板尾「10年はあっという間のような、長かったような不思議な感覚」と回想! 最終巻『板尾日記10』刊行記念サイン会
2月27日(金)、パルコブックセンター渋谷店にて、『「板尾日記」刊行記念サイン会』が開催され、板尾創路が囲み取材に応じました。
2006年以来、毎年発刊されていた『板尾日記』(リトルモア刊)は、板尾が毎日欠かさない習慣として、手書きで大学ノートに書き続けてきた日記を書籍化したもの。本日発売された今作でついに10冊目、つまりは日記をつけて10年が経ったことを区切りに、最終巻として発刊されました。
書き続けてきた10年を振り返って「あっという間のような、長かったような不思議な感覚」と振り返った板尾。リトルモアの編集者から「"うちの若い子が、一緒に本をつくりたいと言っているので、つくりませんか?"と声をかけられて。その時、書きたいものが特になかったので、ことわるために"日記とか毎日書いて、貯まったら本にしたらどうですかね"って思いつきで言ったら、3ヵ月書いてみてくださいと言われたんです。で、わからないなりに書いてみたら"面白いから続けて"と言われて書き始めたんです」と、刊行に至った経緯を説明します。ただ、10年も書き続けるとは思ってなかったそうで、「(2年目からは)全然ちゃうもん考えましょうかと言われると思っていた」と語りました。
毎日、大体寝る前に手書きで大学ノートに、その日に起こったことを綴っていたそうですが、「貯めるとしんどくなるんで、その日に書くほうが楽でした。寝る前の習慣という意味では、歯磨きと一緒ですよ」と苦ではなかった様子。書く内容については「ブログだと、書いた今読んでくれてる人を楽しませないといけないでしょうけど、日記はその日あったことを書き続けていくだけ。肩の力は抜けていたと思います」と回想。「10年書いてきたことを、10冊の本にしてもらった。おかげさまでいろんな人に読んでもらえました。普段、自分のことをあまり話さないので不思議な人に思われることがあるんです。(興味を持っていただいた方に)読んでいただくことで、間接的に(自分のことを)わかってもらえる......。変なコミュニケーションですけどね」と笑わせました。
『板尾日記10』に書いた中で印象的なエピソードを訊ねられると、「ちょっと待ってくださいね......」と言いながら本をめくり、「昨年の1月頃、仮面ライダーの仕事をいただいて、嬉しいのと意外なのでそのことについていろいろ書いてますね」とポツリ。「この中にも書きましたけど、10歳の頃に大好きだった仮面ライダーに50歳でなれました」と微笑みます。
今年に入ってから日記を書いていないそうですが、「1ヵ月くらいは気持ち悪かった」そう。「(書かないのは)変な......禁煙している感覚に似てるっちゃあ似てるんですけど、ああいう禁断症状は経験ないですね。10年間書き続けてやめた人にしかわからない感覚やと思うんですけど、(1日の潜りだった日記を書かなくなったことで)1日が終わった感じがしないんです。あれは変な感覚ですね」とコメント。染み付いた習慣がなくなったことに、違和感があるようです。
10年で最終巻にしようと思った明確な理由はないと言いつつ、「日記をつけてた大学ノートは持ち歩いてたので、よく紛失しなかったなと。もし落としたらどうなったんかなと思ったら怖くなったのは、やめようと思った理由というか、この辺で一度区切りをつけよう思った理由かもしれないですね。ノートをなくして、ちょっと抜けた日記を本にするのは気持ち悪い。そういう意味で、よく無事に10冊出せたなと思います」と発言。帯に「板尾日記29まで休刊します」とあることをツッコまれると、「29っていうのは、なんとなくですよ」とニッコリ。「ここで一旦おやすみしますけど、書きたくなったらまた書いて、本を出してもええというところがあれば出すかもしれません」と、続編刊行の可能性も含ませました。
●書籍情報
板尾日記10
著書:板尾創路
価格:1500円(税抜)
リトルモア刊
2月27日(金)発売!
【板尾創路】