月亭を熨斗つけてもらった!?『月亭方正 披露名の会』
3月11日(月)、東京・神保町花月にて、『月亭方正 披露名の会』が行われました。
開演に先立ち、会見も行われ、今年の1月に落語家へ転身、山崎邦正から芸名を改名した月亭方正、そして師匠の月亭八方も出席しました。
この日の神保町花月は、前売り券が完売と大盛況。温かい拍手に迎えられ高座に上がった方正は、「3月の7日に、(大阪)天満天神繁昌亭で1日目が終わりまして、今日が『披露名の会』最終日。結局2回なんですけど(笑)」と、さっそく笑いを誘いました。
その後、物販の売上について、「手ぬぐいが4枚くらい売れまして、本(『僕が落語家になった理由(わけ)』)もそこそこ。写真集(『奇跡』)が0冊」と愚痴をこぼし、爆笑に包まれると、「“アハハ!”やないよ。0ってあんの? みなさん、僕に好意を持ってるんですよね? インド人もえらい概念生み出したわ。インド人が悪いんじゃないですよ。あなた達が悪いんですよ!」などと畳み掛けます。
そんな方正は、一男二女を持つパパでもあり、子供たちの微笑ましいエピソード、さらには大阪と東京の違いといったエピソードを混じえた枕(まくら)から、これまた笑いの絶えない落語『手水廻し』(ちょうずまわし)を披露しました。
方正に続いて高座に上がったのは、師匠の月亭八方で、「襲名披露というのはよくあるんですが、ただ披露するという会というのは、珍しゅうございまして」と挨拶がてら言い放ちます。
その後、弟子入り志願してきた頃の方正を振り返り、「本格的に(落語を)やりたい。弟子になりたい。月亭がもらいたいと、さすがに私はね、いいですよって言うたんですよ。月亭くらいの名前で何を悩むんですか。熨斗(のし)をつけてくれてやりますよ」と独特の調子で笑いを誘いました。
その八方は『猫の忠信』を披露し、貫禄の熱演で魅了しました。
休憩を挟み、再び方正が高座に上がると、「月亭八方」という名前をもらった頃を振り返ります。
うれしさのあまり、初代・桂春団治の破天荒さに憧れ、お酒を2升飲むも、「腸がやぶれて、1週間酔したよ。3週間くらい入院したわ。全然体が破天荒仕様じゃないんですよ(笑)」といった失敗から、今では3合しかお酒を飲まないそうです。
そうした枕で爆笑を奪った方正ですが、二席目では一転、じっくりと『鼠穴』を披露し、観客を魅了しました。
今後とも、月亭八方、月亭方正、そしてこの日『寿限無』を披露した月亭太遊ら月亭一門に注目です。
なお、月亭方正著『僕が落語家になった理由(わけ)』はアスペクトより1365円(税込)、月亭八方著『さりとて、落語家』はヨシモトブックスより1500円(税込)にて、それぞれ発売中です。