『フェスにでたい』
3月7日(土)ヨシモト∞ホールにて、黒沢かずこ(森三中)&椿鬼奴のイベント『フェスにでたい』が開催されました。「音楽フェスに出たい」と切望する歌好きの2人が、本気度をアピールするために企画したイベントの第2弾。今回も、歌ありトークありで盛り上がりました。
まずは、鬼奴が、おなじみボン・ジョヴィ「You Give Love A Bad Name」を熱唱しながら登場。マイクを客席に向け「2階―っ!」と会場をあおって盛り上げ、ラストは「センキュー!シブヤー!」の声ともに次へとバトンタッチ。続いて、黒沢は、MISIA「Everything」を、会場の期待を裏切り普通に正しい歌詞で歌いながら登場。と、思わせておいて、目立つお客さんを見つけて「キャラ濃い!今日、入り早かった~」とコメントを歌詞にして歌いながらイジり笑わせます。そしてサビには待ってましたの「ベシャメハ~~~ペシャメハ~~~」のデタラメ歌詞がさく裂。大爆笑とともに幕を開けます。
改めてステージに登場した2人。まずは、黒沢が、先ほど歌詞にした「キャラの濃い」お客さんと、かなり早い時間に会場付近で遭遇していたことを話題に。鬼奴は、藤井隆らとの洋楽イベントに毎回来てくれているお客さん"ミス克也さん"(小林克也さん並に洋楽に詳しいことから命名)を客席に見つけ挨拶を。2人の芸を愛するお客さんに囲まれたアットホームな空気でトークはスタート。
最初の話題は、鬼奴が、この日に向け「体感を鍛えよう」と購入したバランスボールについて。「左側の背中にずっと鈍痛が...」という鬼奴は、母親、弟に何かあった時は自分が支えるべく、さらに従妹の子供たちにお年玉をあげるべく、体調を整えて働かなければいけないと、甲斐性をみせます。続いて、黒沢は、このライブ前に収録した番組「Rの法則」(NHK総合)についての話を。この日のテーマは「人見知り」で、人見知りには、間を埋めたくてベラベラしゃべる人見知り、もじもじする人見知り、どんよりと話しかけないでオーラの人見知りの3種類があると説明を受けたという黒沢。しかし、3つ全てに該当してしまいタイプを選べずにいたところ、「どれかひとつにしてください」とカンペが出たそう。その後も収録での話を続けるものの、途中でこの話が面白いかどうか不安になった黒沢は、お客さんに「女の話はオチがないから」と弁解。前回のイベントで、「女の話はオチがないし、いろんなところに飛ぶ」という話題になったことを話し、今回からお客さんに非売品のプレゼントを用意したことを発表します。「これで、オチがないことに対して、あまり言わないでください」(黒沢)、「受け取った以上クレームを言うなということですよね」(鬼奴)と笑わせました。2人の似顔絵入り超レアなプレゼントは、来場者だけのお楽しみ。
続いては、黒沢が、最近、怒りが抑えきれないという話を。一方、あまり怒らないという鬼奴は、腹が立つ人は、20数年前に別居した父親か、恋人か、タクシーの運転手のみ。しかし、お酒が入ると、人をやじったり、口調が荒々しくなってしまうと、失敗談を披露します。交際中のグランジ・佐藤大も酒癖がよくないそうで、工事現場で作業している人の前に座り込んで朝まで飲んだ挙句、「俺の方がうめえ!」と自分が作業をし始めたということもあるとか。そんな佐藤に対し、「私は、あやしいと思ってる」と疑心の目を向ける黒沢。鬼奴も「ろくでなしではあると思いますよ。クズ芸人かろくでなし、どっちが合うかなってくらい」と認めつつも、彼を温かく見守っている様子でした。ここで再び、黒沢の怒りの話に。世間が"性に関してオープンではないこと"に怒っているという黒沢。「みんなが秘密にするから、そういうのを経て来てない私のホルモンバランスが崩れるんですよ」と、女性ながらヒゲが濃くなってしまったことを告白。なんと、首までヒゲが生え、それも産毛レベルではなく、実際に見た鬼奴も「えっ?何か(育毛剤でも)やった?」と驚くほどだったそう。脱毛の痛みに耐える度、「私が何悪いことした?」と切なくなるという黒沢は、某タレントさんのいちいち髪をかき上げる仕草にイライラが抑えられないと怒りが爆発。一方、鬼奴が腹が立ったという出来事は、仕事を終え家に帰ると、かつての恋人が、家で電気をつけ、テレビをつけながらYouTubeを見て、さらに携帯も見ていたこと。「電力4倍使い。"すごいご身分で"と思って、私は暗い部屋で着替えました」と、鬼奴らしい対応で笑わせました。
ここでゲストのクマムシが登場。ピンクのスカート&メイドカチューシャ姿で、大ヒット中の曲「あったかいんだからぁ」を披露します。クマムシの2人も、鬼奴&黒沢同様「フェスにでたい」気持ちをアピールし、4人でトークを。まずは、歌っている方の長谷川が、新宿二丁目でモテモテという話題。二丁目での営業の際、ステージに出た瞬間に会場から「脱げー脱げー!」とコールが起こり、ノリのいい佐藤が脱いだところ、「お前じゃねーよ!」と大ブーイングが。その後、楽屋で落ち込んでいる佐藤を救ってくれたのは、オネエの「大丈夫よ。二丁目には捨てるゴミはないから」との名言だったそう。続いて、フェス出場の実現に向け、音楽作りに関するトークを。鬼奴が「詞先? 曲先?(歌詞が先か、曲が先か)」とアーティストっぽく質問したところ、「同時進行が多いです」と長谷川。朝起きた時に頭に残っているフレーズをボイスレコーダーに録音し、それを繰り返し曲を作っているという制作裏話を。また「特別なスープ」の部分は、突然降りてきたという誕生秘話には、鬼奴が「天才肌!吉田美和ちゃんと同じ」と驚きの声を。
クマムシの話に刺激を受けた鬼奴と黒沢は、歌ネタ作りに挑戦。長谷川が、英単語を覚える時に、自作のメロディにのせて歌っていたという話から、その方法で気になるフレーズ「ノープロブレム」を使ったギャグを作ることに。試行錯誤の末、「黒沢大丈夫か?」と心配された時に勢いよく答えるギャグ「ノープロ、ノープロ、ノープロブレム!」が完成。客席の反応に手応えを感じた鬼奴は、「2人が一緒に出演した時に、ぶちこんでみよう」とかなり乗り気でしたが、実際に口火をきらなければならない黒沢は不安な様子。そこで鬼奴は、「「私たちノープロブレム」っていう曲を作ろう」と提案し、フェスへとの歩みを一歩進めたのでした。
最後は歌のコーナー。黒沢は、かつて出演した番組「15少女漂流記」の企画でCDリリースした、久保田利伸さん作の「バイブサバイブ」を披露。長い間奏を持て余すことを心配していた黒沢でしたが、ノリノリで合いの手を入れてくれるお客さんによって予想以上に盛り上がました。そしてラストは2人でスパイスガールズの「ワナビー」を熱唱。フェスさながらのハンズクラップで会場が一体となり、イベントは終了。さらに退場時には、モニターで鬼奴による昨年の「紅白歌合戦」の中森明菜モノマネを放映。最後の最後まで笑わせてくれました。
【椿鬼奴】【森三中】【黒沢かずこ】