あのしつこいじじいは誰?新喜劇
2月23日(月)、なんばグランド花月にて、「あのしつこいじじいは誰?新喜劇」が開催されました。吉本新喜劇でおなじみの人気キャラ、中川貴志演じる"しつこすぎるじじい"をフィーチャーした単独イベント。これまで「何て呼んだらいいの?」とファンを悩ませてきたじじいの名前を一般から大募集、この日の舞台で発表されるとあって、会場は立ち見も出る超満員です。
2012年5月のキャラ誕生からこれまでの活躍ぶりを振り返るVTRの後、「徹底討論!あのしつこいじじいの名前命名サミット」と題したコーナーからスタート。すっちー、酒井藍、松浦真也、今別府直之、平田健太、吉本新喜劇制作・中村進、さらに司会の清水けんじがひとりずつ客席通路を通って登場すると、場内のテンションは早くもMAXです。トリを飾って現れたのは、もちろんこの日の主役・中川。場内を握手しながら練り歩き、しびれを切らした清水に無理やり舞台へ上げられるという、じじい同様のしつこさで笑わせました。
まずは募集していた名前の中から、ベスト15作品を発表。お笑い芸人ながら占い師としても引っ張りだこのアポロン山崎が加わり、姓名判断面のアドバイスを受けながら進めていきます。多彩な名前が並ぶなか、アポロンは「『じぃじぃじぃ』は悪くないですね。『たかこ』はダメ、すぐ死にます。『中川フリスク』は引きこもりの画数」と次々シビアな評価を...。
また、メンバーたちもそれぞれ「これぞ!」という名前を提案。酒井はWEST SIDE時代から中川のファンということで、かつてのソロ曲にちなんだ「SWAYじいさん」と命名。芸能通を自認する今別府は、芸能人の名前の傾向から割り出したお爺さんらしい名前という触れ込みで「中川貴治」。ほかにもいくつか案を持参しましたがすべてスベり、清水にいじられていました。中村は、舞台袖でよく耳にする中川の発言から、「中川すね造」をプッシュします。
VTRでは、街頭インタビューで挙がった名前案も紹介。一般の方に加え、末成由美が「湯爺婆」、陣内智則が「TJ」、チュートリアル・徳井が「ミス戎橋」と命名し、それぞれの由来に爆笑が起こっていました。
再びメンバーからの提案に戻り、松浦はギターをかき鳴らしながら「中川貴志弘」と発表するも不発。平野は「大川大五郎」。中川が2007年に出演したドラマの役名からとったとのことで、意外な"中川通"ぶりを発揮しました。新喜劇のベテラン芸人の名前を組み合わせた「桑やなぎ竜の介」はすっちーの案。「未来の新喜劇を背負ってほしい」との思いを込めましたが、周囲からは不評のようで...。
さあ、いよいよ名前が決まる瞬間です! ところが中川は発表せず!? メンバーの大ブーイングが起りますが、「この後の新喜劇で発表しましょう!」と告げると客席からは賛同の拍手が。果たしてどんな名前に決まるのか、謎を深めたまま後半に突入することに。
再び幕が開くと、そこは清水が営むレストラン「キッチンしみず」の店内。店員の信濃岳夫、諸見里大介、さらに向かいの不動産屋・烏川耕一がさっそくギャグてんこ盛りのドタバタ劇を繰り広げます。と、袖から助けを求める新名徹郎が。平田とともに変なヤツにからまれたとのことで、続いてボコボコにされた平田とジャージ姿の中川が登場! 慰謝料を要求してくる中川の、その濃すぎるキャラに場内は大爆笑。じじい譲り(?)のしつこさで、お金を受け取ってからもなかなか帰らず、清水が思わずビンタを食らわせるひと幕もありました。
一方、烏川によると、界隈では怪しい業者(佐藤太一郎)が暗躍し、再開発の話が持ち上がっているとか。不安が高まるなか、出前に出た店員たちが、道で殴られ倒れているおじいさん(中川)を連れて帰ってきます。満を持しての主役の登場に、客席からは大歓声! 現れるなり全く聞き取れないしゃべりや薬と思わせてのフリスクなど、ボケを繰り出しまくる中川。
どうやらおじいさんは記憶を失っているらしく、自分の名前も思い出せません。仕方なく、清水はおじいさんをアルバイトとして雇い、自宅に住まわすことに。この後も、清水が思いを寄せる前田真希に暴言を吐いたかと思えば、チンピラ二人組(吉田裕、松浦真也)を見事に撃退したりと、大暴れしてお客さんを喜ばせました。
しかし、いつまでも記憶の戻らない中川にしびれを切らした店員たちは、診療内科医のすち子を連れてきます。なんと催眠術で記憶を呼び戻すというのですが、当の中川はかかりにくい体質のようで、結果は出ず。一方、佐藤は吉田、松浦を使っての脅しがきかず、今度は俳優の島田一の介らを使って中川らを騙そうと目論みます。ここでは、中川のニセ孫娘役で可憐な姿を披露した今別府に思わず悲鳴が! 当然、嘘はバレて前面対決となり、中川のしつこすぎるノリやすち子と吉田による「ドリルすんのかい、せんのかい」など、見どころ笑いどころ満載のクライマックスで沸かせました。
無事に業者を追い返したところで、殴られたショックで中川の記憶が戻っていることが発覚。息子のもとへ帰ることになり、清水が「最後に名前を教えて」と頼みますが、何としても言わない中川...まさか、このまま名前が決まらないまま幕となるのか!? そんな不安がたれこめ始めた瞬間、警官役の安井まさじが「なかじぃさん、行きますよ!」。これを聞いた中川は、「わしの名前、なかじぃやて!」と驚きの表情。「みなさん! なかじぃということで...」と改めて客席に告げると、この日いちばんの大きな拍手が起こりました。
エンディングでは、「こんなに(お客さんが)入ると思ってなかった」と喜んだ中川。共演者やスタッフ、お客さんに改めて感謝しつつ、「いま新喜劇はすごく盛り上がっている。ほかのイベントもぜひ見に来て」とPRも。アポロンによると「なかじぃ」は非常にいい画数で、今後ますますの活躍は間違いないそう。皆さん、今後とも中川貴志こと「なかじぃ」を応援してくださいね!
【中川貴志】【すっちー】【清水けんじ】【島田一の介】