最新ニュースインタビューライブレポート

« ケンドーコバヤシがFM OSAKA特命局長に就任!45周年の開局記念日に1日特別番組をオンエア | メイン | 堺少女歌劇団初の本公演『想い出の一瞬!』が上演! »

2015年3月17日 (火)

企画・監修アニメ『メドゥ~さん』が好評配信中! 倉本美津留さんインタビュー

『ダウンタウンDX』でのトスポの声、先頃DVD化された『松本人志のコント MHK』など人気番組を多数手がける放送作家・倉本美津留さんが企画・監修を務めるアニメ『メドゥ~さん』が、ソフトバンク社の運営するスマートフォンアプリ「スマトピ」内で好評配信中です。

神話上の生物たちが暮らす神話(かんばなし)家の日常を描いた『メドゥ~さん』。
メドゥーサがモチーフの主人公・メドゥ~さんを始め、メドゥ~さんの夫・ハンタウロス(ケンタウロス)、弟のカツオ(人魚)、妹のブスフィンクス(スフィンクス)、母のフネックス(フェニックス)、父のキリンじい(麒麟)といった一家がゆるい日常をおくるがゆえに、奇特なキャラクターが際立ち、シュールな笑いを巻き起こします。

去る3月6日(金)に倉本さんを囲んだ合同取材会が、都内で行われました。まず、『メドゥ~さん』が生まれるまでの経緯について語る倉本さん。

20150317222421-fe477da37ee8f98ff68495a65db3a0b80bb075f3.jpg



これまで数えきれないほど笑いの仕事を携わってきた倉本さんですが、「コンテンツとして多様な形で発信できる時代」に突入したとして、これまで一緒に仕事をしてきたFlashアニメの得意な元芸人のクリエーターを起用し、「一度、あまり規制のない状況のなかでおもいっきり強い形で出したい」と常々思索していたとのことです。
そこで、「とにかく中身の濃い、面白い、これまでないものを発信したいなと、インディーズでやっちゃえ」とし、昨年末からアニメ『メドゥ~さん』を作り始め、今年元旦からYouTubeにて毎日配信をスタート。

『メドゥ~さん』の紹介入りの年賀状を作って送った倉本さんのもとに、かつてはテレビマンで、現在はソフトバンクモバイル「スマトピ」に携わる人物から連絡があり、トントン拍子でシーズン1のリニューアル版が2月23日より「スマトピ」で配信されるに至ったそうです。
その際、ソフトバンク側から「今どんどん上がっているのが面白いと思うんで、こちらからああしろこうしろというのはなくて、どんどんとスマトピで、フリーダムの状態でやるのはどうですか?」と提案された倉本さんは、「こんなに大きなメディアでそういうような精神でやらせていただけるなら」と快諾。


20150317222509-5013211d8e8487665a326099d566ebb2580cb225.jpg



アニメを制作しているのは、チャットモンチー『隣の女』のPVなども手がけ、注目を集めるFlashアニメクリエーターの井筒大輔さん。
かつてお笑いコンビ"イクイプメン"として活動していた井筒さんは、2006年開催の「第3回ショートショートムービーフェスティバル」で倉本さんが審査員を務めると知り、作品を応募。
それを見た倉本さんは「実写が多かったんですけど、アニメが一個あがってて、それがすごく面白かったんですね」と評価し、倉本美津留賞を授与したことをきっかけに交流が始まり、NHK Eテレの『テレビで基礎英語』など、倉本さんの仕事に携わることとなったそうです。
ちなみにイクイプメンとして井筒さんとともに上京してきた相方は、その後、立川談笑門下に入り、現在2つ目の落語家・立川吉笑として活動中で、再び倉本さんともライブを行うなどしています。

『メドゥ~さん』の製作過程は、まず倉本さんが設定やキャラクターを作り、「こんなおかしな奴らが、例えば新聞の四コマで連載されていったらどうなっていくか」といった発想を広げ、キーワードを出し、字コンテでチェックしながらも「井筒の世界観を大事にしながら」進行。
耳に残るテーマ曲は、ミュージシャンの顔も持つ倉本さんが担当し、声の出演も、本人はじめ、小島あやめさんら倉本さんゆかりの人たちだとか。また、「シークレットなんですけど、有名な人の声も出てきます」「あるジャンルで今一番と呼ばれてる人」も参加しているそうで、期待が高まります。

「国境を超えたい」「海外で面白いとかなんじゃこれってなることを発信するためにどうしたらいいのかなという思いで仕事をしてきた」とする倉本さんの強い思いから、『メドゥ~さん』には英語字幕がついているのも特徴。
その英訳をしているのは、海外留学中の愛娘で、「娘をバイリンガルに育てて、ある程度、成熟してきたら日本語を英語に換えるブレーンとして使いたい」といった長年の想いが実り、「身内総動員でやってます(笑)」と裏事情を打ち明けます。

3月7日(土)より、スマトピ内で新作も配信されている『メドゥ~さん』ですが、今後の展望を訊かれると、「『メドゥ~さん・ザ・ムービー』みたいなことになってほしいですよね」と映画化をも視野に入れている様子の倉本さん。
他にも、「ブスフィンクスがエジプト空港のPRキャラクターに」といった風に各方面からキャラをいじって欲しいそうで、「全員ボケでブスフィンクスだけツッコミなんですけども、それ自体もおかしな話なので、多分視聴してくれてる人がツッコミたくなるみたいな、理想的な形になると思うんです」と分析します。


20150317222540-a4c35c844aad7679cc5ba2d9c8cab074ab364893.jpg



最後に、テレビとスマホにおける笑いの違いについて訊かれた倉本さんは、「テレビで今は規制されているような、少し前の時代はええやろってやってた、いききったことが、スマホやウェブなんかのメディアでは逆に出来るようになってきていると感じます。そんな感じですよね」と持論を述べました。

つまり、規制が厳しくなりテレビで出来なくなったことも、スマホなら出来ることもある――そんな状況ながら、一歩進んで、スマホからテレビへと"逆流"も狙っているとか。
「テレビは、実験的なことにはなかなか手が出しにくいような状況になってると思うんです。だから例えば実験はまずスマホとかウェブでやって、そこで新しいものを生んで、これだったら地上波でもいいかもねっていう流れになったらいいですね」

また、画面のサイズや一人での視聴も考慮し、「『メドゥ~さん』は、人種も超えて、年齢も超えて見て欲しいですけど、この人たちだけに見て欲しいというような限定的なことがスマホならもっと出来ると思うんですよ。有料テレビにはそういう側面がありますけど、そのさらに特化したことが」「こっそり見れるのも重要なことで、密かな楽しみに向けてどういう笑いがあるのか、どういう企画があるのかとか開拓の余地があると思います」とスマホ向けのコンテンツの可能性を感じさせる言葉で締めくくられました。


20150317222601-f421b3844b5fd2e1cf322d0fbbf050cf2256349a.jpg



『メドゥ~さん』は、ソフトバンクユーザー向けアプリ「スマトピ」内にて配信中。
アプリは、App Store、Google Playよりダウンロードしてください。

YouTube版(https://www.youtube.com/channel/UCBtz3HjbWlzR86xRGEQv5Fg)とスマトピ版との違いを見つけるのも一興です!