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2012年12月18日 (火)

月亭方正改名発表会見! 13年1月1日より本格的に落語家として活動開始

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 12月17日(月)、大阪・福島区にある八聖亭で月亭方正改名発表会見が行われました。山崎邦正が落語に目覚め、師匠の月亭八方から月亭方正と命名されたのが08年2月。本人が40歳の誕生日を迎えた直後のことでした。09年12月には上方落語協会加入、そして現在も積極的に月亭一門会や師匠・八方との親子会、月亭八光との「月亭二人会」、東西若手の会「やみ鍋の会」、月亭八方および月亭一門の稽古場の「八聖亭」、天満天神繁昌亭の朝席・夜席などに出演しています。

 そして、いよいよ13年1月1日から山崎邦正改め、落語家・月亭方正として本格的に活動を行うことが決まりました。「今年の7月に、拠点を東京から大阪に移してタレント活動を行っていましたが、師匠ともお話をさせていただき、勧めもありまして、これからはすべての活動を月亭方正として行っていきたいと思います」と宣言。師匠の月亭八方から高座名を命名されて4年半。本人も「いつ(月亭方正として)やろう」とタイミングを考えていたそうで、来年で45歳の節目ということもあり、改名を決意したとのこと。「これからは月亭方正として、テレビの仕事ももちろんですが、落語のほうも精進したいと思いますのでよろしくお願いします」とご挨拶しました。
 今回の改名発表を受けて、兄弟子である月亭八光は、「月亭として、本当にありがたいことやと思います。テレビで月亭という名前が出ることにより、これまで知らなかった人にも知っていただける機会になると思います」と喜びを語りました。師匠の月亭八方も、「4年と少し前ですかね。八光を通じて、『(邦正が)落語をさせてもらえないかと言っています』というのを聞きまして、私は『出たらええやんか。今は俳優さんでも落語する人多いで』なんて言って、私の会の前に出たらお客さんも喜ぶやろうしと、軽い気持ちでした。浪曲とか能、狂言ですと修行が必要ですが、落語は修行しなくてもやれそうやな……と思ったのかなと(一同笑)。でも本人はすごく真剣で、また『やりたい』と。『やったらいいじゃないですか』と、そういうのを2、3回繰り返しているうちに、『もし月亭を付けてもらえるなら』という話になりまして、それはふたつ返事で『どうぞ』と言いました(一同笑)」と命名までのやりとりを語りました。そして09年12月、邦正が月亭方正として上方落語協会に加入したのをきっかけに、「協会に入るとなったら、いよいよ腹を決めてやらんと大変やで。冷やかしですまんで」と邦正の熱意を確かめたといいます。そして現在、師匠の目から見ても「ますますやる気になってがんばっています。先日も、西宮市の落語会でお客さんに非常に喜んでもらえた。それを横で見ながら、『ああ、これで一生落語をやめられへんな。体で受けた喜びは、もうどうなってもやめられないだろう。気の毒になあ』と。皆さんよろしくお願いします」と語るほど。「これから月亭方正は、すべてに対して納得するまで修行のつもりでがんばってもらいたいと思います」と期待を込めて語りました。
 質疑応答では、まず「山崎邦正という名をこれから使うことはないのか?」という質問が飛びました。邦正は、きっぱり「ないです」と答え、「ただ、24年やっている『ガキの使いやあらへんで!!』という番組がありまして、初めにダウンタウンさんに『改名したいと思います』と相談したところ、快く『自分の人生やし、やったらいいんちゃうか』と言っていただけました。しかし今のところ、ダウンタウンさんと絡んでも『月亭』と言ってくれることはないです。なんとなく、ダウンタウンさんと僕との間柄では『山ちゃん』とか『山崎』で通すような気がします。僕としては一応、いつもちっちゃい声で『月亭です』とは言うてるんですけども(笑)」と語りました。ちなみに大晦日に放送の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! ダウンタウンの大晦日スペシャル!!『絶対に笑ってはいけない熱血教師24時!』」での、おなじみのコールは「山崎、アウトー!」になっているとのこと。
 また、「なぜ落語にそこまで魅了されたのか」という質問に対しては「来年1月25日に『僕が落語家になった理由(わけ)』という本が発売されるので、そこに全部書いています」とちゃっかり宣伝しつつ、「初めて落語に出会ったのが5年前。39歳でして、『芸人として、これからどうしよう』と悩んでいるとき、東野幸治さんに『落語、聞いてみたら?』と言われたんです。それまで落語に接したことがなかったんですが、勧められた桂枝雀師匠の『高津の富』を聞いてびっくりしまして。『ひとりでやって、こんなおもしろいの!?』と、バチコーンと“出会った”んですよね。そこからはもう落語漬けで、『どうしたら舞台で落語ができるんやろう』とばかり考えるようになり、八光くんに相談させてもらったんです」と、落語の魅力に取りつかれたいきさつを話しました。
 それを聞き、八方も「その気持ちは分かります。枝雀師匠の舞台を見たり聞いたりしたら、誰もが影響を受ける。私も受けましたからね。枝雀師匠の落語を聞いて何も感じない人は、この世界にはいないと思います。それで、この世界に飛び込んでこれるのが、まさしく落語のいいところ。これが能や狂言という、積み上げられてきたことがはっきりと形でわかるものやったら、きっと『こんなんがあるんや』で終わると思うんです。だから『やれる』と思ったんじゃないでしょうか。大きな間違いで(笑)」と語り、記者陣を沸かせていました。八光も「僕も子どもの頃に、仁鶴師匠のネタを聞いたときに『うわーっ!』と思ったから、邦正さんからその話を聞いたとき、子どもの頃の感情を思い出して『わかります、わかります!』と、非常にうれしかった。勝手に覚えて風呂場で練習して、そうしているうちに『誰かに聞いてほしい』という気持ちになるんですよね。邦正さんもそんな心境になってたから、すでに落語を好きというレベルではなく、落語がやりたくなってたんやと思います」と共感するところが多かった様子。さらに、「実は初め、『僕の弟子になってください』って言ったんです。そうしたら、テレビでもいろいろ遊べるなぁと思ったから。じゃあ邦正さんが『いや、そんなんちゃうねん。真剣に言うてるねん』と(笑)。邦正さんの真剣な話なんて聞いたことなかったから、それで(八方に)相談したんです」と語りました。
 「これまでの(邦正の)活動に、師匠、兄弟子として評価を下すなら?」という質問も。八方は「修行はしていませんから、彼がどう立ち振る舞っていくかはこれからだと思います。それはご本人が長年この世界でやってこられて、わからないわけじゃないと思います。ありがたいことに、我々落語の世界は長いんです。修業期間が長いというか、営業をしながら修行ができるという、そういう良さがあるので、これからだと思います。修業をして、最後はこの世界に君臨しないと。だから、辛い思いをあえてこれからしてもらいたいと思います。落語をしゃべるにあたっての奥行きを出すためには、踊りであれ歌であれ何であれ、すべてのものを学んでもらいたい。そのために、これまでとは行動が変わるようなこともあると思います」とエールを贈り、「落語はありがたいことに、年齢をいけばいくほどよりよくなるものと思う。時間をかけて、まずは世間に名前と顔を知ってもらわないといけない。知られることが彼にとっての良薬やと思います」と語りました。八光は、「この世界で長くやってはるから、やはりお客さんにおもしろさを伝えるというのがもとから身についてはります」と語り、「すごく精神力が強い。いきなり『“ふたなり”をやる』と言い出したり、(立川)志の輔師匠に稽古をつけてもらいに行ってみたり、普通の人ならどこかで『これは無理やな』と頭の中で考えることを、まずはやってしまうところは、誰にもマネできないことやと思います。これからどんどん楽しみになると思います」と期待を込めて話しました。
 「目指している噺家さんは?」と質問された際に邦正は、「理想像というのはとくにないんですが、今、いろんな高座に上がらせていただいているなか、見に来たお客さんがTwitterで『至福の時間でした』と書いてくれているのを読んで、『僕も落語会に行ったあと、そう思ったなぁ』と。そういう時間を、見に来てくれたお客さんに僕が与えることができたんだなと思うと、ものすごくうれしかった。そういう時間をたくさん与えられる噺家になりたいです」と目標を掲げました。
 03年3月には、兄弟子である月亭八天が「七代目月亭文都」を襲名するにあたり、弟弟子の山崎邦正が月亭方正として活動していくことで、よりいっそう月亭一門を盛り上げていく所存です。
 テレビで落語で精進する月亭方正を、これまで同様ぜひ応援してくださいね!
 

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■書籍概要
「ボクが落語家になった理由(わけ)」 著・月亭方正
発行:アスペクト 予価:1,300円+税 発売:2013年1月25日(金)刊行予定

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