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2015年6月20日 (土)

ピース・又吉、「優秀な生徒さんだった」と俳人・堀本裕樹さんにベタ誉めされて大照れ!『芸人と俳人』刊行記念囲み取材

6月20日(土)、東京・三省堂書店 有楽町店にて『「芸人と俳人」刊行記念 又吉直樹&堀本裕樹 トーク&サイン本お渡し会』が行なわれ、ピース・又吉直樹と堀本裕樹さんが囲み取材に応じました。
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今作は、2012年10月号の文芸誌『すばる』(集英社刊)よりスタートしたコラム連載「ササる俳句 笑う俳句」をまとめた1冊。初めての俳句入門として、又吉が気鋭の俳人である堀本さんに弟子入りして、俳句のレクチャーを受けるという内容で、時に厳しい堀本さんの指導を受けながら、俳句の腕を上げていく過程が描かれています。中には、20句を超える実作俳句に加えて、書き下ろしエッセイも収められており、お笑いと俳句の知られざる共通点をかいま見ることができるのも注目の点です。

学生時代から俳句に興味があったという又吉。「でも、スッとわかる句と知っている言葉なんですけど理解できない句があって。句集も買うけど、半分以上は良くわからないな、解釈は合っているのかなと思っていたので、ずっと理解したかったんです。そんなときに、この連載の話をいただいて」と、連載スタートの経緯について語ります。
元々、2人の出会いは、『東京マッハ』という堀本さんが参加されている公開句会を、又吉がプライベートで観に行っていたことだそう。「公開で句会をやるってどんな感じなんやろうと思ってたんですけど、こんなに面白いんやと(驚いた)」と俳句の面白さを再確認したそうです。
「俳句をつくるのが、最初は怖かった」と言う又吉に、「俳句の基本である五・七・五から季語、切れ字などをお伝えすることから始めました」と言う堀本さん。「又吉さんは優秀な生徒さんなので、先生役としてはすごく楽でした。吸収がすごく早いので、一を教えたら十返ってくる感じで」とベタ誉めされた又吉は、「そんなことないです」と照れまくっていました。
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「どんな句をつくられたんですか?」と問いかけるレポーターに、1つの句を挙げようとする又吉。「正確に言いたいから」と、著書を持って探しますが......なかなか見つからず。「本当に自分でつくったんですか?」などからかわれながら、『爪切りと消ゴム競ふ絵双六』という一句を紹介します。
「その心は?」と問われると「謎かけをやったつもりはないんですけど......」と笑いながら、「子供の頃、父親が紙ですごろくをつくってくれて。本当はピンみたいな駒を立ててやるんですけど、ないから消しゴムとか爪切りで代用していた。その様子を書きました」と説明。堀本さんは「消しゴムと爪切りを代用品としたところに惹かれました。双六というのは新年の季語なんですけど、(新年の季語を用いながら)消しゴムっていうちょっと俗っぽいものを俳句に問い入れたところに、又吉さんの心がにじみ出ているなと思いますね」と評価しました。
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囲み取材では、先に発表された第153回芥川賞候補に、又吉自身初の純文学作品『火花』(文芸春秋刊)がノミネートされたことに話題が集中します。
移動中の車の中で、担当編集者から連絡を受けたそうですが、「なんか複雑な名前の......文芸振興会みたいなところの方に代わります、と言われたので、すごく偉い人に怒られるんやと思って受けたら、そういうこと(ノミネートの知らせ)やったんで、"わかりました"と。辞退する方もいるみたいなんですけど、"候補になる意思はありますか?"と訊かれたので"ありがとうございます"ということで(ノミネートを受けることにした)」と、滔々と説明します。
「(ノミネートは)嬉しいんですけど、不安もあります。(受賞については)取るか取られへんかということよりも、(審査員の方々に)どういうふうに読んでいただけるんやろうという怖さや期待があるだけです」と、文学への真摯な姿勢を。「相方の綾部(祐二)さんから何か言われました?」と訊ねられると、「昨日、ネットニュースに出てたのに知らなかったらしくて。夜会ったら、携帯電話をいじりながら"俺の携帯のネットニュース、遅いんだよなぁ。お前の記事、出てるか?"って言ってました」と笑わせました。
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「お笑い芸人のイメージがなくなってきている」というようなことを散々言われるも、笑いながら「ちゃんとやってますよ!」とキッパリ宣言。訝しがる報道陣に、「じゃあ、告知を。毎月、ルミネtheよしもとの舞台に何回かピースとして出ています。ヨシモト∞ホールでは毎月『実験の夜』という自分主催のライブをやっているので、来てください」とアピールします。よしもと幕張イオンモール劇場などといった、よしもとの常設劇場の舞台出演ほか、週日替わりで曜日担当レギュラーがトークを繰り広げるバラエティ番組『ラジオな2人』などにも出演中のピースですが、2人で活動している印象が薄いようで「コンビでの活動はどれくらいですか?」などの質問も。「6~7割は、コンビで活動していますよ」と丁寧に返答していました。
「小説も俳句も表現のひとつ。漫才、コント、一発ギャグ、モノマネ......そういうジャンルのひとつです。思いついたことをノートに書いているんですけど、コントとかにならへんものが俳句のもとになったり、小説のもとになったり。そういうのはあるかもしれないですね」と芸人としてのスタンスを崩さず、冷静に語りました。
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同書は、今から俳句を始めたいという人にはもってこいの1冊。「入門書にも俳句の世界の言葉が使われているので、ちょっとわかりにくかった。けど、これを読めば(俳句を)始められるのでは」と言う又吉に、堀内さんは「又吉さんが"これはモノボケに似てますよね"とかお笑いに置き換えてくれたので、俳句が優しく伝わりました」と伝えます。
「ぜひ俳句をつくりながら読んでほしいですね」(又吉)「歳時記をお手元に置いて読んでもらえると、さらに面白いと思います。また、2年半で成長する又吉さんも感じられると思うので、"又吉直樹成長物語"としても読めます」(堀内さん)とアピールする共著『芸人と俳人』は、現在発売中です!
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●書籍情報
芸人と俳人
著者:又吉直樹、堀本裕樹
価格:1300円(税抜)
発刊:集英社



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