありますけど(笑)。だからシーズン3は気を付けないといけないですね。

――アイドルの口に指を突っ込んだりと、コンプライアンスが叫ばれている現代では、かなりチャレンジングな内容だなと思うのですが。

くっきー:やっぱり「アイドル=美しい」、みたいなイメージがあるじゃないですか。でもきれいなお姫様みたいな人って扱いにくいじゃないですか。アイドルの側からしたら、それって損というか。そこの壁を破るのが僕の仕事かなと思っています(笑)。

ロッシー:単純に事務所の人が偉いですよ。(出演者を)現場に預けて、帰りますからね。普通、ギリギリまで見てるじゃないですか。うちの子どうなってしまうんだろうとか。アップフロントさんはすごいですよね。

ロッシー:こっちは心配ですよ。この子大丈夫なの? と心配してしまいますけど、マネジャーさんがはニコニコと笑っていますから。いかつい感じの、ボディガードみたいな人が「ありがとうございます! またお願いします!」と言ってくださっているんでね。

くっきー:(事務所が違う)野呂ちゃんとピンク(彩川ひなの)ちゃんもそうですが、とにかくアップフロントさんのレベルがえげつない(笑)。あそこは本当にすごいですよ。何してもほぼほぼオッケーが出るから。

ロッシー:確かに。「何してもいいですよ」と言いますからね。ノリノリで。

くっきー:あそこは本当にエグいんですよ(笑)。だから演者にも恵まれていましたね。

――シーズン1が配信されてから、まわりの声はいかがでした?

くっきー:出たいと言う人が意外といたんですよね。それこそ芸人はもちろんですが、普通のアイドルの子からも観てますという声があって。(番組内でアイドルに)ムチャクチャするじゃないですか。そうしたら「よう頑張ったな、○○ちゃん」「一生懸命頑張った。すごいじゃん、あの子」と評価が上がるんですって。だからみんな、評価を上げたいんじゃないですか(笑)。

ロッシー:僕の方にも、面白いなという声が届きますし、そう言ってもらえたらうれしいですよね。楽屋とかルミネとかでも「スタジオに呼んでや」とかはよく言われますね。「撮影はどうやってるの」とか、「どこで撮ってるの」とか。そういうことも気になるみたいですね。僕は「来てのお楽しみ」と言っていますけども。

――ところで「ワールドチャネリング」というタイトルはどこから?

くっきー:僕はよく宇宙、宇宙と言っているんで。スタッフさんから、いつも宇宙と言っているから、「交信」という意味でこれはどうですかということで提案されて、これに決まりました。特にタイトルにこだわりがあったわけではなかったんですが、今までは「濡れまんじゅう」とか、気持ち悪いのばかりだったんで。これで良かったです。

ロッシー:イベントでも、変なタイトルにすると、お客さんが全然来ないんですよ。20年くらいやってきて、やっぱりタイトルはスタンダードな方がいいなということにやっと気付きだしたという感じです。それは本当にここ最近の話ですよ。

――ロッシーさんがロケに行く心構えは?

ロッシー:本当に行ってみないと分からないというか、開けてみなければ分からない。今日は何をするんだろうと。ゲストさんと同じ気分で来てますね。

――ゲスト目線だったり、視聴者目線に近い感じであると。

ロッシー:そうですね。現場に来たらTシャツを渡されて、今日は旅に行くぞと言われて「え?」というところから始まりますから。今日は千鳥がゲストで来ているけど、何をするんだろう、とか。そういうスタンスですね。

――その場にいることを楽しむと。

ロッシー:そうですね。ドキドキしながら楽しんでいます。今回で言ったら、急にデヴィ夫人が出てきたりして、えげつないなと思いますし。それも聞いてなかったから、驚きましたよ。誰かおるとも言われていないし。僕は行ってみるしかないんですね。

くっきー:ゲストみたいなもんですね、こいつも(笑)。

――シーズン1は、千原ジュニアさんや東野幸治さんといった芸人さんが「野性爆弾はすごい!」とコメントするオープニングシークエンスから始まったわけですが、シーズン2では斎藤工さんや戸田恵梨香さん、清春さんなどそうそうたる面々による絶賛コメントから始まりました。このメンバーにはどのように声をかけたのでしょうか?

くっきー:あれは、スタッフから(自分たちに)関係ある人います? と言われて。それで名前を挙げた中から、スケジュールが合った方にお願いしてやってくれた方々という感じですね。

――それから大御所相手でもかなり攻めたところまでやっているところも面白いところだと思います。今回はデヴィ夫人が出演していますし、前回だと中尾彬・池波志乃夫妻なども出演されていました。大変だったのではないですか? 

くっきー:めちゃくちゃ大変ですよ。でもいけるギリギリまではいかないといけないなと思っていましたから。(大御所に)折れて、普通のロケになったら駄目じゃないですか。一番つらいですよね、あそこらへんの重鎮系とのロケは。(ゲームで)中尾さんにタメ口を利くとかめっちゃくちゃ怖かったですもん。

ロッシー:でも中尾さんは「いいよ、好きにやれよ!」と言ってくれましたからね。

くっきー:それでもやっぱりデヴィ夫人は怖かったですね。

ロッシー:怒ってましたからね(笑)。「何なのこれ?」と。でも心の底からはキレていないのは分かる。

くっきー:でもほぼ半ギレだったと思います(笑)。でもこいつ(ロッシー)はずっと、「デヴィさんの言うことは正しいです」とか言っているわけですよ。

ロッシー:だって怒ってはるから。

くっきー:なんのロケをやってんねんと。中尾さんの時も一回もタメ口を利いたりしないんですよ。何なのこいつと思って。わけ分からないですよ。

ロッシー:怒ってはんねん。機嫌良く帰ってもらったらいいんです(笑)。

――そしてスタジオゲストとのやりとりも見どころのひとつだと思います。シーズン2の第一話のゲストは藤本敏史(FUJIWARA)さんでした。

くっきー:あそこらへんは楽しくやらせてもらいましたね。VTRの中で瞬発的にボケが繰り広げられるんで、それに対してパンパン突っ込んで、ボケを面白くしてくれる人たちにお願いしています。

――前作の配信以降、ファン層の広がりは感じますか?

くっきー:どうなんですかね。「ワールドチャネリング」ってコアなうちのファンが見る番組だと思うんですよ。むしろ一般の人が見る機会はなかなかないと思うんで。現状ではテレビにちょこちょこ出させてもらっているので。そういう人たちもつられて観てくれたらいいなとは思っているんですけど。だいたいがそうなんですよ。関西でちょっと人気が出ても、リアルにイベントをやったら、フラッと来た人が「気持ち悪い!」と。そこでどんどんふるいにかけられていって、コアなファンだけが残っていく感じなんで。今はその作業の最中かなと。また新たな層を取り入れるタイミングというか。

ロッシー:そういう好き嫌いでも、どういう好きなのか。なんとなく嫌いなのか、なんとなく好きなのかって分かるじゃないですか。これを観てくれる人はちゃんと素直に好きになってくれているんだなと思うし。逆に観ていない人というは、それほどでもなくて、劇場だけで楽しんでくれているんだろうなと。そういう違いを見つけるのは面白いです。

――かなり振り切った内容だと思うのですが、配信だからこそ、という意識はありますか?

くっきー:Amazonの配信だから無茶しているという感覚は別になくて。常に思いつきでやっているだけなんです。でも、Amazonでやっているものを10とするならば、他の民放でやっているロケなんかは1~2でやらなければいけない。でも、10まで振り切ったものを観た人が、地上波ではここまで抑えてくれているのかと思っていたら、それは実際は5くらいのネタだった、みたいな。そういうところにまで持っていけるのは理想ですね。だから配信はフル満タンで、10でやろうと思っていますけどね。そこから地上波の基準をあげていけたらと思っているんですけどね。

ロッシー:昔からなんですけど、これはやめてくださいね。これは駄目ですよ言われ続けてきたんですよ。でも今は、「これやってもらっていいですか」「こんな感じでお願いします」と言われるようになってきて。話が逆転しているんですよね。このAmazonの番組をきっかけに、そういう風に変わったんで、すごくいいなと思っているんですけども。

――野性爆弾さんのトリセツじゃないですが、ある種の基準がここにあると。

くっきー:民放さんでやれることの基準を変えたいですよね。最低でも、深夜レベルのネタをゴールデンに持っていけるくらいにはしたいですよね。それでAmazonレベルを深夜でやれるようにしたら最高ですね。

――それでは、これからご覧になる方にメッセージを、

くっきー:これは汚い言い方になるかもしれないですけど、「ワールドチャネリング」は、AV業界における「××××」みたいなものだと思うんですよ。急にそこにいくのはキツいじゃないですか。マニアでもなかなか。だから段階を踏んで観てほしいんですけど、でも「××××」はそんなに汚いものじゃないんだよということを分かってほしいですね。

ロッシー:だとすると、部屋の明るさとか、ボリュームも気にしながら観てほしいですね。お子さんがいるかどうか、左右を確認して。前はイメージカラーは緑だったんですけど、今回はピンクなんで。どうでしょう、という感じですね。

2018年10月10日 (水)

平成ノブシコブシ・吉村崇、世界3大バーレスクショー・ニューヨーク バーレスクフェスティバルデビュー! 帰国直後インタビュー

ニューヨーク現地時間9月28日(金)に、平成ノブシコブシ・吉村崇がNewYorkBurlesqueFestival (ニューヨーク バーレスクフェスティバル)に出演しました。

吉村は「T.YOSHIMURA」の名で、イシバシハザマ・ハザマ、てのりタイガー・ムラジュンの3名によるユニットボーイレスクショー「SAMURAI BOYLESQUE」の演目で出演し、ショーは想像を上回る大歓声に包まれながら、大成功のうちに幕を閉じました。

ボーイレスク​(BOYLESQUE)​とは、豪華絢爛たる脱衣ショーである「バーレスク」の男性版のこと。煌びやかな衣装を身にまとい、踊りながらも美しく、そして時にはコミカルに脱いでいく過程の​"じらし​"​をショーとして楽しむ、ニューヨーク、ウィーン、オーストラリアなどでフェスが開催されたり、ラスベガスやロンドンでは世界大会も開催されている、歴史あるパフォーマンスです。​

今回は、そんな大興奮の地であるニューヨークから帰国したばかりの3人(吉村、ハザマ、ムラジュン)に集まってもらい、出演した感想や周囲の反響などについて直撃してきました!

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(左より、ムラジュン、吉村、ハザマ)

ーー先日「NewYork BurlesqueFestival」に出演されたばかりということで、お疲れさまでした! 出演してみていかがでしたか?

吉村 いやぁ~、久しぶりに緊張しましたね。どういう空気感だったのかわかんないですけど、でも受け入れてもらえたなというか、日本とはまた違う盛り上がり方というか、それを体験できたのでよかったなと思いました。

ーー日本のお客さんとはどういうところが違っていましたか?

吉村 日本のお客さんって比較的、こっちがしゃべったら笑うというか、こっちが投げるものに対して受けるというのしかないんですよね。でもアメリカだと向こうからも返ってくるんですよ。「Yeah!」ってあおってきたりとか。そういうやり取りが面白かったですね。あと、日本でもボーイレスク・ショーはやっていて、だんだん自分を開放できるようにはなってきたんですけど、あっちの方が自分を開放するのが早い。沸点が早いというか、一気にバーン!とくるので、そういう面では刺激的だったし、ビビってたんですけど、「日本の芸人でも通用するんだな」っていうのがちょっと見えましたね。

ーー確かに、ボーイレスク・ショーって言葉はいらないですもんね。

吉村 そうなんです。それと、日本じゃありえないシステムなんですけど、こっちでショーをやってるのに、あっちではボウリングをやってたりとか。

ハザマ あぁ、あれはなかなかの環境でしたね。

吉村 ねぇ。面白かった。あっちではお客さんが普通にボウリングやってて、「(ショーが)盛り上がってるな」と思って見たら、ステージじゃなくてお客さんがボウリングでストライク取ってただけだったりとか。

ムラジュン 基本的にはショー全体は盛り上がってたんですけど、盛り上がってない人の時には「カコーン!」っていうボウリングを投げる音が聞こえてて。

吉村 そういうのは日本ではないじゃないですか。だからアメリカらしい発想だなっていうか、面白かったです。
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ーーそういうところも新鮮だったんですね。

ハザマ あのね、僕、今ずっと笑いをこらえてたんですけど、(吉村が)すごいカッコええこと言うてて......向こうとこっちの差をしゃべってましたけど、誰よりも踊ってないんですよ。

吉村 そんなことないですよ。

ーー私も出演映像を拝見しましたけど、確かに吉村さん自身はそんなに踊ってなかったような......。

ハザマ そうでしょう!? 僕とムラジュンからしたら、吉村さんはクルって回ってただけ。

全員 (爆笑)。

ハザマ なにをそんなカッコええこと言うてはんのかなぁ?と思って。

吉村 でも、いちばん冷静に見れるわけですよ。2人はもう「ダンスしないと!」ってあわててますから。その中で冷静に、司令塔として「あぁ、アメリカってこういうとこなんだな」っていうのをいろいろ......。2人は必死にハァハァ言いながらやってるし。

ハザマ いやいや......最悪やわ。

ムラジュン オレらが盛り上げないと吉村さんはただスベリに出てくるみたいになっちゃうんで、そりゃ必死にもなりますよね。

ハザマ (吉村は)3人の中で、いちばん踊らへんのにいちばん緊張してたんですから。

ムラジュン 見たことない顔してましたね(笑)。

ハザマ 気遣いましたもん、僕ら。

吉村 おまえだって緊張してたじゃん。(ハザマは)日本代表としていちばん最初にステージに出たんですけど、袖で「行ってきま~す!」みたいなことを言うとき、噛んだじゃん! 

全員 (爆笑)。

吉村 そのときだよ、オレの緊張感が増したのは。「ひとり死んだ......」と思って。

ハザマ (笑)。でも、その緊張は怖さではなくて、「今からニューヨーカーたちに我々日本のパフォーマンスを見せられるんだ」っていうワクワクの緊張ですから。ミスは絶対しないと思ってましたし、絶対成功すると思ってました。

吉村 うん、でも確かに初めてだよね、あんなにうまくいったの。

ハザマ ホントそうですね。3人ともむちゃくちゃいいのがでたっていう。

吉村 稽古の時も全然ミスったりしてたし。
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ーーすごくクールでキレッキレのパフォーマンスをされてましたよね。

吉村 あれ1回だけです。あの奇跡のパフォーマンスは。

ハザマ あれ以上出ないです。もう二度と出ない。

ムラジュン そんなことないでしょ! 

吉村 興奮してたからか、ジャンプも高かったもんね。

ハザマ 興奮でちょっと記憶なかったりしますもん、僕。楽しすぎて。

吉村 でも、こっちからしたら怖かったですよ。だって忍者が1人目出てって大盛り上がり、2人目も大盛り上がり。でもオレ、忍者じゃないんですよ。で、何もやんない。殺陣もやんないで出てってどうなるかなぁ~って思って緊張したんですけど、でもまぁそこも盛り上がってくれて助かりましたけど......いやぁ~、しばらくなかった緊張ですねぇ。ここ10何年ぐらい。

ーーそうなんですか?

吉村 やっぱり、ちょっと(仕事も)ルーティーンじゃないですか。劇場のネタも7年ぐらい同じことやってるんで。

ハザマ 僕も吉村さんとは付き合い長いんですけど、あんな気合いめっちゃ入れて「ここで当てないと」みたいな表情してる吉村さん、久しぶりに見ましたね。吉村さんて、緊張したり興奮してたりすると、歩くときにかかとが浮くクセがあるんですよ。つま先で歩くクセあるんですけど、すんごいかかと浮いてました。

吉村 (笑)。ヒール履いてると思った? ピンヒール。

ハザマ (笑)。いやホンマ、そんな感じ。
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ーーショーのあと、周囲の人からはなにか反響ありましたか?

吉村 ニューヨークにいたらわかんなかったんですよ。でもすごくありがたいことに、帰ってきたらいろんなネットニュースとかに載ってたみたいで、後輩とかに「見ましたよ」とか、そういうこともいろいろ聞くんで、よかったかな?って。だいたいこういう反応って1日か2日くらいなんですけど、まだ聞くんで、ジワジワと広がっていってるような......。で、「バーレスクってなに?」がまず聞かれることなんですよね。その疑問もあるんで、広がりつつあるのかなと思います。

ハザマ 現場での反応も一気に変わった感じがありましたよね。僕ら最初、パフォーマンスされる他の方に向けて、つかみじゃないですけど「I♡NY」って書いてあるパーカーを3人揃って着てたんですけど、いまいちウケてなくて。でもパフォーマンスが終わってからはようやくウェルカムな感じになったというか。

ムラジュン 初めてですよね、「アメイジング!」って言われたの。会場で出番後に袖にはけたときに、楽屋で出演者の方に出迎えてもらって、「あ、認められたな」って感じがしました。

吉村 でもオレ、ベガスのストリップで踊ったときは「ファンタジスタ」って言われたよ。

ムラジュン (笑)。吉村さんとハザマさんはショーが終わってすぐに帰られたんですけど、僕はそのあとも残って、フェスの最終日まで参加させてもらったんです。でも、2人がいなくても僕が会場に入っていったら「あ、こないだ出てた日本人でしょ? あれよかったよ」って声をかけられて。だから向こうでも結構噂になってたというか。

ーーアジア勢では唯一の出演だったそうですし、衣装も日本らしさを意識したものですもんね。

ムラジュン たぶん演目が印象に残ったんでしょうね。殺陣やって、サムライやって、ふんどしはいて、忍者もやって......日本らしさを詰め込んだ感じだったので。

ーーでもその演目って、別に海外用に作ったわけじゃないんですよね? 

吉村 日本でもやってたんですよ。僕がまずあの衣装を買ったんです、勝手に。で、「これを着たい!」ってわがまま言ったら、Eva先生(演出・監修を務めるViolet Eva)が作ってくれて、で、「僕はダンスが下手だし、おそらく練習もサボるんで踊れません」って言ったら脱がしてくれる2人をつけてくれたんです。だから、すべて僕のワガママで始まったものが結果的にはラッキーだったっていう(笑)。で、ホント面白いのはコロッと変わるよね、評価が。

ムラジュン 変わりましたね~。

吉村 アメリカって結果出したらホントに早いと思います。そういう意味では挑戦しがいがあるところかなと思いますけどね。
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ーーこのジャンルって今世界で盛り上がっていて、世界中でフェスが行われてるようですし、他の国でも挑戦できそうですね。

吉村 そうですね。それに、探したときにけっこう逸材がいるわけですよ。HGさんとか、アキラ100%とか、日本でやってる裸芸の人って結構いるから、その人たちを引き連れて行けばもっとすごいことになるし、ダンスの技術がない場合は、お笑いのアイデアでなんとかなるんですよね。

ーーなんでもいいんですもんね。「カッコいい」でもいいし、「面白い」でもいいし。

吉村 そうそう。だって向こうでオレら以上に盛り上がった人を見たら、身長180cmで150kgぐらいあるおじさんでしたもん。日本だったら「なんだこの人、太ってて......」って言われかねない人がスター扱いですから、体型や容姿に関係のない見せ方とか、逆にそれを活かした見せ方もあるから、どんな人でもチャレンジできますよ。おじいちゃんやおばあちゃんもやるって言ってましたもん。レジェンドって呼ばれる方がいるらしくて。

ーー言葉も性別も年齢も関係ないエンターテイメントなんて、ステキですね!

吉村 だから、ある意味究極というか、最強のエンターテイメントの可能性は秘めてますよね。

ーー吉村さんは昨年からButteflyTOKYOを立ち上げられて、日本でも定期的にボーイレスク・ショーを始められていますが、そもそもボーイレスク・ショーをやろうと思ったきっかけはなんですか?

吉村 まぁ、バカ騒ぎできるところがなかったなぁっていうのと、僕自身が漫才とかコントとか、そんなに得意じゃないんですよ。そんな中で後輩芸人もどんどん増えてて、今、ルミネに出るのも一苦労なんですよね。僕らの頃って結構簡単に出られたんですけど、今は数が多くて。ホントにエリート中のエリートじゃないと20代のうちからルミネに出れなかったりとか、逆に若い人が出ると今度は上の世代の人が出られなかったり、結構あぶれちゃってるんですよ。「じゃあ、どうやったら出られるかなぁ」って考えたときに、お世話になってるよしもとの社員さんのアイデアもあって、「面白そうだな」って。もともとやっぱ、脱いできた人ですから、僕は。脇鳴らしてみたり。だからなんの抵抗もなく脱ぐことができました。

ーーそれでButteflyTOKYOを始めたんですね。

吉村 で、周りを見たときに「漫才とかコントが苦手そうだな~」っていう人を探したらいたわけですよ、ここに(と2人を指差す)。

ハザマ ちょっと待ってくださいよ! そこは物申させてください。このままやったらお笑いできひんヤツやと思われるでしょ?

吉村 それはしょうがない。

ハザマ 違いますよ。そういうことじゃないんです。ただ自分の可愛がってる後輩を自分のイベントに巻き込んだだけなんです。友達を連れてきただけなんです。僕なんか、「ボーイレスクっていうのをやってて、おまえ向いてると思うから一緒にやってくんねぇ?」って言われて、「僕、内容がわかんないんで、1回ちょっと見させてください」って言ったら「うん、じゃあ今度来てよ」って言われてたんですけど、もうスケジュールに入ってたんですよ。で、なんの説明もないままいきなりダンスの練習させられて。
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吉村 (笑)。

ハザマ 「これなんのことですか?」って。そのとき初めてムラジュンとも出会うんですけど。とにかく昔から説明しないし、こっちの意見も聞かない。

ムラジュン 僕も2回断ってますからね。

ーーそうなんですか!?

ムラジュン  断ったんですけど、気づいたら僕もスケジュール入れられてて、もうやるしかないっていう。

ハザマ そうでしょ? いまいち乗り気じゃなかった2人を巻き込んで、ニューヨークで踊らせてるんですよ。

吉村 最高じゃないですか。

ーーでも今はやってよかったと思ってるんじゃないですか?

ムラジュン 結果的にはやってよかったですね。

ハザマ 自分たちも「あ、これ向いてるな」って思って。吉村さんは先見の明があったのかな?って。

吉村 全然(キッパリ)。ただ仲よかったから誘っただけ。でも、僕自身がそうなんですけど、なんか先を読んでやるってことが苦手で。「なんか楽しそうだな」ってところにバーっと走っちゃうんですよね、考えなしに。でもそれで結構成功してきたから。みんな今ね、やっぱ考えてるんですよ、順序立てて。「ここでネタ作って、ブラッシュアップして大会に出る」みたいな。なんか周りがみんな順を追ってやりすぎてるなって思うんで、そんな中、こういう活動もよかったかなとは思います。

ハザマ 確かに、仕事の面では遊び上手って感じがしますね。

吉村 運がいいんですよ、ホントに。

ーーでも、直感を信じて行動する方がどちらかというと芸人さんらしい気がします。

吉村 不安定ではありますけどね。でも今からスケジュール立てながらやるっていうのもムリですもんね、僕は。

ハザマ スケジュール立てて活動してたら、ニューヨークも行ってないかもしれませんしね。

吉村 そうだね。

ーーボーイレスクの活動で、吉村さんの今後の野望はありますか?

吉村 バーレスク世界3大イベントは制覇したいし、どこかで世界タイトルを獲りたいですね。それはおそらく僕じゃないと思うんですよ。僕らの所属してるグループ(ButteflyTOKYO)のメンバーのだれかか、もしくは今回のことをきっかけに新しく入ってくる人とか、もともと日本で活躍してた方が協力的になって一緒に大会に出てくれる形だと思うんで、役割としてはボーイレスク、バーレスクの踏み台でしょうね、僕はたぶん。間口を広げるというか。

ーーじゃあこれからもメンバーをどんどん増やして......。

吉村 はい。日本で定着させて、平日でも遊べる場所を提供したいし、よしもとは立派な劇場がありますけど、今、外国人観光客がたくさん日本に来ている中、そういう人たちが劇場に来るかっていったら来ないわけじゃないですか、言葉がわかんないし。そういう人たちも遊びに来られる受け皿になったらいいなと。酒飲んでワーッと盛り上がれるような場所にもできたらなと思ってます。

ムラジュン オリンピックもありますしね。

ハザマ あと、カジノね。

吉村 カジノがあったらそういうところでもショーができるし、あと‥‥2028年には正式種目になるんじゃないかなって......。ボーイレスクが。

ムラジュン え!? オリンピックの!?

吉村 そのときには日本からメダリストを出したいなと思います。

ーー(笑)。ものすごい野望ですね。

ムラジュン ただ、T.YOSHIMURA(3人のユニット名)で獲ろうとは思ってないんだっていうのが、今ちょっとショック受けてます(笑)。
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吉村 T.YOSHIMURAは獲れないです。やっぱ、ダンススキルがないから。

ハザマ 練習せえよ、だから!

吉村 いや、練習はしない。

ハザマ 月何回も練習してるんですよ、我々は。でもいっこも来いひんのですわ、練習に。

ーーなんで練習しないんですか?

吉村 いやぁ~......、他の欲がありますよね、「遊びたい」とか「寝たい」とか。

ハザマ もう~!

吉村 でも、練習してもうまくなんないもん。

ハザマ なりますよ。

吉村 いや、ムリムリムリ。

ハザマ 曲が流れたときのアドリブのダンスも、もう10年ぐらい変わってないんですよ。似たような踊りばっかりするから、せめて練習していただけたら、もうちょっと踊りの幅も広がるのにな、って。

ムラジュン でも、本番の時、吉村さん、見たことないような顔してましたよね、入り込んで。

吉村 本番は強いのよね。

ムラジュン 僕らもう笑っちゃいそうになりましたもん。フンドシ振り回してるんですけど「ブワッ!」って聞いたことのない風の音がして。

吉村 力んでますから。

ムラジュン 「むちゃくちゃ気合入ってるな、吉村さん」って思いながら。

ハザマ 顔もおかしかったですもん。全部中心に寄ってました。

全員 (爆笑)。

ーーちなみに、ニューヨークは弾丸で行かれたんですか?

吉村 超弾丸でしたね。 

ーーじゃあ、綾部さんには会ってない?

吉村 綾部はなんか、シカゴかどっかに行ってるって言ってて「いなかった」とは言ってますけど、そんなはずないですよ。あいつは大物としか会わないんですよ。だから、オレがまだ大物じゃないなっていう認識なんじゃないですか? 

ーー大物になってないと綾部さんとは会えないんですか(笑)?

吉村 そりゃもう、ミスター綾部ですから。インスタ見てくださいよ、大物しかいないですから。さんまさんとか。タイムズスクエアで綾部だと思って声かけたら7歳の中東の子どもでしたけど。

ハザマ (笑)そんな小っちゃくないわ!

吉村 「ああ、綾部じゃなかった」って。似てましたね。

ーー綾部さんはニューヨークに行かれていて、渡辺直美さんも来年行きたいと思ってらっしゃるそうですけど、周りの仲のいい芸人さんたちが海外に行かれているのを見て触発されたりはしないですか?

吉村 ないですねぇ。いや、すごいとこですけど、アメリカに行ってわかったのは「僕は日本の方があってるかな」って。「給料をドルでもらったらどうしよう?」とか思うし。困るじゃないですか。たまに大会とかがあったら出たいですけど、海外で活動したいとは思わないですね。
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ーーちなみに、平成ノブシコブシとしては、ネタものの、コントをやるような単独ライブの予定はないんでしょうか。

吉村 その旨については、相方にもこないだ言ったんですよ。「"平成"も最後だし、久しぶりに単独やらないか?」って。でも「めんどくせえ」って。

ムラジュン (爆笑)。そんな感じなんですか!?

吉村 で、「じゃあ、わかった」って返事して。だから、やらないです。

ーー吉村さんはやる気はあったんですね。

吉村 僕はどっちでもよかったんですよ。

ハザマ どっちでもええの?

吉村 でも「いいよ。夜稽古とかもうできない、オレ」って言われて。

ハザマ 芸人の単独ってそんな感じのもんでしたっけ? もっと熱いもんじゃないんですか?

吉村 もうヤなんだって。夜に稽古したり、セリフを覚えたりするのが。

ハザマ それが生業やのに......。

ーーでも、待っているファンの人もいると思いますよ。

吉村 でも、やらないです。もしやるんだったら、ネタも書かないし、誰かに......今まで出たチャンピオンに全部書いてもらおうと思ってて(笑)。

ーー企画としてはそれも面白そうですね。

吉村 それも言ったんだけど、「オレもう夜に起きてられないよ。子育てもあるしさ」とか言ってたから......まぁしばらくないんじゃないですか?

ハザマ 引退してるやん、もう(笑)。でも、単独もやらないし、ボーイレスクも自分ではあんまりやらないとしたら、何やるんですか?

吉村 ラクして稼ぎたい(笑)。誰かにやらせて、おいしいとこだけ出てくるみたいな。いいチームですよ、ホントに。みんなから「神輿」って言われてますから。神輿は堂々としてりゃいいんですよ。蔵の中にいれば。夏になったら担いでもらって。

ーーなるほど(笑)。では、今後のボーイレスクの活動も期待してます。

吉村 はい。今後はもっと、勢いよく、デカくなっていくと思います。
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【平成ノブシコブシ】【吉村崇】【イシバシハザマ】【ハザマ陽平】【てのりタイガー】【ムラジュン】

Love Me Do、著書『30歳で星座が変わる! アラサー星占い』を用いてアラサーを占う!

Love Me Doによる新著『30歳で星座が変わる! アラサー星占い』が現在、好評発売中です!

本著は、星座の変わり目である30歳を節目として、その後の生き方について指南する人生のバイブル的星占い本。「人はすべての星座の特性を持っている」と語るLove Me Doに、本書での占い方法「プログレス法」について説明してもらいつつ、実践編として編集担当Tさん(蠍座/28歳)を占ってもらいました。ぜひみなさんも、本著でご自身の今後について見極めてみてください!

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 *  *  *  *  *  *  *  

――風水、手相と続き、今年3冊目となる著書に星占いを選んだ理由を教えてください。

「星占いというと、生まれた星座のことを思い浮かべる人が多いと思うんですけど、私は1人ひとりに全ての星座が存在すると考えているんです。たまたま生まれた日の星座、例えばそれが獅子座だったら、生まれた時に獅子座のキャラクターを持っているというだけで、その人の中にはほかの11星座も存在している。なのに、そのキャラクターを使っていない現状があるんですよね。獅子座の人は警戒心を解いたり、甘えられたりできる魚座のキャラクターを使えると恋愛がうまくいく。仕事でも周りが助けてくれるようになる。営業を取りたいのであれば、社交的な天秤座のキャラクターやコミュニケーション能力の高い双子座のキャラクターを使えばいいんです」

――普通の星座占いでは、そういうところまで教えてくれないですよね?

「占星術をやっている人でも、知らない人がほとんどなんです。全ての星座の気質を知って、自分に取り入れてもらえるような本にしたいなと思っていた中で、今回は30歳で星座が変わるという切り口で本を書きました」

――本著では、プログレスという手法を用いて占っているそうですが、なぜその手法を使って書かれたんですか。

「このプログレス法を使った本ってないんですよ。生まれた生年月日で占う方法をネイタルチャート 、現在の天体で占う方法をトランジットと言うんですけど、人生のテーマで占うプログレス法についての解説については、載ってない本がほとんどなんです。私は斬新さを出して、ほかとは違う12星座本を作りたかったので、この手法を使いました」

――プログレス法とは、具体的にどんなものなんでしょうか。

「例えば、獅子座なら自己表現がテーマだから我が強かったり、プライドが高かったりするんですけど、人生の中でその性質を克服する時期は必ずやって来るわけです。プログレス法で占う時、円で表すと1星座30度となって、このうちの1度を1年と見立てると、30歳の時に星座が移り変わる。つまり、30歳で変化が訪れるということなんですね。さっきも話したようにプログレス法は人生のテーマで占う方法ですから、生まれた時に持っていたテーマを克服して、次のテーマに移ったほうが運気が高まりますよ、ということを、この本では表してるんです」

――今回はニュースセンターを読んでくださっているみなさんにより深くこの占い方を理解してもらうために、実際にこの本を用いて、編集担当のTさん(28歳)を占っていただきたいなと思います。

「Tさんには事前に生年月日、生まれた場所と時間を教えてもらって、チャートを作ってきました。元々、太陽が蠍座にある人なんですけど、30歳になると射手座に変わります。元々、山羊座にあった恋愛を表す金星は水瓶座に移っているので、なんでもやってあげる恋愛から、誰にでも分け隔てなく接する生き方をしたいなと思っているところなんじゃないですかね。山羊座は母性を表し、水瓶座は平等や博愛主義を表すんですよ。あと、金星は金運も表すんですけど、親に気を遣ったお金の使い方をしてたのが水瓶座になった今、電子書籍とかたくさん買ってしまっている......とかあるかもしれないですね」

編集T「爆買いしてます(笑)」

「水瓶座はインターネットを表しますからね。また、今の人生のテーマは弱点克服だと思うんですけど、実際どうですか?」

編集T「コンプレックスの多い人生ではありました。学生時代は友達に言われたことを気にしすぎていたこともあって、このナイーブさから脱却したいと思っていましたし、仕事で認められたいという気持ちも強いのでこの仕事も1から頑張る気持ちで始めました」

「30歳で生まれた星座から次の星座に移る前に、人生のコンプレックスを克服しておいてほしいんですよね。なぜなら、30歳になると次のテーマがやってくるから。Tさんは蠍座なので、今貯めている"復讐"のエネルギーを30歳までに爆発させると、蠍座のエネルギーを全部使い終わって、次の星座のテーマに移ることができますよ。次にやってくる射手座は自由を求めたり、神を表したりする星座なので、我がままなところが出て来たり、人に何かを教える立場になったりすることを表すんです。だから、Tさんは20代のうちに、自分の内面の戦いは終わらせないといけないわけです。さらに、30歳になる前に土星が関係するサターンリターンが起きて、強烈なコンプレックスや弱点が浮き彫りになるので、Tさんは今、沸々と復讐のエネルギーを貯めている最中。だから、苦しいと思いますよ」

編集T「たしかに、普段から見返すぞとか負けないぞっていう気持ちが原動力になっているところはありますね。あと、私は初めてお会いする人と接する時、はなから理解してもらえないだろうなっていう前提を持って接しているところがあるんですけど、これは何か理由があるんでしょうか?」

「星で決まっていることだからしょうがないって思ったほうがいいですね。よく変わってるねって言われるはずなんですけど、本著の扉絵にも書いてある通り、蠍座の人は他者に与える第一印象が水瓶座の位置にあるから、いくらコミュニケーションを取ろうとしても相手には伝わりにくいんです。だからこそ、どうせ変だって思われるんだからこのままでいようって思ってほしい。どうにもならないことなんだって認めるだけで、すごく楽になると思いますよ」
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――そう思ったほうが、自分自身を受け入れて生きやすくなるわけですね。

「そうですね。同じように、30歳になると星座が変わるってことを、みなさんに受け入れてほしい。例えばTさんなら、30歳からは射手座の感覚を持って生きていかないと、人生がうまくいかなくなるんです。この本を読むことで、次に訪れる人生のテーマを感じる手段にしてほしいんですよね」

編集T「なるほど......。本著の蠍座の項目を読んで、まず当たってるなと思いました。破壊と再生がテーマだと書いてありましたけど、私は一度、何か目標に達するとその現況を壊して、敢えて別の挑戦をしてみたくなることがあるんです。あと、今は割とフラットな恋愛ができるようになってきたんですけど、以前は一途すぎて重くなりがちでした。なので、ここも当たってますね。さっき復讐のエネルギーを貯めるといいって話してましたけど、仕事も認められたい気持ちをモチベーションにしていますし、怒りまではいきませんが、近い感情が原動力になっているところはあるかもしれないです」

「全てを失ってください(笑)」

編集T「え、全部ですか!?(笑)この本の蠍座のところを読むと、『転職をして新しい自分の可能性を引き出したくなる』と書いてあったんですけど、28歳でよしもとへ転職しましたし、すでに30歳への切り替えは始まってるんですね」

「もし射手座のテーマをすでに克服できそうだと感じているならば、次の山羊座のテーマに向かってください。私は早く、12星座全てを克服してほしいなと思ってるの。大体の人は3星座で人生を終えてしまうんですけど、次の星座がもたらす課題やテーマを早めに克服できれば、12星座全てを知ることができる。そうすると、どの時にどの星座のキャラクターを使えばいいかわかるから、この本を読み進めて、ここは克服できたなと感じたら、どんどん先のテーマに挑んでほしいですね」
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――1ついいですか? 本著では書かれている42歳からの変化についても聞かせてください。

「この変化は、天王星の影響です。サターンリターンっていうのは土星の動きで、ひと星座を2年半かけて回り、約30年で自分の元に帰ってくるからそう呼ぶんです。で、天王星は変化や変動を表す星で、42年かけて真逆に来るので、急に人生を変えたくなるようなことが起こるんですよ。また、別れとか分裂とかっていう意味もあるんですけど、41~44歳くらいで離婚する人が多いのはこの星の影響もあるかもしれません。この時期に人間関係のトラブルがあったら、断捨離してください。その後をプラスに生きられるはずですよ」

――ありがとうございます。Tさん、占っていただいての感想を聞かせてもらえますか?

編集T「自分自身のことって自分がいちばん理解していると思ってますけど、実はそうじゃない。占ってもらうことによって今まで見えなかった気づきが見えてくることがあるというか、改めて言葉にしてもらって自分自身を冷静に見つめ直せるところってあると思うんです。30歳って結婚や仕事、人生のターニングポイントになるタイミングだと思うので、この本を読んで同世代のアラサーの方々にポジティブな気持ちになってもらえれば。人生の指針になりうる本なので、読んでいただきたいですね」

「成功している人は、自己分析がしっかりとできてるものですからね。みなさんもこの本を読んで、どんどん自己分析して、自分自身をうまく乗りこなしてもらえたら嬉しいです!」


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『30歳で星座が変わる! アラサー星占い』
著書:Love Me Do
イラスト:峰なゆか
価格:1296円(税込)
学研プラス刊


【Love Me Do】

2018年10月 4日 (木)

平畠「Jリーグを観たことがないという方にも読んでもらいたい」! 初著書『平畠啓史 Jリーグ54クラブ巡礼』発売記念インタビュー

明日10月5日(金)、平畠啓史による初著書『平畠啓史 Jリーグ54クラブ巡礼~ひらちゃん流 Jリーグの楽しみ方~』(ヨシモトブックス)が発売されます。

スカパー!で放送されていた『Jリーグマッチデーハイライト』『マッチデーJリーグ J2編』などJリーグに関するハイライト番組で10年以上にわたってMCを務めるのみならず、プライベートでもスタジアムへ足を運んで、各クラブの選手やサポーターと交流を深めてきた平畠啓史。現在は『平畠会議』『平ちゃんの「ほな行こか。」』(スカパー!)、Jリーグ公式サイトの配信番組『ひらチャンねる』に出演ほか、DAZNではJ3の試合実況も行う、芸能界屈指のJリーグ通です。

そんな平畠による初めての著書は、長年携わってきたJリーグへの思いが詰まった1冊。J1からJ3まで各クラブで初ゴールを決めた選手の紹介、グルメやスポットを紹介した「ひらちゃんのおすすめTOP5」、各クラブそれぞれの思い出や印象的な人物などを綴ったコラムほか、巻頭では昨季、悲願のリーグ優勝を果たしたJ1・川崎フロンターレの中村憲剛選手との貴重な対談も収録。また、縁の下の力持ちともいえる全クラブのスタジアムDJのみなさんを紹介するページもあります。

10月7日(日)には、静岡・IAIスタジアム日本平にて開催される2018明治安田生命J1リーグ第29節 清水エスパルス対ジュビロ磐田戦にて書籍の販売会、11日(木)には静岡・戸田書店 静岡本店にて出版記念サイン&2ショット撮影会も開催決定しました。今回は、平畠へ著書の発売を記念してインタビューを敢行。細部にまでこだわって制作した本著について、またJリーグの魅力についてなど、さまざまに語ってもらいました!

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――できあがった本を手に取った今の、率直な気持ちを聞かせてください。

「完成というゴールを目指してやってきたんですけど、家のパソコンで書いていたものが本になる想像はあんまりしてなかったので......(と、本をゆっくりとなでながら)こんなんになるんやなぁっていう感じですね」

――やっと平畠さんのJリーグ本が出る!と思ってくださっているJリーグを愛する各クラブのサポーターの方も多いと思います。内容にはすごくこだわられたそうですが、具体的にはどういう部分を大事にされたんですか。

「基本的にサッカー用語、バイタルエリアだとか4-4-2がどうだとかそういう言葉は敢えて避けたというか、使わないようにしていました。もちろんサッカーが好きな方にも読んでもらいたいんですけど、(今回の主旨として)Jリーグって知ってるけど観に行ったことがないっていう人に読んでもらいたかった。そういう人が、この本を読んで1人でも2人でも観に行ってくれたらええなっていう思いがありまして。だから、サッカーのいわゆる理屈みたいなことは書いてないんですよ」

――初心者でも楽しめる視点を心がけてつくられたと。

「そうですね。観に行ったことがないという方の中には、ルールが難しいからっておっしゃる方もよくいらっしゃいますよね。ただ、実際にスタジアムまで観に行っている人がみんな、オフサイドを完璧に知っているかといったらそうじゃない。知らない人もいっぱいいるんですよ。じゃあ、なぜスタジアムへ足を運ぶのかというと、サッカー自体の面白さはもちろん、グルメだとかイベントだとか、スタジアムへ来ること自体を楽しんでるんですよね。Jリーグって、実はサッカーを知らなくても楽しめるんだということをもっと知ってもらえたら。そこまで知らない人が多いんちゃうかなと思ったので、知らなくても楽しめるところも書きました」
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――そんな中、各クラブのおすすめポイントを紹介する「ひらちゃんのおすすめTOP5」は、かなり悩まれたんじゃないですか?

「何回も行っているところ、特に静岡のクラブは絞りづらかったですね(笑)。静岡ではずっとお仕事をさせてもらっていますし、スタジアムにも何度も足を運んでいるだけに"あれがあるのに、なんでこれはなしやねん"っていうところの線引きが難しかった。あと、各クラブのことを知っているが故に、一般的な目線を忘れているところがあったというか。何度も行っていると、マイナーなもののほうが新たな発見やからおもろいと思ってしまいがちなんですけど、Jリーグのことをあんまり知らない人にも楽しんでもらいたいという本やから一般的な目線で見たらこれでしょ、っていうものを入れないといけない。その辺は難しかったです」

――全54クラブそれぞれのコラムには、各地でも思い出や印象的な人物などが綴られています。

「コラムを書くにあたって54クラブもありますから、最初は全部書くんはしんどいんじゃないかなって思ってたんです。でもねぇ、思いのほか楽しかった。コラム以外の部分もそうですけど、例えば、札幌に行ったときはああやったな、こうやったなとか、その土地を思い浮かべながら考えるじゃないですか。そうしていると、匂いとか暑さ、寒さが蘇ってくるんです。あそこはあんな匂いがしてたな、あそこに行ったときは暑かったなとか日本中を旅行したような気持ちになれて。で、気がついたら、パソコンで原稿を書きながら笑ってるときがあったんですよ。ほんまにアホみたいな感じなんですけど(笑)」

――え、書きながらですか?(笑)

「はい。書いてるときに"あれ? 俺、今......笑うてたんちゃう?"みたいな。書いていることがおもろいからじゃなく、思い浮かべることが楽しかったから笑ってもうたんでしょうね。そういう感じを、できるだけ文章に出したという気持ちで書きました。54クラブの中やと、FC琉球のコラムはスタジアムに行ってすぐ書いたものなので、ホットな感じが出てるのがおもしろいなと思ってますね。僕、どこかのクラブを応援しているわけではないですし、実はどこかのクラブのサポーターになったこともないんですけど、スタジアムに行ってサポーターのみなさんと一緒に楽しみたいっていう気持ちは大きいんですよ。同じ釜の飯を食う、じゃないですけどね。あとね、家で試合観ながら、チャントを歌うときもあります(笑)。シュートを打ったときにこの選手のチャント、始まらへんかなとか思ったりもしますね」
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――スタジアムへ行かれたときはメモを取らず、自宅観戦のときだけメモを取ると聞いたことがあります。今回、コラムに書かれているさまざまなエピソードも、書き留めていたりはしていなかったんですか?

「してなかったですね。試合が終わってミックスゾーン(註:取材対応の場)で選手の方々と喋らせてもらったとき、ええ話してくれたから書いといたらよかったなって思うことは、たまにあります。けど、その反面、記憶に残らへんくらいの話やったら、別に残さんでもええんかなって思ったりもする。ほんまに印象的な話やったら、聞いた瞬間に残ると思うんですよね。それに書き留めてなくても、家に帰るまでに"そういや、あの選手、あんなこと言うてたなぁ"って頭の中で反芻すると、記憶に残るものなんです」

――肌で感じるということを大切にされてるんですね。

「そうですね。サポーターの方とスタジアムの内外で一緒にご飯を食べるときに、『実はこの辺、どうなんですか?』とかメモを取りながら話しかけたら、相手も喋りづらいじゃないですか。やから、この先もメモは取らへんやろうなと思います」

――巻頭で対談されている中村憲剛選手とは中継や取材などで話す機会は多々ありながら、じっくりと話すのは今回が初めてだったそうですね。中村選手は選手がこう思ってくれていたら嬉しいなと思うことを話してくださっていた印象で、川崎のサポーターの方々だけではなく、全クラブのサポーターの方に読んでいただきたい対談だなと思いました。

「本当に(Jリーグに所属する)選手がみんな、こんなことを考えてくれていたら嬉しいなっていう話がたくさんありました。考えてサッカーをやっている人の言葉って、やっぱりすごいですよね。いいパスを出したとか点を取ったとかだけじゃなく、Jリーグ、フロンターレというクラブをある種、俯瞰で観ている選手の言葉は重いなと感じました。それに、お客さんに喜んでもらうために、どんなことをやっていくのかっていう発想ってすごく大事なんやなと。サッカーだけじゃなく、いろんな仕事に通ずる話をしてくれた気もしています」

――よしもとニュースセンターを観てくださっている方は芸人さんのファンが多く、Jリーグを観に行ったことがない方も多いのではないかと思います。そんな方々へ、Jリーグの魅力を伝えるならば?

「先ほども言いましたけれど、難しいことは考えないでいいんです。例えば、音楽を聴くときに、コード進行だとか譜面が読める読めないだとか考えないじゃないですか。ライブのときは半音下げてるぞ、とかわからなくても、聴いて好きかどうか、気持ちいいかどうかで楽しめるものじゃないですか。サッカーを観るのも同じで、最初から細かいルールとか戦術を知っておく必要はない。観てみて、心地いいなと思ったチームを応援したらいいんじゃないかなと思うんですよね。もしご近所にスタジアムやクラブがあるなら、とりあえず観てみてほしい。ユニフォームを着て、歌を歌わなあかんって思ってる人も多いでしょ? 俺できひん、人前でユニフォームを着て歌われへんでって思ってる人も中にはいるんでしょうけど、隅のほうで1人でお酒を飲みながら観てもいい。好きな見方で好きに楽しめるものなので、スタジアムに一度、足を運んでほしいですね。あとね、この本にも書いてるんですけど、Jリーグって入場料を払わなくても楽しめるものがいっぱいあるんですよ」

――スタジアムの外にいろんなイベントをやっていたり、飲食店を出していたりするクラブもたくさんありますもんね。

「サッカーに興味はなくても、みんな、食べることへの興味はあると思うので、スタジアムまで行って外でご飯を食べてイベントを観て帰ってもいいんじゃないかと。そのうち、1回でもスタジアムに入ってサッカーを観てもらえたらと思うんですよね」

――お子さん連れであれば、各クラブにはかわいいマスコットもいますし。

「マスコットもおって、おいしいものもあって。なんなら知ってる選手がサインをしてくれることもある。入場料を払わなくてもこんなに楽しめる場所って、基本ないですよね? そういうところが近所にあるってすごくうらやましいことなので、行かないともったいないなと思います」

――「ひらちゃんのおすすめTOP5」では各地のおすすめグルメやスポットが紹介されていますから、ぜひチェックして足を運んでいただきたいですね。

「そうですね。今、Jリーグのクラブがない県、例えば和歌山や奈良の方にも読んでいただきたい。で、今あるクラブがもしJリーグに上がったらこういう感じになるんかな、とか感じていただけたら嬉しいですね」
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――そもそも、平畠さんはJリーグを深く楽しむようになったのは? お仕事として関わったことも大きかったと思いますが、面白さみたいなものを感じたのはどういうきっかけがあったんですか。

「最初は......意地ですかね。元々、サッカーが好きで、そういう番組も観てたんですけど、中途半端にやってたり、サッカーがあんまり好きじゃない感じって、観ている人にすぐバレるじゃないですか。自分はそうなりたくないという思いで、最初、全スタジアムに行ったろうと思ったんです。で、スタジアムに行っているうちに知り合いが増えてきて、おいしいものもわかってきて......最終的には結局、人とか場所に面白さを感じたんですかね。試合の中ですごいシュートが観られるのはもちろん嬉しい。やけど、もっと段々と全体を楽しめるようになっていったんです。僕はそもそもスペインのサッカーが好きで。今でも好きなんですけど、若い頃はもうちょっとコテコテやったというか、サッカーってこうでしょみたいなものもありましたし、戦術だとかピッチにだけフォーカスを当てている感じやったんです。けど、スタジアムへ足を運んでお客さんと話す中で、サッカーの違う楽しみ方を知ったというか。やから、Jリーグを観に行ってるみなさんに、違う楽しみ方を教えてもらったようなところはあるかもしれない。そう思えたことは嬉しくありますし、サッカーの見方が広がったなとも思います」

――例えば、海外の試合をテレビなどで観ていると、南米のチームもヨーロッパのチームも同じ歌をチャントとして歌っているなと感じたりするんですけど、Jリーグってクラブによって応援のカラーがものすごく違いますし、オリジナルのチャントも多い。そういうところも楽しいですよね。カルチャーとして確立されたものがあるなと感じます。

「海外サッカーが好きな人の中にJリーグって歴史ないでしょ、文化ないでしょっていう人もいますけど、ちゃんと見ればクラブごとに色があるし、文化もある。そういう、行ってわかることってたくさんありますよね。お客さんの気質も、クラブによって違うじゃないですか。スパーズのお客さんってずっと『聖者の行進』を歌っているイメージがありますけど(笑)、Jリーグのサポーターって毎年、新曲を出してくる。そういうところはすげぇなと思いますし、一方で清水エスパルスはJリーグ発足年の開幕戦、たしか横浜フリューゲルス(註:かつてJリーグにあったクラブ。1998年に横浜マリノスに合併され、事実上消滅)との試合でしたけど、あのときに完成していた応援を今だにやっているじゃないですか」

――清水のサンバは聴いていて、本当に楽しいですよね。

「開幕からあの応援をやってたっていうのは、ほんまにすごいなと思います。鹿島アントラーズの応援歌を海外のチームが歌っていたりもしますし、すごくローカルなことがワールドワイドに広がっていくのも面白さの1つですよね。あと、サポーターの方にもクラブの理念が根付いてたりするでしょ? 2016年の『Jリーグアウォーズ(註:全行程終了後に開催される年間表彰式)』のときやったかな? 鹿島のサポーターの女性の方と喋っていて、『今年はよかったですね。世界で2位になりましたし』って言うたんですよ」

――あのシーズン、鹿島は2シーズン制の1stステージを制してチャンピオンシップへ進んでリーグ優勝したのち、日本で開催されたクラブチームの世界的な大会『FIFAクラブワールドカップ』へ開催国枠で参戦。見事に勝ち進んで、決勝では世界的な強豪クラブであるレアル・マドリードと対戦。一度は2-1と勝ち越しながらも、延長戦で敗れて2位に終わったんですよね。国内最多の19冠を誇る鹿島は、とにかく"勝ちにこだわる"クラブとしても知られています。

「僕からすれば、自分が応援しているクラブが世界で2位になるってすごいことやなと思ったんです。やけど、僕の言葉にその女性は本気で悔しがりながら『チャンピオンになりたかった』って返してきた。選手やスタッフだけじゃなく、サポーターにもクラブのイズムが染み込んでいる。それもゴリゴリのサッカー好きな兄ちゃんじゃなくて(笑)、普通の女性も勝ちにこだわっている鹿島ってすごいなと。そういうところも、また面白さの1つやなと思います」

――また、ヨシモトブックスの担当者が各クラブに本の告知をお願いしたところ、特に平畠さんがこれまで密に関わってきたであろうJ2のクラブのみなさんがSNSで紹介してくださったそうで。それが単なる紹介ではなく、温かいコメントが添えられていたところにも感動しました。

「あぁ......(と、顔をほころばせて)。J2のために!とか、そんなたいそうなつもりではやっていなかったんですけど、フラットに観たいなという思いはずっとありました。J2ってある種、独特の文化がありますから、その面白さもこの本で発見してもらえたら嬉しいです」

――自分の好きなクラブ以外のことは知らないというサポーターやファンもいらっしゃるでしょうから、ほかのクラブの良さもこの本を通して知っていただけるといいですね。

「そうですね。サッカー自体はすごく好きな感じの人に『相手チームの選手って、誰がすごいんですか?』って聞かれることもあるんです。そりゃそうやな、自分の好きなチームのことは詳しいけど、相手のことは知らんねんなとたしかに思うこともあるので、いろんな良さを知っていただければ。平畠のおっさん、こんなことをおもろい思うてるんやっていう気楽な感じで読んでもらえたらいいですね」
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【平畠啓史】

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