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2013年10月 7日 (月)

アルバム『from shoegaze to nowhere』をリリース! 音速ライ ンインタビュー

1年8ヶ月ぶりのフルアルバム『from shoegaze to nowhere』(フロム・シューゲイズ・トゥ・ノーウェア)を10月9日(水)にリリースする音速ライン。
福島県在中の藤井敬之(ボーカル、ギター)と東京都在中の大久保剛(ベース)という遠距離バンドの2人から、アルバムの聞きどころ、フル参加している『風とロック』、さらには2人の関係性やお笑いの趣向まで訊ねました。

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※左:藤井敬之、右:大久保剛



――『from shoegaze to nowhere』は、どんなテーマを持ってアルバム作りにのぞみましたか?
藤井 漠然となんですけど、聞いた後にスカッとするようなアルバムにしたくて。いろんなことを言ってるんですけど、前向きになれるようなところを目指しました。僕、福島県に住んでまして、原発事故のこともあったり、前を向きづらい状況もありますが、それを突き破って、「よし、がんばれる」「まだまだいける」と思って欲しいという想いですね。やっぱり、原発のニュースは気になって、汚染水の問題はいつになったら片付くのかな、俺らが生きてるうちに片付くのかなとか思いながら日々暮らしてるわけで、そんな時に聞いて暗くなるようなアルバムにはしたくなかったです。疾走感のある曲が揃ってると思いますよ。
――それは2人の共通認識ですか?
藤井 そんな2人で話し合ったわけじゃないですけど、自然とそこは同じことを思ってるんだろうな……と俺は思ってたんだよね。
大久保 そういうことは、基本的に「こうしようね」っていう話し合いはなくです。
藤井 2人で飲んでる時とかに、こういう方向性だろうみたいな話はしますけど。
大久保 作っていく上で、なんとなく感じ取ったりだとかですね。
――それから『from shoegaze to nowhere』(フロム・シューゲイズ・トゥ・ノーウェア)というタイトルに込められた意味をお聞かせください。
藤井 学生時代、マイブラ(My Bloody Valentine)やあの辺のシューゲイザーっていうジャンルが好きだったんですね。ノイズの中に綺麗なメロディが何となく聞こえるっていうくらいの。ボーカルも楽器の一部として、塊で聞いてもらうっていうジャンルが好きだったんで、自分の音源もボーカルを埋めたかったんですよ。昔はライブも嫌いだったし、宅録してればいいっていう人だったんですけど、そこから僕の音楽人生が始まったとして、今は全然違うところに来てるんです。出たがりだし、ライブ好きだし、MC大好きで長くて怒られるっていうくらいまで来てるので(笑)、“人生、何があるかわかんねえぞ”っていう意味を込めてこのタイトルにしました。
――藤井さんの音楽歴のような意味があるんですね。では、1曲ずつお気に入りの曲をピックアップしていただき、解説もお願いします。
大久保 10曲目の『Bye Bye Blackbird』ですね。これは、今年の5、6月にアコースティックツアーをやったんですけど、そのゲネプロをやってる時に、急に(藤井さんが)今の原型を弾き始めたんですよ。その瞬間から気に入って、アコースティックツアーでもやってたし、絶対アルバムに入れたいなって思ってましたね。そういう思い入れと、単純にメロディが好きです。
藤井 食いつき方がハンパなかったね。
――演奏してて、快感のようなものがあるんですか?
大久保 快感ですか!?(笑)
藤井 あるんじゃない? 昨日聞いてて、この曲ベースいいなって思ったもん。
大久保 マジっすか。何となくですけど、今回は自分らの聞いてきた音楽をちょっとずつ出していこうっていうのがあって、90年代後期の渋谷系って言われる音楽をちょっと出してみようということで、僕はこのへんにどっぷり浸かってたこともありますね。
藤井 俺は全曲好きなんですけど、11曲目の『Beer can』。音速ラインが10年の活動をしてきて、今までだったら「アルバムに入れるの?」って思ってたような曲ですが、今回のツアーで一番盛り上がるであろう曲ですしね。もうライブでやってるんですけど、みんな1回聞くと全員歌ってるっていうね。
大久保 すごい覚えやすいんですよ。
藤井 うん。即効性があって、ツアーを引っ張ってってくれる曲になりそう。このくらいツアーを楽しんで、いろんなモヤモヤを吹き飛ばして欲しいです。
――ビールへの想いを込めた渾身の一曲ですね。そして、箭内道彦さんが手がけたジャケットですが、藤井さんの飼われている……。
藤井 ウサギのちゃーこですね。僕がツイッターにアップした写真を箭内さんが使ってくれたんで、もとはiPhoneで撮った写真(笑)。箭内さん的には、俗にいう名盤って言われるジャケットにしたかったということで、裏面も気に入ってます。
――箭内さんは、今回のアルバムにも収録されているシングル曲『ありがとね』の作詞を担当したり、発起人である『風とロック』での関わりも深いですが、最初の出会いは?

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藤井 『風とロック』1回目、開成山の時(2009年10月開催の『207万人の天才。風とロックFES 福島』)に呼んでいただいて……というか、自分らが熱烈コールしてね。
大久保 出たいって言って。
藤井 それで出しもらって、そこからですね。
――他の方に作詞をお願いしたことはあるんですか?
藤井 初めてですね。なんで頼んだかっていうと、前作の『Alternative』の時に、震災直後だったこともあり、福島への感情を爆発させちゃって。それはやった意味があるんですけど、ファンの方から「藤井さんの気持ちが強すぎて、受け止めるのが大変でした」っていう意見があったんですね。なので僕が書くより第三者の人が書いた方が、もっと受け取りやすいのかなと思って、『風とロック LIVE福島 CARAVAN日本』で全国まわってる間に箭内さんにお願いしました。「福島の気持ちを書いてくれませんか」って。そしたら「ああ、いいよ。でも、福島の気持ちっていっぱいあるから、とりあえず藤井くんのことを書くわ」って答えてくれまして、出来上がった歌詞には、僕が箭内さんに語った言葉しか使ってなかったんです。全部覚えてくれてて。
――ビックリしますよね。
藤井 こんなに聞いてくれてたんだ。気持ち、わかってるなあって。
――『風とロック』への参加も積極的ですね。
藤井 うちらは『風とロック LIVE福島 CARAVAN日本』(昨年12月~今年9月開催)に全箇所参加したから、出演者やスタッフとの家族感がハンパなかったですね。俺、家に帰って“寂しいよ”って泣いてたらしいよ。
大久保 マジで?(笑)
藤井 奥さんの前で“寂しい”って泣いてたらしい。酔っぱらってたのもあるんですけど、全国1年近くかけてまわって、寂しいなという気持ちが強まったと思うんです。いろんな人と知り合えたしね。広島でダルシマーっていう楽器をやってるHouribe LOU(ホウリベ ルウ)君と知り合って、“この音、絶対アルバムに入れたい”と思い、広島から来てもらって、6曲目の『under the sun』に参加してもらったり。『風とロック』とのつながりで、いろんな人との出会いがありましたね。



――遠距離バンドならではのことってあると思うんですが、現状はどうですか?
藤井 早く、(大久保に)パソコンを持って欲しいなっていうくらいですかね。10年間、一瞬だけネットが開通したんですけど、俺がデータで送ったらそれがイヤだったみたいで、いまだにパソコンを持ってないって言い張ってるんです。だけど、この間のラジオでは、「持ってます」って言ってたよね?
大久保 2台持ってます。
藤井 持ってんじゃねえかよ!(笑)
――(笑)てっきりデータのやりとりかと思ってました。
藤井 それだとイヤみたいで、CD-Rに焼いて渡してます。
大久保 データだと寂しいですね。CD-Rなら、ジャケットも作って付けてくれるですよ。
藤井 凝り性だから、そのままCD-Rを渡すのがイヤなので、ジャケット付けてますね。プラス思考に捉えるなら、その時にジャケットのデザインも考えられるますね。方向性とか。でも、面倒くさいよね。
大久保 アハハハハ!(笑)
――遠距離だからこそ、バンドが長続きしてるんですかね?
藤井 う~ん、長続きの秘訣は“TDB”ですね。適度にバカ(笑)。その部分で共通してるんで、あんまり考え込まないというか、“どうにかなんじゃね”みたいな。それが一番、長続きしてる理由ですかね。あと、僕が6つ歳上で、歳が離れてるのもいいのかな。
大久保 それが一番大きいと思うよ。
藤井 同い年だったらぶつかってるかも。昔は、「ははあ」って感じだったんですよ。
大久保 「殿!」って感じで。
藤井 今は逆ですね。「お前」って言いますからね。
大久保 (笑)、実際歳が近かったら、冷静な意見を言えるはずでも、頑固になっちゃうんですよね。
藤井 聞き入れにくいところがあるかもね。
大久保 いろいろ発案しあったりするところで、6個も離れてると、お互い引くところは引いて、出すところは出してっていうそういう関係が出来てますね。



――よしもとアール・アンド・シーのレーベルになったことで、何か得したことなどはありましたか?
藤井 やっぱり、お笑い芸人さんと絡めるっていうのはアール・アンド・シーならではですよね。椿鬼奴さんや平成ノブシコブシさんにPVに出てもらったり、椿鬼奴さんとは一緒にライブもやってますからね。
――お笑いはお好きなんですか?
藤井 好きですよ。
大久保 大好きです。
――特に好きな方とか?
藤井 野性爆弾さんとか。くうちゃん(川島邦裕)の食レポなんて、すげー面白いですよね(笑)。
大久保 一番好きって難しいけど……。
藤井 ほら、この前、COWCOWさんのDVDもらったじゃん。
大久保 あ、COWCOWさんは好きですね。(COWCOWの持ちネタの)アイアンメイシンとか。
藤井 うちら、アイアン・メイデンが大好きなんですよ。
大久保 来日する度、ライブに行ってるくらい。COWCOWさんのDVDは、まだ見てないんですけどね。
――ぜひ、ミュージシャンから観たアイアンメイシンの感想をお聞かせください(笑)。最後に、よしもとニュースセンターの読者へメッセージをお願いします。
藤井 アルバムを聞くとわかると思うんですけど、ライブが見えるアルバムになってます。迷ってるんだったら、ライブに来てください。
大久保 『ありがとね』のPVも見てもらってね。笑いどころもありますので。
――10月から始まるツアー(TOUR K-ROCK 2013)も楽しみですね。
藤井 ライブは激しいですよ。見たことないっていう人にこそ、今回のツアーは来て欲しいですね。

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『frm shoegaze to nowhere』
YRCN-95219 / 2,800yen (tax in)
10月9日(水)リリース
1.G.B.V.
2.ありがとね(album edit)
3.Paint[]
4.変身の術
5.Lost
6.under the sun
7.傘になってよ
8.東京
9.ゆうれい
10.Bye Bye Blackbird
11.Beer can
12.彼女といえば


『TOUR K-ROCK 2013』
大阪公演:10月19日(土)umeda AKASO
名古屋公演:10月24日(木)名古屋CLUB QUATTRO
福島公演:10月26日(土)郡山Hip Shot Japan
東京公演:11月2日(土)新木場STUDIO COAST

●音速ラインオフィシャルサイト
http://onso9line.com/

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