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2013年8月 9日 (金)

河内家菊水丸が「三陸海の盆」合同大祭に今年も出演!2年連続の太鼓寄贈も

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一昨年から、東日本大震災の被災地へ向けて継続してタレントを派遣してきた「よしもとあおぞら花月」。その一環として、このたび伝統河内音頭継承者・河内家菊水丸が、8月11日(日)に岩手県大船渡市にて行われる第3回「三陸海の盆」の合同大祭へ、3年連続で出演することになりました。

「三陸海の盆」とは、2011年3月11日に発生した東日本大震災で犠牲になった方々を永遠に供養し、被災地と支援地が“想い”を共有するため、そして三陸、岩手、地域が一体となって被災者に寄り添うために、一昨年は大槌町、昨年は釜石市で開催されてきたもの。同時に各地の郷土芸能の復活・郷土の復活への願いも込められています。また、昨年に引き続き、創業80年を超える大阪の老舗太鼓メーカー・株式会社太鼓正さんから、地元の郷土芸能の皆さんに太鼓を寄贈したいとの提案をいただき、同イベント内にて寄贈式も行われることになりました。本番直前の8月9日(金)に行われた記者会見には、菊水丸と和太鼓の三条史郎さん、ギターの石田雄一さん、そして株式会社太鼓正の代表取締役・南本庸介さんが出席。それぞれの思いを語りました。

「河内音頭もそうですが、元来、盆踊り歌や祭り歌というのは、豊年満作を祈念するとともに、亡き人を弔うということが大きなテーマ。震災直後から『あおぞら花月』の演芸班とはまた別に、盆踊りやお祭りで菊水丸一座がお役に立てないだろうかと提案していた。そんな時『三陸海の盆』のことを聞き、第1回の合同大祭に出演させていただいたんです」と、出演のきっかけを語った菊水丸。また、自身のCDにも収録されている『九代目横綱』が、気仙沼出身の秀ノ山雷五郎という名横綱の足跡を歌ったものであることに触れ、「震災以前から録音して、盆踊りの櫓でも十八番のネタとして歌っていましたので、外題を使わせていただいている、その万分の一でもお礼ができないかとも考えていた。そこで『三陸海の盆』が立ち上がった際、地元の名横綱を歌った音頭をご披露したいとお願いしました」。大阪と東北、遠く離れた地にありながら、不思議な縁を感じさせるエピソードを明かしました。現地の皆さんとは、昨年の第2回終了後に「来年もまた来ますよ」と約束して別れたそうですが、その後、甲状腺がんが見つかり手術を経験。「それをはねのけて、こうしてまた8月11日に元気に東北に行けるのはうれしい限り」としみじみ話しました。

太鼓の寄贈については、「第2回目では“復興”をテーマにお手伝いできないかと考えた。実は第1回目に出演した時、太鼓が津波で流され、仕方なくタイヤにビニールを張ったもので稽古をしているというお話も聞いていたので、公私共に懇意にさせていただいている太鼓正さんにご協力をお願いしたんです」。すると、実は太鼓正さんでも何かお手伝いをしたいと考えていたものの、寄贈するにも東北へのルートがなかったとのこと。この機会に「三陸海の盆」を通じて、太鼓を現地にお送りすることができれば、と快諾してくださったそうです。そして今年も、引き続き寄贈いただけることに! 菊水丸は、「大阪で作られた大阪の音色が、今年からまた東北に響き渡るということは、我々大阪人にとって誇りでもある。11日は私も元気いっぱいに音頭を取っていきたい」と意気込みました。

石田さんは、「3年連続で東北の復興と鎮魂のお手伝いができることをうれしく思っています。それとやっぱり、師匠と今年も一緒に行けるということは非常にうれしい」と笑顔。自身も阪神・淡路大震災で被災したこともあり、「(東北の皆さんの)気持ちは本当に痛いほどわかります。そのへんも含めて、頑張ってギターを弾きたい」と力を込めました。三条さんは、昨年に続いて、寄贈される太鼓の“叩き初め”の大役を果たすことに。「現場では、被災者の方々への鎮魂の想いを込めて叩かせていただきます」と決意を新たにしていました。

さあ、いよいよお披露目です。布が引かれると、中から艶やかなワインレッドの太鼓が現れました。南本さんによると「今回は、菊水丸師匠の色を東北に残したいという僕の個人的な思いもあり、(菊水丸一座の太鼓と同じ)ワインレッドになりました。そこに、菊水丸師匠自筆の言葉(大阪から東北へ、復興太鼓)を彫っています」とのこと。一尺八寸という大きな太鼓で、材質はけやき。木目に白い粉を入れて目立たせるという伝統的な手法で仕上げられています。と、ここまでの解説を聞きつつ、菊水丸と三条さんは顔を見合わせてニッコリ。「我々ふたりが何故笑っているかというと、目が飛び出るようなものだからです(笑)。僕らにとっても欲しい太鼓」と笑わせていました。

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この後、三条さんが軽く試し叩きをすると、大きく深みのある音が響き、菊水丸も石田さんも感動の面持ちに。11日の夜には東北の空の下、この音が、そして菊水丸一座の河内音頭が、東北の皆さんの心に染み渡ることでしょう。

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