【ライブレポート】板尾•木村のトークライブ「ざっぱ」
3月4日(金)、shimokitazawaGARDENにて、板尾創路と木村祐一によるトークライブ「ざっぱ」が開催されました。今回で第4公演目となった「ざっぱ」は、企画コーナーやゲストは一切ナシ、板尾と木村が二人きりでひたすら珠玉のフリートークを繰り広げていくという贅沢なライブです。
会場は、ゆったりとした大人の雰囲気漂うお客さんで埋め尽くされ、舞台に登場した二人もリラックスした様子でトークが始まりました。
この日、初めに話題に上がったのは、今は亡き漫談家の滝あきら師匠のこと。劇場の裏方をやっていた木村が見た、滝師匠の数々のおとぼけエピソードに、板尾も「面白い人やなぁ。もう一回、師匠の舞台見てみたいな」と聞き入っていました。
そんな中、ふと板尾が「禁煙していたのにまた喫煙が始まってしまった」とつぶやくと、木村が「板尾さんは、北海道へロケに行って、タバコが売ってないから自然にやめたんですよね」と一言。そこから、木村が昨年末にプライベートで函館に行った時の話へと展開していきます。東京から仙台、青森、函館を旅して、寝台特急で帰ってきたという話に、「粋なことするなぁ、自分」と感心する板尾。
しばしお互いの年末の過ごし方や、見た番組などについてトークをしていくうちに、板尾が「嫁が勝手に録画した番組を消してることがあるけど、そういう番組は縁がなかったんやと思う」と話し出します。
その“縁”というキーワードから、年寄りはよくそういうことを言うけど、老人は長い事生きてるだけあって理にかなっていると、木村が力説。最近もおじいちゃんにならって散歩をしようと思い、散歩用の靴を買いに行ったそうです。そこで、ナイキでは“裸足に近い”スニーカーを勧められたと木村が話すと、板尾は「めっちゃほしいわ、それ」と興味津々でした。
この“おじいちゃんはいい!”というテーマは、その後もたびたび話題にあがり、最近車を運転していない板尾も、おじいちゃん方式を取り入れてよく歩いているそう。そこから、手足を一緒に前に出して歩くのはラクだという話になり、二人で舞台上を“手足一緒に出す”スタイルでぐるぐる歩きまわるという一幕もありました。
そしてもう一つ、今回の公演で何度もあがったのは、二人が出演した舞台「ウィー・トーマス」のこと。この作品は、長塚圭史さんが演出する翻訳劇で、2003年に上演された際、板尾が演じたダニー役を、2006年版で木村が演じているのです。2006年に木村が演じている舞台を見に行った板尾は、「こんな贅沢な経験、なかなかないな」と感激したんだそう。
ちなみに、ダニー役に決まった時、木村は板尾に「あの舞台、どんな感じでしたか?」と内容のことを尋ねたのですが、板尾から「終わったら親日のプレロスラーみたいになるで」と言われて、わけがわからなかったとのこと。
その真相は、血糊だらけになる役なので、終演後は黒い海パンにバスローブ姿というプロレスラーのようないでたちになる、という意味だったらしく、実際に演じてみてやっと板尾の言葉を理解できたんだそうです。
また、本物の猫を使う舞台だったので、それゆえに起こったハプニングや、共演者との裏話など、同じを役を演じた二人だけに、話は尽きない様子でした。
他にも、花粉症になったかもしれないという板尾の発言から、木村が最近行った漢方屋さんの話や、ハニカミ王子は結婚したら“ハニカミ王様”になるのかという疑問、また、お互い最近監督した映画の話、木村が映画「ブラック・レイン」のオーディションに行った時の話など、些細な日常の話題から、ベテランの二人だからこそ経験してきた様々な現場でのエピソードが次々に飛び出し、お客さんも楽しそうに聞き入っていました。
終盤では、「魚は、自然のもんやから元々タダやん!」というトークに展開し、木村は「マグロはあんなに高い値段で買われていくけど、マグロには一銭もお金は入らない」、板尾は「(寿司になって)飯の上に乗せらるなんて夢にも思わんやろうな」「カニなんて最終的にはグラタンの皿にさせられて…」と、二人ともなぜかマグロやカニの立場に立って、熱弁。最後は、先日アースマラソンを完走した寛平師匠の話で盛り上がりました。
そして、約2時間強のトークライブは、板尾の「じゃあ俺帰るわ、キム」という彼らしいマイペースな言葉で終わりを迎えます。「俺、普段しゃべらんから、結構しんどいねん」とこぼす板尾に、「ここで言わんといてください(笑)」という木村からのツッコミが入り、会場も大きな笑いに包まれながら、終演したのでした。
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