『吉本百年物語』3月公演が千秋楽!ゲストに海原やすよともこ、笑福亭仁鶴も登場
吉本興業創業100周年を記念し、昨年4月から1年間にわたって、なんばグランド花月にて上演してきた『吉本百年物語』。100年の歩みを12本のお芝居で振り返ってきた同プログラムのグランドフィナーレとなる3月公演「百年感謝 これからもよろしく」が、4月7日(日)、無事に千秋楽を迎えました。今回は、91歳となった林正之助の脳裏に浮かぶ、「笑い」にまつわるさまざまな出来事をファンタジックに描くストーリー。歌あり踊りありのバラエティ豊かな内容で、これまでの100年、そしてこれからの100年にも思いをはせる舞台となっています。この日も満員の観客が見守るなか、間寛平、亘健太郎(フルーツポンチ)、黒田有(メッセンジャー)らが大熱演。ラストを飾るにふさわしく、劇中に何度も登場するフレーズ「笑う門には福来る」そのものの、笑いあふれる舞台で魅了しました。
亘演じる若き日の正之助が、日中戦争時、「わらわし隊」を率いて中国大陸にわたる回想シーンでは、お楽しみの劇中ゲストも。この日は海原やすよともこが登場! 姿が見えなくなった柳家三亀松(黒田)を探す正之助のもとに、中国の村人に扮して「ニイハオ、ニイハオ」とやって来たふたり。まずはともこが「変な関西弁しゃべってるけど、どこの人?」「何かおかしい」と亘のセリフにダメ出しを始めます。するとやすよが「関西では、そういうの嫌われんで」と追い打ち。関西弁で「なんやねん」と言わせ、「ビミョー」と冷たく言い放つなど、しょっぱなからぐいぐい攻め込みます。めげずに「大阪人だ」と主張する亘に、こんどは関西特有の「シュッとしてる」という言葉の意味を質問。わからないと答えると、「大阪人ちゃうな」とまたしてもバッサリ斬り捨てていました。また、5月公演に出演した経験もあるふたりが、稽古のつらさや思い出を振り返る一幕も。ほかにも自らが出演しているテレビ番組への出演を、亘にオファーするなど、自由奔放なおしゃべりで大いに盛り上げていました。
エンディングにも、連日サプライズゲストが登場してきましたが、締めくくりとなったこの日は笑福亭仁鶴がステージへ。「素晴らしい芝居を見せていただいた。今からは改めて、未来に向けてのスタート。これからも、吉本興業をどうぞよろしくお願いします」と力強く挨拶し、大きな拍手と歓声に包まれました。この後、4月からの各公演を映像で振り返るコーナーを経て、いよいよ本当の最後……という段になり、寛平の挨拶はなぜかしどろもどろに。周囲からツッコまれると、「別れるのがさみしいと、つい話を長くしてしまうから……」と照れ笑い。気を取り直して出演者全員が声を揃え、「百年感謝、これからも、よろしくお願いします!」と頭を下げると、ひときわ大きな拍手が沸き起こりました。
この後は、劇場出口および1階チケットカウンター前に出演者が勢ぞろいし、観客の皆さんのお見送りも。終演後の記者会見には、寛平、亘、黒田、河内家菊水丸、島田珠代、林明日香さん、川口凛ちゃんが登壇しました。
当初は封印していたギャグを解禁し、かなり大きく変化した舞台構成について、「初日をご覧になった方は、千秋楽を見てびっくりしたでしょう」と寛平。自らアイデアを出してアレンジしていった理由は、「NGKは笑いの劇場。どないかして喜んでもらわないかんと思って」とのことで、客席の反応には手応えを十分に感じた様子です。寛平演じる僧とともに旅をする子ザルを演じた凛ちゃんも、感想を聞かれて「楽しかったです」とニッコリ。会場を一気に和ませていました。
亘は「千秋楽までに、これほど変わりようのデカい舞台はない。いい経験をさせてもらいました」と晴れやかな表情。黒田はアドリブ満載な寛平との共演シーンに触れ、「最初は2分だったのが、次の日は3分、さらに6分と長くなっていき、最長で13分に。台本も何もなく、『え!?』と『ん!?』だけであれだけ引っ張るとは」と苦笑い。同時に「子どもの頃から見ていた寛平師匠にツッコめる喜び」も、ひしひし感じていたとのこと。公演を終え、「次の100年、また僕らが伝説になれるように頑張りたい」と、決意を新たにしていました。6月公演に続いての出演となった林さんは、「この場所での経験を、今後の生活に生かしていきたいです」。珠代は、「途中から(持ちギャグの)『チーン』をさせてもらうようになり、自由にやらせてもらえた。しかも亘くんと絡めるなんて。でも、また明日からは川畑泰史とかとやるのか、と思うと……」とコメントし、笑いを誘っていました。
甲状腺がんの治療を経ての復帰となった菊水丸は、4月公演の幕開け、そして3月公演の幕閉めを河内音頭で華やかに彩りましたが、その大役には「よしもとに入って33年、一番のプレッシャーを感じた1年間だった」とポツリ。長丁場の公演を乗り切り、「何とか勤め上げた喜びでいっぱいです」と、晴れやかな表情を見せていました。
質疑応答では、マラソンになぞらえ「今日のゴールの味は?」と聞かれた寛平が、「最高! ドントタッチミー!」とまたしてもギャグで返し、出演者たちは大爆笑。菊水丸が「さすが“笑いの神様”(寛平が演じたキャラクター)やね!」とすかさず合いの手を入れるなど、ここでも見事なチームワークを見せつけていました。
「大阪発、夜に楽しめるエンターテインメントを」との思いを込めスタートした『吉本百年物語』は、計213公演を行い、多くのお客様にご来場いただきました。1年間、本当にありがとうございました!
『吉本百年物語』オフィシャルサイト
http://www.yoshimoto.co.jp/100th/monogatari/