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2011年12月27日 (火)

DVDと書籍の発売を記念して五代目桂文枝の弟子20名が集結!

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2012年3月12日に発売となるDVD『落語研究会 五代目桂文枝 名演集』と、同じく3月12日、7月16日に書籍『五代目文枝論(仮)』の発売を記念して、五代目桂文枝の個性あふれる20名の弟子が集結しました。

DVD『落語研究会 五代目桂文枝 名演集』は、五代目桂文枝がTBS主催の一流落語家の競演と研鑽の会として東京・国立劇場で行われている『落語研究会』に残した「立ち切れ線香」「天神山」「蛸芝居」「猿後家」など、東京の観客を魅了した熱演全11演目を収録。さらに豪華解説書もついた「落語名演集」となっています。

そして書籍『五代目文枝論(仮)』は、五代目桂文枝について、2012年7月16(日)に六代目桂文枝を襲名する著者、桂三枝が五代目が残した19人の弟弟子にインタビュー。その対談を通じて、五代目桂文枝の功績を紐解いていく内容となっています。

そこで、まずはDVDや書籍について、そして五代目桂文枝との思い出を、桂三枝、桂きん枝、桂文珍が語りました。

桂三枝「TBSからDVD『昭和の名人を見る! 蔵出し映像永久保存版DVD落語研究会 五代目桂文枝 名演集』を出させていただき、非常にありがたく思っています。今から30年前、40年前に演じたものも収録されていて、師匠が最も脂が乗っていた時期の映像です。女性を演じるのが得意で色気のある噺家と言われていましたが、そういうところが鮮やかに出ていると思います。『口入』など、貴重な映像を見ていただいて、この名前を桂三枝が継ぐのかと思っていただければと思います。そして今日は、師匠が残した20名の弟子が勢ぞろいしまして、意外と初めてのことなんです。師匠のお葬式でも仕事で来れなかった弟子もいますし、紫綬褒章を受章されたパーティーでもまだ入門していない弟子もいました。こうして楽しく集まるのは初めてですが、これからも楽しくやっていきたいと思います。僕が師匠の元に入門したとき、師匠は36歳。お元気で、落語も精力的にされていました。自分は弟弟子を選べませんが、19人の弟弟子とは師匠を通じて相通じるところがたくさんあるなと思います。師匠が玉出に住んでいらしたころ、なんば花月での出番のときなど、ネタを繰りながら歩いて劇場まで行っていたんです。『歩くときのリズムがいいんや』とおっしゃって、リズム感を大切にされていた方でしたね」

桂きん枝「僕が弟子入りした頃に、このDVDに収録されている『天神山』を国立劇場でされたんです。桂文楽師匠、三遊亭円生師匠も出演されていて、楽屋にいらしたんですが、僕は師匠は上方の四天王と呼ばれるくらいやから、偉い人なんだと思っていて、楽屋の真ん中につーっと入っていったんです。そしたら師匠が、『きん枝、こっちや』と言って、楽屋の隅で着替えられて。そのことがすごく印象に残っています。今、師匠と同じ年齢になって、この年になって改めて、師匠のすごさを感じています」

桂文珍「このDVDは、柳家小三治さんなどが出られていた番組のもので、白井良寛さんという名ディレクターの目に留まった噺家が出られるということで、噺家にとっては一つのステイタスでした。師匠はよく番組に呼ばれて行っていたんですが、その頃の師匠の落語がたくさん収録されているので、観て、聞いて、勉強させていただこうと思っております。今日はこうして皆で集まったんですが、皆、五代目が好きで入門したというつながりのある一門です。7月の六代目襲名にあたっても、皆で一緒に頑張ろうと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします」

続いて、桂三枝に六代目襲名にあたっての心境を聞きました。

桂三枝「文枝という名前は非常に大きく、プレッシャーもあります。師匠も、小文枝から文枝になかなかならず、弟子たちが『どうですか』と言い続けてやっと、重い腰を上げられました。今はその気持ちもわかります。この書籍を発行するにあたっては、弟弟子と話をしてきて、師匠のすごさを改めて思いました。戦後、途絶えかけた上方落語の継承に尽力され、大阪色の強い、昔のままの言葉でしゃべっておられました。師匠は落語家として次の世代を育てるという、五代目文枝の役目をしっかりと遂げられました。私は六代目として、新しい落語を次の世代へとつなげて、切り開いていこうと思っています。襲名発表以降、ようやくそのことが見えてきて、気が楽になりました」

また、六代目文枝襲名に当たって、創作落語にどういう構想があるのかとの問いには…。

桂三枝「ブラジルへ行ったときのことや、その他のことをモチーフに3、4ネタ作って、襲名のときにできたらいいなと思っています。襲名披露では、今までやってきたものと併せてやれたらと考えています。六代目の役割として、たくさんの人に落語の楽しさをわかってもらう、知ってもらうことだと考えておりますので、楽しい落語を作っていくことを続けていきたいと考えています」

最後に改めて、師匠・文枝への思いを聞きました。

桂三枝「師匠が亡くなって、日が経つにつれて、『お世話になったなぁ、もう一度師匠に会いたいなぁ』と思うことが多くなりました。師匠は賑やかなことが大好きで、いつもニコニコしながらみんなの輪の中にいたので、みんなに支えてもらって頑張ってやっていく姿を師匠にどこかで見てもらいたいと思います」

桂文太「師匠は小文枝時代、『軒簾(のきすだれ)』という出囃子だったのですが、文枝になってから『廓丹前(くるわたんぜん)』になりました。三枝兄さんが六代目になったら、久しぶりに『廓丹前』が鳴るのが楽しみです。文枝二代にわたって襲名のお手伝いができることを嬉しく思います」

桂文福「文枝一門が結束力が堅いのは、三枝兄さん、きん枝兄さん、文珍兄さんのおかげなんですが、師匠はいつも弟子たちが集まったとき、『兄弟、仲良くせえよ』と口癖のようにおっしゃっていました。それを今でも、皆が守っていることを嬉しく思います」

DVD『落語研究会 五代目桂文枝 名演集』と、桂三枝著『五代目文枝論(仮)』はいずれも2012年3月12日の発売です。その出来上がりをどうぞ楽しみにお待ちください!

DVD『落語研究会 五代目桂文枝 名演集』
3月12日発売
4枚組 DVD‐BOX カートン箱入り・解説書付
15960円(税込) YRBJ-27001~4

桂三枝著『五代目文枝論(仮)』
3月12日発売
※詳細は後日発表

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