【ライブレポート】よしもと落語・新世代四人衆~NGKでやっちゃいます~
月亭方正、月亭八光、桂三四郎、桂三度――次世代を担う若手落語家4人が一堂に会した落語会『よしもと落語・新世代四人衆~NGKでやっちゃいます~』が、5月27日(月)、なんばグランド花月で行われました。“笑いの聖地”NGKで4人が共演するのは初とのことで、満員の観客が開演を今か今かと待ちかね、会場は熱気にあふれています。
トップバッターを務めたのは桂三度。まくらで“世界のナベアツ”時代のおなじみのネタ「3の倍数と3がつく数字のときだけアホになる」を交えて自身の名前をアピールすると、客席は大喜び。この“倍数”にからめて「小学生も高学年になってくると算数の勉強も大変なようで……」と、師匠である六代 桂文枝による創作落語「宿題」を披露しました。小学6年生の息子から算数の宿題を見てほしいと請われた父が、わからないことを悟られまいと問題にあれこれ難癖を付けますが……。苦し紛れの父の主張やふるまいのひとつひとつに、大きな笑いが起こっていました。
続いて登場したのは月亭八光。まずは早くも決定している第2回の落語会についてちゃっかり告知。さらに、なんばグランド花月という大舞台での開催ということで、公演当日まで緊張の日々が続いたと告白し「『チケットが15枚しか売れてないから中止です!』とマネージャーから言われる夢を見ました」とも。目が覚めてから心配になり問い合わせると、実はもっと恐ろしい枚数を告げられたと笑わせます。やがて話は娘とともに体験したとんでもない心霊“珍”体験へと及び、演目「幽霊の辻」へ。茶店の老婆が次々と教えてくる幽霊話に震え上がる、怖がりの旅人を臨場感たっぷりに熱演しました。
ここでこの日のゲスト、桂小枝が舞台へ。高座に上がるやいなや「ゲストなので気楽にやらせてもらいます!」と堂々宣言してさっそく拍手を浴びました。まくらでは『桃太郎』や『鶴の恩返し』、『花咲か爺さん』といった昔話の“真の姿”(?)を明かして沸かせた後、「皆様を竜宮城へお連れします」と、ファンタジーあふれる演目「小倉船」を披露します。三味線のはめものあり、踊りあり、立ち回りありの華やかさで魅了し、最後は小枝流のオチでしっかり締めくくりました。
中入り休憩の後、いよいよ後半戦へ。桂三四郎は、自己紹介を交えつつ、自身の高校時代のエピソードを紹介。「偏差値の低さと言葉の乱れは比例する」との持論をもとに、偶然会った後輩との立ち話を再現すると、観客は思わず大笑い。続いて披露したのは、おそらく誰もが経験したであろう「彼女を自宅に招く」という、高校生にとっての一大イベントを描いた演目「17歳」です。
大トリを飾ったのは月亭方正。まくらは「8.5kg痩せました!」というダイエットの話からジムで目撃したお年寄りたちの話、さらに3人の子供たちの話へと次々に移り変わり、親しみやすい語り口で観客を一気に引き込んでいきます。なんと話題の芸能ニュースにも触れ、「女の人が強くなる時代には、面白い話が生まれてくる」と、演目「紙入れ」を披露。長屋の男女問題を描いた古典落語の艶話で、大きな笑いと拍手をもらっていました。
終演後は4人が揃って劇場出口に立ち、八光曰く「NMBスタイルのハイタッチで送り出し」を敢行。来場者ひとりひとりと、ハイタッチならぬ握手を交わし、次回公演のPRにも余念がありません。第2回は9月30日(月)、同じくなんばグランド花月で開催されます。落語になじみがある方もない方も、4人の噺家が個性を競うとびきりイキのいい落語会を、次回もどうぞお聴き逃しなく!
第2回 よしもと落語・新世代四人衆
日時:9月30日(月) 開場18:45 開演19:00
会場:なんばグランド花月
料金:前売2500円 当日2800円
出演:月亭方正、月亭八光、桂三四郎、桂三度 ※スペシャルゲストあり!
お問い合わせ:チケットよしもとお問い合わせ専用ダイヤル☎0570-036-912(10:00~19:00)