【ライブレポート】『吉本興業99周年記念「ナインティナインと99人の濃〜い大阪芸人」』
吉本興業の創業100周年となる、2012年4月1日をちょうど1年後に控えて「祝99周年記念」と銘打った企画をスタートさせた、なんばグランド花月。第一弾となるイベント、「ナインティナインと99人の濃〜い大阪芸人」が4月1日に開催されました。
「99」周年という記念すべき日のイベントの「顔」として白羽の矢が立ったのは、その名前を含めて他には考えられない…そう、ナインティナインでした! なんと10数年ぶりというNGKの舞台に立って少し感慨深げな二人を、超満員のお客さんが熱気いっぱいの拍手と歓声で迎え、イベントはにぎやかに幕を開けました。
この日のイベントには、コーナーごとにMCが登場。テーマごとに大阪の濃〜い芸人たちが登場し、それぞれの個性を東京在住のナインティナインにプレゼンしていくという構成。ということで、まずはナイナイ岡村の仲良し先輩芸人、ティーアップ・長谷川がMCを担当する「まだまだ元気ベテラン芸人」コーナーからイベントがスタート!
長谷川MCの「まだまだ元気ベテラン芸人」コーナーは坂田利夫、トミーズ健、ちゃらんぽらん富好、しましまんず、りあるキッズ、シンクタンクが「今、頑張っていること」をテーマにトーク。する…はずが…坂田&健のストリップにまつわるエロ話、そして同性への愛をカミングアウトするりあるキッズ・安田の「吉本の男芸人、抱かれたいランキング」話など、イベントはいきなり下ネタだらけでスタートダッシュ!
このまま、ナイナイと共にお客さんも濃〜いOSAKAナイトメアにずぶずぶとはまっていってしまうのでは…と思いきや、その展開を打ち破るように現れたのがお次のMC、ジャルジャル。さわやかな二人が大阪で頑張る若手芸人8組のネタを紹介する「5up芸人」コーナーのあとは、ナイナイと同期の川畑泰史座長が、若手のユニークな顔ぶれで展開していく「よしもと新喜劇若手大集合」のコーナーで楽しませてくれます。笑いの本場=大阪にひしめく芸人の層の厚さと、いろとりどりの個性的な芸…無防備なまま、ただ笑いに身をゆだねていられる心地よさを提供してくれる時間は、あっという間に過ぎていきます。
そのあとに続いたのは、なるみMCの「濃い女芸人」コーナー。おなじみのキワキワの衣裳で踊りながら現れたシルクを筆頭に、吉本新喜劇の浅香あき恵、西川かの子、小泉エリ、ツジカオルコ、D-ハツラツ…女芸人の濃い顔ぶれに、ただただ圧倒されるナインティナインの二人。ついには小泉エリが豪語する「私、乳輪占いができるんです!」の強引な展開に押し切られて、岡村はひさびさのNGKの舞台、満員のお客さんの前で乳輪を披露させられるはめに…。
お次のコーナーでMCを担当したのは、ナインティナインの同期でユニット「吉本印天然素材」時代の様々な思い出を共にしたコンビ、へびいちご。へびいちごの高橋は岡村にとって今一番心地いい友達らしく、過去を知る矢部から見てもそんな二人の今の関係性は不思議でたまらないのだとか。そんな二人の仲良しエピソードの数々が披露されたあと、展開されたのは「ものまね芸人」のコーナー。ここで登場した10組のうち、テンダラー白川&ハロー植田のユニットによるB’zのものまねは、ナイナイの二人と客席からの熱烈な「おかわり!」リクエストが出るほどの爆笑ネタ。とはいえ、当の二人は「こんなウケたのは正直初めてで…」と困惑気味。これまで小規模イベントだけで披露されてきたユニットですが、実は大舞台でこそ栄えるネタなのかもしれません(?)。
続いてまっ赤なスーツで登場した、たむらけんじMCが紹介したのは「とびだせ!!キワモノ芸人」。8組の芸人が登場し、それぞれがネタを見せるたびナイナイも「面白いねんけど、なあ…」とため息をもらすほどの、マニアックできわどい芸が次々に披露されます。そんななかで話題をかっさらったのは、桂ぽんぽ娘の存在。メイド喫茶の店員のごとく「ご主人様♪」口調で話す内容は、すべてがどぎつい下ネタなのですが…最後にはナイナイを怯えさせたクレイジーな芸を見せて…。
そんなこんなで、とにかく濃〜いイベント。その最後を締めくくるコーナーのMCを担当したのは、矢野・兵動の兵動。大阪に生息する若手からベテランまでのとにかく濃〜い芸人をまとめて、なんとも暑苦しい楽屋トークを展開! ひとりひとりの個性と自己主張がはげしく、みんながおしゃべりで、そしてとびきり面白く、かなりヘンテコな芸人たちが大挙集まっためちゃくちゃなこのイベントに、ナイナイも客席も爆笑の連続! 熱い、厚い、篤い大阪の芸人たちが繰り出す濃密な時間は「こんなことになるやろなと思ってたけどな…」というナインティナインの事前の予想通り、予定の時間をかなり大幅にオーバーして、3時間以上の濃密なイベントとなりました。