かんぺいの とんがれ!! 先っちょマン
子どもたちに笑いと勇気を与えようと、間寛平が考案したニューヒーロー・先っちょマン。悪の巣窟・先っちょ星に生まれながら尖端恐怖症というズッコケヒーローを主人公に、黒田有(メッセンジャー)が脚本やテーマソング(作曲は間慎太郎と共同)を手がけた爆笑コメディ「かんぺいの とんがれ!! 先っちょマン」が、11月21日(木)〜23日(土)、なんばグランド花月にて上演されました。ここでは初日の様子をレポートします!
オープニングVTRは、慎太郎が歌う『かんぺいの とんがれ!! 先っちょマンのテーマ』に乗せて賑やかに。続いて舞台は先っちょ星へと変わり、黒田扮するタケノコ男爵がマントをひるがえしながら登場。先っちょ星はとがったモノばかりで人の心もとがっていること、そして丸い地球の破壊をもくろんでいることなどを語りますが、“タケノコ”すぎる風貌に早くも笑いが起こります。なんでも先っちょ星を支配する先っちょ女王から、地球を侵略するための怪人づくりを命じられているというタケノコ男爵。三浦マイルド扮する先っちょ博士を呼びつけ、研究の進み具合を確認すると、地球の子どもたちが大嫌いな野菜にちなんだ怪人が続々完成しているとのこと。さっそく彼らを呼び込みますが…。
ひとり目の怪人は、ピーマンをモチーフにしたピューピューマン(今別府直之)。しかし出てくるなり「ピーマンです!」と名前を間違い、出だしからつまづいてしまいます。その後、乳首をさわられ「ピュッ! ピュッ!」と言い始めるおなじみのギャグも披露しましたが、あまりに何度もやりすぎ、タケノコ男爵から「お客さんをナメるな!」とツッコまれていました。
ふたり目は、ニンシン。その名の通りニンジンがテーマのようですが、現れたのはぽっちゃり体型の酒井藍。もしや妊娠しているのか…!?と思わせて、実は単なる食べ過ぎというボケを繰り出し、タケノコ男爵を翻弄します。
3人目のブロックリーに扮したのは島田珠代! 出てくるなり奇声を発し、マシンガントークならぬマシンガンギャグで大暴れすると、客席は「待ってました!」の大喝采。タケノコ男爵に「チ〜ン」のギャグをお見舞いしたかと思えば、逆に壁に向かってぶつけられるなど、おなじみのボケの連続で、爆笑を巻き起こしました。
4人目のホウレンソウ(中川家・礼二)は、客席の通路を通って派手に登場しましたが、形態は普通のサラリーマンで、色が緑なだけ…!? 観客に愛想を振りまき、名刺を配っては挨拶するホウレンソウ。実はこの怪人、自称営業二課係長で、得意技は「報告・連絡・相談」すなわちホウレンソウだったのです…。
最後の怪人は、博士曰く「失敗作」。大根の怪人を作ったはずが、なぜか役者志望になってしまったとのこと。現れたのはシベリア文太。着流し姿で「ごめんなすって」…と思わせてからの「お手」でジャブを繰り出すと、今度はタケノコ男爵に話しかけますが、あまりの滑舌の悪さに「何を言ってるか全くわからない!」とキレられてしまいます。「廃棄処分にしろ!」という命令を受けて出てきたのは、清掃員のえのきだけ(諸見里大介)。究極の滑舌悪い対決となってしまったこの顔合わせは、互いに何を言っているか伝わらないカオス状態に…。
と、「何を騒いでいるんだい!」の声とともに、鳥居みゆきさん演じる先っちょ女王がステージへ! 堂々たる“意地悪女王”っぷりで、手始めに先っちょ博士を始末しますが、鎌の刃ではなく柄の部分で突きまくった上、何故かタケノコ男爵にまで切りつけるという暴走ぶりは、まさに“鳥居みゆきワールド”。ここで、先っちょ星の全勢力を注ぎ込んでつくった先っちょマンという怪人が、こっそり宇宙船を盗んで地球へ向かったとの情報が…。しかし燃料が少なかったため、途中で宇宙の藻くずとなったと語るタケノコ男爵。大喜びの先っちょ女王は、すぐさま地球侵略を進めるよう指示するのでした。
舞台は変わって地球のとある街。小学生のケンジ(清水けんじ)とあみこ(菊地亜美さん)が、脱走した飼い犬の剛(中川家・剛)を探しています。すると公園の草むらからうめき声が…! そこには不時着して傷ついた先っちょマンこと寛平の姿がありました。息も絶え絶えのはずが、「アヘアヘアヘ…」としっかりギャグで笑わせた後は、駆けつけた医師に体温計をお尻に刺され「かい〜の〜」も披露! 寛平イズム全開の演技で、客席を沸かせます。その後、あみこからお菓子をもらい、パワーを取り戻した先っちょマンは、駄菓子屋で働くことになるのですが…。
タケノコ男爵はさっそく地球にやって来て、変装して先っちょ星で作った野菜を売り歩いています。この野菜、とてもおいしいのですが、食べると悪に染まってしまうようで、ご近所同士の仲良し奥さんたちも、一瞬でいがみ合う関係に…。このシーンでは、『歌ネタ王決定戦』チャンピオンとしてもおなじみの松浦真也も、ショバ代を要求するチンピラ役で登場。「払わなければどうなるか聴かせてやる!」とギター片手に歌いますが、タケノコ男爵にはまったく通用せず。逆に野菜を食べさせられてしまい、性格が豹変する羽目に。そして最後に通りかかったのは、あみこの飼い犬・剛(中川家・剛)。まずは得意の犬の形態模写を繰り広げ、爆笑をさらいます。こちらも野菜を食べさせられましたが、悪に染まるのではなく、二本足で立ち、人間の言葉をしゃべるという変化が! 実は口が悪かった剛は、「オレは雑種と違う、中川犬や!」と豪語。自身の地元・守口にまつわる小ネタを次々と繰り出し、タケノコ男爵をイラつかせていました。
続いては、昼下がり、駄菓子屋のそばでダンスの練習に励むあみこと仲間たち(つぼみ)のシーン。アイドルの本領発揮ともいえるセクシーなダンスは、寛平が思わず「君らホンマに小学生か!?」と叫ぶほど! と、突然、気分が悪くなり倒れてしまうあみこ…どうもあみこは野菜嫌いで、体力が不足している様子です。介抱する寛平から「野菜は食べなアカンぞ」と諭されていると、街中から先っちょ星の野菜を食べゾンビ化した人々が集まり、駄菓子屋を取り囲んでしまったからさあ大変! タケノコ男爵に見つかってしまった寛平は、先っちょマンに変身してみんなを救うべく戦うことに。
「おっさんアホ〜」のギャグ攻撃で、ゾンビたちを一網打尽にした先っちょマン。続いて現れた怪人たちは、ホウレンソウの礼儀正し過ぎる攻撃など、個性を生かした動きやフレーズで勝負します。不利な状況となった先っちょマンを救ったのは、あみこの勇気。「私、野菜を食べて強くなる!」と叫びながら野菜をかじる姿が、先っちょマンにパワーを与えて形勢逆転! しかし、タケノコ男爵との直接対決では、男爵秘蔵の武器・タケノコ爆弾(う○こでは?の声も…)に再び苦戦を強いられてしまいます。さらに先っちょ女王が乱入して、「御堂筋!」という仰天ギャグを炸裂させると、怪人たちがなぜか生き返ってしまいました。先っちょマンのピンチを救えるのは、もう観客の声援しかない! 「みんな、パワーをくれ!」という先っちょマンの言葉を受け、客席からは「先っちょマン!」「頑張れ!」と声が上がります。すると、巨大風船が客席に舞い降り、みんなで力を合わせて舞台の怪人にぶつける作戦がスタート! 会場一体となった頑張りが実り、ついに先っちょ女王とその一味を退散させたのでした。
勇気の大切さを伝えるラストシーンから一転、最後は全員で『かんぺいのとんがれ!! 先っちょマンのテーマ』に乗せてダンス、ダンス! 舞台の熱さに呼応するように、客席にも大きな手拍子が広がりました。
エンディングトークの後、再び幕が上がると、こんどは寛平が「一緒に踊ろう! 上がっておいで!」と客席の子どもたちへ呼びかけを。見守る親御さんたちのカメラ撮影もここではOK。懸命に踊る子どもたち、そしてそれを見守る大人たちも、みんなが笑顔になれるフィナーレは、先っちょマンからの大きなプレゼントとなりました。
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