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2011年4月11日 (月)

【ライブレポート】宮川大助・花子 結婚35周年記念「つないだ手と手」』

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4月9日(土)、宮川大助・花子の結婚記念日にあたるこの日、『宮川大助・花子 結婚35周年記念「つないだ手と手」』がなんばグランド花月にて開催されました。

3月には平成22年度(第61回)芸術選奨文部科学大臣賞大衆演芸部門も受賞と、名実ともに“浪花の夫婦漫才師”として活躍してきたふたり。「つないだ手と手」では、ふたりの半生を描いた舞台と、漫才を披露しました。

第1部は舞台を。2007年2月5日夜、ダンスの稽古中に脳内出血で倒れた大助(本人役)。病院へ担ぎ込まれるも、意識はありません。病室には花子(彩風蘭)、さゆみ(本人役)、花子の母、通称ババ(花子)の姿が。そして担当医(青野敏行)と看護師(末成由美)が登場し、担当医からは「今晩が山だ」と告げられます。そこにマネージャー(おぎの信号)が駆けつけます。ほどなくして新聞社、葬儀屋、保険屋も続々と現れます。葬儀屋と保険屋はどうやらババが手配していた様子。誰もが覚悟を決めていました。

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しかし一夜明けると、大助の意識が戻ります。大助は眠っている間、花子に遺言をつぶやいていたようで、夫婦の絆を確かめ合ったふたりはしっかりと抱き合います。しかし、何度も抱き合う二人を見かねて猛烈に阻止するババ。お芝居のはずですが、そんなババの行動には本音が見え隠れしていたような…!? 

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そしてベッドから起き上がろうとした大助ですが、左の手足に全く力が入らず、立ち上がることができません。何度も試みるのですが、「力が入らんのや…。俺、あかんわ…」と大助。その迫真の演技に会場は水を打ったような静けさに包まれました。

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と、そこへ桂三枝扮する院長が登場。「大丈夫、治りますよ!」と力強い言葉で励ます院長。そして「はい、前足を出してみましょ~」とリハビリ指導をするのですが、「前足違う! 左足や!」とすかさずババ。それでも「今度は後ろ足で~」と院長。ババも「カバちゃいますよ!」と応戦。そんなやり取りに、先ほどまでの緊張は一気にほぐれ、会場は笑いに包まれました。「一歩ずつ、家族の支えがあれば大丈夫! 花子さんというキレイな奥さんもいらっしゃるじゃないですか」と言う院長に、大助も「大変やけどよろしく頼みます」と前向きな気持ちを取り戻すのでした。

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そしてマネージャーが現れ「お見舞いの方が、たくさんいらっしゃってます!」。ここからゲストの登場です。まずは、プラスマイナス、ガリガリガリクソン、もりやすバンバンビガロが登場。そしてオイカワタカアキダンススクールの先生がやってきた際には、ババとのダンスシーンもありました。またWヤング・平川幸男は「泣かせてばかり」を熱唱。また、桂三輝もアコーディオンの伴奏で「幸せなら手をたたこう」を。最後は、今いくよ・くるよが登場して漫才を披露。途中、くるよの衣裳がずり落ちてゆくというアクシデントに見舞われ、大いに沸きました。

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シーンは再び、病室へ。思うようにならない大助は日増しに苛立ちを募らせてゆきます。その波紋は家族にも広がり、鳴り響く不協和音…。そんな中、大助が検査で病室を出ている間に、沖縄から「大助の隠し子」がやってきます。続いて借金取りも。どうやら彼らは大助にゆすりに来たようですが、意識を戻していると知ってそそくさと退散していきました。

仕事に穴を開けてしまうことを気にかけた大助は、花子に一人で仕事をすることを勧めます。「それはできへん」と花子。「私は漫才師になりたくてなったんじゃない、あんたが漫才師やったからや」とも。しかし夫婦の間で生じるすれ違い。「うち、めちゃくちゃになってもうた」と大助は力なくつぶやくのでした。そして、「自分さえ病気にならんかったら…」と…。

家族みんなが沈み込む毎日。それを見かねたさゆみは院長にある相談をします。そして、委員長が病室へとやってきて、「家族の絆は最初からあるんじゃない。楽しいこと、つらいこと、いろんなことがあって深まってゆくんです」とふたりに説くのでした。続いて、さゆみが大助と花子の出会いからこれまでの35年を振り返ってゆきます。そんな在りし日の大助・花子を演じたのは、Wヤング・佐藤武志と末成由美でした。

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ともに歩んできた道を改めて見つめ直したふたり。そして、気がつけば舞台には“本物”の大助・花子の姿が。そのふたりに院長は「手当てという言葉がありますが、手には不思議な力があります。手のぬくもりが心と体を癒してくれるんです」と声をかけます。文字通り、家族の手厚い看護によって、健康も取り戻した大助。「あれから4年、皆さんのおかげで元気になりました!」と力強く挨拶し、出演者全員で「君よ、歩き出そう」を歌い、芝居の幕を閉じました。

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第2部は、まずDHF(大助・花子ファミリー)の一員である川上じゅんの腹話術を。そして大助・花子が登場し、平成22年度(第61回)芸術選奨文部科学大臣賞大衆演芸部門を受賞した漫才、「Yesといおう」を披露しました。夫婦仲良しの秘訣を盛り込み、これぞ夫婦漫才!の掛け合いで楽しませてくれました。

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続いて大助の師匠である暁照夫師匠と、花子の師匠であるチャンバラトリオ・山根伸介師匠が舞台に登場! 暁照夫師匠は、大助との入門当時の馴れ初めを、そして山根伸介師匠は「花子は私にとって芸能人生における大切な宝です」と温かい言葉をかけました。

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本公演もいよいよフィナーレに。「自分たちは舞台に、マイクの前に立たせていただいて幸せです。人それぞれにルーツがありますが、自分たちの両親が歩んできた道こそがルーツだと思います」と挨拶し、DHFの面々と「ルーツ」を歌い、最後は東日本大震災の被災者の方々へ向けて「頑張ろう、ニッポン!」と大きな掛け声をかけて幕を閉じたのでした。

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終演後のロビーでは、この日発売となった花子の自伝エッセイ『夫婦の轍 つないだ手と手を離さないで』のサイン本即売会と、出演者による東日本大震災の義援金協力の募金活動も行われました。なお、義援金は本公演の売り上げの一部も含め、日本赤十字社を通じて寄付をすることが決定しています。

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