ピース・又吉が加藤夏希さんと『「エンダーのゲーム」新訳復刊発売イベント』に出演! 本好きの視点から同作品をPR!
11月21日(木)、東京・TSUTAYA東京ミッドタウン店にて『「エンダーのゲーム」新訳復刊発売イベント』が開催され、加藤夏希さんとピース・又吉直樹が出演しました。
1985年に発表後、ネビュラ賞、ヒューゴ賞というSF小説の二大権威を受賞し、近年の世界中のアニメ、小説、ゲームなどに多大なインスピレーションを与えた伝説的小説『エンダーのゲーム』。長きにわたって、映像化不可能と言われ続けて来たこの作品が映画化。11月1日(金)に全米で公開され、初登場第1位の好スタートを切りました。そして来年2014年1月18日(土)、ついに日本でも公開されることが決まったのです。
本作は、宇宙戦争を終わらせるという使命を背負って生まれた少年戦士・エンダーの挫折と成長を描いたヒューマン・ストーリー。原作本は絶版となっていたのですが、今回の映画化を機に、11月8日(金)、新訳版として復刊されたのです。
今回のイベントは、原作を読んだ“読書好き”の又吉と映画を観た“アニメ&マンガ好き”の加藤さんが対談するという画期的なもの。それぞれの視点から感じた本作の良さが、たっぷりと語られました。
普段は近代文学を読むことが多いという又吉。忙しくなったいまでも月5〜10冊は読んでいるそうですが、原作もかなり気に入った様子。
「スケールの大きな宇宙の話なんですけれど、主人公の心の葛藤なども描かれていて、僕が好きな小説の内容と重なるところもありました。お店で上下巻11時間かけて読みまして……上巻に関しては6時間かかったんですけど、1軒変えただけ。近くの席で女性が怪しい男性に勧誘されていたのが気になって止めたほうがええんかなとか思ったことはあったけれど」と笑いを誘いながら、「面白かったのでほぼぶっ通しで読みました」と報告。「アニメやマンガに大きな影響を与えた作品だと聞いて読み進めたんですけど、現代の小説にも通ずるような描写があって興味深かった」と語ります。
一方、映画を鑑賞した加藤さんは「物語の展開や主人公のキャラクターなど、日本人が好きなものがいっぱい詰まっているなって。まさにいまを描いているような作品で、人とどんどん話したくなります」と熱くアピール。「無重力状態(の描写)がすごい。映画館自体が戦艦で、宇宙をさまよっているような感覚が味わえました」という感想を聞いて、「そうなんですね。映像にどうやってするんやろうと思ってたとこやったんです。そこ、観たいですねぇ」と興味津々の又吉です。
又吉曰く、原作でのオススメポイントは「主人公のエンダーが家族から離れて、宇宙のバトルスクールに旅立つときの別れ方」だそう。「戦って倒しまくるぞ!っていうテンションじゃないところが……僕も“なんで芸人になろうと思ったんですか?”ってよく訊かれるんですけど(笑)、倒すために行くんじゃないという気持ちが理解できて、がんばれという気持ちになりました。しかも、5〜6歳の少年が、いろんなことを俯瞰で見て行動を取っているのがすごい。僕の6歳なんて、泥団子をどうやって固くするかしか考えてなかったですよ」と笑わせます。
さらに、司会者と加藤さんから「劇中のエンダーは10歳なんですよ。それでも幼いですよね」と補足されると、「そうなんですか。でも、幼いですよねぇ。10歳の頃は、如何にボールを遠くに飛ばすことができるかしか考えてなかった」と自らを振り返り、主人公と照らし合わせていました。
「又吉さんのように原作を読んでいる人に映画の魅力を薦めるなら、また加藤さんのように映画を観ている人に原作の魅力を薦めるなら、それぞれどうしますか?」と訊ねられた2人。
「僕がSFをあまり読んでいないからかもしれないですけど、宇宙での戦いだけではなく、身に覚えのあるいろんな葛藤に覚えがあるので、まったく知らない話だとはならないというか。ひとりにされても、状況を把握して何をやるべきか考えて乗り越えていく主人公の人間関係のつくり方は素晴らしい。彼の周りを見る目が変わっているというか……実生活に活かせるんじゃないかなと思います。来年、僕、めっちゃ友だち増えてるかもしれません(笑)」(又吉)
「CGの技術が最大限に活かされていて、宇宙の景色もまぁキレイです。自分も無重力体験をしているような、アトラクションを楽しんでいるような感覚で観られます。また、エンダーの演技も細かくて素晴らしいんですよ。いち個人としてはビーンがめちゃくちゃイケメン! なんでも、ビーンの視点から語られた本もあるそうなので、そっちも読んでみたくなりました」(加藤さん)
2人ともそれぞれのアピールを訊きながら、本作への興味がさらに増していったようでした。
囲み取材では、「なぜたくさん本を読みながら、SFはあまり読んで来なかったんですか?」と訊ねられた又吉。「日本の有名な作家さんから読んでいったんですけど、あまりいろいろと広げて読み進めると読み切れないので、20代で日本の作家さんの本を読んで、30代で海外の作家さんの本を読もうと思っていたんです。……いま33歳なんですけど、まだ日本に留まってます(笑)。宇宙(SF)にたどり着くのは、50歳くらいになるかも」と返答しつつ、「でも、今作でSFは難しくないことがわかったので、機会があれば読んでいきたい」と、読書へのさらなる意欲を語ります。
加藤さんから「読書好きの男性は未知。私は、2.5次元が好きなんです」と言われるも、「2.5次元………と申しますと?」と怪訝そうな又吉。加藤さんから意味を訊き、「僕も2.5次元の要素はありますよ。便覧を読んで、昔の人の着物姿に憧れていたのは、ある種の2.5次元なのかも。永井荷風の着こなしに憧れていたことがありますが」と返すも、加藤さんはあまりピンと来なかった様子。「……着物……似合いそうですよね。でも、この作品が好きっていうことは、近いところはあるんでしょうね」とふんわりした言葉をかけられてしまいます。その空気を察してか、「思い思いの服を着て集まったらとんでもないことになりそうですけど」と言いながらも、「確かに好きなものへの接し方は近いかもしれませんね」と共感する又吉でした。
●映画情報
エンダーのゲーム
監督・脚本:ギャヴィン・フッド
出演:エイサ・バターフィールド、ヘイリー・スタインフェルドほか
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
©2013 Summer Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2014年1月18日(土)全国公開
http://disney-studio.jp/movies/ender/
●書籍情報
エンダーのゲーム(上・下)
著者:オースン・スコット
訳:田中一江
価格:各789円(税込)
ハヤカワ文庫SF
【又吉直樹】【ピース】