【ライブレポート】ラグビー新喜劇
1月9日(水)、10日(木)、東京・ルミネtheよしもとにて、『ラグビー新喜劇』が開催されました。
2011年9月、2012年9月に大阪・なんばグランド花月にて行なわれた同公演。東京での公演は今回が初めてとなったのですが、劇場は立ち見のお客さんが出るほどの大入りです。
第一部では、ラグビーを題材とした新喜劇が披露されました。
対戦高校のNGK学院に大差をつけてぼろ負けしてしまい、自暴自棄になってしまったラグビー部員たち。全員が部活から離れ、キャプテンだった真栄田(スリムクラブ)は手がつけられないほどの不良になってしまいます。彼は、何やら花月組のふたり(木村祐一、なかやまきんに君)とも関わりがある様子。学校のお荷物となってしまったラグビー部を、教頭の大山(大山英雄)は廃部にしようと企みます。
「もう二度とラグビーはしない」と頑な部員たち(遠藤かおる/マキシマムパーパーサム・つよし/タックルながい)を必死でとめるのは、マネージャーの花子(山田花子)。校長(スリムクラブ・内間)も廃部はまだ早いのではと決断しかねているところに、新たに赴任して来た川畑先生。母校のラグビー部を強くしたいと熱望するのです(劇中では、キンタカオさんも謎の高校生として出演しました)。
一度は夢を諦めていた部員たちも、川畑の熱意によって再びラグビー部へ戻ってくることに。さらに、オーストラリアからの留学生・チャド(チャド・マレーン チャド・マレーン)も加入します。
ここで、川畑先生が呼んだ後輩として、サンドウィッチマンが登場。ふたりが助っ人として連れてきたのは、大野均選手(東芝ブレイブルーパス)、田邉淳選手(パナソニック ワイルドナイツ)、木曽一選手(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)、滝澤佳之選手(リコーブラックラムズ)、山賀敦之選手(セコムラガッツ)といった現役選手たち。みなさんが舞台に現れると、客席からは大きな拍手が起こりました。
「ラグビー教室」として、部員たちは現役選手から基礎を学んでいきます。スクラムに挑戦した花子ですが、ふざけすぎて購買部のおっさん(メッセンジャー・黒田)から容赦ないツッコミを受けてしまいます。もちろん、選手たちも苦笑気味。
いざ、ラグビー部と現役選手でスクラムを組んだのですが、まったく太刀打ちできず。「肩が当たっただけで、2〜3メートル飛んだ」と驚くつよしでした。
ライドアウトには山賀選手の指名により、木村が挑戦。舞台の照明に届きそうなほど高く上げられた木村は「あぁ〜!」と弱々しい声を上げながらも、見事にボールをキャッチしました。
滝澤選手の罵声から、先生役の未知やすえによる新喜劇らしい一連の展開が始まります。「大野選手は1試合で6キロ痩せる」「滝澤選手の前の髪型、なんやねん!」など、巻き舌でまくしたてる未知。最後の「怖かった♡」では、選手たちも戸惑いながらもコケを見せてくれました。
花月組に追われていた真栄田でしたが、川畑先生の熱意により、無事解放されることに。花園を目指してがんばろうという、美しいハッピーエンドで第一部は終了しました。
第二部は、ラグビージャーナリストの村上晃一さん、真栄田による司会のもと、上記5選手、ラグビーマガジン編集部の森本優子さん、さらにエディ・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチというスペシャルゲストを迎えて、白熱したラグビートークが繰り広げられました。
第一部の新喜劇では、芸人たちに腰の高い位置まで引っ張り上げられたパンツをいじられまくった山賀選手。ラグビーマガジンの選手名鑑として掲載されるオフィシャルの顔写真が毎回、非常に面白いそう。パンツに関してもこだわりがあるようで、特注でつくっていると熱弁する山賀選手に、木村から「もうブルマ履きはなれ!」とツッコミが入ります。
エディヘッドコーチの登場に、興奮状態の芸人たち。「ルミネに、エディ・ジョーンズさんですよ? ニートの部屋に天海祐希さんが入ってきたようなもの」とわかりにくい喩えをする真栄田に、またもや木村が「考えとけよ!」とツッコんでいました。エディヘッドコーチの通訳を務めるのは、チャド。「めっちゃがんばってる」など、関西弁を駆使したわかりやすくも軽快な通訳ぶりで、会場を沸かせます。
「ヨーロッパ遠征は、どんなところに手応えを感じましたか?」というタックルながいのマジメな質問に、答えたエディヘッドコーチ。「ヨーロッパのチーム相手に初めて日本代表は2勝した。確実に前へ進んでいる証拠です」と真剣に語ってくれたのち、ラグビー未経験者の内間が質問したのは「大野選手、お酒をすごく飲むって本当ですか?」というのんきなもの。「お前……日本のラグビーが確実に進んでるっていう話のあとに、何を訊いてるんだ」とたしなめる真栄田でしたが、優しい選手たちはきちんと答えてくれます。
この中でいちばんお酒が強いのはエディヘッドコーチらしく、大野選手がエピソードを披露してくれました。
ラグビーの女性記者ではいちばんの古株と紹介された森本さんからは、選手の暴露(?)話も。「田邉選手には、ラグビーをやっている14歳の息子さんがいる」「滝澤選手は、飼っている鳥にエサをあげたいからと早く帰ってしまう」「大野選手の実家は牧場で、新鮮な乳製品で大きくなった」など貴重なエピソードが語られ、芸人や客席のお客さんからは大きな感嘆の声があがっていました。
イベントの最後には、田邉選手が所属するパナソニック ワイルドナイツからお客さんへプレゼントも。中には、田邉選手が着用した日本代表のユニフォームをあり、お客さんは大喜び。抽選はなぜか山賀選手が行なっていたのですが、最後には山賀選手が本日着用しているユニフォームもプレゼントすることに。客席で着替え始める山賀選手に、芸人も観客も爆笑。エディヘッドコーチも「山賀さんがいい選手かどうかはわからないけど(笑)」と冗談を交えつつ、「今日は山賀さんのパフォーマンスを大いに楽しみました」と笑顔を浮かべていました。
1月19日(土)からはトップリーグのプレーオフトーナメント、20日(日)からは同リーグのワイルドカードトーナメントがスタート。5選手は「ぜひ会場に足を運んでください」とPR。また、エディヘッドコーチは「トップリーグもいい戦いをしている。日本代表は、ウェールズに2回勝ちます」と宣言。2019年には、日本でワールドカップが開催。ラグビー熱はいっそう高まりそうです。