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2011年1月20日 (木)

笑福亭鶴笑 イラクへ“笑い”を届けたボランティア活動を報告

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“笑いで世界を救いたい”という思いから、‘06年にNPO法人「国境なき芸能団」を設立し、国内外でボランティア活動を続けている笑福亭鶴笑が、昨年11月30日~12月7日、内戦状態の続くイラク共和国へ渡り、ボランティア落語会を開催しました。
その際の模様やイラクの現状を伝えるべく、1月19日(水)、品川よしもとプリンスシアターにてイラクボランティア活動報告会が行われ、笑福亭鶴笑、漫画家の高宮信一さん、手品師の阪野登さん、ジャーナリストの西谷文和さんが出席しました。

登場した鶴笑はまず、今回のイラク行きを決断するまでに悩んだことを告白。イラクは危険度4で海外保険がきかないので、「もし自分が行って何か危険な目に合った場合、周りの人に迷惑をかけたら申し訳ない」という思いがあったそう。しかし、イラクの子供たちが写真や映像で見せる悲しげな表情を見て「笑いを届けたい!」と、イラク行きを決断。実際に足を踏み入れてみると、街はかなり復興が進んでいたそうです。

報告会では、今回のボランティア活動の模様を収録したVTRが上映されました。
まず最初に訪れたクルド人自治区スレイマニアでは、避難民キャンプにて落語会を開催。地元のテレビ局の協力を得て“高座”を作り、大勢の人が集まる中で、それぞれ演芸を披露しました。漫画家の高宮さんが即興で似顔絵を描くと、子供たちは大喜び。手品師の阪野さんは言葉のいらないマジックで現地の人々を楽しませ、鶴笑は言葉を超えて笑いを届けることができるようにと、自ら作った“パペット落語”で子供たちのハートをつかんでいました。公演が終わった後は、日本で集まった募金で購入した毛布を配布。VTRには、学校に行くことができない子供たちや、キャンプでの厳しい生活に耐えている大人たちが、楽しそうに笑顔を見せている様子がしっかりと記録されていました。
続いて彼らは、「イラクの広島」と呼ばれるハラブジャの小学校を訪問。スレイマニアの時と同じく演芸を繰り広げた彼らを、子供たちは目をキラキラさせながら見つめ、夢中で笑ったり歓声をあげたりしていました。

VTR上映後のトークで、手品師の阪野さんは「他の国では絶対にウケるのに、イラクでは全くウケないマジックがあった」と、その手品を披露。ハンカチから何かすごいものがでてくると思わせておいて、ただ単に履いていた靴を出す、というマジックだったのですが、鶴笑によると「イラクには、まだ“笑い”という文化が浸透していないので、ひねった笑いは理解されないようでした。ベタなものが一番伝わりましたね」とのことでした。今回のボランティア活動で現地のたくさんの子供たちと触れ合った4人は「エネルギーがすごかった」と振り返ります。鶴笑は「“芸”を見てほしくて行ったわけではないので、僕らがおもちゃになって“一緒に遊ぼう”という気持ちで落語会をやりました。内戦で片目を失った少女から『4年前にバグダッドを去って以来笑うことができなかったけど、あなたたちのおかげで笑うことができました』と言われて、『行ってよかったな』と思いました」と、今回の活動で実感した思いを語りました。

最後に、それぞれ舞台上でイラクで上演した演芸を披露した3人。高宮さんの似顔絵、阪野さんのマジック、そして鶴笑の南京玉すだれ、紙切り芸、パペット落語に会場は拍手喝采となり、“笑い”という世界共通のコミニュケーションの素晴らしさを改めて示していました。

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【笑福亭鶴笑】

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