京橋花月で高山トモヒロの処女小説『ベイブルース 25歳と364日』を舞台化!
11月3日(木・祝)より3日間、京橋花月でケツカッチン・高山トモヒロの処女小説『ベイブルース 25歳と364日』(2009年10月31日 ヨシモトブックス刊)を舞台化した『RUN ~ベイブルース 25歳と364日~』が上演されます。
漫才コンビ・ベイブルースとして大阪・心斎橋2丁目劇場を中心に当時の若者たちから絶大なる人気を博すも1994年、劇症肝炎で26歳を目前にして急逝した河本栄得。河本と過ごした日々を克明に綴った小説『ベイブルース 25歳と364日』は各方面から絶賛され、このたび、満を持しての舞台化が実現しました。
10月15日(土)には制作発表会見が行われ、舞台では監修も務める高山トモヒロと、高山役の柄谷吾史さん、河本役の松田悟志さん、そして河本の母親役を務める末成由美が出席し、意気込みを語りました。
まずは高山よりご挨拶をしました。
「NSCの時に河本と一緒になって、ほんの数年感という短い間でしたが、二人の濃い思い出をたっぷり綴った本を出させていただきました。それをいつかお芝居にしたいと思っていましたが自分からは言いづらくて。そしたら京橋花月の支配人や副支配人、マネージャーが舞台化を促してくれました。そこで脚本、演出を僕たち二人のことをよく知るメッセンジャーの黒田くんにお願いしたところ、快く引き受けてくれまして、依頼して2週間ほどで第一稿を上げてくれました。読んだ瞬間、(この舞台は)『成功する』と実感しました」
そして、ベイブルースを演じる柄谷さん、松田さんについては…。
「僕の役は柄谷吾史さん。京橋花月のこけら落とし公演で黒田さんの『かさ』に出演されていて、役にピタッとはまって、途中で輝いてくる演技にすごいなと思っていました。当時の僕には輝きはありませんでしたが、あのように輝く演技をしてくださったら僕の娘も『パパ、すごかってんな』って言ってくれるんじゃないかと(笑)。そして河本役の松田悟志さんは、黒田くんから(河本役に)『ピッタリやと思う』と聞いて、いろいろ松田さんのことを知って本当にそうだと思いました。ただ、ちょっと違うのは、松田さんが男前なところですね(笑)。大阪で生まれた河本と僕ですが、オカン役は、河本の強いけどちょっと泣けるオカンを演じられるのは末成由美さんだと思い、お願いしました。そしたら、なんと末成さんはちょうど僕の本を読んでくださっていたという…」
と、ここで居ても立ってもいられない様子で末成由美が…。
「いや私、偶然で。前に内場(勝則)くんらと飲んでるときに高山くんの小説の話が出て『いいよ』と薦められて。それで買って読み始めてからこのお話をいただいたんです。その時は思わず鳥肌が立ちました! そして、その偶然に、『これは絶対に成功するぞ!』と思いました。また河本くんって私と顔が似ているんです。初めて劇場で会った時、私が男の子を産んだら河本くんみたいな顔になるんかなって思ってたんです。だからオカン役をすると聞いて、またそれも偶然で…!」と興奮気味に語りました。
また、「久しぶりのお芝居で、本当に楽しみにしております。3日間はすぐ過ぎてしまうから、もうちょっとしたいですね。お芝居が好きでこの世界に入ったものですから、芝居ができるのは本当にうれしくて、少々ダレていた私の気持ちをくっと引き締めてくれました。呼んでいただいてありがとうございます。頑張りましょう!」と意気込みました。
続いて、河本役を演じる松田悟志さんがご挨拶を。
「僕は大阪の平野区出身で、ベイブルースさんのことも知っていました。個人的な話になりますが、僕の姉が当時、河本さんが入院された病院に看護師として勤めておりまして、話をよく聞いていました。当時はそういうことがあったんだなと思っていたんですが、東京に出て俳優になり、この役のお話をいただいて、とても他人事ではないと思いましたし、思わず姉に電話をして報告しました。この舞台はまさに気の引き締まる思いです。3日間、凝縮された時間を過ごしたいと思います。とにかく心でぶつかっていこうと思います!」
そして高山役を演じる柄谷吾史さんもご挨拶を。
「黒田さんとは『かさ』でお仕事をさせていただきました。今回は脚本、演出ということで、どんな新しい世界を京橋花月で見せていただけるか楽しみにしています。先日、黒田さんからお電話をいただきまして、『とりあえず髪の毛を切れ』と言われました。高山さんはいつも髪の毛は短いとのことで、役作りのためにも髪の毛を切ることから始めようと思います(笑)」
「…切って大丈夫なん? 俺、二枚刈りやったで!」と間髪いれずに高山。
「いろんなところからお許しが出たら二枚刈りも…」(柄谷)と意欲(!?)を見せました。
なお、松田さんが河本役にぴったりと思う理由は、「男らしさと茶目っ気のあるところですね。河本も両方持っていたんです。イケイケの部分と弱弱しい部分を持っていたんです。柄谷くんはいじられる要素が多くて、僕にピッタリです」(高山)だそうです。
また、お笑い芸人の役を演じられる松田さん、柄谷さんへ、改めて今の心境をお聞きしました。
松田「子供の頃からなんばグランド花月に行っていて、予備校時代は勉強に疲れたら吉本新喜劇を観に行ったりもしていました。今、横に末成さんがいらっしゃいますが、子供の頃から見ていた女優さんが隣にいらっしゃるのがすごく不思議で…。実感としてはまだ掴みづらいのですが、ただエライことになったなという感触があります。非常に楽しみです!」
そして柄谷さんは「僕も子供のころから吉本新喜劇を見ていたので、聖地のような感覚があります。『かさ』で京橋花月の舞台に立たせていただいた時も、いろんな芸人さんがゲストでいらっしゃるのを見るのが楽しくて、一ファンのような気持でした。それくらい。劇場は『お笑い芸人さんの場』という思いが強いのでプレッシャーはすごくあります。でもそれに負けないよう立ち向かっていこうと思います」
ちなみに、お芝居は原作の『ベイブルース 25歳と364日』をベースにしていますが、小説の流れのままではないそうです。
「黒田くんがすごい角度からの見せ方をしています。途中でこれは『俺が見ている夢なのか?』と思うような部分もありますし、うまくコラージュされているところが黒田くんの才能やと思います。年代としては高校生ぐらいから河本が亡くなって、そこから…という時間をぐっと凝縮しています」(高山)
中には、河本との思い出も描かれているそうで、「河川敷で漫才の練習していたんですけど、僕は河本によく怒られとったんです。今でもそのことを思い出して夜中に眠れなくなったりもするんですけど(笑)、そういうシーンもお芝居には盛り込まれています」(高山)
ただ、高山自身はお芝居への出演はないそう。
「チョイ役でもあるかなと思って台本を読んだけど、ありませんでした。ベイブルース主役のお芝居でまさかの選考漏れでした(笑)。公演までまだ時間があるので、ほんのちょっとでも出してくれんかとこれから黒田くんに交渉しようと思います!」とのこと。こちらもまた当日の見どころです。
松田悟志さんと柄谷吾史さんという豪華Wキャストで描いてゆく、心斎橋筋2丁目劇場で過ごした青春の日々。おかしくも切ない、でも芸人ってええなぁ…と思っていただける舞台とのことで、「原作に基づいてのお芝居なのでファンの方の中にはホロリとくるシーンもあると思うんですが、なるべく笑いの部分を増やして、最後は『えらい元気もらったな、やっぱよしもとってオモロイよな!』って思ってもらえるように。また、河本のことを知らなくても、よしもとに河本栄得という芸人がいて、なんかおもろいよなって思われるお芝居にしたいと思ってます。涙が出るようなシーンもありますが、コメディですので楽しんでいただけると思います」と高山。
この機会にぜひ、ご観劇ください!
《公演情報》
11月3日(木・祝)~5日(土)
京橋ナイト・ステージ『「RUN」~ベイブルース 25歳と364日~』
開場19:00
開演19:30
[出演者]松田悟志/柄谷吾史/安藤絵里奈/山田かつろう/プラスマイナス/ビタミンS お兄ちゃん/末成由美 /他
[脚本・演出]黒田有(メッセンジャー)
原作:『ベイブルース 25歳と364日』
著作:高山トモヒロ(ケツカッチン)
前売¥3,500
当日¥4,000
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