高座名は「桂三度」! 世界のナベアツ、師匠・桂三枝の思いに大感激
この春、落語家への転身を決意し、桂三枝に入門した世界のナベアツ。テレビ・ラジオ等での活動を続けながら、すでに弟子としての修行もスタートさせています。そんなナベアツの高座名が決定し、5月24日(火)、師匠である三枝より発表されました。
三枝は、「弟子の名前を発表するのに、こないに大層にやるのは異例のことなんですが……」と前置きしつつ、高座名を決めるまでの経緯を説明。「最初は彼のネタにちなみ、桂“三”だけにしようかとも思ったが、ちょっと落語家らしくないなと……今までの弟子のなかで、一番時間を費やしました」とのこと。
ここで世界のナベアツが、和服姿で登場。高座名はまだ知らされておらず、緊張の面持ちです。「弟子入りさせていただいたものの、東京に住んでいることもあり、なかなか修行ができない。たまに師匠に付かせていただいても、年下の兄さん(兄弟子の桂三語)にご迷惑をかけて、何をしたらいいかわからずオロオロするばかり」というもどかしさもあるが、「師匠がそんな僕のために、わざわざ時間を割いて考えてくださっただけでうれしい」と喜びのコメント。さらに「名前をいただくということで、責任もあるし、ちょっとワクワクする気持ちも」と心境を語りました。
いよいよ三枝から、高座名が発表されることに。「漫才師としてこの世界に入り、続いて構成作家としても活躍した。これが三度目の正直となるようにとの思いを込めました」という言葉とともに、「桂三度」という名前がお披露目されました。どこかにナベアツの名前を残したいと考え、「三度という字は、渡辺の“渡”という字をバラしたものでもある」と三枝。前出の「三度目の正直」と、さらには「三度三度のご飯がしっかり食べられるように」という願いも込めた名前だそうで、「食事に恵まれるように、“ら”を取れば“かつさんど”にもなるんですよ」と笑わせました。
師匠の言葉を一つひとつ、噛みしめるように聞いていた世界のナベアツ改め桂三度は、目を潤ませ感無量の様子。「名前に泥を塗らないよう頑張ります!」と心からの感謝を述べた後、「ちなみに僕はカツサンドが大好きです!」と宣言した三度を、三枝は笑顔で見守っていました。
「3の倍数のネタがあったので、“三乗”というのも考えたが、既に桂二乗という噺家がいる。“三○九”と書いて“サンマルク”と読む案は、サンマルクという顏ではないし……と、とにかくいろいろ考えました」と、決定までさまざまな候補があったことを明かした三枝。世界のナベアツという名前とはお別れとなり、「そもそもメッセンジャーのあいはらくんが、僕をいじるために付けたあだ名なので、そんなに愛着はないんです」と言いつつ、ちょっぴり寂しそうな三度。一方の三枝には「高座に上がるとき三度と名乗ればいい。構成作家としての名前も残してやりたい」との意向があり、今後については相談しながら決めていくそうです。
秋ごろから始まるという本格的な修行を前に、現在は、三枝から出された宿題に取り組んでいるという三度。「まだ師匠にお見せできる段階ではないが、創作落語を5、6作は作っています。コント作りとは使う脳みそも違い、夜中の2時ぐらいに頭をかかえてうなっていることも……」と戸惑いを見せながらも、「僕は壁を乗り越えるのが好きなので、それも楽しんでやっていきたい」と頼もしい一言。そんな三度に、三枝は「コントと落語は作り方が違うので、僕の持っている落語の作り方のノウハウを教えていけたら。頭のいい子なので、自分なりに広げていって、新しい落語を作ってくれるのでは。それが将来、古典になっていけば、こんな素晴らしいことはない」と、期待を込めました。
今後の本格的な修行生活について、三枝から「特別待遇はなしで、しっかり修行してもらう。古典落語も覚えていってもらいたい」との言葉が出ると、居住まいを正して頷いた三度。「芸人として、こういう年の重ね方をしたいと感動した」憧れの存在でもある師匠に一歩でも近付くべく、決意を新たにしていました。
同日夜には、天満天神繁昌亭で開かれた「桂三枝はなしの世界その十六」で、桂三度として初めて大喜利コーナーの舞台に。いよいよ始まった落語家・桂三度の挑戦に、引き続きご注目ください。
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