ザ・ぼんち 里見まさとが初の著書刊行イベントを開催!
さる3月15日、昨年還暦を、また、今年でザ・ぼんち再結成から10周年を迎えた里見まさとが、初の著書『おおきに漫才!人生は何歳からでもやり直せる』を刊行しました。本書は、長い下積み時代生活から一夜にしてスターに。漫才ブームの絶頂からコンビ解散、奈落の底へ。37歳からの再出発、パニック障害、元相方の死…など、“あきらめの悪い男”が語る、粘り勝ち人生をまとめ、還暦からの人生設計のヒントが満載の一冊となっています。
現在は関西学院大学文学部の聴講生であり、漫才のほかに講談にも力を入れているまさと。4月13日には、書籍刊行イベント『里見まさとの還暦からの挑戦』を開催し、イベント前には会見を開き、本作への思いを語りました。
「その昔に、ザ・ぼんちとしては3冊ほど出しておりますが、まことに恥ずかしい話ですが、忙しいさ中でしたのでゴーストライターさんにすべて書いていただき、読んだ僕らが“そんなこと、あったか?”と言うてました。本当は50歳でと思っておりましたが、おさむとコンビを結成し直しまして、まさしく動き出した中でそんな悠長なことを言っておられない状態で10年という月日が経ちました。本の内容は思い出のような形になっていますが、自分の目線とはいえ、僕がいたよしもとの42年間、その歴史はよく書き記せていると思います。そして、まず向こう5年間をどのように生きていくかというところまで書いています。自分の目線ですが、よしもとでの42年間をのこせたことがまずうれしいですね。若い人たちにも読んでもらって、何か盗んでもらいたいです」
本著の中で自身が印象深いエピソードについて問われると、まずはおさむとの再結成を決めた日のことを振り返りました。
「近いところでは10年前におさむとコンビを組む時ですね。会社から“(社員と)一緒に話をしましょう”と言われたのですが、何も考えんとおさむさんの家に行って。奥さんがすがるようにして、必死になってお礼を言っておられて。その姿に頑張ろうと思えましたし、どこまで行けるか分からないけど、この奥さんがいてはったら大丈夫だと思いました。古い話では、いじめてくれた人に感謝しています。そういうことがなかったら、きっと緩かったと思います」
また、著書のタイトル「人生は何歳からでもやり直せる」にかけて、“さすがに無理だ”と思ったことは?との問いには、2つあると答えたまさと。
「1つは、コンビを解散した後の、仕事がなかったときですね。仕事がないというあの寂しさはきつかったです。あのとき、本当に僕、あかんのちゃうかなと思いました。あとは亀山さんとコンビを組んだときですね。コンビ組んで1年半ぐらいのとき、稽古をしても何もうまくならなかったし、このコンビは失敗やったかな…と思ったことがありました。でもそれを亀山にも言えないし、辞めたところでおさむがいなかったら何もできない自分に戻ってまうだけでしたから…。でも、どっちかというと仕事がなかったらきつかったですね。もう、何でもいいから、どこでもいいから、仕事に行きたかった自分がいました。小さい仕事でも喜んで行ってましたから…」。
その後、満場のお客さんに迎えられて始まった著書刊行イベントでは、本に掲載されているエピソードのさらなる“裏話”や、まさとの実の姉である宇宙亭きららさんによる手話落語がありました。
そしてまさとも講談『鼓ケ滝』を熱演。昨年の『吉本百年物語 <8月公演>』では、講談師・神田崋山役として登場、講談も聴かせたまさとですが、始めたのはおさむとのコンビを解散した33歳のときのこと。まったく仕事がなくなったまさとを心配した当時三代目旭堂小南陵さん(現在は四代目旭堂南陵)に勧められ、取り組むことに。これからもライフワークとして続けていきたいと意気込むまさとは、源平の時代を描いた『鼓ケ滝』をわかりやすく噛み砕き、講談の魅力を伝えていました。
最後はトークコーナー。まずはまさとの主治医である里見英子先生を招いての対談を。まさとと時同じくして「ナニワの美女医が実践する若く見える毎日の習慣―アンチエイジングに『まだ早い』、『もう遅い』は間違いです」を出版された里見先生。毎日、若々しく過ごす秘訣を教えてもらいました。
会見時、漫才のライバルは?と問われた際、「漫才をやっている人全員!」と答えたまさと。このトークでも、昨年行った還暦ライブで、これからもザ・ぼんちとしてやっていける”と確信したそうで、「願わくばもう一度、漫才大賞を獲りたい」とお客さんを前に語ったところ、万来の拍手が沸き起こりました。そして最後のあいさつでは言葉を詰まらせる場面も。ファンの皆さんのぬくもりに包まれた、温かなイベントとなりました。
『おおきに漫才!人生は何歳からでもやり直せる』は全国の書店で大好評発売中。まさとが駆け抜けた来た42年のお笑いの歴史と、還暦以降を希望を持って生き抜くヒントが満載です。ぜひお手にとってお読みくださいね!