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2012年8月28日 (火)

「吉本百年物語」9月公演に出演の兵動大樹に直撃インタビュー!

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月替わり12本のお芝居で吉本興業の歴史を綴る『吉本百年物語』。第6弾となる9月公演「焼け跡、青春手帖」では、戦争で焦土となった大阪を舞台に、新たな笑いを模索する花菱アチャコと、傷心のうちに引退した女優・浪花千栄子の邂逅と再生を描きます。アチャコを演じるのは兵動大樹。漫才師としての大先輩・アチャコ役のオファーには、戸惑いもあったようで……。

――アチャコ役のオファーがあったときは、どんな気持ちでしたか?

兵動「実は、役名を聞いたのは後になってからだったんです。最初は、マネジャーが半笑いで『芝居(の仕事)が入りますけど』って。なんで半笑いやねんってなって、そこで役名とかじゃなく、『オレでええの?』という話に。その後、いろいろ話していくうちに、アチャコ先生の役やとわかりました。『う~ん……』という感じでしたね。とにかくすごい人で、中身も全然ちゃうし、うっすら似てるのは体型だけ(笑)。しかもよくよく見たら、アチャコ先生のほうが、だいぶお痩せになってたという」

――その後、実際に台本を読んでの印象は?

兵動「まずは『アチャコ』って書いてあるとこだけザーッと見たんですけど、思ってたよりは少ないぞ、と。それが逆にプレッシャーにもなっています。出ずっぱりになるのは高川裕也さんとか松澤一之さんやと思うんですけど、そこにパッと出て行ったときに、存在感が薄いと困るでしょ」

――大先輩であるアチャコ役を演じるにあたって、どんな役作りを考えていますか?

兵動「まずは音声資料を聞いたり、ですかね。秀吉とか家康って言われたほうが、いっそやりやすい。みんなの頭のなかに、ある程度、像があるじゃないですか。似せようと思えば、『やっとるな』という感じにはできるし。アチャコ先生は、本当に吉本の礎を築いた大先生やから……似せるところまでは無理やけど、僕のフィルターを通した、兵動流のアチャコ先生が演じられればいいかなと思っています。あと、アチャコ先生が一人で活動されている時期の話なので、そのあたりの気持ちも表現できたら。僕も最近は、ひとりでの仕事をちょこちょこやっているので、コンビではなくひとりの芸人としての良さを出すという心構えみたいなものも考えていきたいです」

――今回のストーリーのように、自分がコンビでなくなったときを想像してみたことはありますか?

兵動「むっちゃ難しいですけど、気楽でもあり、寂しくもあり、じゃないですか。アチャコ先生の場合、一番のライバルである元相方のエンタツ先生も活躍しているわけですから、そこで自分が落ちぶれたらアカンというプライドもあるし。エンタツ・アチャコを凌駕する何かを一生懸命考えて、ラジオドラマを見つけはったのは本当にすごい。そのあたりの葛藤なんかが出せればいいなと思います」

――ちなみに、今回の舞台出演について、相方・矢野さんの反応は?

兵動「『オレは横山やすし師匠で行きたい』って、わけのわからんこと言うてましたけどね。たぶんあいつ、12月公演ぐらいを虎視眈々と狙ってるんちゃいますか(笑)」

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――劇中では、ラジオドラマ『アチャコの青春手帖』を実際に演じる可能性もあるのでしょうか。

兵動「あるかもしれないですね。ラジオドラマは一度、在阪ラジオ局でやらせてもらったことがあるんですが、映像がないぶん、少しでも発音がおかしかったら伝わらへんかったりするんで……その時も、結構注意されました。だから、難しさも少しはわかっているつもりです」

――共演の皆さんについての印象も聞かせてください。まずは浪花千栄子役の黒谷友香さん。

兵動「本当にキレイな方で、あんなにキレイと思ったのは嫁以来やなと(笑)。せやのに、『そんなくだけてる?』みたいな気さくさで。ただ、まだ目を見てしゃべれないんです。向こうはパッと見てくれはるんですけど、『おいおいおい……』ってそらしてしまう。これからの課題ですね。記者会見でもツッコミがめっちゃ早くて、きっと賢い人なんやろなと感心しました。たぶん押され気味になってまうと思います……(笑)」

――そして、林正之助を演じるのは、ぼんちおさむ師匠です。

兵動「お芝居をするときは『俳優・ぼんちおさむ』になって、漫才とはガラッと変わりはるので、そっちのほうも勉強させていただきたいですね。楽屋裏も、たぶんおさむ師匠が賑やかにご陽気にしてくれはると思うので、本当にに入っていただいて感謝です」

――ところで、アチャコになりきるため、ダイエットにも励まれているとか。既に10キロ落とされたんですよね!

兵動「前から健康のこと考えて痩せなアカンと思ってたんですけど、さっきも言ったようにアチャコ先生がそない太ってなかったらしいとわかって。これを機に、どうせやったら20キロぐらいいったれ、と思ったんです。でも、20キロ痩せても82キロですからね。普通に太ってるやん(笑)。最低でも、あと5キロは落としたい。千秋楽のころには、僕、別人みたいになってるんちゃいますか。予定では25キロぐらい痩せてるはずやから(笑)」

――では最後に、今回の吉本百年物語9月公演の一番の見どころをズバリ教えてください!

兵動「シリーズ通してそうなんですが、単に吉本の歴史を振り返るのではなく、ひとりひとりの人生を描いている。ストーリーも芸人ひとりひとりが主役で、それは一般の人にも置き換えられるものやと思うんです。今年4月から来年3月迄、12本のお芝居があるんで、たぶん自分っぽい人がどこかに出てくるはず。だから、今まで見た方はもっと見て探していただいて、まだ見たことない方は、この9月公演から見ていただければ有難いですね」

間近に迫った本番を前に、「お笑いの吉本が真剣に芝居をやっているのを面白がってほしい。誰に見ていただいても恥ずかしくないクオリティのものをきちんと作っています」と胸を張った兵動。はたしてどんな「アチャコ像」を見せてくれるのか、期待が高まります! 9月9日(日)からの公演に、ぜひ足を運んでその目で確かめてください。

吉本百年物語 9月公演「焼け跡、青春手帖」
脚本:長川千佳子
演出:湊裕美子
出演:黒谷友香、兵動大樹、ぼんちおさむ、高川裕也、松澤一之、へびいちご、西川かの子ほか
公演日:9月9日(日)~9月30日(日)※9月12・13・17・19・21・23日を除く
開演時間:平日・土曜・祝日19:00(開場18:30)/日曜16:00(開場15:30)
会場:なんばグランド花月
料金:全席指定 1階席6000円 2階席5000円
※チケット好評発売中!
お問い合わせ:チケットよしもとお問い合わせ専用ダイヤル ☎0570-036-912(10:00~19:00)

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