監督作『犬の首輪とコロッケと』初日舞台挨拶で長原成樹が続編に意欲!
1月28日(土)、東京・シネマスクエアとうきゅうにて 長原成樹初監督作『犬の首輪とコロッケと』の初日舞台挨拶が行われました。
今作は、長原成樹の自伝的小説『犬の首輪とコロッケとーセイキとズイホウの30年』を映画化したもの。札つきのワルだったセイキがお笑いの世界に飛び込み、家族、恋愛、友情それぞれの悩みに自身で答えを探し出し、成長していく姿が描かれています。
舞台挨拶には長原を始め、出演者の鎌苅健太さん、ちすん、中村昌也さん、宮下雄也(RUN&GUN)、山口智充が登壇しました。
自らがメガホンを執った作品がついに初日を迎えたとあって、緊張した面持ちで登壇した長原。作品を見終えたばかりのお客さまに「お忙しいなか、このようにたくさん来ていただき、ありがとうございます。劇場関係者の皆さん、配給会社の皆さん、どうもありがとうございます」と感謝を述べると、大きな拍手が起こりました。
長原の若かりし頃を演じるとあって、大きなプレッシャーを感じていたという主演の鎌苅さん。役作りについては、「撮影中、メシを食ってる時にも、成樹さんに話を聞かせたりしてもらったことが身になったというか。芝居は正解というものがないのかもしれないですけど、今回、僕が演じたセイキは成樹さんという正解があったので常に(長原を)意識していました」と語ります。
セイキが思いを寄せるミチコを演じたのは、ちすん。登壇者全員がステキだと断言するほど魅力的な女性を演じるにあたり、「ミチコさんは監督が本当に恋した女性で、実際、一緒に撮っている写真も見せてもらったんです。すごくステキな女性だったので正直プレッシャーも感じていたんですけど、監督に当時のことを思い出させたい!と思っていて。如何にキュートに可愛くするのはどう表現すればいいのかと思いながら演じていました」と強い気持ちで臨んだようです。
セイキのライバル・ヤマトを演じた中村さんは「喧嘩のシーンは成樹さんと話し合いました」とコメント。「普通のドラマのようにしたくなかった。地味〜に痛〜い殴り方があるんですよ」と話した長原でしたが、セイキとヤマトの喧嘩シーンでは実際、ボディに蹴りや拳を当てながら撮影していたそうです。また、「僕は“男の失恋”もある役なので、(セイキ達の)漫才を練習中から見ないようにして。徹底して、男の切なさを出そうと意識しました」と、役作りへのこだわりを語りました。
「昭和を撮りたかった」という長原がこだわったのは、生まれ故郷である大阪・生野区での撮影。「変な街なんですよ。電柱が曲がってて電線が低い。そういう昭和の風景が残っていてね。初めて見たカメラマンは“セットですか?”言うて聞きよった。みんな住んでんねや!」というエピソードで、観客の笑いを誘います。
長原と同じく生野区で生まれ育ったという宮下は「5本の指に入るくらい喧嘩が弱かったんで、あまりいい思い出のない街。しょっちゅうカツアゲにも遭ってたので、たまごっちとかはパンツの中に入れて取られないようにしてました(笑)」と当時を振り返ります。自身が演じたガリ勉のトシには共感できる思いがたくさんあったそうで、「僕も(トシのように)勉強ばかりしてました。早く頭を良くして、この街から出て行きたいと思ってたんです。だから、小説を読んだ時に気持ちがわかりすぎて泣いてしまったんですよね。オーディションでも絶対に受かりたいと思っていたし、実際、演じることになってからも(共感していた分)素のままで演じられたと思います」と丁寧に言葉を紡ぎました。
長原にとって絶大な存在だったというお父ちゃんを演じた山口は、役をもらった時にとにかく感動したそう。「成樹さんのお父さんに対する思いは、本を読んだ時からイメージが強く残ってました。こんなことを言うと厚かましいかもしれないですけど、僕の中にあるお父さんのイメージと遠くないとも感じたので(今回の役にも)思い切りアタックして。僕の中にあったお父ちゃん像を全てぶつけました」と力を込めて語ります。法事のシーンでは「(暴れる山口は)重戦車でしたよ。僕、吹っ飛びましたから」(中村さん)「4人がかりで押さえたのにね(笑)」(鎌苅さん)と思い出し笑いをしてしまうほどの熱演ぶりだったようです。
とにかく舞台挨拶を鑑賞して感じたのは、長原の熱い思いをきちんと受け取った出演者全員が、それぞれの思いを込めて作品に向き合い作られた、たくさんの愛情のこもった作品なんだなということ。
最後を締めくくった長原の挨拶も「今日は本当にありがとうございます。僕の持っている力全てを注ぎ込んで作りました。いろんな複雑な思いが感じられる作品ですし、ぜひ親子で観に来てくれたら嬉しいです。1回とはいわず、2回……3回……3回くらい観てもらえば、また違う気持ちを感じられると思います」と非常に熱いものに。さらには、「皆さんが足を運んでくださったら、続編が撮ることができます。今作は、原作の半分しか描かれていないんです。後半も描きたいので、どうかよろしくお願いいたします!」と続編への強い思いも語りました。
●作品情報
『犬の首輪とコロッケと』
公式サイト:http://www.inukoro.jp/
●芸人顔検索
長原成樹
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山口智充
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