吉本芸人が100冊出版に挑戦!? 「笑いと平和の百冊シリーズ」創刊!
5月10日(木)、東京・ヨシモト∞ホールにて『「笑いと平和の百冊シリーズ」創刊記者会見』が行なわれました。
同シリーズは、吉本興業創業100周年を記念して行なうプロジェクト。“笑いと平和”というテーマにご賛同いただいた出版社と共に、2012年4月から吉本芸人、吉本興業にまつわる書籍やムックを100冊、1年間で出版しようという壮大な企画なのです。
MCを務めるのは、博多大吉。「安心と信頼のタレントだと言われています。吉本の犬として、ワンワン吠えたいと思います!」とスパイスの利いた挨拶で、早速ひと笑い起こします。
また、同会見には宣伝部長に就任したピース・又吉直樹も出席。大吉から「……そんな妖精みたいなキャラクターでしたっけ?」とツッコまれると、「ポスターと同じ格好で来ました。ただ、ポスターを見た人からは“なんでこんなにヒゲ濃いの?”と言われてます」と自虐的なネタで笑いを誘います。
吉本きっての読書家としても知られている又吉。これまでに2000冊以上を読んでいるというのは有名な話ですが、「カラオケに行っても、他の人が歌っている間に本をめくりながら……」とエピソードを披露すると、大吉に「断る勇気も必要ですよ!」と切り込まれていました。
さて、ここで同シリーズより刊行される5人の著者が登場しました。
『師弟 吉本新喜劇・岡八朗と歩んだ31年』(ヨシモトブックス刊/定価1,500円<税込>/発売中)の著者であるオール巨人は、「こういう師弟関係は世間にはあまりないですし、漫才の世界でもなくなってきているので、誰が読んでもためになる本に仕上げました」と紹介しながら、「気遣いをちゃんとすれば、人間は通じ合えるんです。新社会人だとか、新しい仕事をする方の心構えにもなれる本だと思いますし、おっちゃんやおばちゃんが読んでも楽しんでいただけるはず」と語ります。ためになる話に大きく頷く大吉が「このヨシモト∞ホールには、礼儀をわきまえない若手がたくさんいる。そういう若手に送りつけたい」と噛みしめるようにつぶやくと、「そういうのはパンパン!ですから」と師匠らしい厳しい言葉が発せられました。
『~ごはん迷う芸人、博多華丸の大決断!~食べずに終われんばい!in 福岡』(ヨシモトブックス刊/定価:880円<税込>/発売中)を発売した博多華丸には、相方・大吉から「ごはん迷う芸人……勝手にしてくださいっていう気持ちがある」とツッコミが。本人も「巨人師匠のあとだと、如何にわたくしが薄っぺらいかがわかります」と恐縮しながら、「僕はご飯を……特に昼ご飯を迷うんです。そんなわたくしが最後の晩餐は?と聞かれても決められるわけがない。そこで1ヵ月くらい遡って、最後を迎えようじゃないかということで多くのオススメのお店を紹介しています」といろいろな出版理由を述べましたが、「……遠回しになりましたが、要するにグルメ本です!」とはっきり言うと、会場爆笑。
大吉の「グルメ本としては史上初。クーポン券が付いてきます! 本は880円なんですけど、クーポン券だけで3000円を超えるんです」というアピールには、「タダに等しいですね(笑)」と笑う又吉。「福岡とは癒着がありまして……。最後のページには知事からのコメントも載ってます。福岡にずくずくの本になってます!」と華丸が笑顔でアピールすると、さらに大きな笑いが起こりました。
同シリーズ第1弾出版作となった『イラン人は面白すぎる!』(光文社刊/定価:798円<税込>/発売中)の著者であるデスペラード エマミ・シュン・サラミは、大吉から「確認ですけど、吉本の芸人さん? イランの方ですか?」と不思議そうに訊ねられます。
「はい、吉本の芸人で現在地下で、ゲリラ的な活動をさせていただいていまして……」と答えるサラミは、お母さんが日本人、お父さんがイラン人のハーフ。10歳の時に日本へやってきたそうなのですが、「イランはマイナーな国。この前もイランを検索したら、“もしかしてイラク?”と出ました。なんとかこの本を通して、イランを好きになってもらえればありがたいです」と饒舌に語ります。達者な日本語に、「見た目としゃべりのギャップがすごいですよね?」と又吉。「イスラム教は笑いにはしちゃいけないんですけど、今回はタブーを……。僕も三島由紀夫さんと一緒です」と流暢なしゃべりを披露するサラミに、大吉も又吉もただただ圧倒されていました。
西川のりおは『橋下徹はなぜ大阪で独裁政治ができるのか?』(ヨシモトブックス刊/定価1400円<税込>)を6月2日に刊行予定。テレビ番組『言語道断』『人間政治家に迫る!』(BS11)にて、これまで114人の政治家と対談していたという西川は「野田さんが首相になる前に、代表選挙に出ないのかと声をかけたりしてるんですけど、読めば週刊誌の記事になることが“やまぼこ”書いてます!」と独特な言い回しでPR。思わず大吉が「やまぼこ……!?」と食いつきます。
さらに、オール巨人からは「タイトルはああなってますけど、橋下さんのことはほどんど書いてないらしい」と暴露されるも、西川は臆することなく「橋下さんとは対談していません!」と断言! その堂々たる振る舞いに、「ものすごく引きのあるタイトルやと思ったんですけど……」と言葉を失う又吉でした。
カラテカ・入江は『後輩力〜先輩・上司からかわいがられる人がやっている習慣(仮)』(アスコム刊/予価:1200円<税込>)を6月に刊行予定。まだ見本もできあがっていないということで、プリント用紙を持って登場した彼に、すかさず大吉が「(プリントに移ってる入江は)失踪者ですか?」とツッコみます。
数々の先輩にごちそうになって来たという入江ですが、「これまで先輩に怒られたことを反省して縦社会にうまくいかそうという本です。この本を読めば、上司に気に入られてうまくいくんじゃないかと思います。真面目な本です!」とアピール。「入江君がしゃべると、マルチ商法の匂いがする……」と怪訝そうな表情を浮かべる大吉に、「例えば、先輩の誕生日を全員覚えておくと役立つと思うんです。あと、すべらないお土産はハーゲンダッツ。誰でも喜んでもらえますから」とさらにプレゼンし続ける入江でしたが、オール巨人から「いい本やと思うけど、それよりも面白いネタを考えたほうがええ。面白いヤツは絶対売れるから!」と切り込まれ、たじたじになってしまいました。
この後、『目指せ、書籍化! 公開プレゼン大会』と題し、同会見へ出席いただいた各出版社へ向けて、4人による芸人の書籍化へ向けたプレゼンテーションが行なわれました。
ペナルティ・ヒデは『死季折々』という小説をプレゼン。構想4年、執筆3年をかけているというアピールのみならず、「感動しました」「本になるといいね」など奥さんとお子さんからのコメントも入れ込むなど、さすがプレゼン芸人! 帯のコメントも各著名人から確約を取り付けているようで、獲得したいと札を挙げた出版社の方からも「フリップの準備もプレゼンも上手」とお誉めの言葉がかかりました。
笑い飯・哲夫は『もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの「マネジメント」を読んだら』に対抗し、『もし中学サッカーの男子補欠部員が、笑い飯哲夫の「えてこでもわかる 笑い飯 哲夫訳 般若心経」を読んだら』『もし中学生のいじめられこが、笑い飯哲夫の「えてこでもわかる 笑い飯 哲夫訳 般若心経」を読んだら』、さらには『えてこでもわかる 笑い飯 哲夫訳 コーラン』をプレゼンします。その様子を見ていた大吉からは、「確認ですけど、ここはR-1ぐらんぷりの予選会場じゃないですよ! なに、フリップ芸で遊んでるんですか?」と冷静にツッコまれていました。そんな大喜利的な(?)プレゼンにもかかわらず、3社が興味を示す展開に、「一体なんで?」と呆れ気味の大吉でした。
サバンナ・八木は『ある男の約束』という書籍を提案。2007年、大阪で世界陸上が開催された際、盛り上げて欲しいと構成作家の方に言われた八木は、陸上に関してのメールをその人に送り続けることに。ですが、いったん始めたことをきっちりやり通してしまう八木は、今でもその人にメールを送り続けているそうです。しかも、「今では陸上の話題はほとんどなくなって、日々のことを送っている。そのメールが、1575件あります!」と八木。例えば、「峠にあったおまんじゅう。昔の人は今より甘く感じた」とか「人間に羽が生えてたら、お風呂に入れず、足湯とサウナがはやっていただろう」など、八木らしい独特なニュアンスを感じられるものばかり。「あとは編集してもらうだけ」とキッパリ語るも、聞いている大吉の笑いは止まりません。又吉も「本当に送っている人は実在するんですか?」と訊ねるなど、なんとも不思議な企画でしたが、2社から出版希望があがりました。
最後は、レイザーラモン・RGが登場。最近の本木雅弘さんを意識したというRGでしたが、衣装がピチピチでチャックが壊れてしまったと、社会の窓全開でプレゼンを行ないました。
「歌にのせて、企画を歌い上げたい」とTUBEの「シーズン・イン・ザ・サン」にのせて『洋楽あるある』の書籍化を熱望。歌の最後に、タイトルを発するという通常のあるあると同じ方式のプレゼンに、大吉からは「着地点で両足を骨折する感じですね」と辛辣な言葉を受けたRGでしたが、「Twitterで洋楽あるあるを1万個つぶやいています。原稿があります!」と自信満々でした(こちらも、1社から希望がありました!)。
大吉から宣伝部長としての売り上げ目標を聞かれた又吉。「全部読んで、できるだけ売りたい。宣伝……そこ大事ですよね。本好きな友達が多いので、いろんなところでオススメしていきますし、母親が病院で働いているので言っておいたら広まるんじゃないかなと。そういう地道な宣伝のほうが本はいいと思うので」と語るも、西川が「よろしくお願いします!」と頭を下げられ、最後は恐縮しきりでした。
今後も『イラッとくる韓国語講座 河本準一式ソウルの旅』(河本準一著/幻冬舎刊/定価:1050円<税込>/5月12日発売予定)、『とはいえ、便所は宇宙である』(千原ジュニア著/扶桑社刊/予価:1300円<税込>/5月14日発売予定)、『本職未満 筋金入りのワルだった俺たちの分岐点』(長原成樹著/ヨシモトブックス刊/定価:1,365円<税込>/5月16日発売)など、さまざまな書籍が発売される予定となっています。ぜひとも店頭でチェックしてください!
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