林家染丸が記念の会「極つき 染丸の会」を開催!
今年、四代目林家染丸が噺家生活45年、そして染丸襲名20年を迎えるのを記念して12月16日になんばグランド花月で「極つき 染丸の会」が開催されることになり、10月26日に制作発表記者会見がワッハ上方4階展示室内上方亭で開かれました。噺家としての45年を振り返った染丸は「いろんなことがありましたが、今日こうして私がいられますのもいろんな方々のおかげでございます。まず第一がご贔屓いただきましたお客様のおかげ、それから今までずっと私をいろんな面で引っ張ってきてくださいました先輩諸氏のおかげ。それからうちの弟子たちのおかげでもあります」としみじみ。
この会は染丸の13人のお弟子さんたちの勧めで実現することになったということで会見に出席したうさぎ、染吉、愛染の三人が師匠との思い出や会への意気込みを熱く語りました。当日のお囃子は三味線方も含め、すべて染丸門下。最近清元を習いに行っているという染丸夫人も座に並び、ゲスト以外は全員弟子がつとめます。
当日のゲストは古くから懇意にしてる桂三枝、月亭八方、宮川大助・花子。ゲストと染丸、そして一門の染二、うさぎが居並んでの口上で幕を上げ、弟子の落語が二席、そして宮川大助・花子が漫才で華を添えたあと、染丸が古典落語の「淀五郎」を演じます。これは「忠臣蔵」を演じる役者を描いた噺。「一番私のやりたいと思っている噺です。人情味もあります。面白い落語をしたいと思います」と染丸は工夫を加え、「“染丸版”淀五郎」に仕上げています。
中入り休憩の後には、染丸たちによる「爆笑歌舞伎」が登場! これは2年前に天満天神繁昌亭の3周年記念公演で上演した「仮名手本忠臣蔵 お軽勘平道行」の再演で、前回と同じく早野勘平を桂三枝、腰元お軽を林家染丸、鷺坂伴内を月亭八方、花四天を染丸一門が演じます。「爆笑歌舞伎」はカツラや衣装なども本式のものを使う本格的な芝居ながら、笑いも満載の爆笑篇になっています。今回は立ち回りなどにもより工夫を加え、時間的にも長い芝居になります。
そもそも「爆笑歌舞伎」を始めたのは八方と染丸の発案から。「この会に行かないと大阪人として損をしますよ。歌舞伎は伝統があって歴史がある。それを見ると我々は真似をしたくなる。真似と言うより真似事です。それにはこの『お軽勘平道行』はもってこいですからね。そうそう、今、ちょっと情報が流れていて、本家の歌舞伎のどなたかの番頭さんなんかはぜひ見てみたいと。当日は香川照之が来るかもー」とどんどんヒートアップしてくる八方にすかさず、三枝が「絶対けぇへん! 勉強にならへんもん!!!!」と鋭く突っ込む爆笑のことコマも。
会が開かれる12月16日は「忠臣蔵」の討ち入りの日の(12月14日)の直後。ドラマや映画などでも「忠臣蔵」が取り上げられる頃でちょうど時期的にもぴったり。「これで前売り3500円は安い。ちなみに松竹座に行きますと18000円ですよ(笑)。ぜひとも前売りで10番目くらいのまん中を買ってください」と八方がPRすると、「もうちょっと後ろの方がしわが見えにくい(三枝)」やら「あまり前やと『なんやおっさんが』って言われる(染丸)」やらと、口々に話し始める二人。三枝が「(道行きのシーンで)花道を行きたい。花道が無理やったら(舞台を)降りて歩いていっても。チップをもらえるかも!(笑)」と言い出すと「大衆演劇やあらへん!」と染丸がすかさず突っ込む。
染丸が2年前に脳梗塞で倒れた時の話になり、「そもそも、何が原因で倒れたん?」と聞く二人に、染丸が「お軽勘平の稽古です!」と答えて場内は再び大爆笑。それから健康談義になり、歌舞伎の衣装など一式を買ってレンタル業ができないかなどのビジネス案や爆笑歌舞伎の長期公演案が出るなど、爆笑続きの和気合いあいトークで大盛り上がりの展開に「今回はそういう風にしたいなと私らも思えるような楽しい舞台にしたいですね」と八方が見事に締めくくりました。バラエティに富み、林家一門が総力を結集して祝う“染丸祭り”ともいえるこの会は内容も見どころも満載です。
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四代目林家染丸「極つき 染丸の会」
日時:12月16日(金) 19:00開演
会場:なんばグランド花月
料金:前3500円、当4000円(全席指定)
出演:林家染丸、染丸一門
ゲスト=桂三枝、月亭八方、宮川大助・花子
お問い合わせ:チケットよしもと 0570-036-912