HIROさん、辛坊さん、サンディエゴに向け小名浜を出港
2013年6月16日(日)、福島県いわき市のアクアマリンパーク特設ステージにて『ブラインドセーリング公開会見&出港式典』が行われ、ブラインドセーラーHIROこと岩本光弘さん、キャスターの辛坊治郎さんらが出席しました。
岩本さん、辛坊さんを乗せたエオラス号は、6月8日(土)に大阪北港を出港し、不安定な天候のなか、13日(金)に福島県いわき市小名浜港へと到着。
多くのギャラリーが見守るなか、MCを務める福島県住みます芸人の“ぺんぎんナッツ”が、小名浜からアメリカ・サンディエゴまで、ダブルハンドで目指すという今回の岩本さんと辛坊さんのプロジェクトを改めて紹介。
全盲と健常者のダブルハンドで太平洋横断に成功すれば、世界初だそうです。
満を持して、岩本さん、辛坊さんが登場すると、今回のプロジェクトの発端や一昨年の東日本大震災で被害を受けたいわき、小名浜への想いを語りました。
熊本県天草市出身の岩本さんは、「着いた時の臭いが似てるんですよね。故郷に似たところから出港できるという思い、みなさんから復興に向けて頑張られているというエネルギーを感じ、この太平洋横断をがんばりたいです」と小名浜の印象を語りました。
辛坊さんは、「なぜ小名浜から出港なのか?」との問いに、「日本中のヨットマンの聖地だからです」とのこと。
さらに、小名浜港は東に向けて出港すればすぐに黒潮にたどり着き、「世界中のヨットマンが日本に寄る時は、小名浜にお世話になってるんです」とも語りました。
そんな小名浜に「ご恩返しが出来るとするならば、これが今日ニュースになって、福島どうなってるのかな、小名浜どうなってるのかって、日本中の人がその瞬間、思いを馳せてくれたら…」と感慨深げな辛抱さん。
また、サンディエゴが目的地なことについては、「HIROさんのアメリカ人の奥さんと、お子様が暮らしてらっしゃるから」だそうです。
「安全第一」と何度も口を揃える2人ですが、これまで準備などでもプライベートな会話をする時間が作れず、これからの航路での会話が楽しみだと辛坊さん。
ヨット専門誌の連載を読んで、辛坊さんに声をかけた岩本さんは、辛坊さんについて「論理的で、仕事上、描写がお上手」といった印象を持ったそうです。
ステージでは、いわき市の渡辺敬夫市長、衆議院の坂本剛二議員ら来賓の挨拶に続き、地元いわき海星高校チームじゃんがらが「じゃんがら念仏祭り」を披露し、旅の無事を祈願します。
続いて、スパリゾートハワイアンズのフラガールが登壇し、首にレイをかけてもらった辛坊さんはニコニコ。
さらに、いわき観光大使見習いのフラおじさん、アグリン☆ファイブよりトマにゃんといったいわゆる“ゆるキャラ”、わかぎ幼稚園年長クラス、いわきジュニアヨットクラブ、いわき海星高校ヨット部らも駆けつけ、地元野菜や千羽鶴、あるいは声援で、賑やかを通り越し、お祭りムードで岩本さん、辛抱さんの出発を見届けました。
最後は、地元フラダンス教室“ハーラウラ・ウラーナニ”のみなさんのフラとBGMに送り出される形で「行ってきます!」と力強い言葉を残し、ヨットに乗り込み、2人は小名浜から旅だちました。
また、この会見に先立って、岩本さんと岩本さんをサポートするサンディエゴの団体「See What Sea Project」から、いわきジュニアヨットクラブ、いわき海星高校ヨット部に、練習ヨット・ディンギーが一艇ずつ贈呈する『すばらしい海でもう一度!ディンギー授与式』も行われました。
この日、MC役をまっとうしたぺんぎんナッツの2人から、今回のイベントについてコメントをもらいました。
※福島住みます芸人“ぺんぎんナッツ”、左:いなのこうすけ、右:中村陽介
中村「僕らも福島県住みます芸人として、福島のためにがんばっていますが、HIROさん、辛坊さんは、僕らも活気づけてくれてます。希望と勇気を与えてくれるものなので、僕らもせいいっぱいお助け出来たらいいですね。こういう行動力が、福島県民、いわきの人たちに、すごく勇気を与えてくれるので、太平洋横断を無事成功して欲しいですね」
いなの「世界初っていうのが、素晴らしい。僕らも出来るんだったら、世界初のことやってみたい気持ちになりました。正直、今日のような比較的真面目な仕事ってあんまりないんですよ。こういう仕事の場合、相方が仕切りで、僕が賑やかしですね(笑)。福島ではお祭りが多いので、その賑やかしの仕事はしてますね」
ブラインドセーラーHIROさんと辛坊治郎さんは、サンディエゴまでの5,100マイル、航程予定55日間の大航海を行い、8月10日(土)アメリカ・サンディエゴ マリオット・マーキース&マリーナ入港予定です。
挑戦の様子は、オフィシャルホームページ(http://www.b-sailing.com/)にて、随時最新情報を公開しております。