結婚35周年の宮川大助・花子 結婚記念日に花子による初の自伝エッセイを刊行!
先日、平成22年度(第61回)芸術選奨文部科学大臣賞大衆演芸部門を受賞し、「浪速の夫婦漫才師」の代名詞として全国の皆さんに愛され続けている宮川大助・花子が、4月9日(金)、なんばグランド花月にて結婚35周年記念公演『つないだ手と手』を開催。2人の結婚記念日でもあるこの日、宮川花子による初の自伝エッセイ『夫婦の轍 つないだ手と手を離さないで』も刊行され、NGKでの公演終了後には、ロビーにてサイン本の即売会を行いました。
開演に先駆けて行われた記者会見で、花子は開口一番、「今日、皆さんと笑顔でお会いできたことがうれしいです」と一言。ちょうど1ヵ月前、芸術選奨受賞で喜びの会見を行った数時間後に東北地方太平洋沖地震が起こったことから、「あれからようやく1ヵ月。こうしてイベントを開催し、会見に呼んでいただけたことに感謝しています」と真剣な面持ちで語りました。『つないだ手と手』公演も、震災によって大きく方向転換したと明かし、「昨日、一昨日でガラリと内容を変えました。今朝5時まで稽古してたんですよ」と花子。当初は大助・花子らしくドタバタコメディで35周年を祝う予定でしたが、やはり心温まるお芝居にしたほうがいいと考え直し、出演者とスタッフの皆さんの協力のもと、急遽、変更を加えたのだとか。大助は、「僕が倒れて闘病生活を送る病院が舞台なんですが、病気と闘っている皆さん、ひいては今、被災地におられる皆さんへのメッセージも込めた舞台になりました」と現在の心境を説明しました。
また、時を同じくして発売された花子の自伝エッセイについては、「最初は大助・花子として書いてほしいとのオファーでしたが、大助が編集の方に“嫁はんのこと書いたほうが面白いよ”と勧めてくれて、この形になったんです」(花子)。帯に、花子が芸術選奨受賞会見で思わず口にした一言「この夫は、私をどこまで大きくしてくれるねん!」が使われていることに触れ、「私を漫才師として育ててくれたのは夫ですから」と、傍らの大助をそっと見つめる花子。一方、大助は「“轍”というタイトルにしてくれと言ったのは僕。病気になって、ふとこれまでの人生を振り返ったとき、そこにあったのは嫁はんの轍やった。ずっと僕を背負って歩いてきてくれたんやなって……」と思わず涙。さらには「『ふるさと』とは生まれた場所だけじゃない、自分たちを生んでくれた両親、そして自分たちの歩んできた道そのものだ」という思いも込められているそうです。
公演では、当初は桂三枝が演じるはずだった大助役を大助本人が演じるとのことで、「この変更を含め、三枝師匠には本当にいろいろなアドバイスをいただきました」と大先輩への感謝を述べた大助。すると、すかさず花子が「でも大助は喜んでると思いますよ。なんせ花子役の元タカラジェンヌさんと抱き合うシーンもあるんですから!」と厳し〜いツッコミで笑わせるなど、大助・花子らしいやりとりも飛び出し、会見場は終始、ほっこり温かい雰囲気に包まれていました。
公演終了後には、即売会と同時に東北地方太平洋沖地震への義援金の呼びかけも行い、被災者の皆さんへ何か役立つことを続けて行きたいと口を揃えた2人。35年の月日をともに歩んだ大助・花子の、愛あふれる生き様がかいま見られる1冊。ぜひお手にとってお楽しみください!
『夫婦の轍 つないだ手と手を離さないで』
著者:宮川花子
価格:1400円+税
発売元:幻冬舎
【宮川大助・花子】