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2013年9月12日 (木)

トークイベント「道頓堀ZAZAよしもとライブ 『'し'曰く』」

お笑いのみならず、関西のエンターテイメントに関わる様々な“おもしろい才能”を発掘し、開花させる基地として知られざる情報・文化を発信していく「道頓堀ZAZAよしもとライブ」。9月3日・4日には、その皮切りとなった舞台『吉本新喜劇 × 男肉 du Soleil ~高井俊彦のミッション・インポッシブル~』が上演されました。

そして9月10日には第2弾のトークイベント『'し'曰く』が開催されました。『'し'曰く』とは、司会にオール巨人の元弟子である角田龍平弁護士を迎え、矢野・兵動の兵動大樹とティーアップ・長谷川宏が、タイトル通り“し”のつく職業の人々(教師、牧師、雀士、棋士、消防士、竿師…!?)をお招き、普段聞けない生々しい話や真相、裏側に迫るトークイベントです。

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9月10日の第1回の’し”は「弁護士」ということで、3名の弁護士に“弁護士ってどんな仕事?”という素朴な疑問から、ちょっとした法律相談まで、兵動、長谷川が根堀り葉掘り伺いました。オープニングは兵動と長谷川のトークを。スーツで決めてきた兵動に比べると実にラフなスタイルの長谷川。「今日みたいな日にその格好って、結婚式でスーツを着てこないようなもの」という兵動に対して長谷川は「スーツ着てくるなんて言ってた?」と飄々と交わします。そして、楽屋での一幕も暴露。長谷川は角田弁護士とこの日、初対面だったそうなのですが、会うなり角田弁護士に相談を持ちかけたそうです。その内容も「お金と女性」。ちなみに角田弁護士曰く、長谷川の話を聞く限りでは「勝てる」とのことでした。

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一方兵動は「弁護士にトラウマがある」。弁護士の方々と居酒屋で居合わせたそうなのですが、ツッコミのつもりで後輩の頭を叩いたところ、後輩が弁護士に泣きついたそうです。その時、「傷害罪です」と言われたことが怖かったとか。それから芸人の世界の常識を弁護士の観点で考察するとどうなのか?というトークで盛り上がりました。

そして本編スタート、ゲストの辻村幸宏弁護士、上田智子弁護士、塚崎幸司弁護士が登壇しました。今は「5年間で3回以内に司法試験に合格しなければならない」と規定が変わったそうですが、それ以前に司法試験を受けて合格した塚崎弁護士は、8回チャレンジしての合格だったとか。司法試験は年に1回、落ちるとまた振り出し戻るのだそう。そのエピソードに、いかに司法試験が難しく、粘り強さを必要とされるかが伝わってきます。「8回も、8回も」と塚崎弁護士のことを紹介する角田弁護士ですが、実は角田弁護士は9回受けてやっと合格したと自ら暴露していました。

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また、駆け出しの時代から独立をするタイミング、タイミングしたのちにどうやって新規の仕事を得るのかなど伺いしました。駆け出しで法律事務所にいるころは、先生のカバンを持ったり、見よう見まねで仕事を覚えるそうで、「芸人と一緒やな~」と長谷川。独立後の初仕事はおおむね、国選弁護士の仕事を受けることが多く、その際は基本的に断ることができないのだとか。そうして弁護した被疑者とのやり取りでの珍エピソードを聞いてみると、「生まれて初めてプロポーズされた」と上田弁護士。このエピソードには「そんなことあるの!?」と騒然となりました。

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「テレビや映画の弁護士や裁判のシーンを見て、それないわ~って思うことはある?」と長谷川が聞くと、その最たるものとして裁判中に「異議あり!」とは言うことはないとのご返答が。これにもまた「え~!!」。

研修中に「異議あり!」と言うことを教わるそうですが、実際裁判になると恥ずかしく、辻村弁護士は「ちょちょちょ!」、上田弁護士はなるべくかわいく「あの~ぉ、ちょっと違うと思うんですけど~」という言い方を考案、そして塚崎弁護士は普通に「すみません、いいですか」と言うにとどまるとのことでした。

辻村弁護士の「ちょちょちょ!」には兵動、長谷川とも声を合わせて「漫才やん!」。事案にもよりますが、裁判所ではテレビや映画で見るような緊張感はほとんどないとか。また、「裁判官が木槌で叩いているところを見たことがない」と角田弁護士含め、弁護士の皆さんが一同に。あの「静粛に!」と場をとりなすシーンなど、実際にはほとんどないそうです。


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そのほか、請け負った特異な事件や裁判以外の弁護士としての仕事、裁判での心構え、被疑者や係争相手との微妙な駆け引きなど、それぞれの弁護士が持っているノウハウを教えてもらいました。イベントも終盤を迎えるころには「あ~、犯罪のない国に行きたいわ~!」と思わずこぼす兵動の姿も見受けられました。

続いては、兵動、長谷川から弁護士の方々に相談するコーナー。まずは兵動が「専業主婦の嫁が浮気したことを理由に離婚した場合、慰謝料はもらえるのか?」という質問を。

答えは、「もらえる」。「万が一、奥さんがたくさんの男性と浮気していたら、その一人一人からもらえますよ」と塚崎弁護士がアドバイスしたところ、「うちの嫁はそんなんせんわ!!」と絶叫していました。ただし、子どもの親権となると母親側になることの方が多く、兵動が親戚のおばちゃんやおじちゃんの協力を仰いでも、親権は取れないだろうと。また、慰謝料はもらえても財産分与で半分は持っていかれてしまうとも言われ、「そんなん結婚してもええことないやんか!!」と独身の長谷川の隣で悲壮感を漂わせていました。

一方、長谷川の質問は「携帯電話の赤外線を使ってアドレスを交換したところ、誤って自分が登録している他人の情報すべてを送ってしまった。その後、アドレスを交換した相手がその情報を使って僕の携帯に登録していた人にメールを送ったら、僕が訴えられるんですか?」というもの。

過失か故意かにもよるそうですが、もし長谷川が私利私欲にまみれ、アドレスを交換した相手を自分のものにしたくてやったことなら、訴えられる可能性もあるとのこと。

また「人の携帯電話を勝手に見るのは?」という質問には、「見られた相手との関係性にもよる」とのことで、恋人や家族など近しい間であれば問題にならないが、全くの他人だと法律に抵触することもあるそうです。「携帯電話のメールを見られた」という長谷川の話はどこまでがたとえ話なのか定かではないものの、どんどんエスカレート。独身でモテモテゆえの苦悩をにじませていました。

そして兵動が「弁護士の選び方を教えてください」と質問を。「会って話をする時、フィーリグンが合うかどうかが重要」と辻村弁護士。弁護士には雄弁なイメージがありますが、相談者の悩みや心配事を一つ一つ、丁寧に拾い上げて最善策を講じることが仕事であり、実際は話を聞くことの方が多いのだそう。話を聞いてもらう際に、この人とは合わないな思ったら違う人にした方がいい」とのことでした。

上田弁護士は「明朗会計。事前にきちんと費用などのお話をしない人は避けた方がいい」。そして塚崎弁護士は「きちんと目を見てしゃべってくれる人か。弁護士は相談者の悩み事とまっすぐに向き合う仕事なので」とのことでした。また、角田弁護士からも「悪い見通しのことも事前に説明する人。調子いいことばかり言う人はちょっと…」とのアドバイスがありました。

弁護士をお招きして、知られざるその世界を垣間見れた『'し'曰く』、あっという間に2時間がたち、お開きに。最後に「弁護士とは?」と3人にお聞きしました。「誰よりも話を聞いてくれるような人。身内以上に気持ちを込めることができる人」とは塚崎弁護士。続いて上田弁護士は「法律上意味がなくても、“そのお話は今、意味がないので”とさえぎるのではなく、相談者の人生がよりよくなるように何でもしゃべってもらって導くこと」。「嫌なことを解決していく中、メンタルのケアもしっかりして、今後訪れる困難にも乗り越えられる精神になるよう、しっかり対処していく」と辻村弁護士。

3人のお話を聞いて「お医者さんみたいやな」と長谷川。兵動も感心しきった様子で、「初めてのイベントでしたが楽しかったです!」と満足げな表情を浮かべていました。

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兵動「このイベントにそないに力は入ってないんですけど、それぐらいでいいのかなと思うんです。お客さんと同じように楽しめるライブにしたいと思っていて。その結果、僕らもお客さんも今までない知識を蓄えられたら素敵なイベントになるんじゃないかと思います。今日は本当に楽しむしかないので、成功したらいいなと思ってます」

長谷川宏「漫才師って、飲みに行ったりしたら“今日は相方さんは一緒じゃないんですか”聞かれることが多くて。その時いつも、“いや実は、漫才コンビはプライベートは別々なんですよ”とお話して、“へ~”ってなるんです。今度は僕たちが楽しめる番なので、いろいろと話を聞きたいと思います。勉強になるイベントにしたいなと思っています」

角田弁護士「最初の「し」は弁護士ということで、私の知り合いの弁護士3人に来てもらっているのですが、今、長谷川さんがおっしゃったようなことが僕らにもあるので、そういうことを聞いていただいて、僕らの実態をわかっていただきたいです。ドラマやテレビに出ている弁護士のイメージしかないと思うのですが、実際は全然違うので。僕たちの仕事で一番大事なのは依頼者や相手方とのコミュニケーションのとり方なんです。お二人はしゃべりのプロですので、そういうところも自分の仕事にも還元できたらいいなと思っております」

そして、ZAZAをどういうふうに活用していきたいですか?との質問には…。

兵動「この劇場を持っていらっしゃる方と、会社の人間、芸人の気持ちがひとつにならないと盛り上がらないと思うので、素敵なこの小屋を新しい情報の発信源にして、ここにふらっと来たら楽しいことやってるでっていう舞台にしたいですね。こういうきゅっとしたところで、おもしろいことをしたいなと思います。若手の子もどんどん出てくる場になったらいいですね」

長谷川「NGKとか5upよしもとのようなお笑いメインではなくて、ZAZAはお笑いプラスちょっと違う挑戦にしたいという趣旨なので、お客さんには“そうやったんや”っていう発見を心に残して、帰っていただくイベントができたらいいなと思ってます」

道頓堀ZAZAでのトークイベント『'し'曰く』、次回は12月17日 (火)の開催が決まっています。知らない世界のことが面白おかしく伝わり、ためにもなる『'し'曰く』。次はどんな師、士、司が登場するのか、どうぞご期待ください!

また、「道頓堀ZAZAよしもとライブ」では様々な企画イベントを発信中です。続いては9月12日(木)19時から『ヤナギブソンの撃鉄!』を開催します。こちらもどうぞお越しください!

『ヤナギブソンの撃鉄!』
9月12日(木)19時開演
出演:ヤナギブソン、GAG少年楽団、三浦マイルド、他
前売り:1500円 当日:1800円

道頓堀ZAZA  http://www.vitalartbox.com/zaza/

ティーアップ・長谷川宏の動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/36/
矢野・兵動 兵動大樹の動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/148/

【矢野・兵動 兵動大樹】【ティーアップ・長谷川宏】