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2013年8月13日 (火)

クズ芸人国宝・ロシアンモンキーさんの素晴らしさを世の中に伝える会

8月8日(木)、東京・渋谷公園通りシアターDにて『クズ芸人国宝・ロシアンモンキーさんの素晴らしさを世の中に伝える会』が開催されました。

まずは、主催者であるタモンズとトンファーが登場。満員にはほど遠い客席を見渡しながら、タモンズ・安部が「よう集まったなぁ」と呟きます。

P1220017 ロシアンモンキーとは、『兄貴と子分〜ロシモンさんに訊いてみよう』というライブで共演しているという2組。いつもお客さんは10人(!)ほどしかいないそうで、その倍以上は軽く入っている客席に思わず上記のような感想が漏れたようです。

本日のライブは、『兄貴と子分〜』のスピンオフ企画。ロシアンモンキーの素晴らしいクズ芸人ぶりを、「俺たちだけで訊いているのはもったいない。他の後輩にも訊いてもらいたい」と思い立ち、開催。後輩として田畑藤本、ラビッツ、あわよくば、ダイタク、ベイビーギャング、相席スタートが集結しました。

が、内容について何も聞かされず集められたよう。「作家の(山田)ナビスコさんに、21時にシアターDに来いと言われた」と言うのは、ベイビーギャング・北見。「まぁ、北見は聞かんほうがええと思う」と妙に納得するタモンズ・大波です。急きょ参加となった相席スタート・山添も「21時にここに来なさいと、山田さんから連絡がありました」と怪訝そうな表情。不安そうな後輩たちを、トンファー・山西は「ナビスコ先生は召還魔法を使うんや!」と説得しました。

いよいよロシアンモンキーの登場!……なのですが、温まりきっていない客席に、裏で待機するロシアンモンキー・中須から「もっと盛り上げろ」との指示が。お客さんにも協力していただき、盛り上げる後輩たちですが、「いま、タバコ吸ってるからもうちょっと待って」など、難癖をつけて出てこない2人。このまま、このくだりが続くかと思いきや、変なタイミングでスーツ姿の2人がぬるっと舞台へ現れました。

P1220022 散々文句を言われるなか、「北見がおるから来たんや。今日のお客さんも、北見がおるから来てるんや」とロシアンモンキー・川口。「後輩? みんな知ってるヤツやん」(中須)「なんなら、友だちやん!」(川口)と言いながら、なぜか北見だけ“さん付け”で呼びます。「仲いいの?」とほかの出演者から訊ねられた北見は、動揺しながら「いや、俺は“ロシモンさん”と呼んでます」とポツリ。……そこまで親密ではない様子。どうやら人気者に乗っかろうという腹づもりのようです。

P1220029 山西の持つカンペには「まずはネタから」との言葉が。「山田さんが、もうすぐTHE MANZAIの2回戦。調整しとけよと言うてましたけど……」と説明する山西に、「するか!」とロシモン2人。結局ネタはせず、後輩からの質問に答えようということになりました。

が、主旨を訊かされずに参加してる芸人がほとんど。まったく質問の手が挙がりません。「ないやん! このライブ終わり!」と立ち上がる中須を観たダイタク・タクから質問が。「9年上の先輩なんで、夢が見たい。いままでいちばんよかった給料はいくらですか?」と、早速カネの話が飛び出します。

「そうなると、岩手フィーバーのときやなぁ」と中須。川口曰く、「俺らは元祖“住みます”芸人。岩手に住んで、レギュラーを何本も持ってた」んだとか。某大物ミュージシャンが訪れるようなお寿司屋さんに連れて行ってもらったり、住んでいたホテルもそれぞれに1LDKの部屋が用意されていたりとかなりの好待遇を受け、「(全てが奢りだから)財布を持っていくことがなかった」そうです。
優雅な生活を送り、1年半経った頃。スポンサーの経営方針変更にともない、東京に戻ってくることに。岩手に行く前はウケてたネタも帰ってきてからは全然ウケなくなったそうで、「そこからウケない期間が4〜5年続いた」と中須。その後、中須の結婚を機に、観客の反応に微妙な変化が。「お客さんの恋愛対象から外れたんやろうな」と考察する中須に、「……え?」と真顔でツッコむ山西。その意は自意識過剰ということではなく、「“絶対、彼氏にしたくない!”から笑えへんかったのが、結婚したことによって“知らんおっさんがしてることや”という気持ちになって、笑ってくれるようになったんやろう」と説明しました。

P1220033 その後も質問しない消極的な後輩を見渡しながら、「いま、5年目くらい? 酒、女、タバコ……ごりごりやろ?」と話しかける中須に、「それ、ロックンローラーの発想です!」とツッコむ山西。「話を訊いた感じでは、僕らより先輩たちのほうが全然遊んでますよ」とトンファー・小浜が付け加えます。
当時は置きチケ(注:芸人にライブのチケットを抑えてもらっておいて、当日、受付で現金と引き換えるシステム)制度がなく、すべて手売りしていたというロシモン。手売りしながら、ナンパもしていたようで、「原宿でカワイイ子にばかり声をかけていた」んだとか。しかも2人で仕込んで、中須が声をかけたら、偶然を装った川口が遠くから現れ、草むらにわざと落ちて笑わせるというようなコンビ芸を見せながら、手売りしていたそうです。
「あそこなんやっけ? ブランドあるやん。遊歩道があるところ……北見さん、なんですっけ?」と訊く川口に、“もっぱらカフェにいる”という北見は「あぁ、ブルガリっすね」と即答。「そうそう。そこの草むらがええねん。手すりにまたがってこけたり、いろいろとやってた」(川口)「絶対ウケるからなぁ」(中須)と振り返る2人です。

P1220034 山添から「あの……ネタはいつつくってるんですか?」という核心を突いた質問が上がった途端、口を濁し始めるロシモン。「なんでネタのことになったらテンションが下がるのか、わからないんですけど」と訝しがる山添に、「ネタ合わせは基本しない」と川口。「こういうのやろうかと話して、舞台に上がる」という2人に、山西は「それでもできてまうから、すごいんですよね」と感嘆します。

その言葉に気がよくなったのか、「できてまうねん。器用になった」と言い出した中須は、突然オーラを視てもらった時のエピソードを話し始めます。知り合いの知り合いにオーラを視てもらったところ、「オーラが人より薄い」と言われたそう。「普通、芸能人とかそういう人の前に立つ仕事する人って、オーラがすごい出てるんやって。やけど、俺はオーラが薄いから、自分にないことをしたらあかんって言われた。で、俺の前世、キャバクラのキャッチなんやって」と楽しそうに話す中須に、大波が「器用になった話、どこ行ったんすかーー!!!」と絶妙なタイミングでツッコみました。

以前はあまり舞台上で喋らなかったという中須。ある日、「このまま、俺は芸人辞めるんちゃうか?」と恐ろしくなり、舞台上で喋ろうと決意し、「信じられへんくらい、ボケ出した」そうです。結局、器用になったというより、意識的に自分を変えたということだったようです。

P1220058 ここまで来ても、質問する後輩は現れず。結局、ロシモンから各コンビへアドバイスしていくことになりました。
まずラビッツには「神野のような引きの芸は難しい。テレビに出ると振り待ちになってしまうから、(相方である)和田がきちんと振って笑いにつなげたほうがいい」と的確に告げる中須。

P1220063 ベイビーギャングには「何も言うことがない」と2人。「北見だけじゃなく、りんたろーも華がある」と言われて「やったぁ!」と顔をくしゃくしゃにして喜ぶりんたろーを、なぜか北見はグーパンチでツッコみます。「普通、芸人になるのは、学校で目立たへんかったヤツとかなのに」と話しかけ、「確かに俺、同級生から“どうした?”ってよく電話かかってきますよ」と答える北見に、突然「抱かれたい」と言い出す中須。「カワイイ子を抱けないのなら、カッコいい男に抱かれるしかない!」と訳のわからない持論を展開し、後輩たちを困惑させていました。

P1220042 続く、田畑藤本には「このコンビは終わり。東大っていう引きで売れかけたけど、チャンスをつかめなかった」と分析する中須。「確かに僕、北見以上に同級生から心配されていますよ」と冷静に答える東大出身の藤本に、川口は「副業やったら?」とアドバイス。
あわよくばには、「外国人(やハーフの芸人が)増えてもうたなぁ」と話しかける中須。「そうなんです。僕はデニスの行雄ちゃんやマテンロウのアントニーみたいに職務質問もされないし、バイトも受かる。正解のハーフなんです」と答えたのは西木。小川が「ネタにハーフであるという話を織り交ぜるべきか悩んでいる」と話すと、「絶対入れたほうがええと思う」と中須。「∞ホールでは知られてるかもしれへんけど、ルミネに来るお客さんを考えたときに入れたほうがいい。面白ければ、いつかは売れる」とようやく先輩らしいアドバイスを。川口も「一緒にがんばろうな」と激励しました。

P1220069 コンビを組んだばかりの相席スタートには、「どっちもできるヤツやから問題なし」と2人。ただ、ロシモンの単独ライブに毎回出演している山添にはいろいろと言いたいことがある様子。先日、ルミネで開催した単独ライブでは、絶対にボケるなと言ったところで山添がボケるもいちばんウケたそうで、「山添は許さん」と笑いながら言い放つ中須でした。

川口から「仕上がってるって噂聞いてるよ」と言われたのは、ダイタク。2人はロシモンの司会進行のやり方をNSCのイベントなどで真似しているそうで、この場で実践してみることに。コンビ名を紹介して「○組続けて、どうぞ!」の語尾を上げ、そのまま動作を止めるという技なのですが、笑いながら川口は「それ、作家に言われた。語尾を上げたほうがテンションも上がるし、テレビで編集できるように、礼とかせずに止まっておいたほうがええって言われたんや」と説明していました。

P1220048 後輩たちへのアドバイスが終わったところで、エンディングへ。
「告知ある人はいますか?」と促す山西へ、「告知しても来うへん!」(川口)「告知ほど無駄なものはない!」(中須)と吐き捨てる2人を観ながら、「無駄ってヤバいっすね!」と爆笑するりんたろー。「無駄っていうか、こんなライブに足を運んでくれるお客さんやったら、どんなライブの情報も知ってるはず! こんなライブを見つけてくれるくらいなんやから!」と観客の優れたリサーチ能力を理解しての発言だったことを補足する中須でした。

後輩たちの勉強になったかどうかはわかりませんが、非常にワチャワチャした1時間半。お客さんも含めて団結力は素晴らしく、終始笑いの絶えないライブとなりました。「第2回はあるんでしょうか?」とはエンディングでの山西の言葉ですが、次回開催の際にはぜひとも足を運んでみてください! 


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