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2013年8月12日 (月)

真夏のキラキラ単独祭り「ビーフケーキ単独ライブ『愛の子ゾンキー』」

8月10日で幕を閉じた5upよしもとの煌~kirameki~TOP/Member18組による「真夏のキラキラ単独祭り」。8月9日はビーフケーキの『愛の子ゾンキー』が開催されました。

会場に足を踏み入れると、開演前からすでに照明が落とされていて、『パイノパイノパイ(東京節)』など古き良き日本を思わせる大正レトロなBGMが。さっそくビーフケーキが創り上げる独特の世界に引きずり込まれるようです。

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ステージに松尾が登場。松尾は「同級生の男を殺しました」と頭を抱えます。すると間もなく1枚のトランプを持った近藤が。近藤は、4人でトランプでババ抜きをしていて人とはぐれたといいます。そのうち2人の会話がリンクし、そして混合していき…。そのやりとりにクスッとした笑いも起きつつ、人殺しとトランプを持つ男の会話の不気味さもあいまってゾワゾワする幕開け。そして近藤は人殺しの松尾を「遺体を食べたんだろう」と決めつけ、「キミは今から見せものになるんだ。新聞やテレビからいいようにされて」と言い放ち…。

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ひとつ目のコントは「吉田ナナコ」。図書館を訪れた松尾は、いつも図書館の机で勉強している女性に声をかけてみることに。「いつも、この席に座ってますよね。僕、松尾っていいます。お名前は?」と耳元でささやく松尾。女性は「ナナコ。吉田、ナナコ」と松尾の耳元で答えますが、なぜかその声にはすごいエコーがかかっていて…。不思議がりながらも話を進めると、好きな作家が同じことがわかり意気投合するふたり。周囲を気遣って耳元でコソコソと会話を続けるものの、なぜか「吉田ナナコ」のささやき声だけ放送禁止用語を防ぐピー音が入ったり、はるか遠くから叫んでいるような声になったり…。

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続いては「在校生」。この日、中学を卒業した松尾充駿。しかし、同級生の近藤からは「在校生!」と呼ばれています。その理由を紐解くべく、シーンは中学1年の1学期に。中学1年だった松尾は、5・7・5で話してしまうクセがあったこと、そして苗字が同じこともあり、近藤から「芭蕉」というあだ名をつけられてしまいます。そして2学期。芭蕉が俊足だと知った近藤は、松尾のあだ名を「芭蕉」から「カールルイス」に改名。3学期には、「カールルイス」が「ボットン戦隊ウンコマン」という自作のマンガを描いていることを知った近藤は「ウンコマン」とあだ名を改名し…。このように、近藤が付けるあだ名の連鎖に次ぐ連鎖を経て、「在校生」と呼ばれるに至った松尾の物語です。

 

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3本目のコントは「ルー」。舞台はスーパーのバックヤード。万引き犯の夫人(松尾)を捕まえた店員・近藤が、「盗ったやつ、全部机の上に出せ!」と息巻きます。夫人のカバンの中からは、ニンジン、ジャガイモ、牛肉、リンゴとハチミツが入っていて…。「以上です」と、シラッとトボける夫人ですが、盗品から今夜はカレーだとピンと来ていた近藤。「そんなわけないよね!」とつめよる近藤。しぶしぶカバンの中身を出すものの、カバンから出て来るのは赤ワイン、ローリエ、チャツネと、肝心のルーが出て来ず…。

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4本目のコントは「3D」。3Dテレビを買った松尾。3Dテレビ専用メガネを付けてテレビに向かうと、3Dテレビのナビゲーターが画面に登場。肩パットがすごいそのナビゲーターは、3Dテレビのすごさを松尾に知ってもらうべく飛び出す絵本を開いてみたり、キャッチボールをしてみたりと3Dテレビの魅力をプレゼンしはじめ…。

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5本目のコントは「仕送り」。大阪の大学へ進学した松尾が、故郷の母親からの仕送りに入っていた手紙に目を通します。舞台右手に、母親に扮した近藤が息子に一所懸命手紙を書く様子が再現されます。「実家に帰らな、あかんな」としんみりする松尾。さらに松尾が大ファンだというアイドルのイザワサクラちゃんの本人直筆キスマーク入りメッセージなどが届いていて、喜ぶ松尾。さっそく読み上げるものの、舞台右手でアイドルらしからぬおっさんが手紙を代筆している模様が再現されて…。

 

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6本目のコントは「皿屋敷」。真夜中のゴルフ場へ肝試しに訪れた松尾と近藤。ゴルフ場の奥にある古井戸に、悲惨な死を遂げたキャディーの幽霊が出るとのこと。夜な夜なゴルフクラブを数える声が聞こえ、しかも因縁の9番を数える声を聞いてしまったら最後、死んでしまうといいます。いよいよ古井戸で恐ろしい声を聞いた2人。「8番…」と数えたところで肝を冷やして逃げ出しますが、その瞬間キャディーの幽霊をチラっと見てしまった近藤が「めちゃかわいかった」と言いだして、肝試しは意外な展開に転がり始めます。

 

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7本目のコントは「BAN」。投稿動画配信サービスを利用して、夜中にこっそり奇妙なインド舞踊をリスナーに配信している様子の息子(松尾)。その様子を母親(近藤)が目撃し、生配信中に「やかましい!!」と怒りの乱入。リスナーの迷惑になる配信をすること=BANを恐れ、リスナーを気遣いつつ母親の怒りを鎮めようと必死な息子の様子が笑えます。母を無事に部屋から追い出し、再びインド舞踊を生配信し出すのですが…。

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最後は「チョコレートケーキ」。認知症の父親(近藤)の元に訪れた息子(松尾)ですが、父親は息子を認識しておらず、ヘルパーさんだと思い込んでいます。しかも記憶が、息子が10歳の誕生日を迎える頃で止まってしまった様子。しかし、今の息子の顔がわからなくなっていても、翌日に控えた息子の誕生日だけは覚えていた父親。息子はヘルパーのふりをして父親の話に耳を傾けます。そして父親の胸の内を初めて知り…。哀しくも切ない父と息子の物語でした。

 

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エンディングでは、再び人殺しの男(松尾)が登場。近藤の口から、人殺しの男が捕まったニュースが伝えられます。人殺しの男は「同級生の男」を殺害し、「その遺体を食べた」、「トランプを持った4人組を食べた」などと供述しており、覚せい剤使用についても調べていると報じられ…。続いて報じられたニュースは、「動物園で、ロバとシマウマのあいの子が誕生した」というニュース。それを聞いた人殺しの男は、「お前はこれから見せ物になるんだ」とつぶやき…。ちなみにタイトルにもある「ゾンキー」とは、ロバとシマウマの異種交配で生まれた動物のこと。イベントタイトル、そしてオープニングとも伏線を張った、お見事なエンディングを見せてくれました。

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笑いはもちろん、ゾワゾワするような独特の世界観を感じさせる、ビーフケーキ尽くしの1時間半でした。