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2012年10月14日 (日)

「月亭八方落語誘笑会パート2」@大阪・なんばグランド花月

10月13日(土)、大阪のなんばグランド花月で「月亭八方落語誘笑会パート2」が開催されました。「月亭八方落語誘笑会」は昨年の10月15日に初めて開催された月亭八方の、なんばグランド花月では初となる“冠”独演会です。今回も2階席まで超満員で、華々しく幕が上がりました。

観客から熱い声援が飛びかう中、前座として登場したのは八方門下の月亭方正(山崎邦正)。「(八方師匠に)入門したのは4年前。40歳から落語を始めまして」と口を開き、「えらい! テレビで活躍しながらですよ! テレビは25年。すごいねー。代表作はないですが…」と笑顔で自画自賛。自分が出演したテレビ番組やロケ先での裏話を披露して空気を温めた後、古典落語の「看板の一」を演じ、独特の空気感で会場を沸かせました。

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次に登場したのは主役の八方。ここのところ、会をするときはいつも雨が降るのですが、「今年は幸いにも絶好の行楽日和です。夕方から曇ってきて心配していましたが、大丈夫です!」とにっこり。マクラでは10月6日に比叡山・延暦寺の国宝・根本中堂で行われた桂三枝改メ六代桂文枝の襲名披露口上の奉納に参加した時に、自分の本名が寺脇で、「お寺の脇で生まれました。そのお寺がここです」と言おうと思いながら、嘘がつけずに普通の口上になってしまったことや、延暦寺で色紙にサインを頼まれたときに、いざ書くとなると「比叡山」の字を思い出せなかったことなどのエピソードを披露しました。

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前回に続き、今回の独演会でも八方は新作と古典を一席ずつ口演。まず演じたのは桂三枝作の創作落語「商活・栄町商店街野球部」。「文枝さんが200以上の創作落語を創っていて、八方ちゃんにやってもらいたいネタがあるねん、向いてるから、やってーな」という文枝の勧めで今回演じることにした経緯を説明しました。そして、その話を引き受けた3日後に、なんと12月にパリで開かれる六代文枝の襲名披露公演に参加することが決定したそうです。野球部を作って、さびれていく商店街を再生させようと奮闘する人々を描いた、野球好きの八方にぴったりの「商活・栄町商店街野球部」が爆笑を呼びました。

今回のゲストは漫才のかまいたち。落語の公演なので、いつもより高く造られている舞台に立ち、「めったにない落語の会!」と感激の二人が熱演を繰り広げました。

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中入り休憩の前に、再び八方が登場。二席目は八方の十八番の古典落語「算段の平兵衛」。「算段」(うまく段取りをする)、「悋気」(焼きもち)など最近では使われなくなった言葉をていねいに説明した八方は「学校では習わない、家では教えないことを学べる」落語のすごさを強調。基礎知識で下準備も万全の態勢を整え、物事を画策してお金を手に入れていく男を主人公に人の業を描いた「算段の平兵衛」を八方オリジナルの味付けも加えながら演じました。

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中入り後の舞台には高座はなく、バックには大きなスクリーンが。「いよいよキリ狂言でございます」とスタンディングで登場した八方が挨拶。昔、八方がテレビ番組で人気を博した「楽屋ニュース」を舞台で映像を使って行うというもの。「昔は芸人の楽屋話はタブーでした。でも、楽屋で面白い芸人さんが多すぎる。米朝師匠が(橘ノ)円都さんや広沢瓢右衛門さんの至芸を紹介していたように、楽屋でこんなに面白い人たちをテレビで紹介しようと。それで、テレビで紹介しだしたら、それまで目くじら立ててた人が、テレビで言うてくれへんかといってくるようになってきました(笑)」と八方。先日、新聞社のインターンシップで会った女子大生が有名な故人の芸人でもテレビで紹介されている人以外は知らないという事実に驚き、「せめてこういう人だというのを紹介したい」と今回、開催に至った経緯を説明しました。

「僕一人でもやれるんやけど、本人がテレビでこの会の紹介をするときに『僕も出る』と言ったので」、急遽、出演が決まった息子の八光が登場。「言ったら出してくれるかなと思ったら本当に出してくれました。優しいお父さんです」と八光。八方と八光を進行役に、「十八番楽屋ニュース―昭和の芸人噂話―」がスタートしました。

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まずは昔のうめだ花月、なんば花月、京都花月の3館の写真とうめだ花月の見取り図が映し出され、当時の楽屋でのようすが語られました。そして「昭和の芸人 其の一」として登場したのは漫才師の横山やすし。八方がやすしの運転する車に乗せてもらった強烈な体験や子供が生まれたときのやすしの型破りなお祝いなどのエピソードが披露されました。そして、その後、吉本新喜劇の座長だった平参平、大御所の人気漫才師ダイマル・ラケット、ぼやき漫才で一世を風靡した人生幸朗・生恵幸子らの楽屋でのびっくりのエピソードが次々と披露されました。

「昔はベテランと若手が混ざる楽屋があったけど、今、楽屋は個室になっていて時代は変わっています」とちょっと残念なようすの八方。「でも、どこか元へ戻ると言うか、そういう傾向があると思います。ライブを中心にした演芸の時代がくると思っています。テレビも大事ですが、ライブはもっと大事。今後もこういう企画を続けていきたいです」と意気込みを語りました。ラストは八方、八光、方正、そしてかまいたちが並び、観客に手を振りながら楽しい雰囲気でのフィナーレとなりました。

昨年10月15日に開催された「月亭八方落語誘笑会パート1」で演じられた「AKO47~新説赤穂義士伝~」と「莨の火」の二席を収録した月亭八方初のCDが9月に発売され、この日の公演会場でも販売されました。会場で購入した人にはサイン色紙と握手の嬉しい特典が付いていました。
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Cd

CD「月亭八方落語誘笑会パート1」(よしもとアール・アンド・シー)
価格=2100円(税込み)
「AKO47~新説赤穂義士伝~」と「莨の火」の二席を収録
問い合わせ=YOSHIMOTO R and C.,LTD.:03-3209-8635

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