プリンセス天功のよしもと摩訶不思議花月
世界的イリュージョニストとして知られるプリンセス天功こと二代目・引田天功が、10月1日付けで、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの所属に! これを記念しての特別公演「プリンセス天功のよしもと摩訶不思議花月」が、11月28日(木)〜30日(土)、なんばグランド花月にて上演されました。池乃めだかを筆頭とする吉本芸人たちが、プリンセス天功とどんなコラボレーションを魅せてくれるのか!? 今回は、中日となる29日(金)の公演をレポートします。
オープニングはKAMIYAMAによるパントマイム・パフォーマンス。プリンセス天功の“吉本入り”を報じる新聞を手にした男が、コミカルな動きで沸かせていると、ここで左右から巨大な新聞が登場。2枚がすれ違って再び男が現れると、そこに立っているのはなんとめだか! 初っぱなから度肝を抜く演出で、観客は早くも不思議の世界へいざなわれます…。
めだかは「摩訶不思議花月へようこそ。専属司会者、保安官のロバートです」と、おなじみのボケをまじえつつ自己紹介。すると巨大な旗を持った男たちがステージへ! 続いて持ち込まれたのは巨大な箱。扉を開けてみるも、中身は空っぽのようですが…? 再び扉が開かれると、中からこの日の主役・プリンセス天功が出現しました。
プリンセス天功は再び左右から運び込まれた巨大新聞がすれ違う隙、まさに一瞬の間に衣装の早変わりを披露! この段階で、客席は既に圧倒されている様子です。さらに、箱に閉じこめられた男性が、金属の板で次々と切断されるも奇跡の生還を果たしたり、プリンセス天功自身が巨大な剣に貫かれたりと、思わず自分の目を疑うような不思議の世界を展開。と、ご満悦でイリュージョンを楽しんでいためだかが、アシスタント役の未知やすえによって黒い袋をかぶせられ、捕らえられてしまいました。「怖い! 怖い!」「何すんねん!」ともがくめだかは、そのまま大砲に詰め込まれ、プリンセス天功の「スターファイヤー!」の掛け声とともに発射。まさか、空中の塵になってしまったのか…!? と思わせたところで、客席の扉からめだかが再登場! いったいいつの間に!? さっきまでステージに立っていたのに!? プリンセス天功とめだかによるコラボ「人間大砲」に、割れんばかりの拍手が起こりました。
イリュージョンが終わったところで、めだかから「支配人がお目にかかりたいと言ってまして…」と紹介され、烏川耕一が登場。ここでも新喜劇ならではのボケを炸裂させつつ、プリンセス天功に「今までもらった中で一番すごいプレゼントは?」と質問すると、答えは「アラビアの王様にもらったイリュージョンの妖精」とのこと。特別に見せてくれることになったのですが、宙に浮いて飛んできたのはMr.オクレ! しかも、イリュージョンを見せると言ったくせに、出たのはオナラだけ。これにはプリンセス天功も思わず爆笑してしまいます。この後、プリンセス天功の熱狂的なファンに扮した島田一の介も加わって、事態は大混乱に陥り…。
寄席スタイルの本公演では、漫才や諸芸もしっかり楽しめます。ここでは千鳥が、こだわりすぎる寿司職人と客のやりとりで笑いを呼びます。
再び新喜劇に戻ると、まだ揉めているプリンセス天功のおっかけ・一の介とめだか。さらに、めだかの娘だという酒井藍が「お母ちゃんがお父ちゃんと離婚するって!」と爆弾ニュースを持ち込んだからさあ大変! 後を追うようにお母ちゃん、すなわちめだかの妻を演じる浅香あき恵がやってきて、赤ん坊をめだかに押しつけてどこかへ行ってしまいます。泣きやまない赤ん坊を抱いて途方にくれるめだか…それでも「この後はトークコーナーです」と、司会はきっちり務めるのでした。
トークコーナーを仕切るのは、この日の日替わりゲストであるハイヒール。題して「プリンセス天功にいっぱい聞いてみよう」。ふたりが観客を代表して、プリンセス天功の“謎の素顔”を、根掘り葉掘り聞いちゃおうというコーナーのようです。さっそく直撃される本人・プリンセス天功がステージへ。まず吉本の舞台に立った感想をきかれると、「面白くて面白くて…」と満面の笑顔。特にオクレ扮する「イリュージョンの妖精」がツボにハマったらしく、「10円くれって言ったの!」と説明しながら思い出し笑いしていました。
最初の質問は「ペットにライオンを飼っているって本当?」。答えはズバリ「本当です」。ラスベガスの自宅でマウンテンライオンのシーザーくんをはじめ、たくさんの珍ペットを飼っていることが、映像で紹介されました。観客は、放し飼いされているシーザーくんがプールサイドを悠々と闊歩する姿はもちろん、豪華絢爛、広大なお屋敷にも目を奪われています。「アメリカでアニメの主人公になってたって本当?」も、もちろん事実。バービーのような人形も発売されていたそうで、番組の一部やCMも映し出されました。ほかにも驚きの食生活やハードなスケジュール、成層圏まで行った体験談などが明かされ、そのたび驚きを隠せないハイヒール。最後に「私たちにイリュージョンをかけて」とお願いすると、運び出されたのはフランス式ギロチン!? 試しに切った大根の無残な姿に震え上がったハイヒールは、自分たちで体験することを断固拒否。代わりに差し出された人身御供は、ガリガリガリクソン! 「今日はせっかくなので特別な形で…」と、顔を上向き(つまりギロチンの刃に向かって)セットされてしまいます。恐怖におののくガリクソン、そして容赦なく刃は落とされ…結果、切れたのは大根だけ! ガリクソンの首は無事に守られ、スリリングなイリュージョンでまたまた大喝采を浴びたプリンセス天功でした。
ちょっぴり怖い体験の後は、もりやすバンバンビガロによるジャグリングでホッとひと息。客席を巻き込んで大いに盛り上げます。と、もりやすの出番終わりでいきなり乱入してきたチンピラたち。帯谷孝史、すっちー、松浦真也が、めだかの元へ借金の取り立てにやって来たようです。帯谷が鼻ポットでひとしきりいじられた後は、すっちー&真也による歌ネタもたっぷりと。まったく収集のつかないこの状況、どのように収束するのでしょう…?
続いての漫才はテンダラー。ロマンチックな出会いのあれこれや妄想時代劇など、次々と変わっていく抱腹絶倒のネタに、観客は大喜びです。
再びやすえとプリンセス天功が加わり、新喜劇はいよいよクライマックスへ。赤ん坊を人質にとられためだかとあき恵ですが、借金を返すアテもなく困惑。ところが追っかけの一の介が、実は借金取りの親分だったことがわかり、プリンセス天功がイリュージョンを見せる代わりに借金を棒引きしてもらえることに。これで八方うまく収まりました! 準備の間には、めだかが透視術を披露するひと幕も。客席で借りてきたさまざまなモノを、目隠しをされながらも次々と言い当ていきますが、実は…という爆笑マジックを繰り広げました。
さあ、いよいよ後半のイリュージョンです。自身が入った箱がどんどん小さく折り畳まれたり、怪人と戦いのさなかに中身が入れ替わったり…さすがプリンセス天功!という見せ場の連続は、ため息ものでした。
フィナーレには、出演者全員が再び集結。めだかは「なんぼ目を凝らしてもわからない!」とイリュージョンの数々を大絶賛。やすえも「すぐ横で見ててもわからないですよ」と目を丸くしています。最後ということで、もちろんプリンセス天功もステージへ…しかし、もちろんそれも一筋縄ではいきません。艶やかなピンクの衣装に身を包み、3mはあろうかという“巨大版”で登場! 最後まで“摩訶不思議”な驚きに満ちた公演は、こうして幕を閉じました。
この日の模様は2014年1月5日(月)12:00〜13:55、BSフジにて放送予定です。劇場で体験できなかった方は、ぜひこちらでチェックを!
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