【ライブレポート】KOYABU SONIC 2011 第2日
KOYABU SONIC2日目の5月22日(日)は、朝から雨! オープニングアクトは、レイザーラモンRGと椿鬼奴によるバービーボーイズの『目を閉じておいでよ』。今やすっかりおなじみとなった名コンビによる熱いパフォーマンスで、雨天にもかかわらずさっそく会場はヒートアップ。
トップバッターにはサニーデイ・サービスが登場。小籔が大好きな曲という『スロウライダー』や『サマー・ソルジャー』を歌い上げました。曽我部恵一さんが「忘れられない1日にしてくださいね。もう忘れられないと思うけど」とお客さんに声をかけるほど、この日一番の豪雨が直撃! そんな悪天候が、返ってステージとお客さんとの距離を縮めていました。
2番手に登場したのは、4年連続出演のAFRA。ヒューマンビートボックスで『上を向いて歩こう』などを披露し、お客さんから「おぉ~!」と歓声が。と、そこにレイザーラモン・RGが登場! なんと、AFRAのヒューマンビートボックスに乗せて、「歌舞伎あるある」を熱唱するというスペシャルコラボが実現!
1234’s(BONNIE PINK &ウルフルケイスケ)のときは、昨年に引き続き、キュートンが舞台上に。BONNIE PINKさんとキュートンの、息ぴったりのポージング芸で、舞台を華やかに盛り上げました。
続いては、コヤソニの醍醐味のひとつ、人気芸人たちによるネタコーナー。
オリエンタルラジオ、天竺鼠、渡辺直美&ジャングルポケット・斉藤、COWCOW、バッファロー吾郎が珠玉のネタを披露しました。
ネタ終了後は、芸人らと小籔によるトーク。COWCOWは、「お客さんが笑い声だけじゃなく、『フ~!』と言って盛り上げてくれるのがいいですね。新しい発見でした」と、音楽と笑いのコラボフェスならではのお客さんの反応に感激した様子。3年連続で、コヤソニの次の日にキムソニ(キムラソニック)を開催しているバッファロー吾郎は、5月23日(月)に、京橋花月で行われるキムラソニックを告知。「オープニングアクトは後藤秀樹、つばさきよし・きよしです!」と気になる顔ぶれを発表していました。ぜひ足を運んでくださいね!
ネタコーナーが終わったお昼過ぎ、降り続いていた雨がついにやみました!
いよいよフェスにぴったりの天候に回復しようとしているとき、小籔からメッセージが。「次に登場するのは、初めてコヤソニの話を持ちかけたとき、『俺たちがいなきゃ、始まらないだろ』と言ってくれた人たちです。コヤソニの裏のプロデューサーであり、フェスのことを指南してくれる先生のような存在。この人たちに出会えるとは、夢にも思わなかったです」。その人たちとは、スチャダラパーのこと。「ユルユルと始めていきます」とBOSEさんらしい言葉とともに、『ライツカメラアクション』からスタート。ステージングが盛り上がってきた頃に、突然、天津・向が乱入! 「僕、スチャダラパーさんの大ファンで、やってほしい曲がありまして……。『今夜はブギーバック』をやってもらいたくて、いてもたってもいられず東京からきました」とのこと。
向の熱意に押され、リクエストに応えて『今夜はブギーバック』が始まるも、なんと向が曲にラップで割り込み……。BOSEさんに「今、入ったでしょ?」と詰め寄られると、「僕、“合いの手ラップ”ができるんです。サビとサビの間に、即興でラップが入れられるんです」と特技をアピール。しかも「『今夜はブギーバック』はいい曲やけど、何かが足りないな、そうや、俺が足りないな、と思ったんです。だから今日、完璧なバージョンが出来上がります!」と高らかに宣言。見事な“おもしろブギーバック”の完成に、お客さんから笑いと歓声が! 無事にやりきり、安堵の表情を見せた向は、「ムカダラパーとしては……」と暴走気味に感想を述べていました。
「久しぶりに歌いたくなった」というデビュー曲『タンデム』などを披露したHALCALI。『マーチングマーチ』を熱唱する最中、キュートなパフォーマンスにつられてか、ついに空には太陽が! 「雨、やんだよ~!」とYUCALIちゃんも大喜びでした。
いつも、カラオケに行けばダミ声ながらHALCALIを必ず歌うという小籔。「今日は美容の先生を呼んでます」と舞台に招かれたのは、美容番長のシルク姉さん! 「1日、1分半やるだけでいい」という、顔の筋肉を動かす体操のほか、女性ホルモンを出すツボ、バストアップの運動をHALCALIのふたりに伝授し、さらに若さを保つ秘訣も指南していました。
中盤に登場したのは、TOKYO No.1 SOUL SET。EGO-WRAPPIN’のよっちゃんさんとのコラボや、HALCALIとのコラボもあり、会場の興奮は最高潮に! そんななか、舞台に姿を現したのは、オリエンタルラジオ・藤森。TOKYO No.1 SOUL SETのしびれるようなパフォーマンスに、「ひとつだけ足りない」と、まさかのダメ出し!? 藤森いわく、「足りないものは、チャラさ」。と、そこにあやまんJAPANが登場。出てくるなり「ポーイポーイポーイポポイポイポピ~」を決めるチャラさっぷり。
そして、チャラさを伝授するべく、AKB48『会いたかった』に乗せて、あのチャラ芸を披露しました。すると触発されたのか、BIKKEさんまでもが「独身、初老のチャラさを見せたい」とまさかのチャラ芸宣言。なんと自分用の“チャラめがね”まで用意していました。そしてチャラBIKKEとあやまんJAPANによる『会いたかった』がスタート! 小籔さんも「さすがですね~」と驚きを隠せない様子。藤森も「BIKKEさんの『きみカワウィ~ね』が聞けるとは光栄です!」と興奮していました。
次は、バラエティコーナー。
海外からのビッグゲストというふれこみで登場したのは、渡辺直美。おなじみ、ビヨンセのダイナミックなパフォーマンスで観客の目を釘付けにしていました。さらに、まさに熱唱だった友近による渡辺美里の『My Revolution』に、小籔が「歌い上げすぎやろ!」とツッコむひと幕も。そして、小籔もここで『プリン』を披露。心に染み渡る、お母さんへの溢れる思いをつづった歌に、会場のお客さんたちも聞き入っていました。
夕暮れが近づきつつあるこの時間帯に登場したのは、ハナレグミ。『大安』や『明日天気になれ』など、澄んだやさしい歌声が、会場をやさしく包みました。ところが演奏終了後、小籔の元に、ハナレグミの側近という人物から1通の手紙が。「実は今のハナレグミはニセモノなんです」と、まさかの展開が待ち受けていました! では、ホンモノのハナレグミとは……!? 固唾を呑んで舞台を見守るお客さんたち。そこに登場したのは、Mr.オクレ!! 「おまえ、よう見たらオクレやないか!」といつになく激しくツッコむ小籔。オクレさんは、小さい声で、でもはっきりと『家族の風景』の一節を口ずさんでいました。
続いてEGO-WRAPPIN’が登場! 『くちばしにチェリー』など名曲ぞろいのセットリストとパワフルなよっちゃんさんの歌声に、スタンディングエリアのお客さんたちも、シートエリアのお客さんたちも立ち上がって大興奮! ところが「あかん、あかん、全然あかーん!」と、どこからともなく声が……? 声の主は、天津・木村。よっちゃんさんを前に、「声、出てへん」と厳しい!? ひと言。そして「詩吟をやってないから、あかんねん」と、お手本として得意のエロ詩吟を2つ、吟じました。それを聞いたよっちゃんさん、エロ詩吟ならぬ、エゴ詩吟を披露! 「なんだかいけそうな気がする~!!」と、すばらしい声で吟じるよっちゃんさん。その衝撃の内容と、すばらしい声のミスマッチにお客さんは大爆笑! 最後、「絶対、あると思います!」と力強く締めていました。
ここで本日2回目の、小籔が尊敬する人気芸人たちによるネタコーナー。
麒麟、サバンナ、土肥ポン太、笑い飯、中川家が、とっておきのネタを披露し、会場を笑いの渦に巻き込んでいました。ネタ終わりのトークコーナーでは、「コヤソニは、アーティストのかたと知り合いになれるのがうれしい」と麒麟。そして、笑い飯がコヤソニのチケット料金について小籔にツッコむひと幕も。
いよいよ後半。「大阪に、この人が舞い降りてくださいました! ビックリしてください!」という小籔の紹介で舞台に姿を現したのは、2年ぶりの出演となるキョンキョンこと小泉今日子さん! 鮮やかなピンクのワンピースで登場したキョンキョン。名曲『あなたに会えてよかった』などを熱唱しました。「若い人とは知らないかもしれませんが、私、アイドルだったんです」というキョンキョンの言葉に、お客さんは「知ってるー!」と思わず爆笑! 『月ひとしずく』などを披露したあと、小籔とのトークタイムに突入。「『あなたに会えてよかった』のはこっちのほうですよ!」と小籔が感動しているところに、いきなりバッファロー吾郎・木村が「ふざけんな、コラ!」と乱入! キョンキョンに向かって「手ぇ抜いてんじゃねーぞ、おい! 大事なのを忘れてるだろう!」と、強引にも『学園天国』をリクエストしました。するとキョンキョン、「じゃあ、やりますか?」とあっさり承諾。サービス精神満点で歌い上げてくれました! あんなに勢いよくキョンキョンにつめよっていた木村も、目の前で聞けた感動で胸がいっぱいになったのか、半泣きに……。「本当によかったえです、めっちゃうれしかった」と喜びをかみしめていました。
するとまたもや「待て待て~!」と叫ぶ声が。なんと、たむらけんじまでもが舞台に乱入! そしてキョンキョンに、「これでいいんですか!? 一体になったつもりですか!?」とつめよります。「『ア~ユーレディ~? イエー!』のくだりは、カラオケボックスがコンテナの時代からやってる!」と指摘し、「『ア~ユーレディ~? チャ~!』をやらせてほしい」とリクエスト。さすがにこれは無理なお願い! ……と思いきや、キョンキョン、これまた「やりますか?」とあっさり快諾。『学園天国』と「チャ~」のミラクルコラボに、たむらけんじは獅子舞を振り回すほどにはしゃいでいました。
そして2日間を締めくくる最後のステージ。大トリのビッグポルノが舞台に登場しました。新曲『La Buffo』を含めて6曲を熱唱し、いよいよエンディング。出演者全員がステージに集結し、すっかりコヤソニの恒例となった『KING TIMER』の大合唱です! どの歌詞を誰が歌うのかも、この大合唱のお楽しみ。トップバッターはおなじみ、EGO-WRAPPIN’のよっちゃんさんが担当しました。ラストの「KING TIMER」のフレーズは、みんなで大合唱!
音楽とお笑いで、アーティストも芸人も、そして観客も一体になることができる唯一無二のフェス、コヤソニ。2日間にわたり、まさに「ナイスソニック!」で無事に終えることができました。
ご来場いただいた皆さん、どうもありがとうございました!
コヤソニ主宰・小籔と、小籔率いるビッグポルノ、そしてスモールポルノのコメントは、以下のとおりです。
――この2日間の感想は?
小籔 「本当に、みなさんのおかげで大変なイベントができまして、お客さんもけっこうな人数に入っていただきまして、本当にありがとうございます。準備段階で、ほとんど僕の仕事は終わっていますので、当日の仕事というのは、来たかたに『よろしくお願いします』と頭を下げるのと、スタッフのかたに『ありがとうございました』とお礼を言うぐらい。いつも、本当にすばらしいアーティストと芸人のかたに、いい感じにしてもらっているので、毎年、本番の日を迎えられたらもう安心しかないです。打ち上げが楽しみです」
レイザーラモン・RG 「どうもおつかれさまでした。小籔さんはすばらしいソニックを運営し、いろんな企画を考えてくれます。僕も昨日は、自分の役割の仕事である『打ち上げで、カラオケ30曲を歌う』、無事に成功しました。ほぼ洋楽ばかり歌わせていただきました。斉藤和義さん、真心ブラザーズさん、カジヒデキさんなど、そうそうたるメンバーの前で、A-haの『Take On Me』をきちんと歌え、そしてファルセットの部分もキレイに歌えて、いい仕事ができたな、と思います。なので今日の夜、小泉今日子さん、TOKYO No.1 SOUL SETさん、スチャダラパーさんの前で、昨日は歌えなかった『愛と青春の旅立ち』を椿鬼奴とフルコーラスで歌い、ミュージシャンの皆さんを楽しませて、『本当に楽しいフェスだったな』と帰ってもらえるようにしたいと思います。ありがとうございました」
小籔 「打ち上げのカラオケ大会のことは“アルソニ”と呼ばれていまして、このあともアルソニがあります」
レディー・画家 「日本の皆さん、はじめまして。HGがいつもお世話になっています。私、絵を描くのが大好きな、レディー・画家です。コヤソニのあいだ中、私は小籔さんのひと声でチャリティの絵を描かせてもらっていました。それを募金のほうに回していただいてますので、それが私にできることかなと思っています。コヤソニは本当にすばらしいフェスです。世界でもできますよ! 次は、サンタモニカー!」
宇都宮「私と今別府くんと男前の3人で、ビッグポルノ兄さんの弟分、妹分のスモールポルノとして、コヤソニに出させていただきました。小籔さんには、『楽しいフェスになるように』と言われてまして、私たちが気を配り、ミュージシャンや芸人のかたの飲み物を用意したり、トイレに案内したりしてるんですが、皆さん豪華すぎて、結局、誰にも声をかけられなくて、いつも3人で隅のほうにいます。でもすごく楽しいので、またこれからはもっと気配りができるようにがんばります」
今別府「僕も昨日、アルソニデビューしまして、皆さんのおかげもあり、評判も上々でした。今晩もがんばります。1年で2日間だけ、ちょっと芸能人気分に浸れるのがコヤソニなので、それがもう終わるのかと思うと、寂しいです」
男前「……」
RG「楽しかった、と」
――今年は橋下徹大阪府知事がゲストで登場しましたが、来ていただいた感想は?
小籔「橋下知事には、お笑いの道具としても本当に最高の働きをしていただきました。ニセモノ、ニセモノ、ニセモノと続き、次は橋下知事の出番となったときには、お客さんも、『どうせ次もニセモノやろう』という空気になってたんですが、ついにホンモノの橋下知事が来たから、そのときの盛り上がりといえば、本当にすごかったですね。登場のときの盛り上がりは、どのアーティストより一番やったんとちゃいますかね。あと、橋下知事に来ていただいたことによって、音楽とお笑いと大阪が融合できたような気がします。楽しいことをやってるときに、あのような立場のかたに来ていただいて、『大阪を元気にしましょう』と言っていただくと、お客さんにも、楽しいなかで『そうやな』と感じていただけると思います。橋下知事に来ていただいたのは、意味のあることだと思いました。公務の邪魔になりますので、来ていただくのは今年かぎりです」
――今年は初めての春フェスでしたが、いかがでしたか?
小籔「お客さんの感想はまだ聞けてないですが、昨日は、出演者のかたがたは喜んでくれていました。フェスの先生、BOSEさんにも『この季節を選んだのはよかったんじゃないか』とお褒めの言葉をいただきました。今朝、雨が降ったときは『やっぱり野外なんかでするもんじゃない』と思ったんですが、12時半を越えたら晴れだして。今、みんな、ビールをおいしそうに飲んでますし、『やっぱ外やな』という声がちらちらと聞こえてますから、来年はどうしよう、と思ってます。みんなの意見を集めて、間を取れるようにがんばります」