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2012年4月15日 (日)

【ライブレポート】吉本百年物語4月公演「大将と御寮ンさん・二人の夢」

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吉本興業が創業100周年を迎えた2012年4月、その歴史を月替わり12本の芝居で振り返る『吉本百年物語』がスタートします。トップバッターとなる4月公演は、国仲涼子さんと陣内智則、神野美伽さんが主演を務め、吉本興業創始者の吉本吉兵衛・せい夫妻を描く「大将と御寮ンさん・二人の夢」。初日となる4月13日(金)、ついにベールを脱いだ話題の舞台をさっそくレポートします!

通天閣が完成した1912年(明治45年)、芸人道楽が高じて、家業である船場の老舗問屋を倒産させてしまった若夫婦、吉本吉兵衛(陣内)とせい(国仲さん)が、無一文でミナミの外れにある芸人長屋に引っ越してきます。落語や軽口、怪力、女道楽など売れない芸人たちに囲まれ、貧しいながらも明るく暮らし始める二人のもとに、天満の寄席小屋「第二文芸館」が売りに出ているとの噂が。営業権だけで300円という高値に諦めかける吉兵衛に、せいは芸のことは吉兵衛、商売のことは自分が引き受けると提案。高利貸しのお銀(神野さん)に土下座して頼みこみます。最初はすげなく断ろうとするお銀でしたが、勝算はあると説得する二人の“本気”に金を貸すことに。やがて夫婦や芸人らの頑張りで寄席は軌道に乗り始めますが……。

オープニング、賑やかな河内音頭に乗せて、長屋住まいの芸人たちが踊りながら客席通路に登場すると、いきなりのサプライズ演出に大きな歓声が! ご存じ河内家菊水丸がストーリーテラーとして、歌に乗せて時代背景や登場人物を紹介していきます。毎日が大騒ぎの芸人長屋や、そこに越してきた若夫婦の貧しくも楽しげな暮らしぶり、そして「返してもらうまで地獄まで追いかける!」と言いつつもどこかコミカルなお銀と芸人らのやりとり……。観客たちは、早くも芝居の世界にグイグイと引き込まれています。

まず目を引くのは、個性派揃いの芸人たち。得意の三味線で道楽を披露した桂あやめ、一つしか持ちネタがない落語家を軽妙に演じる笑福亭仁智、さらにはツチノコ芸人との異名を持つテントの役者ぶりや、ほとんどセリフを発さず抜群の存在感を見せるガリガリガリクソンら、かつての芸人長屋に負けず劣らずの濃い顔ぶれが、当時の大阪の下町をイキイキと蘇らせます。

吉兵衛とせいの、おしどり夫婦ぶりは見ていてほほ笑ましいほど。芸事が大好きでちょっぴり頼りない(?)夫を、時にやさしく、時に叱咤して支える妻は、理想の夫婦像といえそうです。まっすぐな情熱で人を引き付けるせいと、酸いも甘いも知り尽くした粋な女・お銀という正反対のふたりが見せる“真剣勝負”と“女の友情”も見どころの一つ。さらに、舞台終盤には吉兵衛が「空を飛ぶ」という前代未聞の演出が! ワイヤーによる空中飛行は、なんばグランド花月でも初の試みとのこと。天井近くまで舞い上がり、2階席の皆さんの間近を飛んでいくので、これからご覧になる方は、どうぞお楽しみに!

人情味あふれるストーリーに、笑って泣いて、心はほっこり。お馴染みの新喜劇とはまた違う、しっとりとしたエンディングにお客さんも酔いしれて…………と思いきや、最後には再び河内音頭も飛び出すとびきり賑やかなフィナーレで、「吉本らしさ」もしっかりアピールしました。鳴りやまぬ拍手に迎えられ、カーテンコールで再び舞台に戻った出演者たち。陣内は「『陣内!』『国仲!』みたいな掛け声もいただいて、お客さんに支えられて無事に初日を終えられた。こんな素敵なお客さんに来ていただいて、稽古してきた甲斐がありました!」と感無量の表情です。「まだまだ千秋楽までありますが、日々成長していくと思うので、何回も見に来てください!」とアピールしたのは国仲さん。神野さんは「こんなに『くそばばあ』と言われることはないし、普段の生活であんなに全力疾走することもない(笑)。でも、芝居のセリフじゃないけど、本当に真剣に、一生懸命やってるみんなです」と語り、大きな拍手を浴びていました。

最後は「吉本100周年ということで、お客さんへの感謝の気持ちで演じています。これからも吉本興業をよろしくお願いします! 本日はありがとうございました!」と締めくくった陣内。5月6日(日)までの長丁場、これから千秋楽に向け、どう熟成されていくのかにも注目したいところ。ぜひ二度、三度と足を運んで、吉兵衛とせいの物語を楽しんでみてください。

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