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2013年5月 2日 (木)

【ライブレポート】漫才ブームforever

1980年代初頭、若手漫才師たちを一夜にしてスターダムに押し上げた「漫才ブーム」。テレビに舞台、ラジオ、映画、はたまたコンサートと分刻みのスケジュールをこなしつつ、嵐のような日々をともに駆け抜けた“戦友”たちが、約30年の時を経て集結! 5月1日(水)、なんばグランド花月にて開催された『満載ブームforever』で、漫才にトークに大暴れしました。

ステージ上のスクリーンに映し出される懐かしい映像でイベントが幕開け。出演者をはじめとするブームを彩ったさまざまな芸人たちが次々に紹介されると、客席からも「懐かしい!」と声が上がります。さあ、まずは漫才4連発から華やかにスタートです!

トップバッターを務めたのは今いくよ・くるよ。「今日は同窓会みたい!」とくるよが言えば、「おかげさまで私たちも芸能生活40周年を迎えることができました。これもひとえにお客様のおかげです」といくよが挨拶し、大きな拍手が沸き起こります。ネタでは「女性コンビがほとんどいなかった」というブーム当時を振り返った後、ふたりの話題は婚活パーティへ……もちろん「どやさ!」も飛び出し大いに沸かせました。

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続いてはオール阪神・巨人の登場です。「当時のネタで今もやっているものがあるんですが、どっちが聴きたい?」と問いかけると、観客は大喜び。今昔の話題を交えつつ、阪神のモノマネと巨人の歌をからめたネタを披露し、爆笑をさらうたびに「まだいける! 明日からやろう!」と確認し合ってさらなる笑いを誘っていました。

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三番手はザ・ぼんち。「おさむちゃんでーす!」とおなじみのフレーズが炸裂すると、まさとが「はい、セレモニーは終わりました」とツッコみ、しょっぱなから客席を笑いの渦に巻き込みます。「今日はメンバーたちも高ぶっている。いつのネタをやろうかと悩んだり」(まさと)とのことで、ふたりは「(昭和)55年、56年あたりにやっていた」という漫才のリメイクで勝負! GWにぴったりの旅行をテーマにしたネタを展開しました。

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最後は西川のりお・上方よしおがステージへ。時事ネタや話題の人物、出来事が次々と飛び出す怒涛の漫才は、当時も今も破壊力満点! 合間に「ぼん、ぼんじゃございやせんか!」といったギャグも織り交ぜ延々としゃべり続けるのりおと、それに翻弄されていくよしおのやりとりに、何度も大爆笑が起こっていました。

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4組の漫才をノンストップで堪能した後は、「あの時君も若かった」と題したトークコーナーに突入。司会の大平サブローとなるみが登場し、先ほどの4組も再びステージへ。出てくるなりまくしたてるのりおとおさむを前に、なるみが「ちゃんとしてるのは巨人師匠だけです!」と助けを求めるなど、早くも大波乱の予感いっぱいです。さらにこのコーナーでは東京からの豪華ゲストも! まず登場したのは島崎俊郎さん。お笑いトリオ・ヒップアップの元リーダーである島崎さんは、「舞台袖がすでに同窓会みたい。一緒に戦った皆さんは、他人ではない感じ」とニッコリ。暴走するおさむについては「全然、芸風変わってませんね!」とツッコミを入れていました。もうひとりのゲストはビートきよしさん。現在も時折、相方のビートたけしさんと漫才をするそうで、「こないだもライブに出るから稽古しようって呼ばれて行ったら、そのままテレビで漫才やることになっちゃって」というエピソードも紹介していました。ここから久々の再会にテンションが上がり、のりおが「きよっちゃん」(ビートきよし)の裏話を暴露するなど収拾がつかない盛り上がりに。いつまでも始まらないコーナーに、島崎さんから「最終の新幹線に乗らないとダメなのに!」と何度もクレームが入るほどでした。

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ようやくひとつ目のテーマ「人生が突然変わった一日」からトークがスタート。『ヤングおー!おー!』で漫才ブームよりひと足先にブレイクを果たした阪神・巨人からは「番組に出た次の日から追っかけが現れた」という仰天の告白が。いくよ・くるよは、それまであまりウケなかったくるよのお腹をたたくギャグが、『花王名人劇場』オンエア後から急に大ウケするようになったそう。「スケジュール帳も一瞬で真っ黒になって、CMも10本入った」(いくよ)と語り、ブームのすごさを垣間見せていました。一方「僕らは人が売れていくのを見てひがんでたね」というのは、のりお。「ぼんちの新聞記事を切り抜いて写真に落書きした」などネガティブエピソードを繰り出して笑わせます。島崎さんは「関西の芸人さんはすごいテンションなんですよ。『オレたちひょうきん族』の時なんて負けてしまって……今でも引いてます」とポツリ。そこからのりおによる『ひょうきん族』で大人気だったのりおや島崎さんが演じた「フラワーダンシングチーム」についての裏話も明かされました。シングル曲『恋のぼんちシート』が大ヒットし、漫才師として初めて武道館ライブを行ったぼんちに話が及ぶと、島崎さんは「僕らは『ひょうきんベストテン』には出ましたけど、本物の『ザ・ベストテン』に出ましたもんね!」。まさとは「1日に漫才を14本やったのが最高(記録)」と、当時の過密スケジュールを振り返っていました。

ここで残念ながらタイムリミットとなった島崎さんに、出演者から「ヒップアップのエンディングの歌をやって!」と無茶ぶりリクエスト! 客席の手拍子に乗せて歌った後は、アダモちゃんのギャグも披露する大サービスで、ステージを後にしました。

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この後も、さまざまなテーマに沿ってトークを展開。「ギャグ誕生物語」では、おさむの「ぼんちダンス」が実は子供をあやすために生まれたという意外な話や、きよしさんの「うなずきトリオで一番しゃべらなかったのは僕。解散の理由はほかのふたりがしゃべりすぎたから」という告白が。「あれは最高の仕事やった」「あれは最悪の仕事やった」という両極端なテーマでも、漫才ブーム当時ならではの華やかかつ驚きに満ちた仕事の数々が明らかになり、観客を驚かせました。

ここまでですでに大満足!な濃いイベントでしたが、さらなるお楽しみが用意されていました。それは、なんと抽選で相方を組み替えての「シャッフル漫才」! 大御所漫才師揃い踏みの舞台では前代未聞のこの企画、客席はもちろんステージにいる出演者たちも緊張の面持ちで抽選を見守ります。最初に「当たり」を引き当てたのは、のりお&まさと。「健康診断」をテーマに即興漫才に挑戦しました。ネタ合わせも全くなく始まったふたりの漫才は、なかなかテーマに沿った話題に移らず、痺れを切らした巨人から「健康診断の話は?」とツッコミが入るほど。とはいえ新鮮な顔合わせによる予測不能のしゃべくりは、観客のハートをがっちりつかんでいました。続いては巨人&くるよがコンビを組んで「整形手術」をテーマにした漫才を披露。いきなり飛び出した「どやさ!」に、巨人が思わず「こんなに近くで見るの初めて!」と漏らすなど、こちらも意外性あふれる顔合わせです。しかも、途中から我慢できずにいくよが乱入、さらに阪神まで加わっての4人漫才へと進化を遂げ、観客を喜ばせました。3組目はおさむ&阪神。「死ぬかと思った」というテーマに沿って「こんな漫才を」と耳打ちした阪神でしたが、始まるやいなやそれを無視して暴走するおさむに激怒! 気づけばなぜか、おさむがひとりで漫談をしているという謎の幕切れとなりました。最後は周囲からのリクエストもあり、よしお&サブローにきよしさんが加わってのトリオ漫才が実現! きよしさんの独特の間に振り回されるふたりの姿は、これまでのシャッフルコンビ同様、このイベントでしか見られない貴重なものとなりました。

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エンディングで、「戦友が集まって、楽しかったね!」と満面の笑みで話したおさむ。サブローの「また機会があればパート2を!」というしめくくりの言葉には、客席からは期待に満ちた大きな拍手と歓声が起こっていました。

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