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2013年12月23日 (月)

『AMIMECT企画「BOX」』

12月19日、道頓堀ZAZAにて『AMIMECT企画「BOX」』が行われました。AMIMECT(アミメクト)とは、ACTとMIMEをあわせた造語で、女優の平本茜子とマイムの岡村渉さんが主催の舞台です。台詞劇と無言劇を組み合わせ、「しゃべる・しゃべらない」の枠を超えた新感覚の舞台創作がコンセプト、今回が初公演となりました。

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父(田中照人)と母(田所草子)、そして妹の沙希(HIROKA)の何気ない朝の風景から物語は始まります。一見、穏やかな家庭に見えるのですが、そこには家族の一人が不在でした。それが沙希の姉の亜希(平本)。亜希はストレスが原因で声を失う病気、失語症を患い、会社もやめ、部屋にこもりっぱなし。家族とも顔を会わせません。そんな亜希が心配でならない母は彼女のために東奔西走、この日も情報交換のための会合に出かけます。一方父は口数少なく、仕事のことだけを考えている様子、妹の沙希も合コン三昧で恋愛やおしゃれに夢中のようで…。その日の午後、サンタクロースの格好をした男(岡村)が亜希たちの家に侵入します。サンタの正体はパントマイムをする大道芸人。妻(和田ちさと)に病を得た子どもの治療費のため、お金がないことをなじられての犯行でしたが、あっさり亜希に見つかってしまい…。

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タイトルの「BOX」とはいわば、それぞれが心の奥底にしまいこんでいる“本音”の隠し箱のこと。亜希とサンタが出くわしたことで、亜希のしゃべらない本当の理由や、家族の心のうち、サンタの苦悩などがどんどん暴かれていきます。一度開けてしまったら最後、あふれ出す本音を誰も止めることはできません。そして物語は思いもよらぬ方向へと急転回。最悪の結末を迎えつつも、いつしかそっと「BOX」の蓋は閉じられ、何事もなかったかのようにそれぞれの日常が始まるのでした。

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この舞台は、台詞劇と無言劇を組み合わせたものだけあって、家族のシーンは会話でテンポよく、そしてサンタやサンタの家族を描いたシーンではマイムを多用し、言葉を用いずとも気持ちを伝えます。声が必要な時と、言葉にしなくても伝わる時、そんな瞬間が人と人との間には絶え間なく訪れていることを実感する舞台でもありました。

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また、物語の水先案内人役でもある医者(Wキャスト:萬谷真之/YAMATO・佐藤太一郎)の存在がアクセントとなっており、その登場には肩の力がすっと抜けてゆく効果が。そして主に猫の扮装をしたダンスアクト(金澤宏美、小野村優、上野みどり)もスパイスに。ダンスで華を添えたり、家具やシンクなどの美術を担ったりと、変幻自在のステージアクトで魅せました。

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AMIMECTはこの冬、動き出したばかり。次回はどんな物語で楽しませくれるのか、第2弾もどうぞご期待ください!

【佐藤太一郎】【平本茜子】