『劇場版ケンドーコバヤシのたまらない店2 ~関西印度化計画~』
4月24日、なんばグランド花月にて『劇場版ケンドーコバヤシのたまらない店2 ~関西印度化計画~』が行われました。このイベントは、ケンドーコバヤシが13年にわたって続けているぴあ関西版WEBの連載『ケンドーコバヤシのたまらない店』の文字どおり"劇場版"。人気カレー店主とカレー大好き芸人がカレーについて大いに語る、カレー愛一色のイベントです。
ケンドーコバヤシ(以下、ケンコバ)が"カレーなら俺に語らせろ"といわんばかりのカレー大好き芸人を続々と舞台に呼び込み、イベントスタート。博多華丸・大吉 華丸、笑い飯、MCを務める清水けんじ、そして女と男・市川が「たまらん」キャラクター、その名もたまらんくんに扮して登場しました。一通り自己紹介が終わったところで「カレーをやるなら俺にも言わせろ」と某大物アーティストがNGKに来られているらしいとケンコバ。そこへ客席通路から大槻ケンジさん風のメイクを施したレイザーラモン・RGが登場!「カレーあるある言ってしまえー!」と絶叫し、筋肉少女帯の『日本印度化計画』に載せて"カレーあるある"を一席、「大盛りにしたらルーが足りない」と謡いました。
以上の芸人がとっておきのカレー店を紹介するコーナーへ。笑い飯・哲夫は大阪・湊町の「ふら~っと。カレー家」を紹介。豚肉を一度炊いてから揚げた分厚いカツが乗った「バラカツカレー」がお気に入りだとか。ここで話題は「ふら~っと。カレー家」が位置する大阪・湊町についてシフトチェンジ。湊町といえばOCAT[大阪シティエアターミナル]ということで、しばしOCATあるあるで盛り上がりました。
和牛・水田は元職場でもある神戸・元町の「グリル一平」の名を。昔ながらの王道のカレーをピックアップし、「手ごろな値段のわりに、手間がかかっている。シンプルなカレー粉を何時間も炒めて、食べると甘味から辛味へと広がって、毎日食べらる味です。うまいとしか言いようがない」とコメント。ケンコバも「元町は洋食の町やから、レベルは高い」と納得した様子でした。
そんなケンコバは新潟駅前の「名物 万代そば」のカレーを推挙。宮川大輔との全国トークライブ『あんぎゃー』で新潟を訪れた際に初めてその味に触れ、「全国のカレーの中で一番うまかった。めちゃくちゃうまい!」と絶賛。ライブでは楽屋に差し入れがあり、テンションが上がりきったとか。カレーファンは大体知っているという「万代そば」のカレー、RGも食べたことがあるとかで大きく頷いていました。
和牛・川西は大阪・日本橋の「竹」を。「喫茶店のなんてことないカレーなんですけど、スパイスが絶妙で、家では決して再現ない味なんです!」と熱く語っていくうちに、口調が次第にテレビショッピング風に。その様も笑いを誘いました。
たまらんくんこと市川は京都・丸太町、KBS京都から程近い「茶の間」を取り上げました。「元々は普通の喫茶店だったんですが、スリランカ人の方がバイトに入って以降、"喫茶店カレー"がスパイスカレーに変わりました。今ではそれが名物になってます」。辛さは普通と辛目の2つから選ぶことができ、食後にはコーヒーのサービスも。常連になればヨーグルトも供されるそうですが、足しげく通っているはずの市川は未だヨーグルトにはありつけていないそうです。
新大阪駅のカレー店「モジャカレー」を紹介したのはRG。「ネギと肉がぼっそぼそに入ってるので、まぜまぜして。カウンターが5席しかないので、いつも満席なんです」と、実はいつも食べられないとも告白。それでも「新大阪に行くとモジャ!」なのだそう。
笑い飯・西田は東京・五反田の「ホットスプーン」を挙げました。「牛すじカレーがあって、トロトロに炊いてあります。野菜の原型もないんですけど。一日分の野菜がまるごと食べられるカレーもあって、それは見た目、台風が去った後の畑みたいに野菜がゴロゴロ入ってます」。芸人もよく訪れる名店で、「有名なところではソラシド・本坊とか、フクロトジのけん(山口健治)とか」。
博多華丸・大吉 華丸は、地元福岡の中洲にある「バークレー」を推薦。「中洲のサラリーマンの胃袋を支えてます。ハンバーグカレーとかボリュームがあって、喫茶店のカレーでは有名。ビビる・大木くんも"バークレーのカレーが一番美味い"って言ってましたね」と雄弁に語りました。
それぞれにとっておきのカレー店を紹介し、ほっこりしているところへガリガリガリクソン(以下、ガリクソン)がステージに現れ、「こんなゆっくり欧風カレーの話をしますか!?」とぶった切り。「今、大阪で何が起こっているのか知ってますか!?」と急遽、"ガリガリガリクソンのスパイスカレー講座"を開講、写真も用いてガリクソンが仕入れたとっておきのカレー事情を暴露しました。店独自の流儀ある大阪の有名店や、入手困難な品も揃える神戸のスパイス専門店、一皿1500円という滋養強壮カレーで有名な東京の名店などを紹介。また、お客さんも一緒になってのカレークイズも出題し、大いにも盛り上がりました。
そしてメインコーナーへ。「カレーちゃん家」(寺田町)、「バビルの塔」(谷町四丁目)、「デッカオ」(北新地)、「ボタニカリー」(本町)、「ゼロワンカレー」(谷町四丁目)、「Chai Chai」(南堀江)という大阪の人気カレー店主を舞台に招いての「カ・リーグ ドラフト会議」をスタートしました。出演者全員がカレーへの愛を語り、それを受けて「カレーを食べさせたい」と思った人物を各店主が指名。指名された芸人は店主自慢のカレーが食べられるのですが、店主は6名、芸人は9名、3人が指名外という過酷な運命が待ち受ける企画です。
まずは「もしこの世界からカレーがなくなったらどうするか?」というお題から。「シチューをなんとか茶色く、辛くしようとする」(川西)「カレーに代わる新しい食べ物"サレー"を作る」(市川)などといった答えが上がる中、「その辺の砂をスパイスに見立て、油で炒めてご飯と一緒に食べる」(ガリクソン)や「インド人の指をしゃぶる。もちろん女、最悪男」(西田)と大胆な回答も飛び出しました。また、「なくなってから知るカレーと親のありがたみ」(華丸)といった格言も生まれました。一方、いつもカレーが原因で女の人とケンカをしてしまうというケンコバは「やっと普通に結婚できて、子どもが作れるかもしれない」とその呪縛からの解放を夢見ました。
続いて「カレーあるある」を。
「スパイスが効いているカレー屋さんの店員は口数が少ない」(市川)「福神漬でレンコンの小さいのが入っているとうれしい」(哲夫)「カレーにおける福神漬の赤を見てファッションにおけるサシ色の重要性に気づかされる」(川西)「意外と食べない」(華丸)「カレー店によく来ている30代ぐらいのお姉さんたちは"アロマ""ヨガ"とか"癒し"とか言っているけど、いざキレたら"キーキー"うるさい」「余ったら冷凍するつもりで作るけど、余りはしない」(西田)「換気扇を強めに設置して通りに匂いを届ける」「丸スツールのカレー店でリュックを後ろに置いたつもりの学生が、後ろによくあるビールケースとイスの間にリュックが引っかかって、宙に浮いている」(ケンコバ)。
そしてあるある御大、RGは歌に乗せてカレーあるあるを披露。歌は尾崎豊の「シェリー」で、"早く言いたい"と熱唱。「お皿の真ん中にご飯があって、両端に2つの味のルーがあるカレーを頼んで、お得な感じがするけどやっぱりルーは1つの方がいい」でした。「毎回食べた後に後悔しがち」だそう。
ここでアピールタイム終了。カレー店主による「うちのカレーを食べてほしい」芸人のドラフト会議が始まりました。その結果、「カレーちゃん家」の木村さんは西田を、「ボタニカリー」の明石さんは哲夫を、「ゼロワンカレー」のまるちゃんさんは華丸を、「Chai Chai」のヴィジェイさんはケンコバを指名。「バビルの塔」の福田さんと「デッカオ」の中川さんがガリクソンを指名したため、二次選考を実施。第一希望のガリクソンを指名できたのは福田さん。中川さんはRGを射止めました。
指名されたたまらんメンバーは舞台上で調理された出来立てのカレーを味わえることに。客席にもスパイスの香りが漂い、「おいしそう!」「いいな~!」という声があちこちから上がりました。「Chai Chai」のカレーを食べたケンコバは「今やったら、このカレーと母親、どっちが大切かと言われたら母親を崖から突き落とす」と過激な表現をしつつも、その美味しさを絶賛、「カレーちゃん家」のカレーを食べた西田も「うまい!!」を連呼。「ボタニカリー」の指名を受けた哲夫も「チョベリウマ!!」と喜びを語りました。残念ながら指名されなかった水田は終始、不満げ。川西も無表情で先輩たちの背中を見つめていた。また市川はハンディカメラで大ビジョンの中継に徹していました。
最後はケンコバの「ありがとうございました!!」の一言でイベントはお開きに。スパイスの香りが会場を満たす中、その幕を閉じました。
『ケンドーコバヤシのたまらない店』
発売中
本体700円+税
ぴあ
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