ふるさとアスリート課外授業in新宿(牛込仲之小学校)
1月26日(月)、東京・新宿区立花園小学校と新宿区立牛込仲之小学校にて、『ふるさとアスリート課外授業in新宿』が行われました。
昨年8月に立ち上げた「ふるさとアスリート」プロジェクトの一環で、小学生たちのスポーツに対する意識を高め、運動する楽しさを教えることを目的として、新宿区教育委員会と共に開催した今回の試み。
いずれの小学校とも5、6時間目を使い、アスリートによるトークと、しっぽ取りゲームが行われましたが、ここでは、新宿区立牛込仲之小学校の様子をレポートします。
参加アスリートは、東北楽天ゴールデンイーグルスの齋藤隆、ボストン・レッドソックスの田澤純一、元プロサッカー選手の永島昭浩、プロシンクロナイズドスイミング選手で双子の木村真野・紗野
、レーシングドライバーの脇阪寿一、元総合格闘家・大沢ケンジの8名。
5時間目のチャイムが鳴り、全校生徒が集結した牛込仲之小学校の体育館に、まず姿を見せたのはMCを務める品川庄司・品川祐です。
品川が「こんにちは」と挨拶すると「こんにちはー!」という元気な声が返ってきて、続いて品川の紹介を受け、アスリートたちが拍手を浴びながら登場。
レーシングスーツ姿で目をひいていたレーシングドライバーの脇阪は、自身の競技について「車で急ぎ目に走っています」と挨拶し、さっそく笑いを誘います。
全員の挨拶が終えると、斎藤と田澤が体育館いっぱいを使い、名刺代わりにとキャッチボールを披露。
現役のプロ野球投手2人によるキャッチボールを目の当たりにし、その迫力に驚く一同でした。
その後は、「どんな子供だった?」というテーマでのトークへ。
メジャーリーグの経験も豊富な斎藤は、「勉強は得意じゃありませんでした」として、教壇の隣に机を並べられたこともあったと明かすと、同じ経験を持つ児童からの反応があり、大いに盛り上がります。
日本代表経験もある元プロサッカー選手の永島の場合、子供の頃、プロ野球選手に憧れていたそうですが、小4の時に先生からサッカーを褒められ、「褒められと弱いよね(笑)」とそのひとことが人生を左右したとか。
続いて「悔しかったことは?」の質問に、
「海外の大会へ出ると、私たちが一生懸命やっていることを海外の選手は当たり前のようにみんなできるので、もっとがんばらないとな」と痛感したと語る木村紗野。
さらに木村姉妹は、シンクロナイズドスイミングのために、クラシックバレエ、バイオリン、新体操、器械体操、英会話など12もの習い事をしていたと明かし、感嘆の声が漏れ聞こえます。
大沢が身を投じている総合格闘技の世界は、トップレベルの選手にならないとお金がもらえないとし、同世代の集まりで貧しい思いをしたとか。
さらに親戚の集まりで「お前、いい歳して何やってんだ」と言われる際に、悔しさを募らせるそうです。
表彰台に登れない4位の悔しさについて脇阪が語ると、品川は『M-1グランプリ2005』での4位、『爆笑オンエアバトル』チャンピオン大会2位という品川庄司での惜敗に触れ、「どっちも庄司、(ネタ中に)噛んでるんです。あいつのせいだと思ってます(笑)」と言いながらも、直後に「絶対、人のせいにしたらダメだぞ!(笑)」と熱弁し、大人からも笑いを誘っていました。
逆に「うれしかったこと?」については、斎藤、田澤、脇阪は優勝したり、優勝してお祝いされた時だそうですが、木村姉妹は2人揃って日本代表入りしたこと、大沢は骨折から1年半後に復帰出来たことを挙げます。
残る永島は、1991年、当時所属していた松下電器で天皇杯優勝した時を挙げながらも、決勝でPK戦でシュートを外したため「情けない気持ちと、うれしい気持ちと、ありがとうという気持ちと」が入り混じった一戦を回想。
最後に質問コーナーを設けると、「試合前の心得は?」との質問が。
それぞれ、集中の仕方を述べますが、木村姉妹は「ライバルの演技を見ないようにする。見たらテンションが下がるので」と答えると、「
似てるかも」とまたも漫才に重ねる品川。
品川によれば、他の芸人が爆笑を取っているとテンションが下がるものの、ネタかぶりのおそれもあるため見ているそうです。
また、大沢は「興奮しすぎないように、普通の気持ちで殴る」と答えますが、聞き用によっては危険な発言なので、「ケンカの話じゃないよ!(笑)」と必死に弁明するのでした。
6時間目は、"しっぽ取りゲーム"を実施。
高学年の生徒がA~Eチームに分かれ、しっぽに見立てたタグラグビー用のタグをつけ、アスリートは鬼ごっこの鬼の要領でタグを狙い、タグが奪われた本数の少ないチームが優勝というルールです。
Aチームには斎藤、Bチームには田澤、Cチームには永島&真野、Dチームには大沢&紗野、Eチームには脇阪がそれぞれ参加。
永島指導による準備運動でウォーミングアップした後、しっぽ取りゲームがスタートすると、斎藤、永島が制限時間の2分を待たずにバテバテとなり、寄る年波を感じさせます。
白熱の攻防が繰り広げられるなか、43歳の脇阪は、児童を追い詰めると、容赦なく両手でタグを2本とも奪うという大人げないプレイを連発するなど大ハッスル。
2回戦目では、小学校の教師も助っ人に加わるなど、大いに盛り上がったしっぽ取りゲームは、Aチームの優勝という結果で幕を閉じました。
最後に今日の授業を振り返ったアスリートたちは、 「今日のことを大人になっても覚えていてくれているとうれしいです」(大沢)、「みなさんを教えながら、自分でもいろいろ思うことがありました。すごい勉強になりました」(斎藤)、「先生のキツさを学びました(笑)。あらかじめメニューがわかれば準備しますので、またこういう機会があればよろしくお願いします」(田澤)、「しっかりしたルールの中、チームで勝ちたいという気持ちで一生懸命がんばっている姿がうれしかったです」(永島)、「勉強も大事ですが、クラスメイト、先生、お母さん、お父さんの言うことをよく聞いて、素直で思いやりのある人になってください」(紗野)、「辛いこととか悔しいことが、ちょっと経ったらうれしいことに変わるはずなので、たくさん笑って、たくさん泣いて、強い人間になってください」(真野)、「しっぽ取りゲームで、身を持って一生懸命になることを見せることができました」(脇阪)......とそれぞれ児童へ真摯なメッセージを送りました。
すると、ひとりの女子が生徒代表として前に出て、「悔しさをこらえて、それをバネにしてがんばっていくということを学びました。とてもわかりやすく楽しかったです。今日はホントにありがとうございました」
と感謝の言葉で締めくくりました。
ふるさとアスリート:http://fa.yoshimoto.co.jp/
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